No.493406

京結ぺろぺろ時間

初音軍さん

時間はタイムと読む、某アレっぽいタイトル。ほんとペロペロするだけのお話でダラダラ申し訳ございません的な百合SSです。よければ見ていってほっこりしてもらえれば幸いどす☆

2012-10-07 21:20:22 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:1846   閲覧ユーザー数:1840

【京子】

 放課後、ちょっとあかり達のとこいって来るかどうか

聞いてくるから先に行って。

 と、結衣に言ったのが事の始まりだった。

 

 私は用事を済ませてごらく部へと顔を出すと、

予定通りに結衣だけが退屈そうに私の持ってきた百合マンガを読んでいた。

 

「よぉ、お待たせ!」

「ん、あかりとちなつちゃんは?」

 

「二人はちょっと遅れてくるからって~。何かして遊ぼうよ~」

「二人でか?」

 

 言われて、二人で楽しめそうなことが浮かばなかった私は仕方なく

一度その場で座ると、何かが物足りないことに気づいた。

 

「そうだ、茶はまだか!」

「自分でやれ」

 

 いつも当たり前のようにやってくれてる、ちなつちゃんの存在は大きかった。

私はブーブー言いながら立ち上がって台所に向かって電気ポットの電源を入れて

少しの間待つことに。

 

 その間、暇だったから。最近ご無沙汰なミラクるんのテーマを鼻歌混じりに

歌っているとポットの蒸気口からシューという小さな音が聞こえてきた。

それに合わせて湯飲みと急須をセットして準備万端なのである。

 

「うぇーい、持ってきたよー」

「お。ありがと」

 

「何だかこの雰囲気も久しぶりだねえー」

「ずっと、あかりやちなつちゃんがいたからね」

 

 ズズッと音を立ててお茶を啜る。鼻から息を抜いて、仄かな香りを感じる。

そして、何気なくチラッと結衣の方を見やると。一瞬、私の方に視線を合わせて

慌てたように顔を逸らした。

 

「なに、そのあからさまな反応は~」

「な、なんでもないよ。気にすんな」

 

「ほほ~」

 

 ニヤニヤして結衣の顔を見ようとすると、反撃に転じた結衣は私に勉強をしろと

言い出してきた。やる気は全くなかったのだが、暇だったしちょうどいいと思えた。

 

「では、結衣せんせー。わからないとこがあったら教えてね~」

「はぁ、成績がいいやつの台詞じゃないよな」

 

「そんな褒めんなよ」

「褒めてねえよ」

 

 静かで寂しい状況なのに、それでも結衣といるとホッとして物事に集中できる

自分がいる。そういえば、いつも原稿とかして危ないときは結衣に頼ってたっけ。

 

 私が勉強を始めると、結衣も今までやっていた問題の復習をしているのを

横目で見ていた。勤勉すぎるというか、何というか。

 

 私は一生懸命に物事に取り組んでいる結衣の顔を見るのが好きだ。

見ているとそれに負けじと集中を保たせることもできるしね。

 

 しかし、それも束の間のことで。今日の私は何か気持ちが悶々としているのを

感じて、結衣を見るたびに何か悪戯したい衝動を覚えるのだった。

 

 少し湿気のある、本日。大汗をかくほどではないにしろ、少々蒸し暑い。

一筋の汗が流れる結衣を見ていると、何だかドキドキしてきた。

 

「ねえ、ちょっと教えて欲しいことがあるんだけど」

「なんだよ・・・」

 

 集中していた結衣に話しかけて、ちょうどいいところだったのか、

素っ気無い返事をしながら私に振り返ろうとしていた瞬間に、

私の時間が始まった。

 

 

 

「・・・!」

 

 振り返る結衣の唇に私の唇を重ねて、一気に結衣との距離を縮めて、

体を絡めようとすると。

 

「うわっ・・・!」

 

 私の勢いある動きに結衣のバランスは崩れて私が押し倒すような形を取っていた。

蒸し暑い空間の中。汗をかく結衣からは何ともいえない、良い匂いが私の嗅覚が敏感に

反応する。

 とても刺激的で脳がもっとその匂いを嗅ぎたいと私の体に要求してくる。

 

「ちょっと失礼~」

「ちょっ、京子・・・!」

 

 スッと迷いなく、私は結衣の鎖骨がある辺りに顔を押し当てて、

匂いを大きく嗅いでみた。

 

 汗をかいているせいか、結衣の匂いが濃く感じられて心地よいのと、

胸の鼓動が高鳴るのを感じていた。

 

「おい、嗅ぐなって」

「いいじゃん。減るもんじゃないし」

 

「そういう問題かよ」

「嫌がる割には抵抗しないよね~。結衣って」

 

「うぐっ・・・!」

 

 痛い所を突かれたのか、結衣は少々の抵抗の意を見せるが、

それは私がすることに対してなんの障害にもならない可愛いものである。

逃れようと思えばいつものように力任せに解くこともできるだろうに。

 

「ふふっ、結衣の汗。しょっぱいね」

 

 私は暑さからなのか、この状況での動揺で生み出されたかわからない

一粒の汗を舌で掬い取って結衣の耳元に囁く。

 

 すると、それが恥ずかしいようなのか。体がビクッと激しく反応をしている。

切なそうにする結衣の表情が可愛くって私はもっと弄りたいという感情が生まれてしまう。

 

(もっと、舐めたい)

 

 結衣だけではなく、自らの体も熱くなってきて汗をかきはじめていた。

顔が火照り、息が荒くなっていき、興奮していくのがわかる。

 汗を舐め取るだけじゃ、気がすまなくなってきた私は結衣の首筋を軽くペロッと

舐めると、下で押さえつけられている結衣の体が反応するのがわかった。

 

「京子・・・」

 

 それは言葉とも吐息とも取れる、微かな音で。

すごく切ない声が私の耳から伝わって脳を痺れさせる。

すごく可愛くて、どうにかしてしまいそうだった。

 

「京子・・・。もうやめて・・・」

「なんで?」

 

「だって、あかり達が来ちゃうかもしれな・・・あっ」

 

 突き出した手と逆にある、自由に動かせる手で制服越しから胸を覆い、

そっと力を加えると、同じように色っぽい声がその艶やかな唇から漏れるのが気持ちいい。

もっと、感じさせたい。という気持ちが強くなっていく。

 

「あかりやちなつちゃんのことを考えたら急に反応が大きくなっちゃったね。

もしかして、見られてると思うと余計に感じちゃうタイプ?」

 

「そ、そんなこと・・・!」

 

 ついつい、結衣が可愛いから意地悪なことを呟いてしまうが、

結衣は嫌そうな顔をしながらも強い抵抗はしてこなかった。

 

 結衣もこの状況を楽しんでくれてるだろうか。

本当に嫌がっていたら、少しは遠慮するほうがいいかもしれない。

 

 いつもならそう思っていたことだったろう。

しかし、気持ちに火がついた私にはそういう配慮は欠けていた。

 

 ただただ、目の前にいる愛おしい人を感じさせたい想いが

上回っていた。

 

 

「へへ、結衣は可愛いやつだなぁ」

 

 再び私は結衣の制服越しに顔を埋める。

ちょうど谷間に当たるような場所だ。

 

 結衣の匂いが心地よい気分にさせる。息が乱れる私と結衣。

その時に上がった体温のせいか、顔を当てた場所もすっかり温まっていた。

 

 それが余計に結衣の匂いを強くさせるのだろう。汗もかいていることだし。

そして、もう一度。顔を埋めた場所から伝うように上へ向かい。

 

 肌が見えてきた場所から舌を這いずってそのまま、

喉を通り顎を伝い、口元に舌を運んでいく。

 すっかり一つ一つに反応してほどよく力が抜けていく結衣相手に

油断をしていたのか、キスをしようとした瞬間のことだった。

 

「・・・!」

「んん・・・!」

 

 まるで柔道の優勢からひっくり返されたような感覚。

私が結衣の唇を奪おうとした瞬間、結衣が私の唇を受けて舌を入れ始めた。

 

 それは今までにないくらい積極的で、驚きを隠せない私は、

口の中で反応が上手くできなくて、結衣の舌に弄ばれていた。

 

「ぷはっ・・・」

「はぁはぁ・・・」

 

 求めて、求めて、離してくれなかった結衣の勢いが緩まって、

私は思わず離れてしまっていた。

 それを確認した結衣は目つきが強くなって肘を立てて上半身を起こすと。

自由になった両腕をしっかりと私の背後に回して密着した。

結衣の右手が私の頭に回されて、その手で私の頭をゆっくりと撫でてきた。

 

 

 

「びっくりしたぁ・・・」

 

 それは私が思わず出した台詞で、密着して抱き合っているから。

結衣の表情が確認できなかった。

 いきなり反撃をしだして、怒らせてしまったか心配になったが。

 

「ばかだなぁ・・・」

 

 それはいつもの呆れたような声で少し安心した。

すっかり汗ばんでしっとりと濡れた結衣の匂い。

 

 肩に口元を当てて、スッと息を吸う。

ドキドキと、どちらかともわからない胸から響く音が何だか心地良い音色に聞こえた。

 

「二人に見られたくないからって、そんなムキになることないじゃん」

 

 と、私が残念そうに呟くと。結衣は溜息混じりにこう答えた。

 

「問題はそこじゃない。学校の敷地内でこれ以上のことをするのが問題だっての」

「結衣はお堅いなぁ」

 

 なんだ、気にしていたのはそこじゃなかったのか。

と、私は少しだけ残念な気持ちになった。

 せっかくその気にさせて、恥ずかしがった結衣の表情を堪能したかったのにって。

 

「で、あかりとちなつちゃんはいつ来るんだよ」

 

 いつもの落ち着きを取り戻した結衣と私は体勢を崩さないまま、結衣が疑問に思って

いたことを私に聞きにくるが、私は平然とこう言い放った。

 

「二人は今日来ないよ」

「は?」

 

「何だか、ひまっちゃんと櫻子ちゃんの手伝いがあるとかで」

「お前な・・・」

 

「へ?」

「何でそんな嘘をついたんだ」

 

「結衣に羞恥プレイをして欲しかったからに決まってるだろ!」

 

 抱きついたまま言い放つ私。傍から見たらとても滑稽な光景であったに違いない。

そしたら、今度は結衣の体が震え始め、何があったかと思ったら笑いを堪えている結衣。

 

「・・・。本当に京子はバカだなぁ」

「そんなに喜ぶなよ・・・」

 

「喜んでねえよ」

「そんなバカな・・・!」

 

「バカはお前だ」

 

 そんな他愛のないやりとりですっかり熱と気持ちが引いた私はずっとくっついていた

体勢を解いて、いそいそと残ったお茶を飲み込んだ。すごく、ぬるかった。

 

「お茶うめえ!」

「ぬるいけどな」

 

 それでも、風味はまだ残っていてまずくはなかった。

それから、何事もなかったかのように、いつもの時間を過ごして。

 

「そろそろ帰る時間か」

 

 結衣が時計を見て呟く姿を見ていたら、

ふと今日は結衣ともっと一緒にいたい気持ちになって。

 

「今日泊まりにいってもいい?」

「え、急にどうした」

 

「いつも急でしょうが」

「ははっ、それもそうか。って何かおかしいだろ、それ」

 

「よし、決まりー!」

「何も決まってないだろ」

 

「よっしゃ。直接、結衣の家へ直行だ!服は結衣のを借りる!」

「おい、そんな勝手に。ちょっと待てって、京子!」

 

 結衣と追いかけっこするような形で帰宅することになった私達なのであった。

えっちな気分の名残がすっかり消えたわけじゃないけど、ちょっとふわふわした感覚が

何だか愛おしい本日の出来事なのであった。

 

お終い・・・?


 
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