No.511800

魏エンドアフター~想イノ結晶【獅子咆哮】~

かにぱんさん

゚(゚´Д`゚)゚

2012-11-24 19:18:21 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:8968   閲覧ユーザー数:6336

雪蓮によってもたらされた天災がようやく落ち着き始めたころ

 

真桜「そういえば隊長、結構氣使いこなしてたやん」

 

……言われてみれば確かに、直前までは氣を溜めるまでに多少時間がかかっていたはず

 

一刀「なんでだろう?自分でも意識して使ってたわけじゃないからわからないなぁ」

 

凪「しかし、無意識でやったのであればひとつ目標は達したというわけですね」

 

沙和「そうなの!おめでとうなの~!」

 

一刀「え?あ、ああ、ありがとう」

 

ん~どうせならこう……「やった!!!ついに極めたぞ!!」みたいな感じがよかったなぁ

まぁでも氣を使いこなせるにこしたことはないからな、良しとしよう

 

霞「しっかしずいぶんと洒落た氣やったなぁ、氣を使ってる奴はみんなああなん?」

 

雪蓮「いいえ?祭も氣を使うけどもっと荒っぽいわよ?」

 

一刀「え?そんなに変だったか?」

 

秋蘭「いいや、誰もが見惚れるほどに美しいものだったよ」

 

華琳「そうね、まるで花びらが舞っているようだったわ」

 

凪「自分も隊長のような氣は初めてみました、そもそもあれが氣なのかどうかもわかっていません」

 

秋蘭「?どういうことだ?」

 

凪「私は他人の氣を感じることができます、そして隊長と鍛錬をしているときは確かに氣を感じていたのですが……」

 

そこで何かを考えるようにして言葉を区切る

 

一刀「凪?どうしたんだ?」

 

凪「先ほどの隊長の試合中、隊長は氣を使っていましたよね?」

 

一刀「結構使ってたなぁ、おかげでかなりキツいけどね」

 

真桜「そりゃ隊長の体力であれだけ氣ぃ使ってたらキツいやろ、むしろ今普通にしてられること自体奇跡ちゃう?」

 

おい。

いや確かにね、俺は体力はないけどさ。

というかお前ら化け物と一緒の目線で考えられても……

 

凪「隊長があれほど氣を酷使していたのも疑問ですが、何より自分には氣が感じられませんでした」

 

え?

 

凪「あれほど氣を酷使していたにも関わらず、隊長の氣が感じられなかったのです」

 

え~っと……?どういうことだ?

 

一刀「つまり俺は氣が使えてないってこと?」

 

雪蓮「あたしが闘った限りでは間違いなく氣と同じだったけどなぁ」

 

凪「あ、いえ。なんといいますか……確かに氣のようなものは感じるのですが、どこか温かいのです」

 

霞「あーもう!ようわからんで」

 

秋蘭「もうすこし具体的にはわからんか?」

 

うむ、俺にもさっぱりだ

 

雪蓮「あ、でもそうね。あれは相手を殺す、とかいうのとは少し違ったわ」

 

 

「さぁ続いてまいりましょう、第15回戦──」

 

 

おっと、そんなこと言ってる間に試合が始まっちまう

 

一刀「まぁいいんじゃない?実際に使えたわけだし、何も問題はないよ」

 

真桜「せやね、わからんもんは考えてもわからんのや」

 

真桜、それは典型的な頭が悪いやつの台詞だ

 

霞「まぁ考えるのは後でええやろ、試合始まるで」

 

凪「…………」

 

(あれは相手を砕くというよりも──)

 

 

 

 

「楽進将軍対黄蓋将軍です!!!!!」

 

 

 

 

霞「お、凪の二戦目は祭さんやん」

 

ちなみに霞と黄蓋さんは飲み仲間としてかなり仲が良い。

俺も一度飲みにお邪魔させてもらったことがあるが殺されるのではないかと思った。

溺死で。

 

秋蘭「ふむ、あの大斧は凪と相性がわるそうだな」

 

春蘭「確かにな、凪も力押しの戦いだがあの武器が相手となるとな・・・」

 

あんなの使ってる癖に滅茶苦茶速いですもんね、あの人

 

真桜「ふふん、なめたらあかんで?」

 

自信有り気に真桜が胸を張る

 

一刀「何か秘策でもあるのか?」

 

真桜「隊長~……ウチがあれだけみんなの武器つくっとんのに、凪に何も作らんかった思うん?」

 

沙和「今回の凪ちゃんのはすごいの!」

 

是非なにがすごいのかを説明してほしい、でも確かに前の物とは違っている。

指先まで鋼鉄で覆われ、手足でセットになっているようだ

 

 

 

「それでは両者、壇上へお上がりください!!」

 

 

一刀「凪!!とにかく頑張れ!!応援してるからな!!」

 

真桜「真桜様自信作や!性能はお楽しみやで!!」

 

霞「凪!頑張りぃ!!あの一撃受けたら終わりやで!」

 

春蘭「とにかく止まるな!動き続けろ!」

 

風「凪ちゃんガンバですよー」

 

 

 

凪「はい!行ってまいります!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

両者が壇上に上がり対峙する

 

祭「ほぅ、先ほどの得物ではないのか」

 

凪「ここからは本気で行かせていただきます」

 

祭「あたりまえじゃ、わし相手に手なんぞ抜き負ったら承知せんぞ」

 

凪「貴女を相手にして手を抜けるほど命知らずではありません」

 

 

 

「それでは初めていただきましょう、れでぃ……ふぁい!!!!」

 

 

 

 

 

祭「せやぁぁぁぁ!!!!!!」

 

試合開始の合図とともに祭が大斧を振り下ろす

それを様子を見つつ後ろへ下がり回避

 

凪「ッ!!」

 

しかし気がつけば眼前には大斧、先ほどとは比べ物にならない速度で斬り返してきた

後ろへ転がり、そのまま地面を思い切り押し間合いの外へ飛んだ

 

祭「なかなかすばしっこいのぅ、しかし避けているだけではわしには勝てんぞ?」

 

そういうとこちらに背を向け

 

祭「ハァァァァァ!!!!」

 

反動をつけ大斧を振り切り、地面に亀裂が入ると同時に氣弾が放たれた

しかし凪とて氣の使い手、腰を落とし構えを取り

 

凪「ハッ!!」

 

左右の拳を振りきり、そのまま勢いをつけるため空中での回し蹴り。

そのすべてから氣弾が放たれた。

両者の気弾がぶつかり合う爆音が響いた。

相手の氣弾が大きく、相殺されたが、予測の範囲

 

祭「ほぅ、氣の扱いにかなり長けているようじゃな」

 

凪「そういうあなたも」

 

 

 

 

 

 

一刀「互角か……」

 

秋蘭「相手もかなりの氣の使い手のようだな」

 

雪蓮「まぁ呉で唯一氣が使えるのは祭だけだしね、勝つのは難しいんじゃない?」

 

真桜「せやけど戦が終わってからの3年間、凪も遊んどったわけやない。

   むしろ今まで以上に鍛錬に没頭しとった」

 

沙和「そうなの、見ているこっちがつらくなってくるくらいだったの~……」

 

一刀「え?なんで?そんなに治安悪かったの?」

 

秋蘭「北郷……」

 

稟「あなたは意外と聡明なくせにこういうことに関してはまったくのバカですね」

 

バカって……そんな蔑む目を向けないでぇ……

 

真桜「隊長が消えてしまったからや、隊長を守れなかった言うて泣きながら鍛錬しとった」

 

一刀「────」

 

真桜「たぶん隊長の帰還を一番願っとったのは凪や。

   そして隊長が帰ってきたら今度こそ自分が守る、もう二度と離れてほしゅうない。

   毎日のように言うとったで」

 

秋蘭「北郷が消えた理由は華琳様に聞いたよ。

   誰もなにもできない、どうしようもないことだった。

   それでも凪は何かせずには居られなかったのだ」

 

もう胸がいっぱいでなにを言っていいのか……俺帰ってきてから泣かされすぎだろ……

 

真桜「その姿を見とったら居てもたってもおれんくてな。

   あれはウチが凪の想いをそのまま形にした武器や」

 

秋蘭「名を「獅子王」というそうだ」

 

真桜「我、天を護りし鋼の獅子也、ってな」

 

 

 

 

 

 

凪「くっ!!」

 

大斧をまるで重力を無視しているかの如く、振り下ろし、なぎ払い、叩きつける

 

なんとかそれをいなしながら様子を見るも、まったくの隙がない

 

祭「うまく避けおる、しかし──いつまで続くかのぅ!!!」

 

凪「ッ!!」

 

上下から同時に襲い掛かる斬撃、避けることは不可能だ。

 

凪「かはっ!」

 

あまりの衝撃に耐えられず、体がくの字に曲がり、弾き飛ばされた

 

凪「(なんて一撃だ……!鎧がなければ全身の骨が砕けているところだ)」

 

祭「とどめじゃ!!」

 

思い切り大斧を振りかぶり地面に叩きつけ、特大の氣弾が凪めがけて放たれる

 

凪「(自分は……!私はあの人を護る為に……!)」

 

 

 

 

 

 

一刀「がんばれ凪ぃぃ!!俺はここにいるぞおおお!!!」

 

 

 

 

 

 

凪「ッ!!!」

 

体が軋むも何とか上半身を起こし

 

凪「ハァァァ!!!!!」

 

両腕を地面につけ、それを軸に体を振り、両足で空気を裂く

さらに左右の拳での連撃、連続での回転蹴り、そのすべてが氣を放つ

 

祭「なっ!?」

 

祭の放った気弾はかき消され、数発の気弾が襲い掛かった

 

祭「くはっ!」

 

凪「まだまだ、これからですよ黄蓋殿」

 

祭「そのようじゃな、楽しくなってきたぞ」

 

凪が祭目掛けて走り出した、それに合わせるように大斧を振り上げ、叩きつける

 

祭「せやぁぁ!!!!!」

 

それを斜め前へ出て回避、そのまま相手の懐へ潜り込み

 

凪「ハッ!!」

 

踏み込みと同時に背中全体を相手にぶつける

 

祭「ぐぁ──!」

 

外部的な衝撃ではない、内部に響く、内臓に直接ダメージを与える衝撃。

しかし祭も只者ではない。

常人ならば悶え苦しむ衝撃を堪え

 

祭「ぬっ……!くぁぁ!!!」

 

斧の柄を腹部に打ち込み空中へ飛ばし、上がりきる前に地面に叩きつける

 

凪「は……くっ!!」

 

一瞬呼吸困難に陥るものの、すかさず足払い、体勢が崩れたところへ

 

凪「あああ!!!!」

 

拳槌、掌低、虎爪、回転し猿臂、側頭部目掛けて熊手を放つ。

その雄々しく気高く力強い、まさに獅子の咆哮を思わせる猛襲に誰もが息を飲んだ。

 

祭(なんという猛襲……!得物が折れてしまいそうじゃ……!)

 

 

 

 

 

 

冥琳「……今大会の魏は気迫がまるで違うな」

 

明命「祭様が押されています……あれほどの武を持っていたなんて……」

 

甘寧「前回までとは比べ物にならん動きだ」

 

 

 

 

愛紗「かなりやるな……私も危ういかもしれん」

 

桔梗「確かに、一騎当千と呼ぶに相応しい武だ」

 

鈴々「あのお姉ちゃんいきなり強くなったのだ」

 

星「ふふっ、あの殿方のおかげだろう。全く、うらやましい限りだな」

 

紫苑「そうねぇ、愛する人の為。いい響きだわぁ~」

 

鈴々「にゃ……二人ともどこかへ飛んだのだ」

 

愛紗「……放っておけ」

 

 

 

 

 

祭「調子に──乗るな!!!」

 

大斧の中心部分を持ち刃と柄を乱舞した、その一つ一つの一撃は必殺に等しいものだろう

何とか滑らせながらかわすも、その手数に体が追いつかず

 

祭「終いじゃ!!!」

 

渾身の力をこめた大斧の一振り。

凪がそれを両腕を交差させ防御するが、そのまま押し込められ地面へ叩きつけられた。

静かに砂煙が引いていく中、誰もが勝敗を決したと、そう思った

 

凪「はぁぁぁ!!!!」

 

瞬間、砂煙を氣の嵐が吹き飛ばした

 

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!」

 

祭「あの一撃を耐えるか……!」

 

受け止められるとは思っていなかった、凪自身が一番驚いている

魏の控え席に目をやると、真桜がこちらにΣdグッ!と親指を立てている。

 

凪「真桜……」

 

 

 

 

 

 

一刀「すげぇ!!!すげぇっすよ!!真桜さん!!

   凪も凄いしあれで壊れてない武器もすげぇっすよ!!」

 

雪蓮「本当にすごいわね、あれで壊れないなんて」

 

真桜「あたりまえやろ?ウチを誰や思うてんねん。

   凪の想いの塊や、何人たりともあれを壊せる者はおらんで」

 

え、何この人。

俺の刀を作ったときも思ったけど何百年に一人とかの逸材なのではないだろうか

 

春蘭「以前の凪の武器では耐え切れんかったであろうな」

 

 

 

 

 

凪、祭「ハァァァ!!!!!!!」

 

互いに一歩も譲らない、相手の一撃を読み、かわし、叩き込む

そのひとつひとつから放たれる氣は燃え盛る炎のように二人を包み、襲いかかる

暴風のような祭の斬撃、獅子の咆哮のような凪の拳撃。

見るものはただただ二人の闘いに魅了された。

しかし、その舞台もついに終わりを告げる。

 

両者がそれぞれの得物に氣を集中させ、互いに間合いを詰め

凪による両手を合わせ、全力で相手に叩き込まんとする掌低

祭による凪の武を砕かんとする一閃

 

互いの一撃が重なり合い、氣の暴発が起こった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

両者共衝撃に耐え切れず、場外へ吹き飛んでいた

 

「こ、これは──勝者無し!!!引き分けです!!!!!」

 

「な、なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」

 

一刀「引き分けかぁぁ!!!」

 

真桜「あっちゃ~、ま、力が互角ってんならしゃあないな」

 

霞「引き分けた場合ってどうなるん?」

 

華琳「扱い的には両者とも敗北という形になるわ」

 

一刀「でも頑張ったんだ、みんなで迎えてやろう!」

 

 

 

 

 

 

祭「はっはっはっ!!!まさか相打ちになろうとはのぅ!」

 

凪「そうですね、勝敗を決したい気持ちはあります」

 

祭「ほう、ならばまたいつか再戦しようではないか、決着がつくまで、とことんな」

 

凪「はい、望むところです」

 

祭「はっはっ!!わしの真名は祭じゃ、おぬしに預けよう」

 

凪「ならば私も預けます、凪といいます」

 

祭「ふむ、良い名じゃ」

 

腕を組み満足げにうなずいて

 

祭「ではの、楽しみにしておるぞ。凪」

 

そう言うと、呉の控え席へと戻っていった

 

 

 

 

 

 

一刀「よく頑張ったぞ凪ぃぃぃぃ!!」

 

帰ってきた凪にガバァッと飛びついた

 

凪「た、隊長!?あの、その……」

 

霞「ようやったで凪!負けたら膝枕してもらおう思っとったけど勘弁したる!」

 

春蘭「うむ、凪があそこまでやるとは思わなかったぞ、いつか手合わせ願いたいものだ」

 

秋蘭「あぁ、見事だった。誇るべき武だ」

 

皆に賛美を浴びせられる中

 

一刀「凪」

 

抱き寄せたまま一刀が耳元で

 

一刀「ありがとう、……本当にありがとう」

 

凪「隊長?どうしたのですか?」

 

真桜「凪の決意を話してもうた♪」

 

沙和「隊長ってばものすごく泣きそうになってたの~」

 

凪「な、ば!?お、お前たち!」

 

真桜「ま、ええやん?減るもんやないし♪」

 

凪「そういう問題じゃ──!」

 

一刀「俺も守るよ」

 

凪「え?」

 

一刀「俺も凪を守るよ、凪だけじゃない。真桜も沙和も魏のみんなをだ」

 

凪「隊長……」

 

秋蘭「ふふ、期待しているぞ、北郷」

 

桂花「ふん、あんたなんかに守られなくても──」

 

稟「まったく……少しは素直になったらどうです?」

 

雪蓮「あ!あたしもあたしも!」

 

春蘭「貴様に我らを守れればな」

 

風「風はお兄さんを信じていますよー?」

 

一刀「おう!任せとけ!!」

 

 

 

 

 

いや、一人違うだろ。

というか馴染みすぎだろあんた……

 

惜しくも凪の2回戦は引き分け、この大会のルールでは敗北ということ

しかし相手はあの黄蓋さんだ、かなりの善戦だろう

その後の試合では張飛対呂布で呂布の勝利、霞対馬超で霞の勝利

春蘭対関羽で関羽の勝利

 

「さぁ続いて参りましょう第19回戦──」

 

ここまで人数が減るとさすがに次の相手がわかってくるな。

というか結構残ってる俺ってもしかしてすごい?

 

「趙雲将軍対北郷一刀将軍です!!!」

 

はいきたこれ、またしても大将軍様ですね。

どの三国志の小説でも大体主人公的な扱いの人ですよ。

 

秋蘭「かなりの強敵だ、油断するなよ」

 

風「といってもお兄さんですからねー、また無意識に手を抜いてしまうのではないでしょうかー」

 

う……痛いところを。

いやでもね、俺だって一生懸命なんですよ?

 

華琳「一刀、あなたが女性にどこまでも優しくしてしまうのはもはや何も言わないわ

   でもね、武人を相手にしたらその優しさはただの侮辱となる

   武人の誇りを踏みにじるも同然ということを覚えておきなさい」

 

春蘭「そういうことだ、武人というものは自分に誇りを持っている、その誇りを汚される

   ということはどんな事よりも耐え難いことなんだ、死よりもな」

 

霞「せやから相手を本当に思いやるなら全力でぶつかったり、それが礼儀や」

 

一刀「……わかった。

   俺の自己満足で相手を踏みにじるなんてことしたくないからね、全力でぶつかるよ」

 

そうだな、俺にも譲れないものはある。

それを貶されるのと同じということか。

雪蓮の時みたいに。

 

一刀「ありがとう、じゃあ行って来るよ」

 

凪「頑張ってください!隊長!」

 

真桜「せやで!北郷隊の強さを示したるんや!」

 

沙和「そうなの!ここで負けたら隊長は一生ふにゃちんなの!」

 

すいません、それは勘弁してください

 

 

 

 

 

 

星「ほぅ、あの殿方が相手か。ふふ、これは楽しみだな」

 

愛紗「なにをニヤニヤしているのだ星、気持ち悪いぞ」

 

紫苑「星ちゃん、是非とも感想を聞かせて頂戴ね?」

 

星「ふふ、無論だ」

 

紫苑「うふふふふふ」

 

翠「な、何かあの二人さっきから様子が変じゃないか?」

 

鈴々「桃色な雰囲気なのだ」

 

愛紗「はぁ……もう行け」

 

星「なんだその投げやりな態度は。

  まぁいい、では行って来るとしよう、ふふふ」

 

愛紗「気持ち悪いぞ」

 

 

 

 

 

「それでは両者、壇上へおあがりください!!」

 

 

 

両者が壇上へ上がり、対峙する

 

星「よろしく頼むぞ、北郷殿。全力で来てくださるようにな」

 

一刀「もちろんそのつもりだよ、今しがた言われたばかりなんだ」

 

星「ほう、では期待することにしよう」

 

 

「それでは始めていただきましょう、れでぃ……ふぁい!!!!!」

 

 

 

試合開始の合図と共に放たれる竜牙の一閃。

それを屈んで避け、間合いを取る

 

星「さすがにこの程度では当たらぬか」

 

いや、今のはちょっとびっくりだ。

少しでも遅れていたらもらっていただろう

 

星「お主の剣術はこの大陸にはないものだ、ふふ、武人としての血が騒ぐ」

 

この人も割りと戦闘狂なんじゃないだろうか

 

星「では、本気でいくぞ!北郷殿!!」

 

一気に間合いを詰め、竜牙を振るう

なぎ払い、叩き落し、突き、振り上げ、落とす

その美しくも豪快な舞いに会場は歓声を上げる

そして、その舞いを双振りの乱舞が応戦する

星の連撃を刀に滑らせ、反撃へと持ち込む。

 

一刀の反撃をその連撃で打ち落とす、両者共に一歩も引かず得物が交わる

 

星「くッ……!」

 

しかし、一刀の一撃は防御をしているにも関わらず体力を削る。

そればかりか段々と剣速が上がっている

 

一刀「ハッ!!!」

 

楼蘭で相手の得物を抑え、鞘に収めた桜炎での居合い抜き

 

星「ぐぅ……!」

 

その衝撃に耐え切れず、後ろへとび間合いを取る

 

星(あの剣術はかなり厄介だな……受け続ければ手が痺れてしまう。

  それに長剣でのあの一閃。目では捉えられん……!)

 

一刀が両刀を鞘に納め、星に突進する。

 

星(ならば!)

 

そして刀に手をかけ、引き抜こうとした瞬間

 

星「させんッ!!」

 

一刀「ッ!?」

 

一瞬で間合いを詰め、流星のような突きが襲い掛かる

 

一刀「くそッ!!」

 

星による尋常ではない速度の突き、さらにそのまま回転し

 

星「ハァ!!!!」

 

その槍の長さによる遠心力によって絶大な破壊力を乗せたなぎ払い

 

一刀「ぐぁッ……!」

 

二刀を地面に突き立て、何とか防御するもあまりの衝撃に弾きとばされた

 

星「お主はどうやら、氣を使う時にかなりの体力を使うらしいな」

 

一刀「どうも自分の氣を制御できてないみたいでね、かなり疲れるんだ」

 

星「そのような軽口が叩けるならばまだまだ余裕ということだな」

 

いや、実際かなりキツいんだけど……

そんなことを考えている間に竜牙が目の前まで迫っている

 

星「ハッ!!」

 

槍を軸に体を持ち上げ、上空から槍を叩き落す

そのまま下段をなぎ払い、柄で刀を弾き、中段への蹴り

 

一刀「ぐッ……!」

 

腹部に蹴りをもらうも踏みとどまり

 

一刀「ぅぉあッ!!」

 

刀を逆手に持ち替え、拳を突き出し、屈んで避けたところへもう一方の刀を振り下ろす

 

星「ぬッ……!くっ!」

 

振り下ろされた斬撃を何とか受けたが

 

星「ッ!?」

 

直後に腹部への衝撃。

一瞬何が起きたのか分からなかったが、すぐに自分が相手の得物でなぎ払われた事が分かった

 

星(……やはり速いな、今の軌道は読めなかった)

 

一刀の上段、中段への連撃を読むことはできなかった。

 

 

 

 

 

愛紗「星と互角、いや、速さは北郷殿が上か」

 

翠「すっげぇなぁあいつ、星のあの突き全部止めたぞ」

 

鈴々「鈴々も星の突きは全部止められたことないのだ」

 

桔梗「しかしあの動き、欠点があるな」

 

紫苑「そうね、動きが速い分手数も段違い。でもあの子の体力では少し厳しいみたいね」

 

 

 

 

一刀「ぜぇ、ぜぇ……」

 

やば……ちょっと酸欠になってきた……

ここまで氣を使わずに来れてるものの、激戦続きで正直辛い

まぁ相手も俺と同じ状況で来てるんだけど……

星が竜牙を後ろ手に構え、突進してくる。

そして頭上で一回転させ、全力で振り下ろす

 

二刀に氣を溜め、体を思い切り捻り、胴で応戦

 

一刀「ぉ──ッらぁ!!」

 

そのまま力任せに振り切り相手の体勢を崩し、連続での回転蹴り

 

星「ふっ!!」

 

それを受け止め、軸足を弾かれ転倒、そこへ思い切り得物を叩きつける

間一髪、体を転がしなんとか避けた

 

星「はっ、はっ……大した反射神経だ」

 

一刀「はぁ、はぁ……そりゃどうも……」

 

互いに後ろへとび体勢を立て直し、最後の詰めに入る

 

一刀、星「はぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

同時に地面を蹴り、二つの乱舞が衝突する

 

星の鮮やかで力強い、まるで蝶のような舞い

一刀の流れるような、しかし威風のある豪快な舞い

 

互いの得物がぶつかり合う轟音が、まるで二人の狂想曲を作り出しているかのように

一撃を、ただ一撃を入れようと踊り狂う。

動きを読み、攻撃を避け、自らの全てを乗せた一撃を加える。

 

そして──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく響き渡っていた轟音が途切れ、鈍い音が響く。

壇上には得物を弾き飛ばされ、自分の手元を見ている星

そして星の首筋に刀を突きつけている一刀の姿があった。

 

 

 

 

 

「勝者!!北郷一刀将軍です!!!!」

 

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

 おおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

霞「やっっっっったでぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

凪「はい!!!やはりさすがです!!隊長!!!」

 

風「まさか本当にこのまま優勝してしまうのではないでしょうかー」

 

秋蘭「かもしれん、あれほどまでの武を持つ者はそうそういないだろうからな」

 

雪蓮「それにしてもすごかったわね、演舞でも見ているのかと思ったわ」

 

華琳「本人に自覚はないみたいだけどね、まぁ一刀らしいと言えば一刀らしいわ」

 

 

 

 

 

星「お見事です、これほどまで楽しい闘いは初めてかもしれません」

 

一刀「そうかな?期待に応えることができて何よりだよ」

 

とか余裕ぶっこきながらもきっつ……これマジ体力もたないかも……

 

星「ふふ、やはり私の目に狂いはなかったな」

 

星が口元に手を添え、値踏みするかのような視線で一刀を眺める。

 

一刀「え~っと、何でしょう?」

 

星「いやいや、お気になさるな。ふむふむ」

 

な、なんだ?そんなに見られるとすごい落ち着かないんだけど……

 

星「顔良し、器量良し、なにより愛した女に一途だ」

 

そういうと星は一刀に歩み寄り

 

星「私の女も満足させてはもらえぬかな?北郷殿」

 

ちゅっと頬にキス──ってぇええええええええええええええ!!??

ちょちょちょちょっと趙雲さん!?あんた何してんの!?

恐る恐る魏の控え席へ目をやると

 

一刀「ひぃ!?」

 

空気が凍るなんてものじゃない。

殺気なんて生ぬるい。

その空気で圧死できる自信がある

 

一刀「趙雲さんちょっと待って!?いきなり何を──」

 

星「おや、お気に召されなかったか。

  それと、私のことは星とお呼びくだされ」

 

一刀「いやお気に召すとか召さないとかじゃなくて──それにそれは君の真名だろう?

   俺と君は今日初めて会ったと言ってもいいくらい接点がないのにいきなり──」

 

星「私がこの眼で見、体で感じ、貴方になら我が真名を預けても良いと思ったから預けたまで。

  何かご不満が?」

 

一刀「い、いや、それにしたって」

 

星「それに真名を預けられたにもかかわらず、それを断るのは失礼ではないか?」

 

う、何かこれも武人のなんたらとか言うものなのだろうか。

 

一刀「……わかったよ、星、これでいいかい?」

 

星「よろしい、真名を受け取ったついでに私を──」

 

一刀「それはできないよ、俺は魏に全てをささげている。

   あの子達以外に手を出すつもりはない」

 

そういうと少し驚いたような表情で

 

星「ふふっ、そのようなことを言われたら、ますます欲しくなってしまうではないか」

 

一刀「え?」

 

星「あいや結構、それではな、楽しかったぞ、一刀殿」

 

そう言って、蜀の控え席へと戻った

 

 

 

 

紫苑「星ちゃん!どうだった?」

 

星「あぁ、あれは予想以上に良い男だ。魏の女子達が惚れるのも無理はない」

 

紫苑「はぁ……やっぱり、私の目に狂いはなかったわ」

 

翠「お、おい。あの二人なんであんな恍惚とした表情を浮かべてるんだ?」

 

愛紗「はぁ……知らん、放っておくのが一番だ」

 

星「これ愛紗よ、お主とて他人事ではないのだぞ!」

 

愛紗「うわ!な、なんだいきなり!くっつくな!」

 

紫苑「そうよ?愛紗ちゃん、ちょっとこっちへいらっしゃい。」

 

愛紗「な!?し、紫苑!?何を、やめ──!」

 

ずるずると星と紫苑に裏へ引きずられていく

 

鈴々「愛紗がさらわれたのだ……」

 

翠「あぁ……関わらないほうがよさそうだな」

 

蜀一同『…………(合掌)チーン』

 

 

 

 

 

 

控え席へと帰ってきた俺に浴びせられたのは

「種馬」「全身性液孕ませゴミ男」「どうしようもないチ〇コ野郎ですねー」etc…

言葉の暴力、身体面での攻撃は気を使ってくれたのだろう、よって精神面へのダメージ

 

……いじめられっこってこんな気持ちなのかなぁ。

 

結構マジにへこんだ俺がいた

精神的ないじめを受けた俺だったが、何とかみんなの誤解を解き、控え席への着席が認められた

 

……あれ?そもそも俺なんか悪いことしたっけ?

そんな理不尽な現象を思い返していると

 

「続いてまいりましょう、第20回戦──」

 

おっともう次か。

え~っと次の試合は──

 

「張遼将軍対関羽将軍です!!!」

 

あの司会者最近溜めなくなったな、絶対飽きたか面倒になっただろ。

 

霞「関羽やぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

一刀「うおおいきなりどうした!?」

 

霞「だって関羽やで!?あの関羽や!いやぁ~ここまで来れてよかったわぁ~」

 

いや、だから何も伝わってこないんだけど……

 

稟「霞は関羽殿とどうしても戦いたかったようですよ。

  しかし今まで3回程この大会は開かれていますが一度も闘えていないのです」

 

あぁなるほどね。

まぁ強さを求める分関羽さんみたいな人とはどうしても闘いたかったんだろう

いや、それにしても霞の表情……何か恍惚としてるぞ。

 

霞「ほな、行って来るで!!!」

 

そういうとさっさと壇上へ向かってしまった

 

一刀「なんだったんだ?」

 

 

 

 

 

「それでは両者、壇上へおあがりください!!!」

 

霞はすでにいるようだけど……あれ、関羽さんがなかなかでてこない。

 

「えーと……関羽将軍は居られませんか?」

 

愛紗「い、いや!いるぞ!!少し待ってくれ!!」

 

どこからか関羽さんの声がして……お、出てきた。

何かすごい疲れてる。

 

霞「びっくりしたで~、不戦勝になってまうと思ったわ~」

 

愛紗「はぁ、はぁ……いや、すまない。

   ちょっとした入用でな」

 

そういって蜀の控え席をキッと睨む。何があったのだろうか

 

「それでは始めて頂きましょう、れでぃ……ふぁい!!!」

 

 

 

霞「いくでぇぇ!!!」

 

愛紗「来い!!」

 

両者が偃月刀を掲げ、踏み込みと同時に振り下ろす

二頭の竜が噛み合わさり、轟音を放つ

 

霞が押し返し、柄で得物を弾き、飛竜の牙を振り下ろす

それを愛紗が避け、一瞬の隙を見て青竜の一撃を放つ

 

牙を噛み合わせたままお互いの竜が地面へと激突し、クレーターのような穴が出来た。

 

霞「はっ!やっぱめっちゃ強い!滅茶苦茶楽しいで!!」

 

愛紗「ふん!この程度、この関雲長の片鱗を見たに過ぎん!!」

 

霞「あたりまえや!こちとらこの闘いをしとうてしょうがなかったんや!まだまだいくでぇ!!」

 

霞がそのまま偃月刀で地面を押し、体を持ち上げ上空から渾身の一撃を振り下ろす

 

愛紗「くぅッ……!」

 

そして柄を使い足払い、回転し腹部への突き、頭上で一回転させ、その勢いのまま叩きつける

 

愛紗「調子にのるなぁぁ!!!!」

 

しかしそれらをすべてを受けきり、体を霞にぶつけ体勢を崩し、回転しなぎ払う

さらにそのまま霞へ飛び掛り、偃月刀を振り下ろした

 

霞「っつ~……ったくどんな腕力しとんねん」

 

剛撃と呼ぶにふさわしい連撃。

しかし本人曰く「私は怪力ではない!!!!」とのこと

気を取り直し、お互いに間合いを取る

 

 

 

 

 

一刀「今更だけどあの二人の武器って似てるよな」

 

秋蘭「ふむ、確かに言われてみればそうだな」

 

真桜「当たり前やん、ウチが同じように作ったんやから」

 

……そういえば霞の武器を強化したときにそんな事言ってたような。

 

春蘭「しかしなぜ得物を似せる必要があるのだ?」

 

真桜「ただ単に関羽の事が好きやからちゃう?」

 

……え?霞って百合っ子だったの?

 

風「お兄さんが何を考えているかは分かりませんが、

  華琳さまのような感じではないのであしからずー」

 

なにやらほっとしたような少し残念なような。

というかばっちり分かってんじゃん……。

 

 

 

 

 

愛紗、霞「ハァァァァァァ!!!!」

 

互いの牙がぶつかり合い、轟音をかき鳴らす。

まるで本当に竜が鳴いているかのように

霞が仕掛ければ、それを愛紗がいなし反撃

愛紗の反撃を受ければそれを殺すために得物をぶつける

まさに力と力の勝負、力がぶつかり合えば闘いが長引くことはないだろう

両者は引かずに竜を振るい続けた

 

霞「はぁ、はぁ……ちょっと厳しいなぁ」

 

愛紗「はっ、はっ……ならば降参するか?」

 

霞「はっ!バカ言うなや、ウチはこの勝負負けるつもりはあらへんで」

 

愛紗「ふん、ならば我が一撃を持って屈してくれる!」

 

愛紗が偃月刀を担ぎ、突進してくる。

 

霞「なめたらあかんでぇぇ!!!」

 

霞も同時に頭上で振り回し、突進する

 

二頭の竜の嘶きが会場に響いた。

 

 

 

 

 

 

霞「──は?」

 

愛紗「──え?」

 

 

 

 

 

互いに噛み合わさった筈の竜が2頭共消えていた

 

「な、なんと!!!またしても引き分けです!!!」

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお お!!!!!!!!!!!!!!!]

 

愛紗、霞「な、なにぃぃぃぃ!?」

 

霞「なんでや!?なんでこないなことにぃぃぃぃぃ!!」

 

愛紗「引き分けで終わるなどと……くっ!まだまだ未熟ということか」

 

霞が頭をグシャグシャしながら叫んでいる傍ら、愛紗は静かにつぶやいた

 

愛紗「しかし、良い戦いだった。

   貴女が言っていたように、とても楽しかった」

 

グシャグシャやっていた霞の手がピタリと止まり

 

霞「ウチのことは霞でええよ」

 

愛紗「な!?それは真名ではないか!いきなり何を──」

 

霞「ウチはずっと関羽ちんと闘いたかってん。

  結果は引き分けやったけどそれでも一番楽しかったかもしれん。

  やからウチを楽しませてくれたお礼と、その腕に対する敬意や」

 

愛紗「……そうか。ならば私も預けぬわけにはいくまい、愛紗だ」

 

霞「え?ええの?」

 

愛紗「私も霞と同じ気持ちだからな、当然だ」

 

霞「そっか……。次は決着つけんで!愛紗!」

 

愛紗「あぁ!望むところだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

真桜「何でやぁぁ……何で折れるんやぁぁ……」

 

自分の自信作である得物が折れてしまったことにショックを隠しきれない真桜。

 

稟「うーん……これは霞にとっては最悪の結果ですね」

 

風「そうですねー。

  勝敗が決して負けたのであればよかったのですが、引き分けてしまいましたからねー。

  それにお兄さんとの勝負もできなくなってしまいましたし」

 

そうか、そういえばこの大会のルールでは引き分けは敗北と同じだったな

ん……あれ?……俺決勝戦じゃん!

 

凪「隊長!決勝戦、頑張ってください!」

 

真桜「ぬおおせや!まさか隊長が決勝戦まで残るなんて……」

 

沙和「信じられないの……」

 

うん、君たちの気持ちはよく分かる。

俺も信じられない

 

霞「一刀ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

ドゴォ!!!

 

一刀「へぶあ!?」   

 

もろに顔に突進された。

首折れるわ!

 

霞「なんでや!?なんで引き分けなんや!?

  これじゃすっきりせぇへんし一刀とも闘えへんやないかぁぁぁ!!」

 

一刀「わかった!!わかったからちょっと離れてみようか!!」

 

うおおお首に決まってる。し、死ぬぅ……

 

秋蘭「霞、悔しいのは分かるがとりあえず離してやれ。北郷が死んでしまうぞ」

 

霞「なんでやなんでやなんでやぁぁぁぁ!!!」

 

桂花「聞いちゃいないわね、本当に死ぬわよ?あいつ」

 

風「ぉお、お兄さんの顔の色が土気色に……」

 

凪「し、霞さま!?隊長が死んでしまいます!離してください!!」

 

真桜「おお、いよいよ泡まで吹き出しよったで」

 

霞「なんでやなんでやなんで、や……?かずと!?どなしたんや!?」

 

い、いや……どないしたもなにもお前が俺を……

 

沙和「たいちょ~!!死んじゃだめなの!沙和たちを置いていったらだめなの~!」

 

あぁ……次決勝戦なのになぁ。

どうやら俺はここまでのようだ

 

皆、後は任せたぞ……ガク

 

凪、真桜、沙和「たいちょぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

華琳「バカやってないで支度なさい、次は決勝なのよ?」

 

一刀、凪、真桜、沙和『……はい』

 

いやそうだけどさ?ちょっとくらい心配してくれてもいいんでない?

あ、涙が。

 

 


 
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