No.540030

仮面ライダー 打ち砕け! 暗黒魔術師の野望 10

前回本郷猛は自身の事情を桃香達に話す。
彼の事情を知った彼女達は初めは申し訳ない気持ちに
なるも、本郷が自分を人間として認めた事を嬉しく思った
と聞いて、改めて自分達の世界を守るために戦う事を誓う
のであった。

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2013-02-04 19:34:19 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1336   閲覧ユーザー数:1312

義勇軍、反撃を開始するのこと

 

 

(ル・ル・ル~ルルルルッ!『アイキャッチ 新一号』)

 

その頃、ゲルショッカー三国時代支部では、ゲルショッカーの技術、暗黒魔術師の妖術に

 

より新たな怪人が生み出されていた。

 

そしてその虎とゾウガメを合成した新怪人、トラゾウガメはゆっくりと起き上がり、不気

 

味な鳴き声を上げる。

 

トラゾウガメ

「グルルルルル・・・・・・」

 

暗黒魔術師

「遂に完成いたしました。首領これが新しい怪人トラゾウガメです。」

 

その時、ゲルショッカー首領の不気味な声が響き渡ってきた。

 

(ピイン・・・・ピイン・・・ピイン・・)

 

ゲルショッカー首領の声

「トラゾウガメ・・・・お前の作戦内容は何か答えろ」

 

トラゾウガメ

「仮面ライダーの抹殺・・・・そして黄巾党に協力し、奴らにはむかう人間共を皆殺し

にする事です。」

 

ゲルショッカー首領の声

「よろしい・・・では貴様の能力のテストをさせてもらう。つれてこい」

 

その時、基地の扉が開き、そこからゲルショッカーの戦闘員、そして彼らに捕まった

 

民間人の男が入ってきた。どうやら、偶然この基地を見つけてしまい、戦闘員に捕まった

 

ようだ。

 

「うわああああああっ!や、やめろ! 助けてくれえっ!」

 

ゲルショッカー首領の声

「この男は我々の基地を見つけ中に潜入してきた。貴様の能力を試すのにちょうどいい。」

 

「た、頼む。誰にも言わないから・・・・見逃してくれっ!」

 

暗黒魔術師

「往生際悪いですね。トラゾウガメ・・・貴方の口から出る炎はあらゆる物を焼きつくしてしまう強力な武器です。その威力を試す為にこの男を殺しなさい!」

 

「ひ、ひいいいいっ!やめてくれ なんで俺がこんな目に・・」

 

その時、男の前に化け物が立った瞬間、トラゾウガメは口から炎を吐きだす。

 

トラゾウガメ

「ガアアアアアッ!」

 

「ぎゃあああああああああ・・・・!」

 

トラゾウガメが吹いた炎は一瞬にして男を包み込み、焼き尽くしてしまった。

 

そして男だった黒い灰も消え去ってしまったのである。

 

トラゾウガメ

「グルルルルル、ここまで威力があるとはこれならライダーに勝てる!」

 

暗黒魔術師

「はははっ!期待してますよトラゾウガメ。明日の戦いで黄巾党が追い詰められたとき

貴方が出て暴れ回れば、本郷もライダーにならざるを得ないでしょう。」

 

トラゾウガメ

「だが奴の必殺技「ライダーキック」にどう対処すればいい?暗黒魔術師

首領からは、奴のライダーキックで俺の仲間が何百人も葬られたと聞いたぞ」

 

暗黒魔術師

「心配ありません。貴方はトラとゾウガメの合成改造人間です。トラの力と

亀の甲羅の防御力の前ではライダーといえども歯がたたないはずです」

 

トラゾウガメ

「グオオオオオン! それを聞いて安心したぜ」

 

こうして、ゲルショッカーの新怪人トラゾウガメはライダーを倒すため

 

そして黄巾党を利用して混乱した世の中にするため、戦場へと赴いた。

 

翌日、ゲルショッカーの怪人が衝撃した町から少し離れた所にある黄巾党

 

のアジト。そこから千を越す先進隊が一斉に以前襲撃した町へと向かっていった。

 

しかし、彼らは知らない。本郷猛の演説で人々の士気が高まり、愛するものを守る為

 

死ぬ気で戦う気になっていたこと。そして自分達よりも質の悪い地獄の軍団に踊らされて

 

いる事に気づこうともしなかった。

 

町に近づいた時、一人の黄巾党がある事に気づいた。

 

「お、おい・・・あれなんだ?」

 

「あんっ?」

 

その男が指さす方向を他の黄巾党の男達がみると、そこには何と町の人間達が

 

桃香、愛紗、鈴々、そして英雄「本郷猛」の指揮の元、全員、武装し自分達を

 

待ち構えていたのだ。

 

「な、なんだ!」

 

「あいつら、俺たちとやり合う気か?」

 

「以前の奴らとは違う? 何があったんだ!」

 

黄巾党の男達は驚愕する。今自分達が襲撃しようとしていた人間達は以前とは

 

違うことが分かっていたからだ。そして彼らは自分達をもう恐れておらず、むしろ

 

今まで苦しめられた分、憎悪を込めた目で自分達をみていた。

 

そして、一番中央に立っていた愛紗が青龍偃月刀を天に掲げ、兵士達に一斉に合図をする。

 

愛紗

「聞けっ!義勇軍の兵士達よ!遂に奴らから平和を取り返すこの時が来た!

これ以上、奴らの悪行を許してはならない!我らは奴らを一人残らず、殲滅

するのだ! そしてこの戦いに勝利すれば我々は英雄としてこの大地に名を残す

であろう!さあ行くぞ!友を、愛する者を守る為にっ!」

 

「うおおおおおおおおっ!」

 

愛紗の演説に兵士達は一斉に叫び、士気を上げていく。

 

黄巾党達はこれを見て一瞬ひるんだが・・・・・

 

「・・・・へっ!構うことはねえ!数だけならこっちが上だ!いくぞてめえら!」

 

「おおっ!」

 

状況をよく理解していない彼らは、一斉に蜀の軍に向かっていく。

 

だが、彼らは気づいていない。まっすぐ進めば、弓矢部隊の的になることに・・・・

 

本郷猛

「まずは充分やつらをひきつけるんだっ!」

 

「おおっ!」

 

本郷は大量の弓矢部隊を結集して、黄巾党の数を減らす作戦を考えていたのだ。

 

そして、黄巾党が一斉に弓矢の射程距離に来たとき

 

本郷猛

「いまだっ!放て!」

 

(ビュン! ビュン!)

 

本郷の合図で、弓矢部隊は一斉に矢を天に向けて放った。

 

放たれた大量の弓矢は一斉に黄巾党に向かっていき、次々と命中していった。

 

「ぎゃあっ!」

 

「ぐわあっ!」

 

ある者は脳天に、首元に、時には心臓に、そして馬に矢が命中し次々と倒れていった。

 

しかし、黄巾党は怯まず、こっちに向かってきた。

 

先ほどと比べると数は少ないが、それでもかなりの大群だ。

 

本郷猛

「やはり奴らはまだ向かってくるか。 だが所詮奴らは野盗が集結した烏合の衆。

数だけ多くても、兵法の心得が無ければ勝てるわけが無い」

 

愛紗

「ご主人様。次の策は?」

 

本郷猛

「そのまま弓矢での攻撃を続けろ。ある程度の距離まできたら、こちらから突撃だ。

一戦交えた後、退却し奴らをあの狭い岩場まで誘い込む。」

 

本郷は戦場の近くにある岩場を持っていた剣で示す。

 

鈴々

「ええっ? あんな狭いところにいくのかなのだ?」

 

桃香

「ご主人様。何を考えているのですか?」

 

本郷猛

「心配するな。俺にいい作戦がある。奴らは数だけはこちらより多い。だがそれが仇になる作戦がな。」

 

愛紗

「兵士の数が仇になる作戦?・・・・・!!」

 

愛紗は本郷が何を考えているのかを理解したのかはっとした顔になる。

 

愛紗

「分かりました。やってみます。」

 

桃香

「いくよ! 愛紗ちゃん 鈴々ちゃん」

 

愛紗

「はいっ!桃香様」

 

愛紗達もそのまま黄巾党に向かっていき、愛紗は偃月刀で迫り来る敵を

 

切り払い、鈴々は丈八蛇矛で敵をなぎ払い、そして桃香は襲ってきた敵を靖王

 

伝家で倒していく。

 

愛紗

「はああっ!」

 

鈴々

「やあああっ!」

 

桃香

「ええいっ!」

 

そして、我らが本郷猛の方は自ら進んで黄巾党の方へ向かい、襲い来る敵を

 

切り倒していく。

 

本郷猛

「ふんっ! ふんっ!」

 

そして地面に剣を刺し、背後にいた敵を

 

本郷猛

「トオッ!」

 

「ぐえっ!」

 

回し蹴りでけり払い、そのまま地面に刺した剣を抜き、再び黄巾党に斬りかかって

 

いった。

 

戦闘が始まってから一時間たったその時、そろそろ頃合いだと思った本郷は

 

本郷猛

「そろそろ頃合いだな・・・・・。全軍あの岩場まで退却だ!」

 

「おおっ!」

 

本郷の合図で優勢だったはずの蜀の軍が次々と岩場まで向かっていった。

 

「あいつら逃げるぜ」

 

??????

「逃がすかよ・・・追え! 奴らを皆殺しだ!」

 

彼らを率ていると思われる男は仲間達に合図する。

 

「おおっ!」

 

そしてその男は

 

??????

「くくくっ・・・・本郷、貴様が何を企んでいるかすでにお見通しだ。

あえて貴様の策にはまってやる」

 

その男は本郷を知っていたかのようなそぶりをみせる。

 

そしてこの戦いの様子を年は鈴々と同じぐらいの少女二人が見ていた。

 

一人はショートヘアー、そしてもう一人はツインテールの少女である。

 

雛里

「あわわっ・・・あの人達が危ないよ」

 

朱里

「大丈夫だよ。 あれは策の一つで狭い岩場まで敵を誘っているんだよ」

 

雛里

「えっ?」

 

朱里

「あそこなら、敵は広範囲での攻撃ができなくなるし、おまけに岩場の上から

弓矢で狙い撃ちできるんだよ」

 

雛里

「あわわっ。さすが朱里ちゃん。」

 

朱里

「きっと先陣を切っているあの人の策だよ」

 

朱里は蜀の軍の指導者と思われる見たことも無い乗り物に乗っている男を指さす。

 

雛里

「あの人が噂の「天の御遣い様」かな?」

 

朱里

「間違いないよ。あんな早い乗り物みたことないよ」

 

雛里

「じゃあ行こうよ朱里ちゃん」

 

朱里

「分かった。雛里ちゃん。私たちがここまで来た理由・・・それは・・・」

 

その時、二人そろってここに来た目的を言い出す。

 

二人

「「私達の知識を義勇軍で生かして、「天の御遣い様」の役に立たせてもらうこと」」

 

そして二人は黄巾党に見つからないようにこっそりと蜀の軍に近づいていった。

 

そして別の所では、一人の女がこの戦いを観戦していた。

 

「ふむ。加勢しようと思っていたが、蜀の軍の方が圧倒的ではないか。

どうやら「天の御遣い様」が現れたというのは本当のようだ。さて、その

者は私が仕える価値があるかどうか判断させてもらおう」

 

この戦いをそれぞれ別の所から朱里、雛里、そして星という名の少女達が見つめていた。

 

しかし、彼女達もそして蜀の軍も、そして本郷猛も黄巾党は裏からゲルショッカーに操ら

 

れ、しかも怪人が敵の中に混じっていることにこの時はまだ誰もが知るよしもなかった。

 

つづく

 

我らが仮面ライダーを狙う次なるゲルショッカーの刺客は火炎魔人トラゾウガメ。

その口から放たれる改造人間をも焼き尽くす強烈な炎、そしてトラの怪力、ライダー

キックを跳ね返す甲羅の防御の前に仮面ライダーは為す術がないのか!? 次回

「トラゾウガメ 大火事作戦」にご期待ください。


 
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