No.536288

真・恋姫†無双~絆創公~ 第八話 【厨房騒々絵巻】

今回からしばらく、台詞のみの表現になりますので、台本形式になります。苦手な方には大変申し訳ありませんが、ご了承下さい。

2013-01-26 15:58:47 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2325   閲覧ユーザー数:2001

第八話

 

-厨房-

 

 泉美「みんなー、新しい戦力が来てくれたわよ!」

 白蓮「ホ、ホントに慌ただしいな………」

 桃香「あ、白蓮ちゃん! 来てくれたの!?」

 白蓮「来てくれたのじゃない! 伝令が遅いだろ!!」

 愛紗「申し訳ない、白蓮殿。急な宴の準備で、皆の手が回らないので……」

 白蓮「さっき星が酒呑んでたが……?」

 流琉「星さまを含め、お酒を嗜む方々は、もう早くに酒宴を始めてらっしゃいます」

 華琳「天の国の酒を呑めるのが、余程嬉しいんでしょ。まあ、気持ちは分からなくもないけど……」

 蓮華「あ、すいません、お母様! これはこの後どうすれば……?」

 泉美「……えーとね、しばらくすれば灰汁が出てくるから、それを掬っていってくれるかしら?」

 蓮華「ハイ! 分かりました!!」

 季衣「うぇ~、ヘンな味~!!」

 泉美「あらあら、季衣ちゃん! それはお鍋に溶かして使うものだから、そのままじゃ食べられないのよ~」

 季衣「えー、なーんだそうなのか……」

 泉美「後ろの方にある、黄色い袋の中には食べられる物があるから、それなら大丈夫よ?」

 季衣「ホントー!? やったー!!」

 泉美「鈴々ちゃんや恋ちゃんにも分けてあげてね~!」

 季衣「わかったー!! ありがとー!!」

 流琉「もう、季衣ったら………」

 泉美「あら、よく食べるのは良い事よ?」

 蓮華「ん? 亞莎じゃない。どうしたの?」

 亞莎「あ、あの、お水を一杯頂きに………」

 泉美「あらあら、多分カズ君にあげるのね。はい、どうぞ」

 亞莎「あ、ありがとうございます!」

 桃香「ヒャーッ!! お、お鍋がー!?」

 泉美「桃香ちゃん! 火を弱めれば大丈夫よ!!」

 華琳「この盛りつけはこんな感じで良いのかしら?」

 泉美「あら! 彩りがとっても綺麗ね~。私よりも上手よ!!」

 流琉「あの! こちらも出来上がりましたっ!!」

 泉美「まあ! 流琉ちゃんも飲み込みが早いのね~!!」

 桃香「うう~、いいなぁ………」

 蓮華「ま、まだ大きな失敗は無いからこれからよっ!!」

 愛紗「そうですっ! 勝負はこれからです、桃香さま!!」

 白蓮「あ、あの………私は?」

 泉美「あ、そうそう! 白蓮ちゃんは、こっちの食材を一口大の大きさに切っていってくれるかしら?」

 白蓮「ハ、ハイッ! 分かりました!!」

 泉美「お願いしますね?…………フフフフ♪」

 愛紗「如何なされましたか?」

 泉美「沢山の人と料理するのが楽しいのは当たり前だけど、それが自分の娘だと思うとすごく楽しいのね!」

 桃香「む、むむ、娘………あ、ででで、でも佳乃ちゃんは料理は………?」

 泉美「時々手伝ってくれるわよ。でもね、今のこの時は違うのよ?」

 蓮華「違う……?」

 泉美「こうやってね、違う家庭と文化が混ざり合って、同じ料理を作っていって。そして、それぞれが色々工夫を重ねて、それぞれが同じ料理を作っても、それぞれ違う味の料理が出来上がる。それってすごく素敵な事だと思うの。だって皆の家庭の味に、私たちの家庭の味が加わったって考えたらすごく楽しくなるもの!」

 流琉「あっ、それは何となく分かります!」

 泉美「でしょ? それに皆が作ってくれた料理を、誰かが食べて美味しいって言ってくれるのは、私たちの家庭の味を美味しいって言ってくれたって事。それってものすごく嬉しいし、そんな事をこの私が出来るってとても名誉な事だと思うの!」

 華琳「なるほど…………」

 愛紗「家庭の味、ですか…………」

 泉美「だから………こうして皆と料理が出来て、今すごく感動してるの。本当に、ありがとうございます………」

 白蓮「ち、ちょっと! 泣かないでください!!」

 蓮華「そうですよ! そんな大それた事してるわけじゃ………」

 泉美「………ごめんなさいね。カズ君がいなくなって、彼女さんとのこういう会話が出来ない、とか向こうで色々考えちゃってて、でも、それが叶ってすごく嬉しくて…………」

 一同「………………………………」

 泉美「さっ! 気を取り直して、調理を再開しましょ? 早くしないと、皆がお腹を空かせて倒れちゃうわよ!」

 

 

 

 

 

-続く-

 

 

 


 
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