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咲-saki-月宮編 第22局 攻略

白昼夢さん

---月宮高校麻雀部での城山華南と麻雀部の仲間達の紆余曲折ありながらもインターハイ優勝を目指していく、もうひとつの美少女麻雀物語---

2012-09-18 22:16:21 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:680   閲覧ユーザー数:675

『おおっとー!月宮女子、城山選手!またも和了ー!名細の坂上選手から5500の出和了りでなおもリードを広げるー!』

『親番で点数状況からしてもオリ辛い局面でのあのツモは、ちょっと坂上選手には厳しい展開でしたね』

 

途中経過・東四局開始時

 

1年 城山 華南 (月宮女子)  165100点

1年 有栖川 雛姫 (吾野)  129900点

1年 藤金 千尋 (越谷女子)  67000点

2年 坂上 穂波 (名細)    38000点

 

第22局 攻略

 

 

東四局 親・藤金 千尋

 

(上手く行くか分からないけど、もしもあのツモがそういう法則の元なら…!)

雛姫は手牌を見て逡巡する、配牌はこうだ。

 

二二六七①③⑤⑦⑧234東ツモ4 ドラ②

この手牌から、雛姫は1筒を手に取り、打牌する。

 

『おや、有栖川選手…1打目に1筒ですか、ドラを引き入れてしまうと裏目になってしまいますが…』

和は雛姫の打牌選択に違和感を感じ、そう言う。ここまでどちらかというと牌効率を重んじるような自分と似たような打ち筋を見せていただけにこの打牌にはとてつもない違和感を感じたのだった。

『んー…断ヤオに決め打ち、でしょうかね?』

松浦もよく分からない、といった感じでそう答えた。

次順、雛姫が持ってきたのは6萬、直前に千尋が打った2索を切る。

『234の順子を崩してしまいましたね…、七対子狙い…でしょうか?』

『で、でしょうかね…』

和も松浦も最早雛姫の意図がわからない、といった様子だった。

 

数順、雛姫の不可解な打牌は続く、確かに七対子狙いであれば、雛姫の視界から残り枚数の少ない所、対子の可能性の薄いところから切ることもあり、それなら分からなくもないのだが…ドラもないこの手で七対子狙いでは打点が伸び辛い。

その上、向聴数を減らせる牌の数も平和手にした方が多くなるのにその可能性も捨ててしまっている。

6順目、ようやく一向聴になった雛姫の手牌。

二二六六七③⑤⑤⑦344東 ツモ3

7筒を打ち出し、華南のツモ番。

『立直』

3索が打ち出され、華南の立直が入る。

『ポン』

即座にそれを鳴く雛姫。

(とりあえず、これで…あとは私の仮説が正しければ…!)

そして雛姫は7萬を打つ。

再び華南のツモ、和了牌ではなかった3筒が打ち出される。

同順、雛姫のツモ、9索だった。

それを確認した雛姫はノータイムで3筒を打ち出す。

 

『おっと!有栖川選手の鳴きでまたも城山選手の一発ツモを回避しました!』

『今のポンがなければ、城山選手が一発で和了していましたね』

モニターを見ていた2人がそう言う、9索は華南の和了り牌だったようだ、華南の手はこうだった。

 

(赤五)五五①②③⑥⑥78南南南

 

待ちは6,9索待ちだった、雛姫の鳴きでツモ順が変わらなければ一発で和了っていたのである。

そして次順の雛姫のツモ、6索、今度は7筒をノータイムで打ち出す。

そして更に次順、雛姫のツモ、またも6索、次順は9索、その次は6索、そしてその次は9索と続く。

(…できた、やっぱり…予想通り!)

最終的に、雛姫の手牌はこのような形で聴牌した。

二二⑤⑤666999  33〔鳴3〕

2萬と5筒待ちの対々、しかも華南の和了り牌をきっちり握りつぶしている。

そして同順、華南のツモ、和了り牌でない2萬が打ち出された。

『ロン、対々のみ、2600』

『はい』

点棒を払う華南、雛姫の和了手を見て、自分の待ち牌が握りつぶされているのを確認する。

(残ってなかったのか…仕方ないね)

 

『吾野高校、有栖川選手!トップの月宮女子、城山選手から直取りで和了です!城山選手の和了り牌を使い潰しての対々で和了しました!』

『当たり牌をきっちり止めて回し打ち、和了る、完璧な打ちまわしでしたね』

『そうですね、そしてようやく長い東場が終わり南入、有栖川選手の親番です!』

 

南一局 親・有栖川 雛姫

 

(月宮の和了り牌が本来の自身のツモ場所に集まると言うのなら、そこに自分のツモをズラせばそれが全て、自分の手牌に入る!)

そう、これが雛姫の見つけた、華南に対しての”攻略法”だった。

今回も開幕から七対子に決め打ちしてるような打牌選択をする。

『立直』

5順、またも早い華南の立直。

『ポン!』

打ち出された4萬を即座に鳴く雛姫、そして華南の現物を通す。

同順の華南のツモ、やはり和了り牌がこない。

そして次順、雛姫のツモ、赤5萬だった。

それだけではない、次のツモも5萬、次は8萬、次はまた5萬、そして次は8萬…。

(4萬が枯れていてこのツモ…待ちは5,8萬ねっ)

思わず頬が緩む雛姫、そして次のツモは5萬。

(…ふふ、見せつけてあげましょうか!)

『カン!』

5萬のカン、そして嶺上牌をそのまま打ち出す。

そして次順、8萬を引き8萬も4枚になる。

『カン!』

またも暗カン、新ドラ表示牌は3萬、鳴いた刻子がドラになり、赤も含めて雛姫の手がドラ4になる。

ふと雛姫は華南に視線を向けると、華南も雛姫を見ていた。

雛姫はそれを見て、微笑を浮かべる、どうだ、と言わんばかりに。

(ふふ、待ちを全て潰されてどんな気分かしら)

そして嶺上牌で対々を聴牌し、不要牌を打ち出す雛姫。

(有栖川…こんな所でカンして、月宮のに和了られたらどうするのよ…!)

(吾野の、親番とはいえ立直が入ってるのに2回もカンだなんて!)

まるで打ち方の変わってしまった雛姫に戸惑いを隠せない穂波と千尋、押してる親にカンの2回入ってる状態での立直、点数が欲しい2人だが完全にベタ降りだ。

『ロン、対々ドラ4、親跳18000!』

そして次順、華南の打牌で雛姫が和了る。

(強すぎる能力は、枷にもなるのよってね!)

 

『有栖川選手、立直していたトップの城山から親跳を直撃ー!今度は城山選手の和了り牌を1人で完全に潰しての和了りです!昨年度全中王者、まさに格の違いを見せ付けるような和了りです!』

『そしてこの和了りでついに吾野が首位に躍り出ましたね、そして親番継続です』

 

南一局・一本場 親・有栖川 雛姫

 

『立直』

『ポン!』

またも早い華南の立直、そしてまたもその立直宣言牌を鳴く雛姫。

(ふふっ…逃がしませんよ…!)

そして華南の和了り牌が次々と雛姫の手牌に集まってゆく…そして。

『ロン、11600の一本、11900!』

華南の和了り牌を全て握りつぶして、雛姫が華南から直撃で和了る。

 

 

『有栖川選手、3連続和了ー!またも月宮女子、城山選手の立直をかわしての直取りです!勢いが止まりません!』

『2着の月宮女子との差を35800点にまで広げました、これは大きな和了りですね』

 

 

南一局・二本場 親・有栖川 雛姫

 

『立直』

『ポン!』

またも華南の立直宣言牌は雛姫に鳴かれてしまう。

(これだけやっても、まだ愚直に立直しますか…)

打牌し、雛姫は華南の表情を見やる。これだけ和了り牌を握りつぶして直撃で和了り続けたというのに、その表情には陰りが見えない。

(まだ…諦めてないのですね…いいでしょう、また私が和了りつぶして…)

『ロン、1000は1600』

『…はい』

その声は雛姫の対面、穂波のものだった。

(なっ…、まぁ…いいでしょう)

雛姫は悔しそうな表情を隠そうともせずに点棒を払い、牌を卓に落とす。

 

南二局 親・城山 華南

 

『立直!』

5順目、立直をかけたのは華南ではなく…雛姫だった。

(クスッ…ようやく先制出来ましたよ!城山華南!)

次順…雛姫のツモ、盲牌した感覚でそれが和了り牌だと分かった雛姫の表情は満面の笑みだ。

『自漠!メンタンピン一発ツモ!2000・4000!』

(一発ツモは…貴女だけのものじゃない!)

 

『有栖川選手自漠です!この試合初の城山選手より早い立直で一発で和了りました!吾野高校、このまま独走してしまうのかー!』

『麻雀のお手本とも言える綺麗なメンタンピンで満貫です、有栖川選手らしい和了りですね』

 

南三局 親・坂上 穂波

 

9順目、華南はようやく聴牌する。9順と言えば普通に考えたら決して遅くない聴牌速度ではあるのだが、これまでの華南の聴牌速度を考えたら特に遅いものだった。

『立…』

(…遅いですよ!)

『ロン!タンヤオ一盃口ドラ1、5200!』

華南が言い終わる前にそう宣言し、手牌を倒す雛姫。

 

『有栖川選手、またも和了!月宮女子、城山選手からダマで5200を直撃し、更に点数を伸ばす!一年生ルーキーであります有栖川選手ですが、その闘牌は、正に名門吾野高校の大将です!』

『きっちり2着の月宮の追撃を阻止する和了、リードに油断することなくきっちりゲームメイクが出来ていますね』

 

オーラス 親・藤金 千尋

 

(やっぱり強い、観察力だけじゃない、こなした場数も、実力も本物…)

自分の和了りをことごとく潰し、和了ってゆく雛姫に、心の中で素直に賞賛する華南。しかし、その瞳はまだ光を失っていなかった。

(気づいたら結局有栖川の独壇場か…さて、どうしたらいいかな…)

改めて点差を確認し、嘆息する穂波、しかし状況は一向に良くならない。

(私…全然…何も出来てない…この親番で少しでも稼がなきゃ!)

ここまで一度も和了りのない千尋、その顔には焦りが見える。

膠着状態のまま8順目、雛姫のツモ。

(他愛もありませんね…これで終わりです!)

引き入れた牌をそのまま卓に叩き、力強く宣言する。

『自漠!タンピンツモ三色ドラドラ、3000・6000!』

 

『大将戦前半戦、終了ー!!点数はこのようになりました!』

 

1年 有栖川 雛姫 (吾野)  189000点

1年 城山 華南 (月宮女子)  116400点

1年 藤金 千尋 (越谷女子)  59000点

2年 坂上 穂波 (名細)    35600点

 

 

『一位は名門吾野高校!最後は有栖川選手、きっちり黙跳を自漠和了し、2着との点差を7万点以上つけて終局しました!全中王者有栖川雛姫!その圧倒的な実力をまざまざと見せ付けた形です!』

『2着の城山選手も健闘しましたが稼ぎ負けてしまった形ですね、後半戦、どう巻き返していくのかが見所だと思います』

『はいっ、原村プロありがとうございました!それでは大将戦後半戦は15分のインターバルを持ちまして…』

 


 
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