No.561789

恋姫無双・異端録3 楼桑村編1

fryttoさん

本編開始です。楼桑村は山村になっているので気をつけてください。
なんか何故かそんなイメージだったので。
シンプルシリーズ
THE・駄文 \0
あまりにも中身がなさすぎて悟れるかもしれないSSはっじまっるよー

2013-04-02 00:59:14 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1066   閲覧ユーザー数:945

───天乱れ世が乱れる時、一つの流星飛来せり。

             其は大陸を遍く照らし安寧へと導くであろう。───

 

その日。ひとつの流星がひとつの山村に落ちた。

 

一刀が目を覚ました時、最初に見たのは桃色の髪をした綺麗な女性だった。

「あ、良かった~!目覚めたんですね!・・・外に倒れてましたけど、どこか具合が悪いところとかありますか?」

 

大きな眼で上目遣いに問う姿に内心ドキっとしながらもいくつか疑問が浮かんだ。

(何処だ此処・・・?さっきまでの場所は・・・?倒れてた・・・ってことは保護してくれたのか。で、目の前の別嬪さんは誰?ご褒美?頑張った自分にご褒美なの?信じない神様も信じちゃうよ俺!・・・っと。冗談はさておき、取り敢えずは・・・)

 

「ん・・・大丈夫のようです。えっと・・・ここは?」

(電球がない・・・電気がないのか?間接照明・・・ってわけじゃなさそうだな。板張りの床・・・か。それにベッド・・・いや、寝台というべきか。古めかしい・・・が、その割に服飾のレベルは高いが・・・)

 

「ここは楼桑村だよ!えっと・・・あなたはどこから来たのかな?」

なにか探るような、それでいてなにか期待を込めたような顔で訪ねて来る。

 

何を期待されているのか、一刀は当然ながら理解できない為素直に答えるが

「どこって・・・あー。東京ですけども・・・申し訳ありませんが、楼桑村ってどこでしょうか?何県でしょうか?」

 

相手の言った地名がわからないのだ。地理に明るい・・・というわけでもないが生活圏内の地名は流石に解る。解るが・・・

(知らない地名・・・寮に帰れるかね・・・いや、その前にどっちだ?天正か?平成か?・・・俺はどっちだ?)

「東京・・・?ココは涿県だよ?」

(涿県・・・?何処だ?県ってことは平成?でも涿って・・・日本じゃない?でも喋ってるの日本語だしなぁ・・・名前でそれっぽいのは・・・中国か?あ、名前!自己紹介もしてないわ。)

こちらが日本人だと知っていて特別流暢な人が対応してるのかもしれない。

「申し訳ありません。自己紹介もしていませんでしたね。俺は北郷一刀と申します。不躾ですが、名前を伺っても宜しいですか?」

名前を聞けば大体わかる。そう判断した一刀は名前を聞いてみることにした。

 

「あ!ごめんなさい。わたしは劉備。字は玄徳だよ!あ、それと年も近そうだし、敬語はやめてほしいかな。」

ふわり。と春の日差しのように微笑むと(自称)劉備さんはそう言った。

「ん、そうか。ありがとう。そうするよ。」

と思わずつられて微笑みながら言いつつ考える。

(いやいやいやいや。劉備って。あー。偽名?そりゃ怪しいもんなー。ん・・・?)

 

「劉備ちゃんや。倒れてた子は起きたかね?」

入口から体が大きくガッシリした初老の男性が入ってきた。

「簡雍さん!はい、今起きたところです。」

どうやら目の前の別嬪さんの名前は本当に劉備らしい。

(時代と場所を超えたってこと?空調も電気もない。家の作りも日本のそれとは違う。水墨画で見る中国の家屋っぽい気がしないでもない。それに、あの開いた扉の先・・・そんなこともあるんだなぁ・・・)

「おぉ~。そうか、そうか。お客人。どこか宛はあるのかのぅ?この村には宿もないからなぁ」

 

劉備がえらくこちらを気にしている様だ。お茶を淹れに席を立ったようだがコチラをチラチラと見ている。

「あぁ、いや。気がついたらこの地にいたという感じで・・・周辺の土地勘も何もないんです。薩摩や東京なら解るのですが・・・」

土地勘が無いと聞いた辺りからだんだんと劉備の顔が嬉しそうに明るくなるのを見て、釈然としない気持ちを持ちながらも一刀は隠しても益にならないと判断し、素直に話していた。

 

(さて、どうするか・・・)などと考えていると、簡雍は

「薩摩に東京・・・聞いたことのない村名ですなぁ。・・・どうかな、劉備ちゃん。この方の面倒を見て差し上げては。男手の宛ないだろ?」

などと言い始めた。一刀は慌てながら

「それは正直うれs・・・もとい。流石に素性の知れない人間を女性と一緒に住まわせるなんて不味くないですか?それに”男女七歳にして席を同じうせず”と申しますから・・・」

と必死に説得するもののお茶を淹れて戻ってきた劉備に

「わ、わたしは・・・い、良いです・・・よ?」

と言われ何も言えなくなった。

「はっはっは。若いなぁ。それになお客人。」

そこまで言うと簡雍は一刀の耳に口を近づけて。

「手、出すなら出してもいいぜ?責任はとってもらうがな。若いのも子供の数も少なくてなぁ・・・」

などと言い出した。恐るべし村社会。

 

「そうだな・・・わしは簡雍。字は故あって棄てた。わしの真名は憲和だ。よろしくな?」

村に住むにしろ、国を探して帰るにしろ暫く村に厄介になると判断した一刀は自己紹介を交わすことにした。そこで、先に名前を伝えたのだが聞きなれない”真名”という言葉に一刀は

「すいません。真名・・・って聞いたことないのですが、なんなのですか・・・?」と、簡雍に質問した。

 

「ふむ・・・?真名を知らぬ・・・か。真名はな?言うなれば自分が自分たる証よ。自分という存在を構成するモノといっても良い。この真名を預けるというのは自らの命を預けるのと変わらぬ。信頼の証と言うやつだ。・・・あぁ。ないとは思うが・・・預かってない人の真名を呼ぶのは最大級の侮辱になる。首を切られても文句は言えぬぞ?それほど真名という存在は重いんじゃよ。」

奇習だとは思ったが、天正の時代も命の軽さについてはそう変わったものではなかったことに気がつき納得した。が、そこで新たな疑問が生まれる。

 

「何故、そこまで俺を信頼してくれるのですか?あったばかりで、自分で言うのも何ですが胡散臭くないですか?」

そうなのだ。信頼するほどの理由も裏付けもない。信頼する情報すらない状態なのだ。言っては悪いが、それほど重いものならば迂闊に過ぎる。その言葉に簡雍は

「確かにな。ともすれば迂闊・・・と取られても仕方のないことだがな。ヌシがワシらに悪事を働く理由もないしな。それにこれでも人を見る目は有るつもりでな。劉備ちゃんも懐いているようだしなぁ。あんな顔をした劉備ちゃんは初めてm・・・」

「か、簡雍さん!・・・もうっ!」

慌てて劉備が止める。話の続きが気になるところではあったが、簡雍の勧めもあり劉備も特に問題ないとのことだったので、再び劉備と自己紹介をすることになった。

「そ、それじゃ改めて。わたしは劉備。字は玄徳。真名は桃香っていいます。桃香って読んでくれると嬉しいな。よろしくねっ。」

「俺は北郷一刀。姓が北郷で名が一刀だ。字も真名もない。親しい人は一刀って呼ぶからそう呼んで欲しい。こちらこそよろしくなっ。」

(どうも・・・不可思議なことに陥ったみたいだけど、なってしまったものは仕方がない。生きていかなくてはならないのだから早く馴染んでしまったほうがいいな。)

真名を預かり、流されながらではあるものの共同生活をすることになった一刀はそう決意すると簡雍と桃香と共に楼桑村で暮らしていくことを決めたのだった。

はしがき

 

やっと本編ですね。まだ黄巾の乱もはじまっていませんが

桃香をやっと出せた感じです。

 

オリジナルは出せないと思っていたのですが気がついたら簡雍さんInしてました。

うぅむ・・・どうすんべ。初老のナイスミドル設定ですが

老骨に鞭打って(強制的に)頑張ってもらうことにしましょう。

 

このキャラは、こんなこといわねーよwとか思うところは多々あるとは思いますが

お目こぼしいただければと思います。

 

これから先一刀にはどんなことが待ち受けてるのでしょーか!

次回もお付き合いいただければと思います。


 
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