No.487228

真・恋姫†無双 ~死神代行異世界救出編~5

遅くなってしまって申し訳ありません。
今ちょうど受験シーズンで手が回っていない作者フルーツポンチ侍Gです。
これからも遅くなってしまうかも知れませんがよろしくお願いします。

2012-09-22 15:37:11 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:12881   閲覧ユーザー数:11791

???『・・・ロ』

 

一護「(なんだ・・・何か聞こえる)」

 

暗闇の中微かに聞こえる何かがあった。

 

???『・・・キロ』

 

一護「(なんだ・・誰か呼んでる?桃香達が起こしに着たのか)」

 

???『・・起キロ!』

 

一護「(でもこの声・・・聞き覚えが・・)」

 

???『ッ・・起キロッテ言ッテンダ!!』

 

一護「ゲフ」

 

次の声を聞いた瞬間一護は何かに殴られ後方へと吹き飛ばされた。

 

一護「痛ってぇぇな!!何しやが・・・ん・・だ・・・・」

 

???『ッチ・・久々ニ来タカト思エバ人ノ前デ眠リヤガッテイイ身分ニナッタモンダナ!!一護!!』

 

???は一護に向かって愚痴るように吐き捨てた。

 

一護「テメェ・・・は・・・!?」

 

???『ナンダヨソノ面ハ!俺ガ誰ダカワカラネェ訳ネェヨナ?』

 

一護の目に飛び込んできた者。

死神の象徴ともいえる死覇装が全体的に白で染め上げられている。そして首から胸元の袖にかけて黒の毛皮に覆われており両腕の袖にも同じように生えている。

帯も黒に染められておりまさに逆を表した存在。

顔は一護と瓜二つ。違うの真っ白に染められた髪と肌、そして眼球の白い所が黒く染まった虚特有の目。

わからない訳が無い・・・忘れるはずが無い。

それは一護の内なる者にして、一護の戦闘本能の化身。

これまで幾度と無く一護を苦しめ、一護という存在を最も理解しているもう一つの力。

 

一護「なんでお前がいやがんだ!!」

 

白一護『デケェ声デワメクナヨ、周リヲ見ロ。』

 

一護「・・ここは・・・」

 

白一護に言われ周りを見る一護。

基本的には岩山が並んいるがそれが縦横斜めばらばらに織り成している。しかし所々には壊れかけたビルや廃墟になったような建物が岩山から生え出ている。

 

一護「(なんだここ・・・・初めて来た気がしねぇ・・?)」

 

白一護『ドコダカ分カラメェッテ面ァシテンナァ、テメェノソノチッポケナ脳ミソデヨク考エテミルンダナ』

 

再度周りを見渡す一護・・来た事が無いのは確かなはずなのに一護は妙な気分を味わっていた。

 

一護「(俺は・・前にも来た事がある?)」

記憶には存在しない場所。しかし体はなじみを覚えている。

ここに来た事は無い・・だけどどこか懐かしいそんな感覚を一護は今味わっていた。

 

そして一つの結論が生まれる。

 

一護「まさかここって・・」

 

白一護『オ前ノ思ッテル通リダ、ココハ斬月ノ中、一護!オ前ノ精神ノ世界ダ』

 

一護が不思議に思っていた感覚。それは前に何度も一護が足を踏み入れた斬月の中だったからなのだ。

見える世界は違えど体は魂はこの場所を覚えている。ここで斬月に教わった全ての事を覚えているのだ。

 

一護「だけど斬月のおっさんの世界はこんなんじゃ無かった筈だ、それにもしそうだったとして、どうしてお前がいるんだ!!」

 

白一護『・・・・・・・・・』

 

一護「黙ってねぇで答えろよ」

 

一護は鋭い目つきで叫んだ。彼の感情は最早爆発寸前である。

 

白一護『相変ワラズウルセェ奴ダナ・・イチイチ叫バナキャ気ガスマネェノカ?・・・』

 

一護「なんだと!!」

 

白一護『マァイイサ、一ツ目ノ質問ニ答エテヤルヨ。ナァニ簡単ナ話サ要ハコノ世界ハオ前ノ心ノアリ方ニヨッテソノツド姿形ヲ変エル、ソレダケノ話サ』

 

一護「俺の・・心のあり方・・だと」

 

白一護『前ニモ経験シタコトガアッタロ?オ前ガ絶望シタ時コノ世界ハ姿ヲ変エタ』

 

一護「!?」

 

白一護『アノ時ト同ジ、タダ単ニオ前ガ新シク来タ世界ニ慣レ始メテルダケサ・・・・ダガマダ踏ン切リガツイテネェヨウダガナ』

 

白一護はそういって周りの壊れかけたビルや建物を見始めた。

そうこの世界にはかすかにだが前の精神世界の名残が少しだけ存在していた。

ビルの生え方をよく見るとまるで壊れそうで壊れない、消えそうで消えないと表しているようだった。

それは今の一護の心を具現化した姿なのだ。

この世界に来て、虚を倒し桃香、愛紗、鈴々に出会いそして彼女達の心に触れ彼女達を仲間と認め護と決めた。霊王の話を聞いた時も自分の世界と決別する事を決意した。

しかし、心は今だに前の世界のことを思っている。

 

一護「(これが今の俺の心だってのか!)」

 

一護は拳を強く握り締めた。

割り切ったと思ってはいたが結局自分は迷っているだけだった、不安定なだけだったのだ。

 

白一護『サテトジャア最後ノ質問ニ答エテヤルトスルカ』

 

ジャキン!

 

白一護はそういうと背中の自分の持っている白い斬月に手を伸ばした。

 

白一護『斬月ガドコニ行ッタカ、ダッタナァ。ソンナニ知リタキャァ・・・』

 

シュン

 

一護「!?」

 

ガキン!!

 

一護は咄嗟に斬月に手を伸ばし背中をガードした。

 

白一護『俺ヲ倒シテ直接聞キ出スコッタァ!!』

 

ガギィィィイイイ!!

 

一護「ぐッ!!」

 

白一護『ハッ』

 

ガキン!!

 

一護「ぐァ」

 

ドコオォォォォオンン!!

 

一護は白一護の一撃に押され後方に吹き飛び岩山に激突した。

 

白一護『マダマダ行クゼェェェ!!』

 

 

シュン!

 

一護「ッちぃ」

 

ガキンンン!!!!!

 

バチィィィイイ!!

 

一護「はぁ!!」

 

白一護『ゼァァァァッ!!』

 

ガガガガガガガガ!!

 

 

キィィイイイイインンンン!!

 

 

ドドドドドドドドドドドドドォォォォォオォォ!!!

 

キィィィィィンン!!

 

 

ガガキィインン!!

 

 

シュン!!

 

ガキン!!

 

金属同士のぶつかり合う甲高い音が木霊する

 

一護も負けじと斬月を振るう。

二人はすさまじい交戦に岩山は砕け散り周りは大きな爪痕を残していた。

 

キィィイイインンン!!!

 

一護「はぁ!!!」

 

ブン!

 

白一護『甘ェゾ一護ォ!!』

 

シュン!!

 

一護は素早い動きで白一護の懐に入り斬月を降りぬいた。

それは白一護に難なく交わされ今度は後ろから白一護が一護の後ろ首に切り付けて来た。

 

一護「甘ぇのはお前だ!!」

 

だが一護もこの攻撃に気がついており振り向き様にこの一撃を回避し今度は確実に白一護に当てた。

 

白一護『(ニヤ・・・・)』

 

シュン

 

一護「!?」

 

白一護『ダカラ甘ェッテ言ッテンダ!!』

 

ブン!!

 

ザシュ!!!

 

白一護は一護の剣が当たる瞬間いやほぼ当たると同時に瞬歩を体をひねらせ下向きから一護を上に切り付けた。

 

一護「ぐぅ!?」

 

白一護『ボサットシテンナァ!!』

 

ヒュウ!!

 

ドコン!!

 

一護「かはッ!」

 

 

ズドドドドドドドドドォォォォォォォオオオオオオオオオ!!!

 

何とか上体をそらし致命傷を避けた一護だったがその瞬間強烈な蹴りが一護のわき腹に直撃した。

一護は地面を這いずりながら吹き飛ばされ岩山に激突した。今度は衝撃が大きかったせいか岩山自体が粉々に砕け散ってしまった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

白一護『ガッカリダゼ一護、オ前弱クナッタカ』

 

一護「・・なん・・だと・・」

 

白一護は興味を無くした様な目で一護を見ていた。

 

ここで一護はある疑問を抱く。

自分は霊王により死神の力を取り戻した際、他の死神達の霊力により力は前よりあがっているはず。

その筈なのに白一護と互角、いやもしかしたらそれ以上の力を奴は有している。

その事が今の一護を悩ませていた。

 

白一護『今オ前ガ思ッテル事ヲ当テテヤロウカ、霊力モ霊圧モ前ヨリ上ガッテル筈ナノニ何故俺ノ方ガ速ク動ケテイルノカ?』

 

一護は自分の考えを的確に当てられ少し動揺した。

 

白一護「答エハ簡単、オ前ガ前ヨリ強クナッテイル分俺モオ前ト同ジ土俵ニ立ッテイルカラダ!!』

 

一護「なに!」

 

白一護『忘レタノカ一護ォ、俺モ斬月モオ前ノ力、オ前ガ新ナ力ヲ手ニスレバソレハ俺ニモ影響サレル。卍解ヲ習得シタ時ト同ジヨウニナ』

 

一護「!?」

 

一護は卍解を習得した白一護との戦いを思い出す。

確かに奴は言っていた。自分と同じ時に卍解を覚えたと。今の奴の言動が本当の事ならばそれは非常に不味いことでる。もとより奴は一護の潜在する破壊の本能の塊だ。そして奴の霊圧には全死神の隊長格の霊圧が混ざっている。

有利なのは向こうのほうだ。

 

キィイイインンン!!

 

ガキン!!

 

ヒュン!!

 

ブン!!

 

シュン!!

 

ガガガガガガキイィィイィン!!

 

一護「ぐわぁ!!」

 

尚も激しく続く攻防、力は五分と五分のはずしかし一護は押され続けてた。

 

白一護『・・・・・・・・・』

 

一護『はぁ・・・はぁ・・・」

 

白一護『ッチ、コレジャア前ノ方ガヨッポドマシダァ。俺ハ本当ニコンナ奴ニ負ケタノカヨ。エェ、オイ!!』

 

一護「・・・・・・・・・・」

 

一護は何も答えなかった。

 

白一護『ダンマリカヨ、ダッタラ【待て!!】!?』

 

一護「!?」

 

???【そこまでだ、それ以上は必要ない】

 

突然第三者の声が響く

 

一護「・・・おっさん・・」

 

斬月【久しぶりだなぁ一護】

 

そこに居たのは嘗ての友、永きに渡り一護を支え続けた相棒。

 

白一護『ッチ・・・』

 

白一護は足元から灰のような物に変わっていき斬月に取り込まれていった。

 

白一護『・・・続キハマタ今度ダ一護』

 

消え去る直前白一護はそう言い残し、姿を消した。

 

斬月【随分苦戦したようだな一護】

 

一護「うるせぇよ、あんたに止められなくても俺が勝ってた」

 

斬月【愛も変わらず、口だけは達者だな】

 

一護「あんたこそ変わってねぇな」

 

一護は憎まれ口を叩きながらもこの会話を懐かしんでいた。もう二度と会話する事がないだろうと思っていた相手。そんな奴とこうしてまた話が出来るそのことに一護はうれしさを感じていた。

 

一護「それにしてもおっさん、どうなってんだよ?」

 

斬月は空を見上げていた。

 

斬月【・・・・・・・・一護どうやらお前は新たな力を得たようだな】

 

一護「・・・・・・どうどうと人の話を無視する所も変わってねぇのな・・」

 

さっきまでの感動の再開と会話は綺麗にぶち壊しである。

 

斬月【この世界も随分と変わった・・・一護今のお前の護りたい物とはなんだ?】

 

一護「俺の・・護りたい物・・?」

 

斬月【お前はその力で今度は何を護る】

 

一護「・・俺は・・・・・・」

 

斬月【!?・・どうやら時間の様だ・・次に会う時その答えを聞くとしよう】

 

一護「待ってくれ!おっさん」

 

突然視界が暗くなったかと思おうと一護はまた暗闇に意識を落として行った。

 

斬月【一護・・・・今度・・・らず・・・も・・る】

 

意識が消え行くさなか最後に一護が見たのは、悲しそうな目をした斬月が何かを呟く姿だった。

 

一護「ん・・・・」

 

窓から差し込む日の光に照らされて一護はめを覚ました。

 

一護「夢・・か・・痛ッッつ!」

 

一連の出来事が夢だったのか確認しようとした瞬間一護は体中に激しい痛み感じた。体中が一戦した時のよう感覚に見舞われており、良く見れば肩に少し切り傷が出来ていた。

 

一護「やっぱり俺は斬月の中に入ってたのか・・」

 

肩を抑えながら椅子に立て掛けている斬月を見つめる。最後に見た斬月の表情。彼が最後に何と言っていたのかは一護には知るよしも無い。

 

一護「(俺の護りたい物・・)」

 

 

斬月の言っていた事を一護が理解するのはまだ先の話なのである。

 

一護「(考えてもしかたねぇ・・顔でも洗ってくるか)」

 

一護はそうして起き上がろうとした。しかし・・・

 

一護「!!ん?」

 

布団が妙に膨れ上がっている事に気づく。

さっきまでは斬月の事や自分の事で周りを見ていなかったが改めて意識をハッキリさせると明らかに布団がおかしい。

ここにある寝具は宿にあらかじめおいてある物で、体のでかい人でも止まれる様に少々大きめのサイズにしてある。いくら一護が大きくなったとしてもこんな膨らみ方は絶対にしない。

 

一護「(ゴクリ)」

 

一護は唾を飲み込むと決心がついたような目つきで布団に手をかけてそっとめくりあげた。

 

パサ!!

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・

 

桃香「すぅ~すぅ~」

 

パサ!!

 

布団の中では気持ちよさそうに桃香が下着姿で猫のように丸まって寝ていた。一護は目を瞑り静かに布団をかけなおす。

 

一護「(なんだ・・桃香かよビックリさせやがって)」

 

パサ!!

 

一護は再び布団をめくりもう一度桃香を見た。さっきと同で桃香はとてもいい寝顔である。

 

一護「って待て待て待てオイィ!!」

 

事の重大さに気づいたのか一護は布団を勢い良くめくりあげ、朝からそんな声が出せるのかと言わんばかりに声を張り上げた。これほどの動作をしたのにとうの本人である桃香はピクリともしない。

 

桃香「すぅ~すぅ~」

 

一護「(落ち着け落ち着くんだ俺!昨日何があったか思い出せ・・・・・・えぇっと確か公孫賛の所に行く話しになって、それから確かその日はこの街の宿に止まろうって話になったんだよな・・・・・・それで仲間になった歓迎とか何とかかんとかやって結局、桃園ってとこで誓いをしたんだったよなそこから街に戻って・・・街に戻って・・・ダメだ思い出せねぇ)」

 

一護は再度桃香を見る。この状況どんなに馬鹿な奴でも何があったかは想像がつく。ただしそれは最悪事実なのだが、

 

一護「(まさか俺は・・いやいやいやいや!そんな筈はねぇ俺はそんな男じゃねぇきっとあれだ・・・・その・・・ほらあれだよ)」

 

頭の中でまるで誰かに弁解するように言葉を並べる一護、最早何を言いたいのかわからないほど今の一護は混乱していた。

 

一護「(でも記憶が無ぇって事は・・・やったのか・・・・・やっちまったのか俺は!!嘘だ!!嘘だと言ってくれェェェ)」

 

考えれば考えるほど最悪の想像に持っていかれてしまう。

 

桃香「んぅ~・・・」

 

すると日の光に反応したのか桃香は目を擦りながら徐々に瞼を開き始めた。

 

桃香「ふぁぁぁ~・・・あれぇ・・ご主人様?・・・どうしてここに居るの?」

 

桃香の意識もだんだんハッキリしてきたのかぼやけた視界がだんだん鮮明になっていき目の前に一護がいることに気がついた。

 

一護「そりゃこっちの台詞だよ!なんでお前が俺の布団中に入ってんだよ!」

 

桃香「何言ってるのご主人様・・ここは私の借りた部屋だよ?」

 

一護「よく見ろ!!ここは俺が借りた部屋だ」

 

一護が借りた部屋は机と椅子、鏡があり後は先ほども言った大き目のベットがあるだけ。対して桃香が借りた部屋は桃香、愛紗、鈴々が止まれる大人数専用部屋それぞれ三つずつベットがあり部屋の大きさも一護の借りている部屋よりも大きい。

二つの部屋はちょうど向かい合うような形になっている。

 

桃香「あれ?本当だ、良く見たら愛紗ちゃん達もいないしってえぇぇぇぇぇ!!なんで私下着しか着てないの!!」

 

一護「んな事俺が知るかよ!!」

 

桃香「キャァァァァァ!!ご主人様見ないで!!」

 

一護「わかったから早く服を着ろ、誰か入ってきたらどうする・・

 

ガチャ!!

 

愛紗「ご主人様、桃香様を見かけませんでしたか?朝から姿・・・を・・・・」

 

一護「・・・・・・・・・・(汗)」

 

桃香「お、おはよう~愛紗ちゃん・・・」

 

最早狙っているのか言われそうなほどのタイミング

ちなみに今の状況は桃香が叫ぶ→一護が服を着ろと言う→桃香前を隠す→愛紗登場→桃香の生背中を見る→次に一護を見る→ベットの上、である。

 

愛紗「なッ・・なッ・・何をしているのですか朝っぱらからーーーーーー!!!!!!!」

 

一護「誤解だぁぁぁぁぁ」

 

その日一つの宿に絶叫という名の断末魔が響き渡ったと言う。

 

 

 

移動中・・・・

 

 

 

一護「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

鈴々「まったくお兄ちゃんもとんだ災難だったのだ」

 

一護「うるせぇよ」

 

桃香「ごめんねご主人様、私が寝ぼけてたみたいでこんな事になっちゃって」

 

愛紗「(ピク!!)」

 

一護「もういいよ、誤解は解けたんだし」

 

桃香「もう~愛紗ちゃんもやりすぐだよ~」

 

愛紗「で、ですがあれはどう見てもあの・・・その・・・・そ、それにご主人様もちゃんと説明してくだされば・・」

 

一護「説明する前に殴ってきたのはどこのどいつだ?」

 

愛紗「ぐッ・・・・申し訳ありません」

 

一護「だからいいって」

 

愛紗「・・・・・はい」

 

愛紗はとても落ち込んでいる。

あの後愛紗が乱入してきた事により自体は更にややこしい状態に陥った。まぁただ単に桃香が夜な夜なトイレに行き寝ぼけた状態で一護の部屋に入ってきていただけだったのだが。

服はどうやらその寝ぼけた状態で布団をかぶる動作とともに脱いでしまったらしい、その証拠に一護のベットの足の方に脱ぎ捨てたであろう桃香の服が散乱していた。

桃香が必死に思い出し事で事は収まったが一護は愛紗にボコボコにされてしまった。その時愛車はいつも以上に怒っていたとか。

そして今は目的地である公孫賛のいる城に向かっている最中なのである。

 

鈴々「あぁ~見えてきたのだ~!!」

 

朝から素敵なイベント盛りだくさんだった一護とその愉快な仲間達のやりとりをしている最中、鈴々が大きな声で叫んだ。

 

一護「おぉ、あれか」

 

一護もそれを視界にとらえた。

見えてきたのは立派な城。これから会う公孫賛が治める城だ。

実を言うと一護は城を見るだけで少々テンションが上がっていた。

 

一護「(デケェな)」

 

自分が住んでいた世界よりも何百年も前の世界。そしてその時代の建造物がまじかに迫っていて興奮を隠せない者はいない。流石に馬鹿騒ぎするほどではないが。

 

一護「(・・・・・公孫賛か)」

 

一護は公孫賛についていろいろと考えていた。

公孫賛、忠実では劉備と同じ私塾に通っており、劉備と同じく義に熱い人物である。こちらの世界では劉備は桃香で桃香が言うには私塾が一緒だったとか・・・ここまでは忠実と同じ。

しかし桃香・・・劉備が女であり桃香から聞いた話によるとやはり公孫賛も女らしい、いったいどのような人なのか・・・・・・・・・・

 

一護「(そこまで詳しくねぇけど・・・会ってみりゃわかるか)」

 

こう見えて一護は前の世界では死神だけでなくれっきとした高校生だったのだ。そして一護の得意科目は国語(自称)国語では古典も習っておりもちろん三国志の話もたまに出てくる。ゆえに一護は大体の主要人物と時代の流れは大まかにだが把握している。まぁそれだけでなく三国〇双というゲームをプレイしいている経験もあるのだが。

 

桃香「白蓮ちゃん元気にしてるかなぁ」

 

久しくあう友。桃香はとてもにやにやしている。やはりどの時代でも久し振りに会う友というのはそわそわしてしまう物なのだろう。

 

愛紗「ですが、今や公孫賛は立派な一君主我々も負けてはいられません」

 

桃香「うん、私達ももっともっと頑張らなくちゃね!!」

 

鈴々「大丈夫なのだぁ!どんな事があってもお姉ちゃんは鈴々が護るのだ」

 

桃香「ふふふ♪ありがとね鈴々ちゃん」

 

そういって鈴々に笑いかける桃香。

 

愛紗「私も桃香様をお守りいたします」

 

桃香「ありがとう!愛紗ちゃん♪」

 

そして愛紗にも同じ笑みを向ける。

 

一護「・・・・・・・・・・・」

 

一護は彼女たちのやりとりを見つめながら微笑した。彼女たちの絆はとても深くそして揺ぎ無い。心の中で一護は彼女たちを必ず護ると改めて決意し始めていた。

 

<

目の前までに迫った城から男二人が近づいてくる。

どうやら門兵のようだ。

 

門兵「止まれ!何者だ!?」

 

桃香「太守様に会いに来たんですけど、えっと劉備が来たと伝えてもらえますか?」

 

門兵「劉備?」

 

桃香「はい、昔からの友人なのでそれでわかってもらえるかと思います・・・」

 

門兵「承知した。しばし待たれよ」

 

そう言って一人の門兵が城の中へと走っていった。

 

桃香「(ふぅ~緊張した~)」

 

一護「(おいおい、公孫賛はお前の友達なんだろ?緊張する事ねぇじゃねぇか?)」

 

桃香「(だって、あの兵士さん達すごく怖いんだもん。ほらなんかずっとこっちを睨んでるし)」

 

一護「(怖いって・・・・はぁ)」

 

そりゃ警戒してるだけだって・・・・

 

こそこそと話していた一護だったが思わずため息を吐いてしまった。

 

門兵「お待たせした。確認は取れましたのでどうぞこちらへ。中で公孫賛様がお待ちです。」

 

一護達は門兵に続き城の中へと入っていった。

 

 

白蓮「おぉ桃香!久しぶりだなぁ!!」

 

桃香「白蓮ちゃ~ん!うん、久し振りだね白蓮ちゃん!!」

 

再開を喜び合う二人。

 

一護「(コイツが公孫賛)」

 

仏亜りんのやりとりを一歩離れた所から見つめていた一護。

 

一護「(やっぱり女か)」

 

言わずもがな・・・この白蓮と呼ばれた女の子もとい公孫賛は桃香と同じくらいの女性である。

一護は公孫賛をじっと見つめる。

 

一護「(それにしても桃香の言ったとおり・・・・・・・・“普通”だ)」

 

白蓮「(ピクン)!!!」

 

一護が普通だと思った瞬間白蓮はものすごい勢いで反応した。

 

桃香「ぱ、白蓮ちゃんどうしたの?」

 

白蓮「いや、なんか今誰かに普通って言われた気がして・・」

 

一護「(・・・・・普通って言葉に超敏感だ・・・・・)」

 

超能力か!!と思わず叫びそうになった一護だった。

 

白蓮「まぁいい、それにしても桃香、今まで何してたんだ?連絡もとれなかったから心配してたんだぞ?」

 

桃香「えっとねぇ・・・・あちこちでいろんな人達を助けてたの」

 

白蓮「・・・・それだけか?」

 

桃香「?・・・そうだよ」

 

白蓮は桃香の一言にあきれてしまった。

 

白蓮「はぁ・・・ずっとそんなことをやっていたのか?」

 

桃香「うん」

 

白蓮「どうして・・?」

 

桃香「私・・・・どこかの県に所属してその周りの人しか助けられないのが嫌だったの。手の届く範囲の人達だけじゃない・・・私は山ほどの人を救いたかったの・・」

 

愛紗「桃香様・・・・」

 

一護「・・・・・・・・・」

 

愛紗が桃香の想いを察している中、一護は桃香にある想いを抱いていた。

同じだ。と・・・・・・・・

 

白蓮「だからって桃香だけじゃ大したことも出来ないだろ?」

 

桃香「そうだね・・・・でも私は一人じゃないんだよ。とっても頼りになる仲間がいるの」

 

桃香はそういって一護達を見た。

 

白蓮「この三人が・・・」

 

愛紗「私は関羽、桃香様一の家臣」

 

鈴々「鈴々は張飛なのだ!!」

 

一護「俺は黒崎一護だ」

 

白蓮「黒崎・・・苺?随分変わった名前なんだな」

 

一護「そっちの苺じゃねぇよ、一等親の一に守護神の護で一護だ」

 

白蓮「おおぉ・・すまん。じゃあ性が黒で名が崎、字が一護だな」

 

一護「いやぁそれはだなぁ・・・・(説明中)・・・」

 

白蓮「そうかぁ,それにいしてもやっぱり変わってるなぁお前は」

 

一護「ほっとけ(ったくこれから毎回いちいち説明しなきゃならねぇのか)」

 

自分の名前が変わっているのは自分自身が良くわかっているが一護はこの名前を結構気に入っている。高校時代は私服に15と書かれたシャツを着ていたぐらいだ。

 

桃香「あははは♪でもしょうがないよ白蓮ちゃん、だってご主人様は天の御遣い様なんだから」

 

一護「おい桃「天の御遣い~!!」・・・・・・はぁ~」

 

白蓮「この男が天の御遣いだって言うのか!?」

 

桃香「うん!白蓮ちゃんも聞いたことがあるでしょ最近この辺りで流れてる噂を」

 

桃香の言葉で白蓮はまじまじと一護の全身を見つめだした。

 

白蓮「・・・・・(確かに噂とほとんど一緒だな・・・それに・・・・)」

 

白蓮は一通り一護の服装やらを見つめると今度は一護の顔をじっと見た。

 

白蓮「(・・・・//////結構かっこいい顔だし・・・)」

 

さっきまではじっくりと見ていなかったが実は一護はヤンキーみたいな顔つきと言われがちだが結構整った顔つきでしかもイケメンの部類に入る。高校生の時はその髪の色から先輩や他校の生徒にケンカを降られていたがその時に惚れてしまった生徒も何人か存在する・・・・・しかもお約束一護はその好意にこれっぽっちも気がついていないと全くリア充死ね!!!!

 

一護「うぉ!!」

 

桃香「ご主人様どうしたの?」

 

一護「いや急に寒気が・・・」

 

桃香「??」

 

白蓮「ジィ~~~~~~~~~~」

 

一護「っていつまで見てんだよ」

 

白蓮「え!!あ、いや悪い・・・!!」

 

白蓮は顔を赤くしながらそっぽを向いた。

 

桃香「白連ちゃん・・・どうしたの?顔が赤いよ?」

 

白蓮「い、いやぁ何でもないんだ!」

 

桃香「そう?」

 

よもや見とれていたなんて言える筈もない白蓮だった。

 

白蓮「そ、それはそうと桃香、本当の用事はなんなんだ?ただ会いに来たわけじゃないんだろ?」

 

桃香「うん、賊退治をしてるって聞いたから手伝いにきたんだけど」

 

白蓮「おぉ、それは助かる!兵を指揮する人材が足りなくって困っててんだよ、それに最近は変な事件もおおいし」

 

桃香「変な事件?」

 

白蓮「あぁそうなんだよ!この辺りで賊が増加してるのは知ってるだろ、でも最近何者かに賊が惨殺されてる事件が多発してるんだよ・・・賊だけじゃなく私達の兵も」

 

愛紗「何者かに惨殺・・・」

 

白蓮「生き残った兵士に聞くとそいつは巨大な化け物だったって言うんだよ」

 

一護「!!」

 

白蓮「しかもそいつは何の前触れもなく現れてそのまま気がついたら消えたって言ってたんだよ・・・・今じゃ兵士達の間であれは物の怪の類だって出回ってるし・・・まったく困ったもんだよ」

 

一護「・・・・・・・・・」

 

白蓮「この事件を捜査しても情報が全くなくてな・・どうしようかと考えていたんだがな、桃香達に来てもらえて良かったよ」

 

桃香「大丈夫だよ、皆とっても強いから安心してね」

 

白蓮「桃香がそういうなら大丈夫だろうけど・・・」

 

二人が話をしているかな一護だけは先ほどの白蓮の話の内容を考えていた、とその時それを察したのか愛紗が一護に近づいてきた。

 

愛紗「(ご主人様・・先ほどの話は・・・)」

 

一護「(あぁ多分虚だ・・)」

 

愛紗「(やはり・・・)」

 

一護「(でもおかしいのは虚の霊圧が感じられねぇって事だ)」

 

愛紗「(霊圧ですか・・・)」

 

一護「(普通なら多少は霊圧の名残があるんだけどそれが全く感じねぇ・・もしかしたら虚じゃないのかも)」

 

愛紗「(と言う事は・・・公孫賛殿の言うとおり物の怪の仕業)」

 

一護「(今のところは断定はできねぇな)」

 

二人の話はそこで終わった。

霊圧の痕があれば虚と決められるがここには虚がいた気配はない・・頭を悩ます問題である。

 

???「おやおや、伯珪殿にはそのお三方の力量が見抜けめせぬか?」

 

と突然聞き覚えのない声が辺りに響き一護達は声のするほうに意識を向けた。

 

白蓮「そういうお前にはわかるのか?“星”」

 

星と呼ばれたこの女性・・青髪を靡かせ蝶を思わせるような衣に身を包みその瞳は何かを求めるようなそれでいて何かを楽しむような目をしている。

 

星「当然、そちらの二人は只者ではござらん、雰囲気でわかります。そして・・・・」

 

そういいながら彼女は一護の方に足を進めた。

 

星「この中で貴方が一番強い・・違いますかな?御遣い殿?」

 

まるで品物を見定めるように怪しげな目で星は一護に微笑みかけた。

 

一護「どうだかな」

 

星「ご謙遜を・・・」

 

白蓮「おい、星本当に黒崎が一番強いのか?」

 

星「無論です、この中で・・・いえ、おそらくここに居る者全員でかかっても我々は御遣いどのには勝てないでしょう・・・」

 

白蓮「オイオイ冗談だろう?」

 

白蓮は目を丸めていた。

星の実力は良く知っている。こんな自分にはもったいないくらいの武だ。その星が自分は愚か束になっても適わないと言っているのだから。

白蓮だけでなくそこにいた周りの兵達もざわめきが収まらないでいた。

 

白蓮「星にそこまで言わせるんだったら大丈夫だな・・・改めて名乗るよ・・ここの太守の公孫賛だこれからよろしく頼む」

 

星「和が名は趙子龍、これからよろしく頼みますぞ黒崎殿♪」

 

一護「あ、あぁ・・・」

 

自己紹介を終えそれぞれが今後についての話を開始したのだった。

 

 

この時一護は趙雲について驚きと苦手意識を示していたのであった。

 

 

同時刻・・・・・・

 

とある森・・・・・・・・・・・

 

グシャ!!

 

 

バリバリ!!

 

 

クチャ!!

 

ボトボトボト!

 

 

ゴトン!!

 

???「!!・・・・近ク・・・濃イ・・魂・・・近クニアル・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

そこでは異型の者が人であったであろう“物”にむしゃぶりついていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                        To be continued

皆様お久し振りです。

今回は長時間お待たせしまして大変ッ申し訳ありませんでした。

 

え!?まってないいやいやわかってますよそんなことはあはははははは・・・・・・(泣)

 

報告ですが今回から進路を決めるための受験シーズンに入ってしまうので更に載新が遅くなるかもです。無事に決まったらまた投稿します。

もちろん時間があれば投稿するのでこんな作品ですがよろしくお願いします。

 

コメント、感想お待ちしています。

 


 
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