No.539699

仮面ライダー 打ち砕け! 暗黒魔術師の野望 9

ゲルショッカー三大怪人を倒した仮面ライダー一号。
その直後、自身を新幹部『暗黒魔術師』と名乗る謎の人物が
姿を見せる。
自己紹介をした彼に対し仮面ライダー一号は宣戦布告し彼は
ゲルショッカー三国時代支部から恋姫の世界の平和を守るため

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2013-02-03 21:38:11 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2197   閲覧ユーザー数:2157

本郷猛、自分のいきさつを桃香達に話すのこと

 

 

仮面ライダーが怪人達を倒した翌日、本郷猛の命令で愛紗達は村人たちを集め、

 

改めて本郷は愛紗達に自分の事を紹介させていた。

 

愛紗

「皆の物。集まってくれた事に感謝する。本日ここに来てもらったのはこの方を

紹介する為だ!今こそ立ち上がれ!共に立ち上がろう!我らにはこの方がいて下

さる!何を隠そうこのお方は苦しむ我らをお守りする為に天の国よりやってきた

御遣い様だ!」

 

「おおっ!やはりそうだったのか!」

 

「我らの声が届いて天神様がお助けに来て下さったんじゃ!」

 

「ありがたやっ!ありがたやっ!」

 

本郷は自分を拝む人々をみて本当にこの人達が苦しんでいたのを理解する。

 

この事から彼はこの人達をゲルショッカーから守るのと同時に、自分が必要なく

 

なるまで戦う事を決めた。

 

しかし現時点でゲルショッカーの存在、その恐ろしさを言えば人々の士気が低くなるのを

 

予測して彼は今の時点ではゲルショッカーの存在をいうのを伏せた。

 

一部、 きのうの怪人にさらわれた人達もいたが、その事をいっても誰も信じず、

 

もし信じたとしたら、士気が下がるのを恐れていてかあえて、その事を黙っていた。

 

その時、本郷の演説が始まる。

 

本郷猛

「皆さん。集まってくれた事に感謝します。私が天の御遣い「本郷猛」です。

さあ、共に戦いましょう!今こそ反撃の時です!平和を乱す黄巾党から愛する者

を守るため、そして平和を奴らから取り返す為っ!これ以上、黄巾党の好き勝手に

させていいのでしょうか!?否、断じて好き勝手にさせていいわけがないっ!

敵はこちらの倍の大軍ですが、愛する者を守りたい・・・その思いがあれば、

貴方達は決して負けない!そして私だけではないっ!私の配下となった劉備、

関羽、張飛も皆さんの力になります。我々の力、そして皆さんの力があれば、

その歩みは確かな物でしょう。皆さん、奴らを倒し、平和を守るため、私達に

力を貸して下さい!・・・・ここが新たな歴史の出発点だ! 行こう!貴方達

には私と配下達がついているっ!」

 

「そうだ!そうだ!これ以上奴らに好き勝手にさせてたまるか!」

 

「俺達には本郷さまがついている!もう負ける気がしねえっ!」

 

「貴方を信じればきっと奴らに勝てるっ!」

 

「うおおおおおおおおおおっ!」

 

村人、特に今まで黄巾党にひどい目に遭っていた人達の士気と闘志は本郷の演説でたかま

 

っていた。

 

これを見た愛紗達は驚愕する。今まで戦う意思まで無くなりかけていた人達に

 

本郷が呼びかけた事で、再び士気が戻っていったのだから・・・・

 

桃香

「凄い・・・ご主人様の演説で人々がやる気になっている」

 

愛紗

「これがあのお方の演説の効果か・・・」

 

鈴々

「これならもうあいつらにも負けないのだっ!」

 

愛紗

「そうだな、だがその前に・・・・」

 

桃香

「うん。分かっているよ。」

 

桃香達は人々の士気が高まったのがよいが、一つ疑問に思う事があった。

 

それは本郷の変身した姿「仮面ライダー」についてである。

 

なぜ彼は圧倒的な力で化け物達と戦い、そしてあの姿になれるのか。

 

それがまだ分からないでいたのだ。

 

桃香

「なぜ、あの人は変身できるのかなっ?」

 

桃香はゲルショッカーの事だけは愛紗達から聞いていて知っており、最初は驚き

 

慌てだしたが、今は黄巾党を倒す為にも、士気を下げるのはよくない。その事はまだ村人

 

達に言わないでくれとゲルショッカーにさらわれた人達同様愛紗に説得されていたのだ。

 

その時、鈴々がこんな事をいう。

 

鈴々

「分からないなら、お兄ちゃんから直接聞けばいいのだっ!」

 

愛紗

「鈴々っ!なんてことをっ!もし話しづらい事情だったらどうする?」

 

鈴々

「ここで何か聞かないとお兄ちゃんがあの姿に何故なれるのかは永久に分からないままなのだ!」

 

桃香

「・・・・・・そうだね。今夜、ご主人様の部屋に行って聞いてみよう。」

 

愛紗

「で、ですが・・・・」

 

桃香

「確かに話しづらい事情があるかもしれないけど、それをあえて聞いておかないと

あの人とは分かりあえない気がするのっ」

 

愛紗

「わ、分かりました・・・」

 

愛紗は渋々その事を了承した。

 

そしてその夜、黄巾党との戦いを控えた前夜、本郷は愛車サイクロンを磨き、携帯用とし

 

て持っていたサイクロンの燃料を注入していた。数が少ないため、大切に使

 

わなければならない。

 

その時、桃香達が部屋に入ってくる。

 

桃香

「失礼しますご主人様」

 

本郷猛

「何だ桃香達か。こんな夜中にどうした?明日は黄巾党との戦いがあるのに」

 

愛紗

「すいません。それよりご主人様の方こそ何をされているのでしょうか?」

 

本郷猛

「これかっ?愛車サイクロンを調整しているのさ」

 

鈴々

「さいくろん?そのバイクの名前なのかなのだ?」

 

本郷猛

「そうだ。それより君達は俺に何か様があってきたんじゃないのか?」

 

愛紗

「あ、いや実はその・・・・ご主人様に聞きたい事があってきたんですが

・・・・」

 

愛紗は突然話しづらそうな雰囲気になる。

 

本郷猛

「何だっ? 俺に答えられる事か?」

 

愛紗

「いや、ですからその・・・・・」

 

愛紗が話しづらそうになった時、桃香は我慢できなくなり、とっさにこう言いだす。

 

桃香

「ああ~もう!私が聞く!ご主人様!「雷蛇」というのは貴方の真名なのですか?」

 

愛紗

「と、桃香様っ!?」

 

本郷猛

「雷蛇?」

 

桃香が突然意味不明な事を言い出したので彼は困惑し始めた。しかし発音自体は聞き覚え

 

があったので、もしやあの姿の時の名前かと思い、桃香にこう答える。

 

本郷猛

「それはもしや仮面ライダーの事か?」

 

彼女達は本郷からあれは雷蛇ではなく、ライダーという名であると聞いた。

 

鈴々

「か、かめんらいだあ?」

 

本郷猛

「そうだ。あの名は真名ではなく、俺が変身した時の名だ」

 

桃香

「では何故、貴方は変身できるのっ? そして何故、愛紗ちゃん達が敵わなかった昨日の化け物と互角に戦えたのですか?」

 

本郷猛

「・・・・・・・・・」

 

本郷は今、話すべきか一瞬悩むが・・・・

 

桃香

「どうか教えて下さい。貴方の事をよく知って理解しなければならないと思うんです。

私達はあなたのことをもっと知りたいんです。」

 

この時、桃香の自分と分かりあいたい思いに心打たれた彼はまだ彼女達に言っていない事

 

を話しだした。

 

本郷猛

「俺も奴らと同じ存在だ・・・・」

 

愛紗

「同じ存在?」

 

本郷猛

「俺は奴らと同じ改造人間なんだよ」

 

桃香

「改造人間?」

 

本郷猛

「俺は昔、ゲルショッカーが誕生する前、その前の悪の組織『ショッカー』に捕まり

脳以外を全て改造されたんだ」

 

愛紗

「えっ?」

 

本郷が突然何かを話しだし、3人は動揺する。

 

本郷猛

「あれは忘れもしない。昭和43年4月3日。まだ人間だった頃の俺はバイクテクニックの訓練中にショッカーに捕まり、強制的に一週間かけて改造手術をされたんだ」

 

本郷は何故、自分が仮面ライダーに変身できるのかを説明しだした。

 

本郷猛。彼は知能指数600、スポーツ万能、格闘技も優れそして世界に通用するほどのオー

 

トレースの腕を持った優秀な男であり、誰もが彼の明るい未来を見ていた。

 

だが…その未来は奴らに理不尽に奪われた。

 

世界征服を企む悪の組織の手により・・・・

 

本郷猛

「う…うぅ…」

 

本郷は冷たい手術台の上で目を覚ます。目を覚ました彼はあの時、蜘蛛の化け物に捕まり

 

そして、くの一の様な女達に捕えられた事を思い出す。そして手術台の周りは白衣を着て

 

不気味なメイクを施した怪しげな科学者らしき者達によって囲まれていた。

 

本郷猛

「ここは一体どこだ?…俺を自由にしろ!」

 

すると何処からとも無く怪しい声が聞こえてきた。

 

ショッカー首領の声

「ハハハッようこそ本郷猛君!よくぞ我がショッカーに来てくれた」

 

本郷猛

「ショッカー…一体何のことだ!?」

 

本郷猛が耳にしたショッカー。それは全世界のあらゆる所に網が張られる悪の

 

組織で、本郷猛は日本の人里離れたその秘密基地に運び込まれた。ショッカー

 

は世界各国の人間を改造し、その意のままに動かして世界征服を計画する恐る

 

べき悪魔の様な団体なのだ。

 

ショッカー首領の声

「我々が求めているのは頭脳明晰、スポーツ万能の人間。それらを改造し、動植物の

能力を持った怪人に作り変える。改造人間が世界を支配し、その改造人間を支配する

のが私だ。世界はやがて私の意のままになる。君はその偉大なるショッカーに選ばれ

たのだ」

 

本郷猛

「馬鹿なっ!俺はショッカーに入った覚えはない!」

 

ショッカー首領の声

「もう遅い・・・・。君が気を失って既に一週間。その間に我々は君の体に改造を施し

た。知能指数600、スポーツ万能の君は最も優れた改造人間になったのだ」

 

本郷猛

「改造人間・・・・。ハハハッ!そんな話信じられるか!」

 

ショッカー首領の声

「信じざるを得ないように見せてやれ・・・」

 

ショッカー科学者A

「ハッ! ・・・・これより君の体に5万ボルトの電流を流す。並みの人間なら一瞬で

黒焦げの死体になる。だが改造された君には全く効かない。」

 

そういうとその科学者は電流を流すスイッチを入れる。

 

(バリバリバリバリッ!)

 

本郷猛

「ぎゃあああああああああああああっ!」

 

本郷はその電流に苦しみだす。しかしおかしい。5万ボルトの電流を流されているのにし

 

びれるだけで、それ以外は何ともない。死んでもおかしくないはずだ・・・・。

 

この事で本郷は自分が本当にもう人間ではなく、ショッカーのいう「改造人間」に

 

なった事を信じざるを得なかった。

 

ショッカー科学者A

「どうだね?何ともないだろう?だが、痛みも伝わってきた筈だ。それは脳改造がまだ

行われていない為。脳の改造が済めば、君はショッカーで優秀な改造人間になれる!」

 

本郷猛

「ぐっ!・・・・死んでも貴様の思い通りにはならんぞ!」

 

ショッカー科学者A

「初めは誰もがそう思う!そしてショッカーに選ばれた事に感謝するようになるのだ!」

 

そして、改造手術が再開されかけたその時、異常事態がおこる。

 

何と、基地の電源が突然落ちたのだ。それと同時に戦闘員の一人が

 

手術室に入ってくる。

 

ショッカー戦闘員A

「発電室がやられました!」

 

ショッカー科学者A

「なにっ!?いくぞ!火を消すんだ!」

 

科学者Aに続いて、その場にいた物は本郷を残して、火災が起こった

 

発電室に向かった。

 

誰もいなくなったのを確認した本郷は何とか自分を縛っている鎖を外せないか

 

試してみた。すると、自分を縛っていた鎖がまるで噛んだガムをちぎった様に

 

簡単に引きちぎれたのだ。

 

ますます、自分が人間でない事に最初は取り乱しかけた。

 

その時、見覚えのある影が本郷の前に立っていた。

 

その影が自分に近づいてきた時、それは自分のよく知る人物であると知った。

 

本郷猛

「あなたは緑川先生?」

 

緑川博士

「・・・・」

 

そう、そこにいたのは本郷猛の恩師であり、生化学博士である「緑川博士」だったのだ

 

どうやら、彼が発電室を破壊したらしい。

 

3人

「「「・・・・・・・・」」」

 

本郷猛

「そして、俺は緑川博士の協力で、脳改造される前に逃げ出すことには成功した。

だが、もうこの体は人間に戻る事ができない。そして俺に協力してくれた先生は

俺を逃がした引き換えに裏切り者としてショッカーに殺されてしまった。」

 

桃香

「・・・・・・・・」

 

本郷猛

「しかも、その現場を先生の娘さんに見られ、俺が先生を殺したと誤解までされた。

その後に娘さんがショッカーにさらわれたが、戦って助け出す事ができた。

その後、誤解は解けたが、俺は哀しみを背負ったまま、『正義と平和の使者』仮面ライ

ダーとして、人々を守るためにショッカーと戦うことを決意したんだ。」

 

愛紗

「・・・・・」

 

鈴々

「・・・・・・・」

 

本郷猛

「これが…この俺、仮面ライダーが誕生した理由だ。」

 

本郷は話す事は全て話した。これで彼女達は自分を化け物扱いするかもしれないが

 

、本当の事をいったので彼には後悔が無かった。

 

そして彼女達の方を見てみる。すると彼女達は自分を化け物を見るような眼で

 

見ておらず、むしろ無理やり改造人間にされ、本郷が全てをショッカーに奪われた事を知

 

った彼女達は悲しみ、大粒の涙を流していたのだ。

 

(挿入曲:ロンリー仮面ライダー)

 

桃香

「ご、ご主人様に・・・そんな事が・・・・」

 

愛紗

「ひ、酷すぎますよ・・そのショッカーは人間じゃありません・・うっうう・・・」

 

鈴々

「うええん! お兄ちゃんが可愛そうなのだ!」

 

本郷猛

「君達・・・・・俺が怖くないのか? 俺は人間じゃないって話した筈だぞ」

 

愛紗

「怖くありません。貴方は確かに体は人間じゃないかもしれませんが、心だけは

私達と同じ人間です。」

 

桃香

「そんな悲しい事情があったのに私達はその事を知らず・・・貴方を勝手に「天の御使い」

とまで呼んで・・・」

 

鈴々

「ごめんなさい・・・ごめんなさいなのだ・・お兄ちゃん」

 

彼女達は泣きやもうとしない。平和な世界にしたい為とはいえ、本郷の事情をしらず

 

「天の御遣い」として、協力してもらおうと思ったからだ。その事を申し訳なく思っていたが本郷は意外な事を口にする。

 

本郷猛

「俺は気にしていない。むしろ俺の事を聞いてくれて、それに俺を人間として

受け入れてくれた事に感謝しているよ。それに俺は今は『改造人間』である事に

誇りを持っている。」

 

桃香

「誇り・・・・?」

 

本郷猛

「奴らが俺を拉致したことで、奴らの野望を知ることができ、そして改造人間になったことで奴らと戦える存在になったんだからな。人間の自由の為に戦えるんだ。これ以上うれしい事はない。」

 

愛紗

「ご主人様・・・・・」

 

本郷猛

「そしてこの世界が今、黄巾党の他にゲルショッカーに狙われている事を知った

今、俺はこの世界を守るために戦う。その為に力を貸してほしい。桃香、愛紗、

鈴々」

 

3人

「「「は、はい(なのだ)!」」」

 

3人は本郷の決意が伝わったのか、頬を垂れていた涙をぬぐい、彼に従い、

 

人々の為に戦う事を決意し、本郷と3人の少女達の絆はさらに深まっていた。

 

(ル・ル・ル~ルルルルッ!『アイキャッチ 新一号』)


 
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