No.548927

.hack//SAO アインクラット編第一話

十六夜さん

ハセヲがSAOに参戦小説でございます。

注意*作者による性格改変、キャラ崩壊や時系列の変更等が入りますので気になる方はブラウザバック!

2013-02-26 16:08:29 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:5139   閲覧ユーザー数:5043

「三爪痕(トライエッジ)を知っているか?」

――『The World』“死の恐怖”PKKハセヲ――

 

―――『ソードアート・オンライン』正式サービス開始2週間前。

 

 

 

 

「……ハセヲ!もう、ちゃんと聞いているの?」

 

その声に意識を取り戻す。

どうやらボケっとしてたみてぇだ。

 

「ワリィ…パイ。いや、佐伯サン」

 

「まったく。ハセ……じゃない、三崎君。アナタも大学生なんだかもっと…」

 

                ザ・ワールド

「はいはい。あんたも口煩いのは『The World』の頃から変わらねぇのな」

 

「…!」

 

目の前でかなりご立腹の女性。

 

サエキレイコ

佐伯令子。

元は《CC社》のシステムエンジニアで『The World』のAIDAや未帰還者の調査を行ってた。

PC名は《パイ》

確か、このPCは兄貴の残したヤツだったとかなんとか。

詳しくはあんまり知らねぇ。

 

「で?…今日こんなとこに呼び出した理由は、お仕事絡み?」

 

とあるホテルのラウンジを見渡しながら、俺は尋ねる。

 

「えぇ。私がCC社を辞めたのは知ってるでしょう?」

 

「あぁ…。今はネットワーク監視機関だかで働いてんだろ?」

 

「そう。《NAB》で働いているわ。で、今日の本題はその関係なのよ」

 

「ふーん」

 

パイが《CC社》を辞めると聞いた時はそれなりに驚いた。

アレだけ兄貴の死の原因追及に躍起になってたのにな。

            ・・・・

何があったか知らねぇが、あんな顔で「もう良い」何て言われたら何も言えなくなっちまうぜ。

そんな事を考える俺に向かってパイは姿勢を正し、話を切り出す。

 

 

          仮想大規模オンラインロールプレイングゲーム

「アナタ、今度発売される『VRMMORPG』の話知ってる?」

 

「あぁ・・・アレだろ?《完全ダイブ》が売りのヤツ」

 

「そう。『ソードアート・オンライン』このゲームの正式サービスが直に始まるのだけれど…ねぇ、三崎君。アナタこのゲームをプレイしてみない?」

 

「・・・・・・・・・何で俺に?」

 

「そうね。理由は簡単。私の知り合い、勿論プライベートね・・・で、ネットゲーマーで暇そうなのがアナタだからよ」

 

「暇そうって・・・」

 

少しばかり顔が引き攣ったのはしょうがねぇと思う。

そんな俺の様子にパイは少し笑うと、

 

「まぁ、真面目な話・・・私も今の機関ではまだまだ新人の部類だし、自由に使える部下も居ない。でも《NAB》のお仕事は待ってくれない。正直、猫の手も借りたいくらいなのよ」

 

「・・・俺は猫の手か」

 

まぁ、分からない話でもない。

いくら《CC社》ではそれなりの立場のエンジニアだったとは言え、それは過去の話。

今の職場じゃペーペーだしな。

 

「で?…三崎君はこのお話受けてくれるの?」

 

パイの言葉にに俺は少し考える。

大学も4年目に入ると、やることは就職やら卒論の事ばかりで『The World』を引退してからは昔ほどネットゲームもしていない。

パイの言う通りそれなりに暇なのは事実だ。

 

「あぁ…いいぜ、その話乗るわ。確かにここんとこ暇だったし。噂の《完全ダイブ》を体験するのも悪くねぇ」

 

「そう。助かるわ…受けてもらえるとは思っていたけれど。ハセヲは何だかんだ面倒見良かったし。口は悪かったけれど」

 

「うっせ!ほっとけ」

 

昔…『The World』の話を持ち出されると正直キツイ。

厨ニ病全開の俺を思い出すからだ。

あの頃はがむしゃらで、周りの事なんかどーでもよかったが、今になって思えば相当に「痛いヤツ」だ。

ま、それがあって今の俺が居るんだから悪いことじゃねぇ。

 

「それで…お仕事の内容は?何するんだ?」

                                                        ・・・・

「そんなに難しい事じゃないわ。三崎君には『ソードアート・オンライン』をプレイしてもらって、その感想が聞きたいの。あの事件を潜り抜けたアナタの眼でこのゲームを見てもらいたいのよ」

 

「ふーん?俺はただの大学生で、素人なのに?」

 

「よく言うわ…『The World』を救った英雄じゃないの」

 

「やめてくれ。俺はただのガキで、皆の力が無けりゃそこ等辺でくたばってたさ」

 

そうだ。

俺一人じゃ志乃を助けることも出来なかった。

仲間が居たからこそ、俺は未帰還者達を助けてクビアと言う化け物すら倒せたんだ。

 

「そうね。…でも、アナタが居たからこそ『The World』は救われた。私はそう思っているわ」

 

「そっか…サンキューな」

 

俺が礼を言うと、パイは少し眼を見開き微笑んだ。

 

「じゃ、詳しくは近いうちにまた話しましょう」

 

「そーいや、俺《完全ダイブ》用のインターフェイスとか持ってないケド?」

 

「あぁ、それなら安心して。こっちで準備してあげるから」

 

「りょーかい。んじゃ、楽しみに待ってるわ」

 

ラウンジの支払い(パイ持ち、正直助かる)を終えたパイは、「期待してて」と言いながら仕事に戻っていった。

それを見送り、

 

(さて、それじゃ…とっとと卒論を終わらす準備するかな)

 

俺は、まだ見ぬVRMMORPGに思いを馳せつつ帰路を急いだ。


 
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