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魔法少女と竜と漆黒の狂戦士と StrikerS編 第四話

感動の再会の後に何故か模擬戦。

2012-09-12 18:59:38 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:9178   閲覧ユーザー数:7739

     

 

     レリックを無事に回収することが出来たはやて達は隊舎に戻り、食堂に集まった。そこにはシグナムとヴィータを除いた

     フォワード陣が全員集まっている。

 

 

はやて 「それで、零冶兄ぃ。話を聞かせてくれるんやろ?」

 

 

零冶  「・・・ああ。その前に、その子達にも俺達の過去を話す必要があるだろう?」

 

 

なのは 「うん・・・そうだね。」

 

 

     キャロやスバル達は首を傾げた。そして、零冶達は今まで起きた事を少し省いて話した。

 

 

 

エリオ 「・・・・・。」

 

 

キャロ 「そんな・・・・。」

 

 

ティアナ「なのは隊長達の過去にそんなことが・・・。」

 

 

スバル 「うぅ・・・えっぐ・・・可哀想だよぉ・・・。」

 

 

     あまりの酷い過去にエリオ達は驚愕し、スバルに至っては号泣していた。

 

 

零冶  「まぁ・・・な。」

 

 

なのは 「それで、零冶君。零冶君はどうやってあそこから戻って来れたの?」

 

 

零冶  「ああ、それなんだが・・・・・俺にもよく解らないんだ。」

 

 

フェイト「え?」

 

 

零冶  「あの時、虚数空間に落ちていた際、何か光の様な物が見えてな・・・。どうせ死ぬのなら、ちょっとだけ足掻いて見ようと

     思って光に飛び込んだんだ。そしたら、このミッドチルダの世界に辿り着いたって訳だ。」

 

 

なのは 「そう・・・なんだ。」

 

 

     零冶の説明になのははそう呟いた。

 

 

     だが、はやてとフェイトは怒っていた。

 

 

はやて 「でも!それならなんでもっと早く会いに来てくれへんかったん!?」

 

 

フェイト「そうだよ!!」

 

 

零冶  「・・・すまない。その・・・知らなかったんだ。お前達がここにいるってことを。」

 

 

     だが、零冶は嘘をついた。

 

 

     言える訳が無かった。彼女達を裏切り、傷つけたから会う資格は無いという事を。

 

 

     それを言うと、もしかしたら彼女達が悪いという様な表現になってしまうな気がしたからだ。

 

 

なのは 「・・・・・・・。」

 

 

     だが、なのははそんな零冶をジッと見つめていた。はやてやフェイトも何か引っかかるような感じがしたが、あえて

     此処では言わなかった。

 

 

零冶  「それにしても・・・はやて、立派な地位に就いているじゃないか。自分の部隊を持つなんて凄いぞ?」

 

 

     沈黙に耐えきれなくなり、零冶は話題を変えた。

 

 

はやて 「せやろ?此処まで来るのにけっこう大変やったんやで?」

 

 

なのは 「うん。」

 

 

フェイト「キツかったけど、みんなで頑張ったんだよ?」

 

 

     はやて達も零冶の話に乗った。

 

 

はやて 「それよりも零冶兄ぃ。教官をやってたみたいやけど、いつ管理局に入ったん?」

 

 

零冶  「ああ、4年前からだよ。」

 

 

フェイト「でも、教官止めた後はどうしていたの?」

 

 

零冶  「俺の直接の上司がボース・ブラドー本部長なんだ。その人の所でちょっとな。」

 

 

     そして、零冶がはやて達の質問に答えていると、突然4人組の魔導師が入ってきた。

 

 

シグナム「っ!零冶、生きてたのか!?」

 

 

ヴィータ「零冶!!」

 

 

シャマル「零冶君!」

 

 

ザフィーラ「・・・・零冶。」

 

 

     それはヴォルケンリッター達だった。そして4人が零冶に駆け寄っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・が、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャマル「チェーンバインド!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

零冶  「え?」

 

 

     いきなりシャマルに拘束された。そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴィータ「零冶ぃいいいいいいいい!!!」

 

 

シグナム「覚悟ぉおおおおおおおお!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

零冶  「ちょっ!?ま、待っtぎゃあああああああああああ!!!」

 

 

     ヴィータはラケーテンハンマーを、シグナムは紫電一閃で零冶に仕掛けた。

 

 

     その後、執拗に零冶に向かって攻撃を繰り出すシグナムとヴィータ。シャマルはその補佐をし、ザフィーラは

     我関せずであった。

 

 

     そしてそこに残ったのはボロボロになった零冶だった。

 

 

はやて 「あ~、零冶兄ぃ?生きとる?」

 

 

零冶  「な、なんとか・・・・。」

 

 

     零冶は何とか立ち上がって言った。

 

 

     それでも、手加減無しのラケーテンハンマーと紫電一閃を受け、その後も何度も攻撃を喰らったにも拘わらず、

     立ち上がる零冶はやはり何処かおかしい。

 

 

シグナム「全く、心配を掛けおって!!」

 

 

ヴィータ「自業自得だバカ!あたし達がどれだけ心配したと思っているんだ!!」

 

 

シャマル「そうよ、もぅ!!」

 

 

     お怒りの3人娘。しかし、以外にもザフィーラが止めてくれた。

 

 

ザフィーラ「まぁ・・それぐらいにしてやれ。零冶もそれが解っているから避けなかったんだろう?」

 

 

零冶  「・・・。」

 

 

     そう、零冶はこうなることは解っていた。だから、零冶は簡単に避けられた攻撃を態々受けたのだ。

 

 

キャロ 「(ねぇねぇエリオ君。零冶さんって、今生身で攻撃を受けたよね!?・・・何で立っていられるの!?)」

 

 

エリオ 「(それ、僕も思ってたんだけど・・・・何でだろう?)」

 

 

     一方、エリオとキャロはそんな零冶を見て疑問に思っていた。

 

 

     人間なのか?・・・と。

 

 

零冶  「すまなかった、シグナム、ヴィータ、シャマル、ザフィーラ。」

 

 

     零冶がシグナムに謝った後、はやては立ち上がった。

 

 

はやて 「・・・さて、皆も揃った事やし・・・なぁ零冶兄ぃ。皆で模擬戦せぇへんか?」

 

 

なのは 「うん、そうだね!」

 

 

フェイト「私達がどれだけ強くなったか見てもらわないとね。」

 

 

シグナム「む?それなら私も賛成だ。まだ零冶には一度も勝った事がないからな。」

 

 

     話がぶっ飛んでいる上に零冶が返答を待たずに勝手に話が進んでいく。

 

 

キャロ 「え?零冶さんって、シグナム隊長が勝てない程強いんですか!?」

 

 

     キャロがシグナムが勝った事無いのに驚愕した。

 

 

シグナム「ん?ああ、そうだ。一度も勝った事が無い。」

 

 

はやて 「ちゅうか・・・零冶兄ぃが本気出したら・・・。」

 

 

なのは 「私達が束になっても勝てない・・・かな?」

 

 

フェイト「それに零冶の仲間を召喚したら・・・次元航行部隊を全部集めても勝てないかも?」

 

 

キャロ達「嘘ぉ!?」

 

 

     再び驚愕するフォワード陣。

 

 

ティアナ「そ、そんな・・・なのは隊長達が勝てないなんて・・・。」

 

 

零冶  「ちょっと待て、まさかとは思うが・・・全員を相手にするのか?」

 

 

はやて 「?何を当たり前な事を言うん?」

 

 

零冶  「・・・・いや・・・何でもない。」

 

 

     零冶は何か納得はいかなかったが受けることした。

 

 

     そして、海の上にあるシミュレーション場。

 

 

はやて 「そんならルールを確認するで。フィールドは廃墟、内容は零冶兄ぃが好きな場所に隠れて、ウチ等が外から侵入して

     捕縛する事や。勝敗は零冶兄ぃがギブするか、スターズ分隊とライトニング分隊が全滅するかや。」

 

 

     はやてがルール説明する中、零冶は溜息をついていた。

 

 

零冶  「・・・はぁ、ここまでやるか普通?」

 

 

はやて 「それと、零冶兄ぃは召喚してもええけど・・・・自重してな?」

 

 

     はやてが苦笑いで言った。それはそうだ。

 

 

     あの時の決戦のようなモンスターの大行進なんてしたら、周辺が焼け野原になるからだ。

 

 

零冶  「はいはい。」

 

 

はやて 「それじゃ・・・状況開始や!!」

 

 

     そして模擬戦が始まった。

 

 

零冶  「やれやれ・・・・・・その鼻っ柱、へし折ってやるよ。」

 

 

     今回零冶は本気を出すことした。

 

 

     理由は簡単。単に彼女達六課の戦闘力が未知数だからだ。

 

 

     故に零冶はより実践的な方法をとった。

 

 

零冶  「闇よ、世界を包め。」

 

 

     零冶が呟くと空が暗くなり闇が光を遮る。

 

 

     それはまるで月の無い夜のようだった。

 

 

零冶  「さぁ・・・惨劇の始まりだ。」

 

 

     そして零冶は闇夜に溶け込んだ。

 

 

 

 

 

     そして、フォワード陣。

 

 

ティアナ「な、何!?いきなり空が暗くなった!?」

 

 

     零冶が闇の魔法で空が暗くなった事に驚くティアナ。

 

 

はやて 「・・・零冶兄ぃの仕業やな?」

 

 

なのは 「うん、零冶君・・・本気だよ。」

 

 

スバル 「ええ!?これを零冶さんが!?」

 

 

フェイト「うん・・・昔、似たような事をやって私がやられた事があるの。その時はここまで広範囲じゃなかったけど。それよりも

     そろそろ無駄話は止めよ?」

 

 

なのは 「うん、分かった!皆、二手に別れて行くよ!!」

 

 

     なのは達は索敵を優先して2手に別れた。

 

 

     普通の追撃戦なら、コレが正しい。

 

 

     だが、それは相手が兎だったらの話だ。

 

 

     零冶は狩られる兎ではない。それは逆の狩人である虎・・・いや、竜だ。

 

 

     はやて達は昔に比べたら格が違う。だから少しだけ油断した。

 

 

なのは 「スターズ2(ヴィータ)は私と上空から捜索、スターズ3(スバル)スターズ4(ティアナ)は地上から捜索してね!」

 

 

スバル 「了解!」

 

 

ティアナ「了解!」

 

 

     スバル達は先行していった。

 

 

 

 

     だが、ヴィータはスバル達に先行させたことをなのはに聞いた。

 

 

ヴィータ「なぁ、なのは。先に行かせて良かったのか?」

 

 

なのは 「うん、今回は彼女達に実践での恐怖と零冶君の力を見せてあげたかったの。それがあの子達の為。たぶん、フェイトちゃんも

     同じ事を考えているよ。」

 

 

ヴィータ「・・・そっか。」

 

 

なのは 「でも、模擬戦は本気で勝とうね?」

 

 

     なのははヴィータにウィンクした。

 

 

ヴィータ「へっ!!当たり前ぇだ!アイツにあたし等の強さを見せてやるさ!!」

 

 

     そして2人は零冶を上空から捜索していった。

 

 

 

スバル 「う~ん・・・一体何処にいるんだろ?」

 

 

ティアナ(スバル!声を出したらダメでしょ!!念話で話なさいよ!!)

 

 

スバル (え?あ!ご、ごめん、ティア!)

 

 

     思わず呟いてしまったスバルを叱りつけるティアナ。

 

 

ティアナ(でも、一体何処に隠れているのかしら?こうも暗くちゃ見つけづらいわね。)

 

 

     ティアナ達は廃ビルに居た。今はそのビルのホールの様な所にいる。

 

 

スバル (ホントだよ。どうにか見つけらr「カタッ」っ!ティア!あっちの部屋から音がしたよ!)

 

 

     スバルはホールの奥にある部屋から物音がしたのが聞こえたようで、そっちに走って行った。

 

 

ティアナ(スバル!?勝手に行ってはダメよ!)

 

 

スバル (平気平気!)

 

 

     だが、スバルはティアナの制止を振り切って部屋に入ってしまった。

 

 

ティアナ「ああもう!!勝手に行ったらやられるのが分からないの!?あのバカ!!」

 

 

     結局、スバルを1人にする訳にもいかないので、ティアナはスバルを追った。

 

 

     そして、部屋に入ると、そこには段ボールが乱雑に置かれていた。どうやら倉庫のようだった。

 

 

ティアナ(スバル!何処にいるの!返事をしなさい!!)

 

 

     だが、スバルの姿は見当たらなかった。だが、足元にティアナは何かがあるのを見つけた。

 

 

ティアナ「・・・?・・・っ!!?スバル!!」

 

 

     それは倒れていたスバルだった。どうやら気絶しているらしい。

 

 

ティアナ「(そんな!?私がスバルを追うまで数秒しか無かったはずよ!?)」

 

 

     ティアナは驚愕した。そして同時に言いしれぬ恐怖を感じた。

 

     

ティアナ「(・・・ダメ。ここにいたらヤられる!!)」

 

 

     ティアナは即座にその部屋から出て、建物の外に出ようとした・・・・が、

 

 

 

 

 

 

 

      カタッ

 

 

 

 

 

 

ティアナ「っ!!?」

 

 

     ティアナは真後ろから物音が聞こえ、足を止めた。だが、それも一瞬。

 

 

     前に跳んで、前転して後方に相棒のクロスミラージュを構えた。

 

 

ティアナ「(・・・いない?)」

 

 

     だが、そこには何も無かった。

 

 

ティアナ「・・・・・・。」

 

 

     ティアナはジッと息を潜めた。

 

 

 

 

 

     カタッ

 

 

 

 

 

 

ティアナ「っ!?」

 

 

 

 

 

 

 

     また後ろから音が聞こえた。

 

 

     ティアナは咄嗟に後ろへ向き直り、撃った。

 

 

ティアナ「(また・・・・いない。)」

 

 

     再び静寂が訪れる。

 

 

     姿の見えない相手にティアナは恐怖した。

 

 

ティアナ「(何処!?何処にいるのよ!!)」

 

 

     辺りを見回しても気配が全く感じられない。

 

 

ティアナ「・・・っ。」

 

 

     とうとう恐怖に我慢できなくなり、ティアナは出口に向かって走った。

 

 

ティアナ「っ!・・・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・・・ふぅ。」

 

 

     ティアナは外に出てビルに向かって構える。そして何も出てこないのに安心したのか、ティアナは膝に手を当てて

     息を整えていた。

 

 

     だが、

 

 

     ・・・・チャキッ

 

 

ティアナ「っ!!?」

 

 

     突然後ろから武器を構えるような音が聞こえた。

 

 

     ティアナの心臓が跳ね上がる。そして意を決したのか、ゆっくりと後ろを振り返ると・・・

 

 

ティアナ「っ!!」

 

 

     そこには夜天連刃【黒翼】をティアナに向かって振り下ろす零冶がいて、ティアナは悲鳴を上げる間もなく意識が

     そこで途切れた。

 

 

 

     

 

零冶  「ターゲット排除完了。残りは6・・・か。確かスターズとライトニングメンバーが全滅が勝利条件だったな。やれやれ・・・。」

 

 

     そして零冶は広域探査魔法を掛ける。零冶の場合、空間に広げて使うのではなく地面に魔力を浸透させて扱う魔法だ。

 

 

     空中にいる敵を見つけることが出来ないのが欠点だが、こうすることによって相手に逆探知されるのを防ぐためでもある。

 

 

零冶  「西に2・・・だけか。いや、北に1つ増えたな。残りは空中か・・・。」

 

 

     零冶は場所を特定するとすぐに動き出した。

 

 

 

 

キャロ 「うぅ・・・エリオ君、なんだか夜の廃墟って不気味だよぉ~。」

 

 

エリオ 「大丈夫?キャロ。」

 

 

     キャロとエリオはフェイト達と別れて零冶を捜していた。

 

 

キャロ 「う、うん・・・っ!エリオ君!あそこに誰か立っているよ!?」

 

 

エリオ 「えっ!?」

 

 

     突然キャロが進む先に人影が立っているのを見つけた。

 

 

零冶  「・・・お前が召喚士のキャロ・・・か。それとお前がエリオだったか?」

 

 

キャロ 「は、はい!」

 

 

エリオ 「・・・はい。」

 

 

     零冶だという事を確認したエリオは相棒の槍のストラーダを構えた。それと同時にエリオはフェイトに零冶発見の念話を送った。

 

 

零冶  「そうか・・・。なら少し趣向を変えようか。」

 

 

     零冶がそう言って指を鳴らすと、今まで暗かった空が突然明るくなった。

 

 

エリオ 「っ!空が!?」

 

 

零冶  「ルナ、ランスモード」

 

 

ルナ  [了解!ダークネス!]

 

 

     エリオ達が驚いている隙に零冶がルナをダークネスに変えて構えた。

 

 

エリオ 「っ!キャロ!ブーストをお願い!!」

 

 

キャロ 「う、うん!ブーストアップ・ストライクパワー!」

 

 

     キャロがエリオに補助魔法を掛けた。

 

 

零冶  「他者からの魔力による身体強化・・・か。・・・つまらん。」

 

 

エリオ 「っ!このぉ!!」

 

 

     零冶はキャロ魔法を小馬鹿にした風に言うとエリオが怒って突撃してきた。

 

 

零冶  「簡単に乗せられるなよ。」

 

 

     ガキンッ

 

 

エリオ 「っく!堅い!?」  

 

 

     零冶は余裕でエリオの槍を巨大な盾で受け止めた。

 

 

零冶  「悪いが援軍が来る前にカタを着けるぞ。はぁああああああ!!」

 

 

     ガガガガガガガガガガガガガッ!!!

 

 

エリオ 「う、うああああああ!!!」

 

 

     零冶は巨大な槍を一瞬で数十以上の突きを繰り出した。

 

 

     当然そんな攻撃をエリオが防げるはずも無く、まともに受けてしまうエリオ。

 

 

キャロ 「エリオ君!?」

 

 

エリオ 「・・・くっ。大丈・・・夫だよ・・・キャロ。何とか立って・・・あれ?」

 

 

     エリオが立ち上がろうとしたが、体に力が入らずにそのまま倒れてしまう。

 

 

キャロ 「エリオ君!!」

 

 

エリオ 「あ、あれ?体が・・・動かない?」

 

 

零冶  「無駄だ。この槍には魔法で神経毒を含ませている。少しでも擦っただけでも数分後には体が動かなくなる。」

 

 

     それがこのランス、ダークネスの特徴だ。槍のあちこちに付いている棘には魔法による即効性の麻痺毒がたっぷり含まれている。

     これは相手に直接当てないと意味が無い。

 

 

エリオ 「う・・・くっ!」

 

 

     エリオが一生懸命に足掻いているが、体が言うことを聞かない。

 

 

     そして零冶はトドメの一撃を与えようとしたが、

 

 

キャロ 「蒼穹(そうきゅう)を走る白き閃光。我が翼となり、天を駆けよ。()よ、我が竜フリードリヒ。竜魂召喚!」

 

 

フリードリヒ『キュエエエエエエ!!』

 

 

     キャロの隣に浮かんでいた竜が突然巨大化し、零冶は手を止めた。

 

 

キャロ 「フリード!ブラストレイ!!」

 

 

フリードリヒ「ガアアアアア!!」

 

 

零冶  「うおっ!?」

 

 

     零冶は迫り来る炎を跳躍してギリギリで避けた。ちなみに、零冶の上半身を狙ってたので、エリオには被害が無い。

 

 

零冶  「なるほど・・・な。」

 

 

キャロ 「そう簡単にはやられません!!」

 

 

     零冶が感心しているとキャロがそういった。横にはフリードが控えている。

 

 

     だが、

 

 

零冶  「なら俺も召喚しようか?」

 

 

キャロ 「・・・え?」

 

 

     キャロは忘れていた。零冶が竜を召喚できることを。

 

 

零冶  「我が意に集いし友よ。その身は闇のように漆黒、瞳は紅く全てを睨み殺さんとす。」

 

 

     零冶の後方に魔法陣が描かれる。

 

 

零冶  「その吐息は蒼き神炎、全てを等しく焼き尽くし、生きとし生けるもの全て屍とならん。」

 

 

     黒く禍々しい魔力が周囲を包み込む。

 

 

キャロ 「え!?な、何!?」

 

 

零冶  「汝、太古より生き長らえし黒き飛竜の女王よ!我が呼び声に応じよ!来い!ブラックリオレイア!!」

 

 

 

     魔法陣からクイーンが現れる。全身が漆黒で瞳と爪は血のように紅い。

 

 

キャロ 「あ、あの時の黒竜!?」

 

 

フリードリヒ「キュ、キュエエエ!」

 

 

     現れたクイーンにフリードは格の違いに思わず後ずさる。

 

 

クイーン『あら、零冶さん。どうかしたのですか?』

 

 

零冶  「クイーン、今模擬戦をやっている。ちょっとそこの白竜を叩きのめしてくれるか?」

 

 

クイーン「ええ、いいですよ。・・・■■■■■■■!!!」

 

 

     クイーンは承諾し、翼を広げて咆哮した。

 

 

キャロ 「う・・・うぅ・・・。ふ、フリードリヒ!負けないで!!」

 

 

フリードリヒ「キュアアアア!!」

 

 

     キャロは目の前にいる強者に恐怖を感じたが、何とかフリードに命令した。

 

 

     そしてフリードも空からクイーンに襲いかかる。

 

 

     だが、クイーンは難なく回避した。

 

 

クイーン『まぁ、いきなり襲いかかるなんて酷いですね。自分の名前くらい名乗ったらどうですか?』

 

 

フリードリヒ「キュウ、キュアアアア!!」

 

     ※零冶達は何を言っているか解らないが、クイーンは同じ竜なので解る。

 

 

クイーン『フリードリヒと言うんですね。。そこそこ強いみたいですけれど、上には上がいるものです・・・よっ!!』

 

 

フリードリヒ「ギュアッ!?」

 

 

     名乗った後に再び襲いかかってきたフリードにクイーンは尻尾の殴打を喰らわせる。

 

 

クイーン『休んでいる暇はありませんよ!』

 

 

     クイーンはフリードに向かって体当たりして壁に激突させた。

 

 

     そして、間髪入れずにサマーソルトを繰り出す。

 

 

クイーン「ふふふ、コレで終わりですよ?」

 

 

     そして最後に空へと飛び上がり、蒼炎のブレスを吐き出した。

 

 

     ドゴォオオオン!!

 

 

     フリードは蒼い炎に焼かれ、その場に倒れて小さくなった。

 

 

キャロ 「フリード!!」

 

 

     キャロはフリードを抱き上げた。

 

 

零冶  「さて・・・悪いけどここでリタイアしてくれ。」

 

 

キャロ 「あ・・・・・。」

 

 

     零冶は縮地で後ろへ回り込み、キャロの首に軽く手刀を入れて気絶させた。

 

 

零冶  「おっと・・・。」

 

 

     零冶は倒れ込むキャロを優しく抱き留めた。

 

 

零冶  「・・・悪いな。・・・ムサシ、コジロー!出てこい!」

 

 

ムサシ 「はいニャー!!」

 

 

コジロー「呼んだかニャ~?」

 

 

     零冶が呼ぶと、2匹は地面から出てきた。

 

 

??? 「~~~~!」

 

 

零冶  「・・・・・。さて、この子とあそこにいる子を運んでくれ。」

 

 

ムサシ 「ニャー、ニャんだか背筋が寒くなったけどまぁいいニャ。」

 

 

コジロー「そ、それじゃ、運ぶニャ~!」

 

 

     2匹は言いようのない悪寒が走ったが、気にせずにエリオとキャロを台車で運んでいった。

 

 

零冶  「・・・・はぁ、もう出てきて良いぞ?」

 

 

     そして零冶は後ろの物陰に向かって言った。

 

 

なのは 「にゃはは~、バレちゃったかな?」

 

 

     なのは達4人が出てきた。

 

 

零冶  「そりゃそうだ。俺は半径20m以内の敵は察知できるからな。もっとも、今回は誰かさんが騒いだのもあるけどな。」

 

 

     零冶がそう言ってシグナムを見るとシグナムは赤くなった。

 

 

ヴィータ「ほれ見ろシグナム!お前があの猫を見て騒ぐから見つかったじゃねぇか!」

 

 

フェイト「もう・・・シグナムは本当に可愛い物が好きなんだね。」

 

 

シグナム「し、仕方ないだろう!?あの2匹を見ると・・・どうしても押さえきれないんだ!!」

 

 

     ・・・それでも時と場所は選ぼう。

 

 

零冶  「・・・まったく、相変わらずだな。さて、新人どもの教育は終わったし、今度は正面からやるか?」

 

 

なのは 「にゃ!?気付いてたの!?」

 

 

     零冶が自分達の狙いを言い当てたことに驚くなのは達。

 

 

零冶  「当たり前だバカ。何処の世界に新人を先行させる奴がいるかよ。」

 

 

フェイト「あはは、さすが零冶だね。それじゃあ、そろそろお喋りはここまでにして・・・始めよっか?」

 

 

零冶  「ああ、いいぜ。『ちょっと待ったぁああああ!!!』!?ロキ!大声で騒ぐな!」

 

 

なのは 「・・・?」

 

 

     突然零冶の頭にロキの叫び声が響いた。だが、なのは達にはロキの声が聞こえない。

 

 

ロキ  『ずるいよ零冶!!零冶ばっかり楽しんでから!僕も戦いたいよー!!』

 

 

零冶  「いやいや、何で?」

 

 

ロキ  『最近、出番が少ないのーーーー!!!作者のバカーーーー!!』

 

 

     ロキが心の叫びを訴える。こうやって聞くと、ロキが地面に寝っ転がって駄々をこねる姿が想像できてしまう零冶だった。

 

 

     そして零冶は溜息をついて承諾した。

 

 

零冶  「・・・はぁ。・・・・・分かったよ。ただし、やり過ぎるなよ?」

 

 

ロキ  『ホントに!?うんうん!!戦えれば全く問題無いよ!!』

 

 

     すると、ロキが一瞬で明るくなり、嬉しそうに言った。、

 

 

フェイト「れ、零冶?・・・・もしかして?」

 

 

     フェイト達は顔を引き攣らせながら聞いた。そして零冶は一言だけ言った。

 

 

零冶  「・・・・・・すまん。」

 

 

なのは 「嘘ぉ!?で、でででででも!あの時、あの子は消えたはずじゃ・・・?」

 

 

     なのはの最悪の記憶が蘇る。

 

 

零冶  「まあ、詳しいことは後にしてくれ。それに心配ない。アイツの相手はシグナムとヴィータさせようと思ってるから。」

 

 

     零冶はとても爽やかな笑顔で魔力認識阻害の結界を張り、ヴィータ達に死刑宣告した。

 

 

ヴィータ「おい!?じょ、冗談じゃねぇぞ!?」

 

 

     だが、零冶はヴィータの抗議を無視して詠唱した。

 

 

零冶  「我が身に宿る魂は二つありき。その魂は同一であり非なるモノ。」

 

 

     零冶の横に黒い魔法陣が現れる。

 

 

ヴィータ「って、おい!!人の話を聞け!!」

 

 

     尚も続ける零冶。

 

 

零冶  「その魂は高潔で偉大。破壊と死を司る神の魂なり!」

 

 

     そして禍々しい魔力が魔法陣から溢れ出す。

 

 

零冶  「彼者の前にに立ち塞がりし者は何人たりとも生きること叶わず、残るは焦土と化した大地のみ!」

 

 

     あまりにも強大な魔力で地面が揺れる。

 

 

零冶  「我が半身、白き破壊神ロキよ!今こそ我が前に顕現したまえ!!」

 

 

     そして魔法陣から莫大な魔力が一気に解放され、次第に集束していった。

 

 

     すると、そこには一人の少年が立っていた。

 

 

     黒いジーンズに黒いシャツを着て、髪と肌は雪のように白く、瞳は紅く輝いている。

 

 

ロキ  「うう~~~ん!!やっぱり外は気持ちいいね!」

 

 

     ロキは大きく伸びをして言った。

 

 

ヴィータ「で、出ちまいやがった・・・。」

 

 

シグナム「バカみたいな魔力だな・・・。」

 

 

     ロキは普段おちゃらけているが、その実力は零冶と同等である。

 

 

零冶  「じゃあシグナム達は任せたよ、ロキ。」

 

 

ロキ  「うん!任せてよ!!」

 

 

     ロキはやる気満々であった。

 

 

零冶  「さて・・・ルナ!ヘヴィーソード、デュアル!」

 

 

ルナ  [了解!エムカムトルム!ウェンカムルバス!]

 

 

     零冶はBJを装着して、巨大な覇剣と崩剣をそれぞれ片手で構える。ちなみにフードは取ってある。

 

 

ロキ  「なら僕も!来たれ、我が子等よ!その魂を今、我が刃に!」

 

 

    ロキは白銀の大剣『フェンリル』と漆黒の大剣『ヨルムンガンド』を構える。『フェンリル』はカブレライトソードの様な

    シンプルなデザインで白銀に輝き、『ヨルムンガンド』は覇剣を漆黒にしてギザギザを付けたような大剣だ。

 

 

零冶  「行くぞ!!」

 

 

ロキ  「うん!」

 

 

     そして二人は突撃していった。

 

 

零冶  「影忍流屠殺術、轟天!」

 

 

     ドゴォオオオン!!

 

 

     零冶の攻撃をなのはとフェイトが躱して上空に退避する。よく見ると、地面に小さなクレーターが出来ていた。

 

 

ロキ  「いっくよー!!」

 

 

シグナム「くっ!重い!!」

 

 

ヴィータ「なんて馬鹿力だよ!!」

 

 

     ロキも『フェンリル』と『ヨルムンガンド』を双剣の様に軽々と振り回している。

 

 

ロキ  「あはははははは!!」

 

 

     随分と無邪気に笑っているが、端から見ると結構怖い。

 

 

なのは 「っく!零冶君相手に地上戦じゃキツイね!フェイトちゃん!シグナムさん!ヴィータちゃん!」

 

 

フェイト「分かった!」

 

 

シグナム「仕方ない・・・か!」

 

 

ヴィータ「おう!」

 

 

     そして4人は空中に飛び上がり、なのはとフェイトはカートリッジ2本消費した。

 

 

なのは 「エクセリオォォォン・・・バスターーー!!」

 

 

フェイト「トライデントォォォ・・・スマッシャー!!」

 

 

ロキ  「わわっ!危ないなぁ!」

 

 

零冶  「むっ・・・遠距離から狙い撃ちか。これじゃ俺達、ただの的だぞ?」

 

 

     更にヴィータがシュワルベフリーゲン、シグナムがシュランゲバイセンを繰り出してきて、その他にもなのはやフェイトが

     射撃魔法を撃ってきたが零冶達は割と余裕で躱していた。。

 

 

ロキ  「ねぇ零冶、バレットで撃ち落とせないの?」

 

 

零冶  「多分出来るぞ?だが、それよりも効率の良い方法がある。」

 

 

ロキ  「え!?何々?」

 

 

     零冶はニヤリッと笑って見せた。

 

 

     二人は避けながらいくつか話した。

 

 

零冶  「それじゃ、防御はよろしく!」

 

 

ロキ  「おっけー!!・・・神の名の下において命ず。大地の精霊ノーム、火の精霊イフリート、水の精霊ウンディーヌ、風の精霊

     シルフ。汝等、古の契約に従い、我を仇なす者から守護せよ!・・・絶対防御魔法、フォースエレメンタルシールド!!」

 

 

     ロキと零冶の周りを火、水、風、地の精霊が囲い、それぞれが頂点となって四角形の結界が張られた。

 

 

     その結界は虹色でとても美しかった。

 

 

零冶  「リミッター・・・解除。」

 

 

     零冶がポツリと呟くと、突然零冶の体から巨大な魔力が溢れる。

 

 

なのは 「っ!!あの時より・・・次元が違う!?」

 

 

フェイト「凄い圧力・・・っ!」

 

 

     零冶は巨大な魔力を保有しているため、自分自身にリミッターを付けていた。

 

 

零冶  「さて・・・魔力よ、我が手に集え・・・集え・・・集え・・・・・・そして光となれ。」

 

 

     零冶は結界が張られたのを確認すると、手に魔力を集束し始めた。

 

 

なのは 「っく!堅すぎだよ!?」

 

 

フェイト「気をつけて!零冶、何かするつもりだよ!!」

 

 

ヴィータ「だけど、あたしのハンマーでもあの結界は破れねぇぞ!?」

 

 

シグナム「取りあえず一点を攻撃し続けるしかあるまい!」

 

 

     4人は必死に結界を破壊して零冶を止めようとするが、破壊どころかヒビすら入れられなかった。

 

 

ロキ  「うっ!・・やっぱこの魔法、燃費が悪いなぁ。」

 

 

     だが、消費魔力がかなり高いのかロキはちょっとだけ苦しそうだった。

 

 

零冶  「闇夜を照らす小さな光、それは希望の光にあらず。それは絶望と破壊の光。その光に触れし者は何人たりとも生き長らえぬ。

     対軍魔法、死蛍(しぼたる)。」

 

 

     零冶の手に集まった魔力球から、小さな光が出てきて、空に沢山浮かんだ。その数はおよそ1000以上。

 

ロキ  「うわぁー!綺麗だね!」

 

 

     この小さな光は触れると爆発する仕組みになっている。威力は殺傷設定で人一人を確実に殺せるほどだ。非殺傷設定では

     大した威力では無いが、爆発の衝撃でダメージを受けてしまう上に、数が尋常じゃないぐらい多い。

 

 

     そしてなのは達を小さな光を取り囲む。なのは達は身動きが取れないでいた。

 

 

なのは 「綺麗・・・。」

 

 

フェイト「なのは!そんなこと言っている場合じゃないよ!!少しでも動いたら当たっちゃう!!」

 

 

     フェイトは触れると危険だということを本能的に理解していた。

 

 

     だが、コレはただ空中を浮遊するだけでは無い。

 

 

零冶  「勘がいいな。だが・・・・。」

 

 

     零冶が掌を翳して広げた。

 

 

零冶  「終わりだ!」

 

 

     そして零冶が手をグッと握る。すると、周囲にあった小さな光が一気に4人に集束していった。

 

 

     ドドドドドドドドドドドガァアアアアアン!!

 

 

なのは 「きゃあああああ!!?」

 

 

フェイト「うああああああ!!?」

 

 

シグナム「ぐあああああああ!!?」

 

 

ヴィータ「うああああああああ!!?」

 

 

     数えるのがバカらしくなるほどの数の魔力球が次々と爆発していく。そして、小さな爆発が臨界点に達して、一際大きな

     爆発が起こる。

 

 

ロキ  「た~~まや~~!!」

 

 

     そして周囲にあったビルは吹き飛び、中央には大きな更地が出来ていた。

 

 

ロキ  「あはははは!!凄いね零冶!これ、とっても面白いよ!!」

 

 

     ロキは大はしゃぎだ。

 

 

零冶  「う~ん・・・ちょっとやり過ぎたか?」

 

 

ロキ  「う~ん・・・・あ、そうでも無いみたいだよ?」

 

 

零冶  「ん?」

 

 

     零冶は終わったかと思っていたが、煙が晴れるとなのは達がまだ立っていた。

 

 

フェイト「咄嗟にカートリッジを使って防御したから何とかなったけど・・・。」

 

 

なのは 「し、死ぬかと思ったの・・・。」 

 

 

シグナム「流石に生きた心地はしなかったな。」

 

 

ヴィータ「あたし達を殺す気かよ!?」

 

 

     実はなのは達は攻撃を受ける直前にカートリッジをロードし、その魔力を全て防御に回していた。

 

 

なのは 「今度はこっちの番だよ!!」

 

 

フェイト「いくよ、皆!!」

 

 

ヴィータ「おう!!」

 

 

シグナム「ああ!!」

 

 

     まずはヴィータとシグナムが攻撃する。

 

 

ヴィータ「アイゼン!カートリッジロード!!」

 

 

アイゼン[了解!!]

 

 

     ヴィータはカートリッジをロードした。

 

 

     ガシュンッ!という音がして薬莢が吐き出される。

 

 

シグナム「剣の騎士、シグナムが魂・・・炎の魔剣レヴァンティン!」

 

 

     シグナムはレヴァンティンを掲げる。

 

 

シグナム「刃と連結刃と続く、もう一つの姿。」

 

 

     更にレヴァンティンの鞘を本体の柄に当て、カートリッジをロードした。

 

 

レヴァンティン「ボーゲンフォルム!!」

 

 

 

     すると、レヴァンティンが弓に変形してシグナムは弦を引き絞る。

 

 

ヴィータ「轟天爆砕!ギガント・・・シュラーーーク!!!」

 

 

シグナム「翔よ、隼!!」

 

 

レヴァンティン「シュツルムファルケン!!」

 

 

     そしてなのは達がデバイスを構え直して魔力を集束する。

 

 

なのは 「咎人達に、滅びの光を。星よ集え、全てを撃ち抜く光となれ。貫け!閃光! スターライトォォォ・・・

     ブレイカーーーー!!!」

 

 

     そしてフェイトはザンバーフォームに変えて、

 

 

フェイト「雷光一閃!プラズマザンバー・・・・ブレイカーーーー!!!」

 

 

     4人の最大の魔法。その威力はまともに受ければ一撃でやられることは間違い無い。

 

 

ロキ  「おお~。凄い魔力だね!」

 

 

     それでもロキは余裕の表情だ。

 

 

零冶  「感心している場合か?物理攻撃は俺に任せて、お前はなのはとフェイトの攻撃を何とかしろ。」

 

 

ロキ  「うん、おっけーだよ!」

 

 

     だが、零冶も随分と余裕の表情だった。

 

 

零冶  「東に青龍、西に白虎、南に玄武、北に朱雀。四方を守護する四つの神よ、我に仇なす者の刃を防げ。対軍魔法・絶対防御結界、

     『四神壁(よつかみのかべ)』!!!」

 

 

     零冶の周りに3つ、上に1つを起点として絶対防御の結界を張る。

 

 

     そして、ヴィータのギガントシュラークが結界に着弾する。

 

 

     結界は火花を散らしながら、耐えきった。しかし、僅かにヒビが入っている。

 

 

     続けてシグナムの矢が着弾し、大爆発した。そして、

 

 

     パキャァァ―――ン

 

 

     絶対防御の結界が砕け散った。

 

 

     この結界は物理攻撃にもある程度耐えられるが、元々は魔力攻撃に対しての絶対防御である。

 

 

     では何故、零冶が防御なんかに廻ったかというと・・・

 

 

ロキ  「『フェンリル』、少し休んでてね。さぁ・・・行くよ!我が子『ヨルムンガンド』!」

 

 

     ロキはフェンリルを仕舞い、『ヨルムンガンド』を構える。

 

 

     そして、なのはとフェイトの集束魔法(虐殺砲)が迫る。

 

 

ロキ  「深淵の深海に閉ざされし大蛇よ、全てを喰らい尽くせ!!」

 

 

     ロキは『ヨルムンガンド』を正面に突き出す。

 

 

     そして、ロキになのは達の魔砲が襲いかかると思いきや、

 

 

なのは 「え!?な、何あれ!?」

 

 

フェイト「嘘・・・・私達の攻撃が・・・吸収されている!?」

 

 

     集束魔法はロキに当たらず、全て『ヨルムンガンド』の剣先に吸収されていった。

 

 

     そして全てが吸い込まれ、刀身が禍々しく漆黒に輝いている。

 

 

ロキ  「そして吐き出すは・・・・・・厄災の光!!」

 

 

     ロキはそのまま大きく振りかぶり、剣を振り下ろした。

 

 

     ドンッ!!という音と共に漆黒の魔力がなのは達に放出される。

 

 

     そしてその漆黒の魔力は彼女達を飲み込んだ。

 

 

     魔力による爆発の煙が晴れると、なのは達は全員地面に倒れていた。

 

 

零冶  「おい・・・やり過ぎだ、ロキ。」

 

 

ロキ  「・・・・テヘッ☆」

 

 

     零冶はやり過ぎだと言うが、ロキは全く反省していなかった。

 

 

 

 

その頃、リタイアした新人組とはやて達を含めたロングアーチの部隊がモニターで模擬戦を見ていた。

 

 

グリフィス「な・・・・何ですか彼等は!?」

 

 

ルキノ 「い、一方的ですね・・・。」

 

 

アルト 「し、信じられません・・・。」

 

 

ヴァイス「おいおい・・・何の冗談だよ?」

 

 

     後方部隊は零冶達の力に全員呆れていた。

 

 

     そして、新人組は・・・

 

 

ティアナ「そ、そんな・・・隊長達が簡単に倒されるなんて・・・。」

 

 

スバル 「それも複数相手に・・・・。」

 

 

キャロ 「零冶さんの竜・・・凄く強かった。どうしたらあんな風に強くなれるのかな・・・?」

 

 

エリオ 「・・・・。」

 

 

     ティアナとスバルは隊長陣が簡単に倒されたことにショックを受けていた。そしてキャロは零冶を尊敬の眼差しで見つめ、

     エリオはそんなキャロを見て面白くなさそうな表情をしていた。

 

 

はやて 「ふふふ・・・さすが零冶兄ぃや。あの時よりも遙かに強くなっとるわ。」

 

 

ザフィーラ「そもそもあの時とは次元が違うな。」

 

 

シャマル「ええ・・・。彼女(・・)が見たら喜ぶかしら?それとも関心するのかしら?」

 

 

はやて 「多分、両方やないんかな?そういえば、いつ任務から戻って来るん?」

 

 

シャマル「確か、明後日のはずよ?」

 

 

はやて 「そっか・・・。シャーリー、零冶兄ぃの魔力分析の結果は出た?」

 

 

     はやては分析中のシャーリーに聞いた。

 

 

シャリオ「少し待って下さい。もう終わります・・・出ました。・・・え?」

 

 

     シャーリーは分析結果を見て固まった。

 

 

はやて 「どうしたん?シャーリー。」

 

 

シャリオ「そ、その・・・機械の故障と思うんですけど・・・。」

 

 

     シャーリーは歯切れが悪く言った。

 

 

はやて 「?出た結果でいいから言ってみてくれるか?」

 

 

シャリオ「その・・・・・・・測定不能です。」

 

 

     そして周囲は一瞬静寂に包まれた。

 

 

はやて 「・・・え?ホンマに?」

 

 

     はやてもこの結果は予想外なのか、もう一度聞き直した。

 

 

シャリオ「は、はい。それと、空戦適正は不明なのですが、陸戦適正は・・・・SSSです。」

 

 

アルト 「ちょっ!?測定不能な上に陸戦適正がSSSって何!?」

 

 

ルキノ 「こ、こんな事・・・数百年に一度のレベルです・・・。」

 

 

はやて 「あはは・・・・無茶苦茶やなぁ。」

 

 

     はやてもコレには呆れるしかなかった。

 

 

     周りもあまりの異常さに言葉も出なかったようだ。

 

 

 

 

     模擬戦をした夜、はやて達の強い希望(強制)で零冶は1日だけ六課の隊舎に泊まることになった。

 

 

     零冶は割り当てられた部屋で休んでいたのだが、はやて達に呼び出されて今は部隊長室にいる。

 

 

零冶  「・・・こんな時間に呼び出してどうしたんだ?」

 

 

     零冶が入ると・・・フェイト、なのは、はやてが居た。

 

 

     少しだけの沈黙の後、はやてが俯いて口を開いた。

 

 

はやて 「零冶兄ぃ・・・・・・どうして会いに来てくれへんかったん。」

 

 

零冶  「・・・それは今日も言っただろ?俺はお前達がいるなんて知らな「嘘や!!」・・・・。」 

 

 

     はやては零冶の言葉を遮って言った。

 

 

はやて 「そんなん分かりやすい嘘を吐かんでや!!」

 

 

     はやての瞳から涙が溢れ出す。

 

 

なのは 「零冶君、知らなかったはずは無いんだよ?」

 

 

フェイト「自惚れかも知れないけれど、私達は少し前からそれなりに有名だったの。はやては特に・・・。」

 

 

     フェイトとなのはも零冶の言葉を否定した。

 

 

はやて 「それに、食堂で零冶兄ぃが言った時、ウチから目を下に逸らして言ったやろ?ウチ、知ってるんやで?零冶兄ぃが嘘吐く時は

     必ず目を下に逸らして言うって事!!」

 

 

零冶  「そっか・・・そんな癖が付いていたのか。・・・気付かなかったよ。」

 

 

なのは 「やっぱり・・・嘘を吐いてたんだね?」

 

 

零冶  「・・・え?」

 

 

     実ははやての言った事は零冶を白状させるためのブラフだった。

 

 

はやて 「ごめんな、零冶兄ぃ。ウチも嘘を吐いたんよ。零冶兄ぃにそんな癖はあらへんよ。」

 

 

     零冶ははやての言葉に一瞬固まり、苦笑した。

 

 

零冶  「あはは・・・1本取られたよ。」

 

 

フェイト「それで、零冶。どうして会いに来てくれなかったの?私達・・・ずっと捜してたのに・・・。」

 

 

     フェイトが零冶に聞くと、零冶はとても苦しそうな表情で言った。

 

 

零冶  「会いに行ける訳・・・・ねぇよ。」

 

 

なのは 「どうして!?」

 

 

零冶  「会える訳無いだろ!俺は・・・なのはやフェイトを裏切り、傷つけたんだぞ!!そればかりか、俺ははやてを守るどころか・・・

     この手で斬ったんだ!」

 

 

     零冶は叫んだ。今までずっと後悔していた。己の弱さに・・・守れなかった自分を責め続けた。

 

 

零冶  「そんな酷い奴がお前達に会いに行く資格なんてある訳ないだろ!?俺が居ない方が・・・お前達にとって幸せだったんだ!!」

 

 

3人  「っ!バカ!!」

 

 

     パチンッ!!

 

 

     なのはとフェイト、はやては零冶の言葉を聞いた瞬間、零冶の頬を引っ叩いた。

 

 

はやて 「バカ!!そんなこと言わんでや!!」

 

 

なのは 「どうして勝手に決めつけるの!?私達の苦しみを解ってもいないのに!!」

 

 

フェイト「私達の幸せを勝手に決めつけないで!!自分の幸せぐらい、自分で決められるよ!!」

 

 

     3人は涙を流して言い、零冶を抱きしめた。

 

 

零冶  「はやて・・・なのは・・・フェイト・・・。

 

 

はやて 「ウチ等、零冶兄ぃがおらんと寂しいよ・・・。」

 

 

なのは 「ずっと苦しかったんだよ?でも・・・零冶君が生きているかも知れないと思って、今まで頑張って来れたの。」

 

 

フェイト「だから・・・私達は零冶が居ないと・・・ダメなんだ。」

 

 

はやて 「それに・・・ウチはもう気にしてへんよ?だってあの時、零冶兄ぃが居たから・・・今のウチ等がおるんやから。」

 

 

なのは 「零冶君は私達を裏切ってなんか無いよ?だって・・・ずっと私達を守ってくれたから。」

 

 

フェイト「だから・・・居ない方が良いなんて言わないで。私達は零冶が居てくれたら・・・それだけで幸せなの。だから・・・

     許してあげる。」

 

 

     3人がギュッと力を込めて抱きしめた。そして、零冶の目から雫が溢れ落ちる。

 

 

零冶  「・・・ごめん・・・・・ごめんな、はやて、フェイト、なのは!・・・・もう、お前達の前から居なくなったりしないから

     ・・・・・今度こそ必ず守るから!!」

 

 

     零冶は3人を抱きしめ返した。そして、はやてが言った。

 

 

はやて 「違うで、零冶兄ぃ。もう、ウチ等は守られるだけの存在やあらへん。」

 

 

なのは 「私達は零冶君と一緒に歩みたいの。」

 

 

フェイト「零冶の隣に立っていたい・・・一緒に歩いて行きたい。」

 

 

     3人が笑顔で言った。そして、零冶も笑顔で返した。

 

 

零冶  「・・・ああ、・・・ああ!そうだよな・・・一緒に歩こうな!」

 

 

3人  「っ!うん!!」

 

 

     こうして零冶とはやて達3人は再会を果たした。

 

 

     今度は守られる存在ではなく、共に歩んで行く存在として・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はやて 「よっしゃ!そうと決まれば・・・なのはちゃん、フェイトちゃん!」

 

 

なのは 「うん!」

 

 

フェイト「分かった!」

 

 

     なのはとフェイトは何故かデバイスを展開した。序でにはやても・・・。

 

 

零冶  「・・・なのは、フェイト、はやて。何故、デバイスを出すんだ・・・?」

 

 

     零冶は何となく嫌な予感がして後ずさろうとしたら、

 

 

なのは 「チェーンバインド♪」

 

 

フェイト「リングバインド♪」

 

 

零冶  「なっ!?は、離せなのは!フェイト!」

 

 

     拘束された。

 

 

はやて 「零冶兄ぃ?確かにウチ等はあの時の事を許しはしたで?でもな・・・。」

 

 

なのは 「私達に会いに来なかった事を許した覚えはないの♪」

 

 

フェイト「だから、少しお話(お仕置き)・・・しよっか?」

 

 

零冶  「ま、待てフェイト!今、なんか別の言葉が混じってたぞ!?」

 

 

     3人はとても笑顔で言った。

 

 

     他人が見たら確実に一目惚れしてしまうような笑顔。

 

 

     だが、零冶にはそんな笑顔が般若の顔にしか見えなかった。

 

 

はやて 「大丈夫やで零冶兄ぃ。ちょっとお話(説教とお仕置き)するだけやって♪」

 

 

なのは 「そうなの!O☆HA☆NA☆SHI!するだけなの!」

 

 

     3人はゆっくりと零冶に歩み寄る。

 

 

零冶  「はやて!?なんか余計な言葉が増えてるぞ!?な、なのは!変換を間違ってるぞ!?ま、待て!頼む!落ち着け!

     俺が悪かったからやめtぎゃああああああああああ!!!」

 

 

     その日の夜、隊舎に零冶の悲鳴が木霊した。

 

 


 
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