No.513144

真・恋姫†無双 ~孫呉千年の大計~ 序章 拠点ー紅編

雪月さん

初めまして 雪月と申します。

この作品は真・恋姫†無双・恋姫†無双の2次創作となっております

設定としましては『呉ルート』を予定。

続きを表示

2012-11-28 22:55:40 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:8022   閲覧ユーザー数:5973

序章 拠点ー紅編 『 安らぎ  』

 

 

私の普段の容姿は、腰にまで届こうかという長く艶やかに保った黒髪を束ね

一刀くんの世界ではポニーテールと呼ばれる髪型にしている

 

別段ポニーテールの髪型にこだわっている訳ではない

 

・・・というのも、長髪を肩辺りで束ね、胸の前に垂らしている場合もあるからなのですが・・・

 

年はバキューーーーーーンなのに、雰囲気は大人で落ち着いた雰囲気を醸し出していることが、必ずと言っていいほど・・・

実年齢より年上に見られてしまうのが私の数年来の悩みであった

 

外交を任されていますが、お酒の席になると大半エ○オヤジ達のイタズラの的となり、数々の対応に苦慮しています

 

いつも王林姉の様に

「下郎 妾に触れるでない!」

と一喝出来たら・・・と思わない日はありませんでしたが・・・私の愚痴なんですけれど・・・ね

でも一刀くんが来てからというもの、それも感じなくなっていた

 

一刀くんに対して姉として・・・というか保護欲?というものなのでしょうか・・・

ホント初心で可愛いので・・・ついついイジメたくなっちゃうのです

 

あらっ 私ったら・・・コホン・・・

 

そんな訳で、たまの休日を頂戴した私は、同じく休日となっている筈の癒し?の一刀くんに会うべく

部屋を訪れた訳なのですが・・・

 

コンコン

 

「一刀くん いますか?」

とノックをして返事を待つものの・・・返答がないので、寝ているのかな?と思い静かに扉を開いてみるも・・・

あら・・・空振りでした・・・シュン

 

何処にいるのかしら・・・と一刀くんが行きそうな処を思案していますと・・・

 

「紅様 おはようございます」

と侍従長の咲さんに声をかけられる

 

「咲さん おはようございます」

とニコやかに挨拶を返し一刀くんの行方を聞いてみる

 

「一刀様でしたら、中庭でご鍛錬をなされていられるそうですよ?」

と欲しい情報をさらりと答えてくれる

 

「ふふっ 咲さん ありがとうございました」

「いえいえ♪ 存分?にお楽しみくださいませ フフフ」

と意味深な咲さんの言葉には軽く流しておいて、お互い形通りの別れの挨拶を交わし

私は一刀くんがいるという中庭へ向かう足取りは、いつもより軽やかであった

 

 

 

 

普段の一刀くんはというと、早朝には雪蓮様にまず稽古をつけているのを見かける

 

仕事が早朝までおした時によく見かけるが、大概は一刀くんは指導役なので

見ていて悪い箇所を指摘したり直したりと、一刀くんが戦い動いている場面に出くわすというのも最近少ない

 

一刀くんは中庭中央にて目を瞑り・・・いつもは使うことのない筈の弓を持っていたが

その弓は見覚えのある祭様の弓であると遠目からであったが気づいた

 

容姿とは程遠い真剣な表情で目を瞑り・・・精神集中が整ったのか目を静かに開き、弦を目一杯引き絞り的を見据え・・・放つ

コトーーーンと甲高い的に当たった音が辺りに響き渡る

 

ゴクリ・・・やだ すごく格好良い・・・

厳粛な空気を纏っていた一刀くんに、私は出て行って声をかける機会を失い 一人寂しく建物の陰よりそっとその様子を見守っていた

 

「北郷よ 引き絞ってから的に放つまでが遅い! 馬上ではそんなにゆっくり待っては撃てんし馬自体が動くしの」

「そうだね・・・ これを馬上でか・・・流鏑馬でもやっておくべきだったな・・・これは・・・」

 

「北郷よ その”やぶさめ”というのは何じゃ?」

 

「”やぶさめ”というのは・・・簡単にいうと騎乗した状態で馬を全力で走らせた上で

 矢を打つ動作に入りいくつかある的を”かぶらや”で打ち抜いていくんだよ

 儀式とかにも使われてるんだけどね」

 

「ほう そりゃ実に面白そうじゃの」

 

隠れて聞いている私も・・・へぇ~そんなものがあるのねと感心する

始めて聞く言葉だけれど、一刀くんの話は何を聞いても興味深く実に楽しい

 

「まぁ 観客にも緊張感と迫力がビリビリッと伝わってくるんだよ 馬の駆ける速さとか躍動感とかがさ」

「北郷 手本を見せてみい!」

「いやいや祭さん 今でもこれなのに・・・ 騎乗してだよ?無茶だって・・・ 」

 

「ええぃ ごちゃごちゃ言っとらんで・・・「祭殿・・・」 うっ めっ冥琳・・・」

 

「やぁっ~と見つけた! 北郷 祭殿を少々お借りしたいのだが・・・」

と目を細めて睨みをきかせた冥琳に誰が反抗できようか

 

王林姉以外で出来る者がいましたら、是非拝見したいものです・・・

私ですか? もちろん、関わりなきようにいつも目を逸らしております

 

「北郷 祭殿は兵達の鍛錬を放り投げてお前の面倒をみてらしたのだ」

「えぇ! 祭さん 今日は”休み”ってさっき・・・」

と一刀は視線を祭さんに向けると、”SD幼児化祭さん”に変身して逃亡を図ろうとするも・・・

 

冥琳様の”冷凍ビーム”が一瞬速かったようで・・・”SD幼児化祭さん”の小さな身体は硬直して動けないみたい・・・

”冷凍ビーム”に関しては、一刀くんが命名したんだけどね

目からびーむ?というモノが出て凍るという表現らしいのだけど 私には理解不能です(笑

 

例の如く、片手には一刀くんより祭様の弓を引き取り、もう片方で首根っこを掴まれ

両手をブンブン振って抵抗を試みる、幼児化した祭様であるものの・・・

 

すぐ諦めたのか”ぷらんぷらん”した無抵抗状態になる・・・のを待っていた冥琳様に、問答無用で連行されていく

祭様が売られて行くよ~~ ド○ドナ○~~ナ ド~ナ~~~

 

その間の一刀くんはというと・・・もちろん左手に”ハンカチ”と呼ばれる小さな布で、両目の涙?を拭いつつ

祭様へ向かって涙を拭いたと思われるハンカチを左右に振って見送っている

 

その他にも”ティッシュ”と呼ばれる使い捨てする紙も”ポケット”と呼ばれる服に付属している布の袋へ入れ

いつも持ち歩いているそうです

 

紙を使い捨て出来る世界とは・・・

もちろん私達がいる世界では紙は貴重品なので、絶対に真似はできませんけれど・・・

 

あっ 話が逸れてますね

 

祭様という嵐は過ぎ去り弓もない為、訓練は終わるとみました! これは”絶好の好機”だわという訳でして・・・

私は自身の欲望・・・もとい癒される為に計画を実行に移すべく行動を開始する

 

                          ・

                          ・

                          ・

 

「ほ~ら 一刀くん うごいちゃ危ないでしょ?」

「いや・・・紅さん でもね?」

 

仕事の合間に通り過ぎ、膝枕をして耳カキをしている紅とされている一刀の姿を見るや

侍女達がくすくすと笑いを浮かべて足早に去っていく

 

フフフ これが私の計画の全貌ですの・・・

 

「ん? なぁに? 一刀くん ささっお姉さんに任せ・て・ね♪ 侍女達の事は気にしないの♪」

と微笑みを浮かべ、メっと可愛く一刀の鼻を弾いて叱る私

 

「うっ・・・いっ・・・ぇ」

と顔が赤くなり、それ以上何も言えなくなってしまう一刀くん 

かっ可愛い過ぎる・・・思わずギュッと抱きしめたくなる衝動を抑える私

 

今の状況を説明致しますと、私の膝枕で耳カキのお掃除中なのでありま~す

恥ずかしさを少しでも紛らわせたかったのか、一刀君は私に孫呉への士官の経緯を聞いてきた

 

「そうねぇ このままお掃除しながら話しましょうね~」

と私が答えると、諦めにも似た溜息をつく一刀くんではあったが

私達姉妹が士官した経緯については興味があったみたい

 

 

 

 

『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏に『江東の二張』と称される美人姉妹の賢人がいるという噂は

瞬く間に中央政権にまでも広がっていた

 

士官に一番熱心と言えた勢力は、揚州でもとりわけ江東の地盤を強固にしたかった漢の皇族の一人劉ヨウ

後漢王朝からも中央への出仕を要請されていたし、軍閥の中からは袁紹を始め曹操・袁術・劉表・孫堅

といった勢力からも出仕を要請されていた

 

「あの土竜には江東という地すら危うい 江東という穴からも出て行けぬというのに・・・

 土竜が大空を飛ぶ鷹を使いこなせる訳がないさね 土竜は大空を優雅に飛ぶ鷹に憧れているのが相に合ってるさね」

と劉ヨウに関しては、王林姉がかる~く一刀両断して一蹴してしまう

 

「・・・後漢王朝も問題外さね 中央に行った処で醜い権力争いと汚職まみれの処に行った処でのう?」

 

「それでは王林姉は軍閥の中から選ぶという訳ですか?」

 

「そうさね 妾なら”将来性”のある軍閥から選ぶさね 紅は紅で好きな勢力を選ぶといいさね」

と座っている椅子の背凭(せもた)れに深く身体を預け瞑想する王林姉

 

「はい 承知しております 王林姉」

と私にとっては、ここまでの全てが予定調和の出来事であったので、素直にそう返していただけの事だった

 

「ふむ 良い目じゃ して紅なら何処へ士官したいのじゃ?」

と私が考えている士官先に興味を示す王林姉

昔から私の意見を聞く際には、絶対に選ばない物を先に削除した上で聞いてくるのが常であった

 

「そのうち袁家は外します 今は権勢が一番でしょうけれど、中央との繋がりが強すぎる事

 娘が二人いて勢力が二分される恐れがある点を不安視致します 

 後の3つに関しては、よく知らないので、間諜を放ち探ってからの結論としとうございます王林姉」

 

「ふむ 無難さね ”陸家の変わり者”も気にしておったから・・・伝えておいてやれ」 

姉にとっても私の返答は予定調和の内であったのであろう 

 

「穏ちゃんにですね わかりました王林姉」

と軽く礼をし立ち去る私

 

後々判った事ですが、王林姉はこの時、呉郡の四姓も使える人物は限られとるが

使える縁は使わんとの・・・と目を瞑り思考に耽っていたそうです

 

その後、私設の間諜を大量に放ち、孫堅と劉表の荊州をめぐる動乱の情報を仕入れる

 

その際私は、孫呉の間諜部隊を率いていた周瑜様こと冥琳様と

当時・支部隊長であった周泰こと明命ちゃんと邂逅する事になる

 

一方、王林姉の思考はというと

次々と間諜から届く報告により、劉表は中央の十常侍とのきな臭い関係が判明

血縁を重視し過ぎた登用が見られた為、除外する

 

緋蓮様に関しては、領土的野心が強く視野が狭すぎ、他軍閥との折り合いが悪く外交関係に難があり

緋蓮様自身に何かあれば一気に瓦解する恐れもあると”将来性”という観点から除外だろうと考えていたそうです・・・

 

軍師として入れるのなら、活躍の場は確保されるだろう ・・・荊南という地も悪くはない

差し引きで保留という考えであったそうです

 

中央との折り合い将軍派に属しつつも十常侍との関係も悪くはない

曹操という当主の個人の能力と将来性、部下にも恵まれているようだ

 

この時点で王林姉の中では、軍閥の新鋭の”曹操”という選択肢が一番有力視されていた人物であり勢力であったそうです

王林姉と同種・王林姉の小型版といった処でしょうね 本人達の前では口が裂けても言えない事実ですが・・・

 

私自身はというと、王林姉のようにそこまで論理的な思考を走らせてはおらず

私の運命は何処で輝きを放つのだろう・・・と漠然とした考えしか持っていなかったのです

 

王林姉が曹操へ返信すべく取り掛かっていた処、事態は急変することとなりました

そう雪蓮様と冥琳様、お二方による電撃の来訪劇でありました

 

「ふむ 孫策と周瑜と名乗る小娘二人とな?・・・周瑜という名は聞き覚えがあるさね 孫策とは孫堅の娘という処か・・・」

「王林姉のご推察の通りかと・・・」

 

「まぁ折角 こんな処までご足労戴いたのだ 入ってもらえ」

「はい 王林姉 すでに応接室へお通ししておきましたわ」

 

「フフ 相変わらず手際が良いな・・・良いじゃろ しばし待たせよ もしもの事もある・・・用意するさね」

「判りました 間を繋いでおきます」

と私は王林姉に返答すると、踵を返しお二方をお待たせしている応接室へと足を運んだ

 

 

 

 

「突然の来訪 誠に申し訳なく・・・また以前は情報も戴きこの場を借りて感謝致します」

と周瑜様が頭を下げるのを見て、孫策様も慌てて頭を下げている

「気にしないでくださいな 私達は貴女方の敵でも味方でもない第三者の立場だったのですから・・・」

と無難な受け答えをする 決して自身の本心を見せない・見透かされていけないのは交渉の”基本”ですから・・・

 

王林姉がちょうど支度を終えたのか部屋に入室してくる

「改めまして、本日は江東の二張とお噂されるお二方に、是非とも我が勢力に入って存分に力を奮って戴きたい」

と冥琳様が丁寧に出仕を要請してきた

 

「それならば・・・これをお見せしよう」

王林姉が冥琳様達へ手渡した竹簡の束を見て

「王林姉!」

と私は声を荒げて叫ぶ 無造作に王林姉が手渡したのは、各勢力からの出仕の要請が綴られていた竹簡の数々であった

 

「ほう これは・・・」

「なになに・・・へぇ? すごいじゃない貴方達」

と感心したような口ぶりの冥琳様と雪蓮様であった

 

「別に妾はそなた達に自慢したくて見せた訳でもないさね 逆にこれぐらい来るのでウンザリしておる」

「正直に言うとじゃ 今の処妾の腹は曹操と孫堅の勢力の二択さね じゃが現時点では曹操の方が優勢じゃ」

と言うといつものように椅子へ深く座り込み足を組む王林姉

 

私は王林姉が自分の考えを先に晒した事に、信じられない面持ちで王林姉を見つめていた

いつもは人の意見を聞いてからでないと、自身の意見を答える王林姉でなかったからだ

なので私は今、王林姉が何故”本心”を晒して語っているのかが判らなかった為である

 

「張昭殿は判りました 張紘殿も同じと考えてよろしいので?」

「私の考えは保留ですわ・・・姉は姉 私は私とお考えください周瑜様」

と私はそう返答する 王林姉にもそう言われてた事ですし・・・ 

 

「委細承知致しました 我々からの条件は以前と同じ支度金の・・・「冥琳」・・・ん?なんだ伯符 まだ話の途中なのだが・・・」

「いいのよ 条件なんて今更よ? 少し追加したくらいで動かないわ この方達は・・・ね」

と最後は王林姉と私へ微笑みながら片目をまばたいて合図を送ってくる孫策様

 

「いや・・・しかしだな 伯符・・・」

雪蓮様の言に困惑してどうすればいいのか・・・冥琳様は対応に苦慮しておられたようだ

 

「はっはっは~~ 面白い御仁さね 孫策殿にはこちらの事情がよく見えておられるようさね」

「・・・ふふっ」

と私は笑って王林姉に同意を匂わせる

 

「私がここへ来てやるべきことは一つだけよ・・・」

と言うや椅子から立ち上がり再拝稽首(さいはいけいしゅ)を王林姉と私に対し行う孫策様 ※(両手を組み土下座のようにひざを突き、頭を垂れ2回拝礼)

 

「この孫伯符 ”今”は母・孫堅並びに新進気鋭の曹操の足元に及ばぬかもしれぬ・・・ 

 しかし、この孫伯符が再拝稽首を行った人物として、お二人の名は大陸中に知れ渡る事となるであろう・・・いかが!」

と視線を伏せ言い終えると、しばしの間その姿勢を保ち静止している孫策様

 

その孫策様の様子を、椅子に座って見下ろす王林姉と後ろに控え佇む私は、しばし息を飲み、孫策様の行為を見極めるべく見つめていた

周瑜殿はというと、孫策様のいきなり再拝稽首する行為と言葉に我を忘れて声を出すことすら出来ないようでしたわ・・・

 

君主が見ず知らずの者に再拝稽首する等、聞いたこともありませんものね 

 

至誠、天に通ず・・・内面から溢れ出る真心こそが人を動かす ホント面白い方 退屈しなくて済みそうだわ

そう私が孫家に仕える事を決心した瞬間でした

 

「王林姉」

「ん? なんじゃ?」

「私は”孫策様”の臣下になろうと今決意しましたわ」

私はそう宣言すると姉・張昭の元より離れ・・・孫策様が静止している斜め後ろへ回り姉と対面する

 

「ほう・・・紅がの・・・」

と驚きの声を漏らしつつ・・・少し笑みを匂わせる王林姉

「よかろう 紅 行くがよい」

「はい ”張昭”様 長き間お世話になりました つきましてはお願いがございます」

と私が言うと周瑜様と目を合わせると頷かれた

私のこれからする事を一瞬でお読みになられて、同じことをする”意思”があると訴えかけてきた

 

この周瑜様というお嬢様は本当に頭の回転が速いようで・・・王林姉様以上に細やかな心遣いをされている

私と王林姉を足しても及ばないでしょうね・・・ 

孫策様に振り回される場面も見受けられましたが、それも含めて信頼されておられるようですし

 

目指す頂きは遥か遠く・・・といった処でしょうか・・・

 

曹操という方がどういう方なのか・・・会っていないので詳しくは存じ上げませんが

会っていない君主より、会って面白い君主に私は付き従いますわ

 

そう考えた私は、周瑜様と阿吽の呼吸で孫策様の後方に並ぶと、私の新しい主人となった孫策様と同様再拝稽首(さいはいけいしゅ)をする

 

「ん? なんだ3人共・・・その礼姿は・・・願いとは何さね 張紘?」

と判りきっている事を聞いてくる王林姉に向かって私は返答する

 

「張昭殿 孫伯符様、周公瑾殿、張子綱が再拝稽首(さいはいけいしゅ)を行った人物として

 名を後世まで長く語り継がれることとなるであろう・・・張昭様いかが!」

と部屋に響き渡る大きな声で私は、孫策様の先ほどの言葉をなぞって王林姉に問いかける

 

「ふむ・・・後世までときたか・・・成程の・・・紅 孫堅ではなく”新たな大器”を見出したという所かの・・・

 曹操に”同じこと”を妾相手には出来まい よかろう」

「皆様方 お顔を上げて椅子へお掛け直しくださいませ」

と静かに自身を律した王林姉こと張昭という人物本質が体現されていた 王林姉の凛とした声が部屋中に響き渡る

 

孫策様や周瑜様が椅子に座り直し、私が孫策様の後方に控えるのを見届けると

王林姉は椅子から立ち上がり上着を素早く脱ぐと正装が現れ

孫策様へ再拝稽首(さいはいけいしゅ)を行い厳粛に語り出した

 

「これまでの数々のご無礼の段 何卒ご容赦を・・・この張昭と妹の張紘

 以後、孫伯符様の臣下として終生お尽くし致します事をここにお誓い致します」

と王林姉の宣誓が終わると・・・王林姉の気遣いに泣きそうになる・・・

孫策様は椅子からすぐに立ち上がり、王林姉の手を取って立ち上がらせる

 

「我が姓は『孫』 名は『策』 字は『伯符』 真名は『雪蓮』よ

 貴方達姉妹ほどの至宝を得られたこの時を終生忘れないわ」

と孫策様が自己紹介をするのを皮切りに、周瑜様が次いで王林姉、最後に私が自己紹介をする

 

その後は王林姉と私を経由して、呉郡の四姓からは穏や陸績、顧雍、朱桓 他には亞莎、徐盛といった

姉と私が見出していた優秀な人材を、芋蔓式に次々と孫家へ推挙し士官させていったのである

 

その後、王林姉が不安視していた緋蓮様が大敗し、生死を彷徨い瓦解しかける・・・

がしかし雪蓮様が大黒柱となり冥琳と私が補佐し、孫呉という屋台骨を補強する 

 

雪蓮様の次代の育成に手を尽くす王林姉と孫呉の次代を背負う蓮華様が

孫呉をより不動のモノとすべく支えていったのである

 

・・・といった感じなんだけど・・・ふふっ この陽気に気持ちよくて寝ちゃったのね・・・ホント可愛い

 

お姉さんにとっては、可愛い貴方に出会えた事も、私の目に狂いがなかった証拠なんだけれどね・・・

と寝ている一刀へ人差し指で鼻をツンツンしイタズラをする私

 

膝上で少し唸る一刀くんを見て、いつしか目を細め優しく微笑みを浮かべていた

 

晴れ渡った空を見上げ、一刀くんの頭を撫で撫でしつつ

時には髪を手で梳いて整えたりして癒されていた、私の楽しい休日の一日の模様でした おしまい 

 

 

 

 

■■■【オリジナル人物紹介】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

 ○孫堅 文台 真名は緋蓮(ヒレン) 

 

   春秋時代の兵家・孫武の子孫を称し、各地で起こった主導権争いに介入し

   「江東の虎」の異名で各地の豪族を震撼させた

   優秀な人材を率い転戦、やがて軍閥化し孫家の基礎を築いた

 

 

 ○張紘 子綱 真名は紅(コウ) 

 

  呉国の軍師の一人で主に外交を担当。 魏の程昱(風)の呉版と考えていただけると理解しやすいだろう

   『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、姉の張昭と共に臣に迎え入れられる

  張昭と共に『江東の二張』と称される賢人

 

  ※史実では、呉郡の四性でも張昭と兄弟でもありませんのでお間違い無きように。。。 

    呉郡の四性の中で張温しか見当たらなかった為、雪月の”脳内設定”です

 

 ○魯粛 子敬 真名は琥珀(コハク)

 

   普段は思慮深く人当りも良い娘で、政略的思考を得意とし、商人ネットワークを駆使し情報収集・謀略を行う

   発明に携わる時、人格と言葉遣いが変化し、人格は燃える闘魂?状態、言葉遣いは関西弁?風の暑苦しい人に変化する

   このことから「魯家の狂娘・後に発明の鬼娘」と噂される

 

   ※穏(陸遜)は本をトリガーとして発情しちゃいますが、、琥珀(魯粛)は発明に燃えると・・・燃える闘魂に変身って感じです

 

 ○張昭 子布 真名は王林(オウリン) 

 

  呉国の軍師の一人で主に内政を担当。 冥琳とはライバル同士で互いに意識する間柄である

   『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、妹の紅(張紘)と共に臣に迎え入れられる

  張紘と共に『江東の二張』と称される賢人

 

   妹の紅は「人情の機微を捉える」に対して「政(まつりごと)の機微を捉える」という感じでしょうか

 

 ○程普 徳謀 真名は楓(カエデ)

 

   緋蓮旗揚げ時よりの古参武将であり、祭と並ぶ呉の柱石の一人 「鉄脊蛇矛」を愛用武器に戦場を駆け抜ける猛将としても有名

   祭ほどの華々しい戦果はないが、”いぶし銀”と評するに値する数々の孫呉の窮地を救う働きをする

   部下達からは”程公”ならぬ『程嬢』と呼ばれる愛称で皆から慕われている

 

   真名は・・・素案を考えていた時に見ていた、某アニメの魅力的な師匠から一字拝借致しました・・・

   

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

【あとがき】

改めましてこんばんは 雪月でございます

 

大半が王林さんと紅さんが孫呉へ加入する処を補足しました回でございます 

蓮華同様、紅さん視点での孫呉加入時回想という手法を取らせて戴いております

 

上と下でサンドする形ではありますが、姉弟を凌駕?する甘甘モードにしてみました

序章の時点でコレなので・・・以降の紅拠点ではどうなっちゃうの!?と思わなくもありませんが・・・

 

恋人同士の拠点と差し支えないような勢いの拠点で・・・やっちった・・・かもしれませんね・・・

現状コレを超える紅拠点を制作できる気がしないのですが・・・(滝汗

 

・・・これから対応(次回以降拠点で選ばれないように工作)を練らねばならないかもしれません・・・(ぉぃ

イタイ 冗談デスカラ 石ナゲナイデ・・・

 

拠点も合わせてぼんやりとではありますが、序章に出てくる孫呉キャラの把握は、これで可能かなと思えます

琥珀に関しては薄いかなとは思いますが、他のキャラに比べて今後も日常面と戦闘面で出し安いキャラですので

さほど心配はしておりませんが・・・

 

キャラが多いので油断してると出しそびれ・・・てる場合もあるかもなので・・・

それには気をつけておかないと・・・という感じではあります

 

これから出す機会は一杯ありますしね・・・おっおそらく・・・ぼそっ

 

 

さて次回予告でありますが、~孫呉千年の大計~外伝  『砂上の楼閣』をお送りする予定であります

 

先の話(祭編)の”あとがき”でもお書きしました通り、孫堅五連者の運命やいかに・・・という処です 

普段のものよりボリュームが増量しております  

 

前編 後編と分けるかもしれませんが、現状は一話限定で、分けたとしても同日にUPします予定です 

 

”お気に入りに登録”していただきました皆様への日頃の感謝と致しまして”特典”として外伝をご用意してみました

 

雪月と致しましては、お気に入り登録を無理に『強制』したくもないので

できる限りの差別化をしたくないとの思いを、作品制作をする上で持っております

 

出来る限り多くの方々にお読みして戴きたい為、今まで『~限定』と縛りを行っておりません

(※全て・登録ユーザー・お気に入りの三種類があります)

 

さすがに作品の核心を突かれた質問がございましたので、見たくない方の回避行動が出来るように

『限定公開』という形を使用しようと致しましたが、お気に入り登録するかしないかは

読者様の『意志』によって行われるべきであり、自由選択によるべきものだと雪月は思っております

(例えば、文章サンプルもないのに、全部がお気に入り登録のみにしてしまっているとか

 その作者様にも別の考えがあるのかもしれませんが・・・)

 

登録しないと読めないという行為は、読者様に対して”強制を強いる”行為で失礼である

という認識を雪月が持っている為です 

(上記しました行為を行っておられます作者様達に因縁をつける気等毛頭ございません

 これはあくまでも個人的見解によるものだと思ってください)

 

ただ通信販売的言い回しとなりますが、登録してくださっている皆様への”日頃の御愛顧もお伝えしたい訳”でして・・・

 

そこで雪月が考えました結果、別にお読み戴かなくても物語の”進行上”問題はありませんが

お読み戴ければ、物語のちょっと深くまでを知ることが出来る”お得感=特典=外伝要素”としてならば

許して戴けるのではないかと思い、次回の外伝投稿という特典作品で

お気に入りに登録してくださった皆様への日頃の感謝にしたく存じます

 

上記に記しました通り、いつもより非常に”長く”なっております

途中で読み疲れするかもしれませんが・・・(^ω^;)

 

それと外伝を『乱発』するような真似はしません  

今回のように、章の拠点が終わった区切りでのタイミング予定でいます

 

登録されておられない方で、外伝作品にご興味を持ってくださった方々には

読む為にお気に入り登録の強制を強いる行為をさせてしまう事となり、大変申し訳なく思っております 

 

何卒ご理解を戴きたくご了承くださいます様 よろしくお願い申し上げます

 

それでは皆様 体調にお気を付けて まったね~( ´ ▽ ` )ノ

 

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
27
4

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択