No.515245

SAO~黒を冠する戦士たち~ 第百五十三技 決意、光にして影

本郷 刃さん

第百五十三話です。
キリトがアスナを説得する・・・はずが?

では、どうぞ・・・。

2012-12-05 10:33:44 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:10854   閲覧ユーザー数:10034

 

 

 

 

 

 

 

 

第百五十三技 決意、光にして影

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリトSide

 

俺とアスナは自宅のソファに向かい合って座っている。もちろん、説得するためである。

 

「ダメだからね。囮なんて、そんな危ないの…」

 

「何度でも言うけど、俺のHPならそうそうやられることもないし、《耐麻痺》や《耐毒》スキルもつけてある。

 余程の事がなければ後れを取ることもない」

 

「その余程のことがあったらどうするの!」

 

俺の言葉に大きな声で反論するアスナ。

 

彼女とて分かっているのだろう、囮役は俺が適任ということは。

 

それでも、やりきれないのだ…。

 

「それが起きないようにするために、全力で警戒するんだよ…」

 

「絶対とは限らないでしょ? 奴らがいるのは圏外なんだから」

 

アスナの言うように、ラフコフの残党が潜伏しているのは圏外である。

 

カーソルがオレンジの者は基本街に入る事が出来ない。

 

街に入れば警備用のNPCに捕まり、『黒鉄宮』へと送られる。

 

「何も奴らはオレンジだけじゃない、グリーンの信奉者もいる。そいつらとの接触なら圏内でも可能だ」

 

「シリカちゃんの時みたいに『睡眠』をさせるアイテムで眠らせて、『睡眠PK』をするかもしれないんだよ!

 どんな手段を、使うかも分からないんだから!」

 

『タイタンズハンド』がシリカを誘拐した時の手法。

 

この世界には眠りという状態異常は存在しない。だが睡眠は存在し、意識を失う事もある。

 

それらを促す薬を奴等は作り、睡眠PKの手法に用いてきた。それ以外にもどんな手を使うかは分からない。

 

「なら余計に俺が動くしかないだろう。それこそ他の奴等なら()られるかもな」

 

「それはキリトくんだって同じ「アスナ」っ……」

 

「俺が、信用できないか…?」

 

俺の問いにアスナは震える。我ながらズルい奴だと思う。

 

こう言えば彼女は間違いなく黙ってしまうと、自分で分かっているから。

 

「信用、してる……信頼、してるよ…。だけど、だけど…」

 

涙を流すアスナ。泣かせたくないのに、泣かせてしまう。

 

こういう時ばかりは破壊することしか能の無い自身の力を恨む。

 

「それなら「でも…」アスナ…?」

 

「一人で、背負わないでよ……」

 

「!?」

 

その言葉を聞いて気付いた……なにを思い違っていたんだろうか。

 

彼女はただ俺が心配だったのではない、先の言葉通りむしろ信頼してくれている。

 

俺はアスナ、結城明日奈という人間を見誤っていたらしい。

 

彼女は、俺が一人で背負いこみ、潰れてしまうのではないかと危惧している。

 

アスナは俺が一人で背負っているのが、許せないのだ。俺はアスナの側に歩み寄る。

 

「ごめんな……また、泣かせてしまって…」

 

俺は彼女の頬に手をあて、目尻に溜まった涙をそっと拭う。

 

「わたし…また、我が儘言ってる…」

 

「いいんだよ。俺の独りよがりが悪いからな…」

 

アスナは少し困ったような笑みを浮かべ、俺は苦笑を浮かべる。

 

結局、俺達は頑固者で似た者夫婦ということだ。

 

「辛いことになる」

 

「うん」

 

「逃げたくなるかもな」

 

「逃げないよ」

 

「俺の醜い部分を見ることになるぞ」

 

「受け入れられるよ」

 

「俺のことが怖くなるかもしれない」

 

「それもキリトくんだよ」

 

「俺を嫌いになるかも」

 

「絶対にありえないよ」

 

「なら俺をもっと好きになるかも」

 

「喜んで!」

 

問答をしていく俺とアスナ。そして彼女の最後の返答を聞いた瞬間にその唇を奪った。

 

熱く何度も唇を交わし、舌をねじ込み、唾液を交換して飲み干す。

 

しばらくそれを行い続け、アスナの呼吸が乱れ始めたところでやめ、そのまま俺に凭れ掛かってきた。

 

「ん、はぁ、はぁ、はぁ……/////////」

 

「ふぅ~…」

 

必死に呼吸を整えるアスナに対し、俺は一呼吸で整える。というのも、いつものことだからな。

 

「むぅ~、キリトくんのバカ…///」

 

「くっくっくっ、ゴメンゴメン……さて、最後にもう一度聞く。いいんだな?」

 

「……はい」

 

アスナの瞳には決意の光が宿っている。俺は彼女を深くまで連れ込んでしまった。

 

だが、それすらも愛というのならばどこまでも連れて行こう。

 

「貴女に、狩りし者を狩る者の名を送ろう。名を『狩人の光影(ファントム)』」

 

「ファン、トム…」

 

「貴女は俺達の光であり、影である。

 闇と共に生きる黒衣衆にとって、貴女は光。

 闇という光の中で生きる狩人にとって、貴女は影。

 故に光と影の幻影」

 

アスナは目を閉じ、俺の言葉を聞き入れていく。そして目を開き、言葉を紡ぐ。

 

「その名、確かに受け取りました…」

 

受け入れたアスナ。これで彼女も引き返せなくなった。それでも後悔はしていないようだ。

 

「これで、また別の意味でキリトくんと一緒だね」

 

「一心同体だな」

 

俺達は改めてキスを交わした。どこまでもお互いを守り続けることを誓って。

 

キリトSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

そういうわけで、何人かの方々が予想した通り、アスナが『嘆きの狩人』に参入しました。

 

名は『狩人の光影』と書いて、『ファントム』と読みます、ネーミングセンスに関しては何も言わないでください・・・。

 

キリトにとっては辛いかもしれませんが、アスナが言ったようにある意味で一緒ということです。

 

とまぁそんなこんなで、アスナもキリトと一緒に行動するようになります。

 

ではまた・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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