No.550743

魔法少女リリカルなのはAfter ダメ人間の覚悟

makeさん

その後 なのは達の決意

2013-03-03 07:46:41 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:8600   閲覧ユーザー数:7534

恭也 Side

 

 

ココは父さんが経営している『翠屋』、今ここには俺の妹・なのはとハルカ達と中村夫妻とプレシアさんとリニス、リンディさんも響子の母親もが来ている・・・・・・のだが、とても楽しくお茶をする雰囲気とは言えない。

 

恭也「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

全員「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

皆この店に来てからこの有り様だ、皆顔を下に向けて酷く落ち込んでいるのが分かる。

 

そしてその中に見慣れた男がいなかった・・・・・・原因はアイツだろう。

 

 

『井上 透』

 

 

透が居なくなったのを知ったのはついさっきだ、さっきまでアイツはこの店で手伝いをしてくれていた・・・そのアイツが。

 

教えてくれたのはハルカ達だ、俺達はなのはが心配で不安に駆られてた時透が真っ先に駆け付けて行ったが、帰って来たのは透以外のなのは達だった。

 

帰って来た当初は全員生気が感じられなかった、なのはに至っては自分の両手を見ているだけで放心状態だった。そこへクロノがこんなことを言い出した。

 

クロノ「こんな時に言うことじゃないのですが、この映像を見てください・・・・・・これが今回の透が消えるに至った事件です」

 

クロノがなのは達が関わった事件の映像を持って映し出した、どーやら立体映像のようだった。

 

リニス「っ!!」

 

しかしそこには俺達の想像を絶するものが映っていた、謎の巨大生物になのは達が窮地に立たされていた時、透がなのは達を助ける為謎の巨大生物に突っ込んだ・・・・・だがそこからの透はいつもと違っていた。

 

見た事の無い姿へと変貌した、その姿での戦闘は圧倒してはいたがいつもの透の戦い方では無かった、透とあの巨大生物がビームのようなものを放つと透の力が勝り巨大生物に押し勝った、そして透のあの奇妙な姿が解けると透の腹部に何かが刺さったと思ったら謎の巨大生物が立ち上がった。更にその後ろには妙な空間が出現した。

 

透は手を顔に置いたと思ったら突如仮面が出て来た、そして謎の巨大生物と共にあのブラックホールのような穴へと入っていったがなのは達が透の手を掴みなんとか踏ん張っていたが、透の目を注目してみるとあいつは『輪廻眼』になっており、突然透の手がなのはの手を離れ透はあの奇妙な空間の中へと入っていった。

 

クロノ「・・・・・・ここまでが今回の事の顛末です」

 

クロノがそう言うと再び店内に沈黙が流れた、だが破るものが居た。

 

アリサ「そうだリニスさん!リニスさんなら分かるでしょ?!透と契約したんだったら透がまだ生きてるって!」

 

リニス「すみませんが分かりません、実はプレシアと再会してすぐに透との契約を辞め、プレシアと再契約することになったんです」

 

すずか「で、でもそれだとまたプレシアさんの体調が・・・・・」

 

リニス「以前ならそうでしたが、前のはやての時に透とプレシアが作ったこの装置・・・・コレがあれば契約者からの魔力を節約することが可能になりますから」

 

アリサ「そ、そんな・・・・こんなのデタラメよ!!こんなので私が信じるとでも思ったの?!」

 

すずか「アリサちゃん・・・・・」

 

アリサ「大方、透が仕掛けたドッキリなんでしょ?ほら!出て来なさいよ透!!アンタの企みなんて失敗「アリサちゃん!!」・・・・すずか」

 

すずか「もぉ・・・止めよ・・・・・・・・・悲しいのを誤魔化したいのは分かるけど、そうすると余計に辛いよ」

 

アリサの行動を諫めようと忍の妹・すずかが止めに入った、すると2人の目から涙が零れ落ちた・・・・・いや、この店にいるほとんどの人間が・・・・・特に透と親しかったなのは達は泣いた。

 

はるか「響ちゃん・・・・・透君、戻ってこないのかな?・・・・ぐすっ」

 

逢「うっ!・・・・ひっく・・・・・先輩・・・・・」

 

響「っ!・・・・・はるか・・・・七咲」

 

なのは達の通っている学校の先輩後輩も同様だった、あの映像を見せられてもすぐには信じることが出来ないのは仕方のない事だと俺は思った。

 

しかし皆が泣いている中、突然ハルカが立ち上がってとんでもない事を言い出した。

 

ハルカ「・・・・さってと!私はもう行くわね?そろそろ帰って休みたいし」

 

はやて「ちょっと待ってやハルカちゃん、それはあんまりとちゃう?皆落ち込んどるんやで・・・・・心配やあらへんの!?透君がおらんよぉになって・・・・・・

 

ハルカのあまりの態度にはやてがハルカに詰め寄った。

 

はやて「それにや、なのはちゃんと響子ちゃんを見てみ・・・・・なのはちゃんに至っては相当キツイで」

 

なのははまだ自分の両手を見て落ち込んでいた、あの映像から見ても誰もなのはが透の手を離したとは言えないだろうが・・・・・・・・・なのはは自分を責めているのだろうか。

 

ハルカ「ハァ・・・・今更さぁ落ち込んだところで透が戻ってくるわけないじゃない・・・・・・それとなのは!アンタに言っておくことがあるわよ!」

 

突然ハルカがなのはの前に立ち、そしてなのはの胸倉を掴んで無理矢理なのはを立たせた。

 

恭也「ハルカ!待「恭也!」・・・父さん」

 

ハルカ「なのは、アンタいつまでそーしてるつもり?もしかしてアンタ、自分の所為で透が虚数空間に入ったと思ってるの?」

 

なのは「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

ハルカ「・・・・・だんまりね、自惚れてんじゃないわよ!!アンタ一人で助けられる問題じゃ無かったでしょ!?・・・・・それにねぇ・・・」

 

ハルカはなのはの胸倉をゆっくりと離して、今度は自分が下を向いた。

 

ハルカ「あの時の責任を感じてんのはアンタだけじゃないのよ?私だって・・・いいえ、皆が感じてんのよ」

 

ハルカがそう言うと皆思いつめた顔をしていた。

 

ハルカ「あの時何で私のレアスキルで壁を作ってなかったのか・・・・もうちょっと機転を利かせたらこんなことにならなかったってさっきから思いっ放しよ!」

 

なのは「・・・・・・・・ハルカちゃん」

 

ハルカ「でもね・・・・・・そんなこと考えたって意味が無いのよ、『後悔先に立たず』って言うでしょ?今後悔してもしょうがないの、だったらどうする?今を・・・・・これからどうするかを考えないとダメでしょ!?」

 

なのは「・・・・・・これから」

 

ハルカ「私は偉くなる、偉くなって色んな所に行ける権利を取ってやるわ・・・・・・・それに透が死んだなんて誰にも分からないんだから・・・・・そうでしょ?クロノ、ユーノ」

 

クロノ「確かに虚数空間からの死亡説は無いが・・・・だが誰もそこから脱出した何て報告は今まで管理局内でも無かったぞ!?それに死亡説は出てはいないが、実質死亡してるのと変わりないんだ!?」」

 

ユーノ「うちの無限図書にもそんな例は無いし、方法も無いよ・・・・それにそんなの前代未聞だよ!」

 

ハルカ「だったら入った本人が『漂流』するってこともあるかもしれないのよね?それにねユーノ、何事も初めては前代未聞なものよ」

 

クロノ「・・・・・何を無茶苦茶な事を」

 

ハルカ「とにかく、私は早く偉くなる為に自分の部隊を作るつもりよ、その為には遠征隊に入るわ」

 

クロノ「え、遠征隊だと?!確かに遠征隊だと出世しやすいと言われてはいるが、同時に死の危険性だってあるんだ!!とてもじゃないが普通の人間が自ら志願していくような場所なんかじゃないんだ!!」

 

ハルカ「だけどここに、志願していく馬鹿がいるじゃない・・・・・お父さんお母さん、ごめん・・・・・私の我儘でそんな危険な所に行くことを勝手に決めて」

 

中村父「・・・・・・いや、お前が決めたことにいちいち口出しするほど・・・・・・親馬鹿じゃないさ」

 

中村母「でもこれだけは約束して・・・・・ちゃんと生きて戻ってくること」

 

ハルカ「当たり前じゃない、透と会えないまま死ぬなんてそんなこと絶対にしたくないもの!」

 

ハルカは笑顔で中村夫妻に言った、皆が落ち込んでいる中ハルカだけが笑顔で自分の決めた道に進もうとしている・・・・・・いや、それはハルカだけではないようだ。

 

はやて「待ってハルカちゃん、部隊のことやったら私に任せてくれへん?」

 

ハルカ「はやてに?」

 

はやて「まさかハルカちゃんがそないなこと考えとったとは思わんかったけど、そんなことハルカちゃんだけにさせるわけないやん!私だって・・・・ううん、『私等』だって透君に会いたいんやもん!!」

 

シグナム「あぁそうだとも!!」

 

ヴィータ「私は全然諦めてねぇぞ!」

 

シャマル「絶対、見つけるんだから!」

 

ザフィーラ「我も力を貸そう」

 

リインフォース「透は私の命の恩人でもあるんだ、何も返せないままではな!」

 

リインⅡ「リインもお手伝いするですぅ!!」

 

アリシア「お母さん、私も皆と頑張りたい!」

 

プレシア「・・・・・・もうあなた達は子供じゃないんだから、自分の足で・・・自分の頭で行動しなさい」

 

フェイト「うん!!」

 

アルフ「もちろんアタシもやるよ!!」

 

すずか「クロノ君、管理局には魔力を持った人じゃないと入れないって決まりは無いよね?」

 

クロノ「あ、あぁ・・・・・無いはずだが、実際うちのクルーにもいるんだが」

 

すずか「じゃぁ私皆の部隊の専属技術士になるよ!!」

 

クロノ「それは技術官の事を言ってるのか?・・・・・だがあそこの入る試験は半端じゃないとマリーが言ってたような・・・・」

 

すずか「プレシアさん!デバイスの事なんかを教えてください!」

 

シャルル「あ、僕もお願いします!」

 

クロノ「お、おいお前達」

 

アリサ「新しい武器なんかを作るのにスポンサーが必要でしょ?民間の技術会社とかを立ち上げてアタシとシャルルがサポートしてあげるわ!」

 

はるか「あ、私も協力するわ!」

 

響「あの、医療関係の部署ってあるんですよね?」

 

シャマル「あるけど、魔法系の医療がほとんどよ?」

 

響「構いません、私自身医者になる事が夢でしたから普通の治療が出来るのも必要だと思うんです」

 

逢「私も精一杯お手伝いします!」

 

皆共通の目標を掲げそこに向かって突き進む、俺はなのはの方を向いた。

 

恭也「なのは、お前はそのままでいるのか?」

 

なのは「・・・・・・・お兄ちゃん・・・・」

 

恭也「お前だけこんな所で立ち止まるのか?透を探すと皆が言ってる中、お前は何もしないのか?それを透が望んでいると?」

 

なのは「・・・・それは」

 

恭也「お前はこれまでも、そしてさっきでも透に助けられてばかりじゃないか・・・・・・今度はお前がアイツを助けてやる番じゃないのか?」

 

なのは「・・・・・・うん、そうだね・・・・ありがとう!お兄ちゃん!」

 

なのはは先程までとは変わった顔つきとなった・・・それでこそ俺の妹だ。

 

なのは「ハルカちゃん・・・・・私もやるよ!私も透君を見つけるの!」

 

ハルカ「・・・・そぉ、でも半端な覚悟じゃぁアイツは見つけられないわよ?わかってるの?」

 

なのは「うん!何が何でもって感じだよ!」

 

ハルカ「いい覚悟ね、じゃぁアンタもアンタで頑張んなさいよ!」

 

なのは「うん!!」

 

忍「・・・・やっと妹離れ出来たのかな?」

 

恭也「いつまでもと言うわけにはいかんだろ?」

 

忍「じゃぁ透君になのはちゃん達の事を任せるんだ?」

 

恭也「それは違うぞ、アイツが戻ってなのはにプロポーズする時は俺が相応しいかどうかを決める!」

 

忍「前言撤回、まだまだシスコンね・・・・・それよりアッチの子はどーなのかしらね」

 

忍が別の方に顔を向けると、そこには響子がいた。響子は未だ顔を伏せた状態だった、そこへ響子の母が響子に近寄った。

 

緋村母「響子、私はあなたに何かを言うつもりはありませんが・・・・どうするつもりですか?」

 

響子「・・・・・・・・・・」

 

緋村母「皆さんは透君の為に一丸となって成そうとしているのに、あなたの透君に対する気持ちはその程度ですか?」

 

響子「・・・・・・・・・・」

 

緋村母「緋村家の人間であれば、一人の男性の為ならばどんな事をしてでも奪いなさい!」

 

忍「とんでもないお母さんだね・・・・・・」

 

響子「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハルカさん」

 

ハルカ「な、何?」

 

響子「その遠征隊・・・・・・・私も同行してもいいですか?」

 

ハルカ「え・・・・えぇ、一人でも知り合いが居れば助かるし・・・・でも急にどうしたのよ?」

 

響子「私だって・・・・私だって透さんのこと助けたいに決まってますよ!だったら偉くなるしかないって思ったんですよ!」

 

ハルカ「そ、そう・・・分かったから少し下がってくれない?顔近いから・・・・・・・」

 

先程まで落ち込んでいた響子迄もがやる気を出して立ち上がった・・・・・・ハルカを引かせるほど。

 

クロノ「おいお前達!そんな簡単に言うけど、部隊を作るなんてそんな簡単じゃ「クロノ」母さん」

 

リンディ「いいじゃない別に、皆が一つの目標に向かって立ち上がったのを止めるなんて無粋ってものよ」

 

クロノ「いやしかし、アイツ等がやろうとしている事は・・・・・」

 

リンディ「それこそあの子達は承知していると思うわ、あの子達も何のリスクも無しに透君を見つけようとは思っていないでしょうからね」

 

クロノ「・・・・・・ハァ」

 

クロノは溜め息をつきながらなのは達に近付いた。

 

クロノ「君達だけじゃぁとても心配だ、だからというわけではないが及ばずながら僕も協力しようじゃないか」

 

ユーノ「僕も司書だけど資料くらいなら何とか協力できるよ」

 

クロノもユーノもなのは達に協力する気満々といった感じだ・・・・・まぁアイツ等はなのは達の幼馴染でもあるからな・・・・・。

 

忍「・・・・・大丈夫そうね」

 

恭也「あぁ、そうだな」

 

忍「これで私達も気兼ねなく結婚できるわね♪」

 

恭也「そ・・・・・そうだな」//////////////

 

忍は俺にもたれ掛るようにして聞いてきた、まったくそんな恥ずかしい事をよく平気で言える。

 

忍「ただ・・・・・透君がいないのはやっぱり寂しいわね」

 

恭也「・・・・・アイツが戻ってきた時に改めて祝福してもらえばいいさ」

 

忍「恭也・・・・・・それもそーね!」

 

 

リニス「・・・・・・・・・・・・」

 

プレシア「・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

Side Out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プレシア「リニス・・・・・大丈夫なの?」

 

リニス「はい・・・・・・・まさか、アレを見ることになるとは思いませんでしたので」

 

プレシア「じゃぁ・・・・・アレがそうなの?」

 

リニス「はい」

 

プレシア「ハァ・・・・・・あの子達には言えないわね」

 

リニス「えぇ・・・・・・今はまだ言うべき時ではないでしょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

はい今回はAfterのその後の話、というかなのは達のその後の話となりました。

 

ちなみにリニスが言っていたのは、A'sの時持っていた特殊ペンダントの事です。あの時すでに透との契約を解除していたんです!・・・・・・その話をしなくて申し訳ありませんでした。

 

この話でなのは達が機動六課設立のきっかけになった感じですね、そして最後のリニスとプレシアが話していたのは一体何だったのでしょうかね?とてもとても気になりますね。

 

さて今回は2連続投稿させてもらっております、なので次回はSts前日譚の続きの話とさせてもらいます。次回は透がある研究所に殴り込みをかける話です。

 

そして透とジェイルの新たな名前が出ます、透に至ってはコードネームのようなものです、なのでごっちゃになるかもしれませんのでご注意を。

 

 

 

 

 

あとこの話でアリサが言った民間の技術会社の話は実際は出来ないと思いますが、そこはあまり触れないと言うことで・・・・・お願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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