No.467372

澪ちゃんの髪

律ちゃん視点ですー。

何故秋山澪は黒髪ロングなのか?

考えてみた。

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2012-08-08 23:28:32 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1199   閲覧ユーザー数:1196

 

「律ー。そろそろ勉強するぞー」

「んー、この特集読んでから」

今日は、テスト前日。

私は例のごとく澪の部屋に居た。

テスト前日に澪に泣き付いて、勉強教えてもらうのは中学時代からの恒例行事。

「…」

 

スタスタスタ‥

 

‥バッ

 

「あー!!読んでる途中だったのにー!!」

「ダーメッ!何しに来たんだっ!!」

 

ゴチンッ☆

 

「ぁいたーっ!!!」

私がテスト勉強そっちのけで読みふける雑誌を澪が取り上げ、拳骨を落とす‥‥

‥コレも、恒例行事。

私は観念して渋々雑誌を片して、勉強の準備に入った。

 

 

 

カリカリカリ…

シャーペンが走る音が澪の部屋を支配する。

カリカリカリ…

さっきまでは澪セレクトのBGMが流れていたが、私がBGMについて話し始めちゃって勉強にならない、と言う理由で無音になった。

カリカリカリ…ペラッ…

シャーペンが走る音。たまにノートや教科書をめくる音。

カリカリカリ…

「ながら勉強」があまり良く言われない理由がよくわかる。なるほど、無音だとすこぶる勉強に集中出来た。

カリカリカリ…

「…っし、と」

シャーペンを置く私。

「ん?」

「いっこ終わりー!」

私は澪から「まずコレ解いてみて」と、手渡された澪お手製の簡易問題集を終わらせた。

集中してただけあり。我ながら早目に解き終えた…気がする。

「ホントか~?」

澪は半信半疑、と顔に書いて問題集を手に取り、添削する。

「…」

「…」

無言で添削する澪…と、あぐらを掻き凝視する私。

「……出来てる」

「っしゃ!」

思わずガッツポーズ!!

「じゃ、次の問題集ね」

「へ?」

「誰がコレで終わり、なんて言った?」

「あ、あぁ」

「こんなので良い点取れたら苦労しないぞ?」

「は、はい‥」

「…とりあえず、一休みするか。問題解くの意外と早かったしな、律」

「やれば出来る子ですからっ!!」

思いっきし、ピース!!

「はじめからやってくれよ…じゃ、ジュース持って来るから」

「はーい‥」

私はふぅー‥と、一息付いた。

 

 

 

休憩中。

テスト勉強の反動で、雑談に花が咲く。

「澪ー」

「何?」

「澪って髪、綺麗だよね」

私は素直な感想を投げ掛けた。

「な、なんだよいきなり…」

予想通り狼狽える澪。まぁ、いきなり誉めたんだから。当たり前だよな。

「唯達もよく言ってるからさー。あらためて見て、なるほど綺麗だなーって、思ってさ」

「ぁ、ありがとう…」

少し頬を赤らめる澪。かわいい。

「‥でさ、澪。髪型、変えないのか?」

「…へ?なんで?」

「ほら、この前唯達と話したじゃんかー。みんなでイメチェンしてみようって」

「あぁー、したねぇ」

「そんで、何かイイ髪型とか、思い付いた?」

「私は……このままでいいかな…」

「ふーん。なんで?」

「べ、べつに‥ずっと、この髪型だし」

私のなんで?に対して澪がやけに反応した。

「あぁー。イメチェンだとかなんだかんだの時、唯達が「澪ちゃんはこのままが一番だね!!」って、言ってたもんなぁ」

「うん。ソレもあるけど…」

澪の発言が尻すぼみになった。

「けど?」

「…」

「なんだよ」

「…」

「唯達以外から、誉められたとか?」

「…ま‥まぁ、そんな所…」

「へー。誰から?」

「…べ、別にいいだろ?」

「なんだよ。教えてくれてもイイじゃんかよー」

明らかに澪の様子がおかしい。

「そんな隠すよーな話じゃないじゃんか」

「じゃあ……誰だか、当ててみなよ」

「んー‥‥和?」

「いや、違う」

「じゃあー‥憂ちゃん?」

「ううん、違う」

「なら、純ちゃん?」

「違う……ってか、そんなに話した事ない」

「そっかー。あ、さわちゃんか!」

「嫌だ…じゃない、違う」

「えー、じゃあ堀込先生!!」

「違うよ」

「えー!?分かんないよ!!クラスの誰か?」

「違うなぁ」

「あーもう!!聡!!」

「違うよ」

「えーとーじゃあ、ナンパされて言われたーとか?」

「違うって!!律だよ!!」

 

………へ?

 

「…わ、私?」

「ッ………」

澪は「言っちゃった」みたいな顔をして。無言で頷いた。

みるみる間に、顔が赤くなってった。

「……私が?いつ?」

茶化して言った事はあるかもしれないが、はっきりと憶えてはいない。

「…さっきも誉めてくれたけど………小学校の時だよ」

「しょ、小学校!?」

「……うん」

そりゃあ、憶えてないわ………。

「……ってか、なんでそんな昔?」

「…………」

澪は顔を赤くしたまま、テーブルを見つめ

「…………嬉しかったんだよ‥‥」

小さな、小さな声で。白状した。

『きれいなかみだねー!!』

 

「‥‥って、私が澪に、言ったの?」

「…うん」

確かに言った気がしなくも……ない。

「嬉しかったのか……っつーか、あん時って澪の事。からかってばっかじゃなかったか?」

「確かにその時は、ね…」

小学校時代。私は澪にちょっかい出してはからかったり、ちょっかい出してはからかったりして。

その度に泣かして。その度に困惑しながらも、宥めていた。懐かしい……。

「‥その時は、って?」

何か、質問してばっかだな、私。

「…………」

澪は、黙り込んだ。言いたくないらしい。

「言わなきゃ勉強しないぞー」

「……わかった」

私も、黙り込んだり、弱っている時の澪の扱いは慣れたもんだ。

「………髪切ろう、とか髪型変えよう、とか考えるとさ。律のその言葉思い出してさ…」

澪はテーブルを見つめたまま、耳まで赤くなっていた。

「なんか……嬉しくなって。やっぱ、このままで良いや…って」

言い終えた澪は、完全に「恋する乙女」の表情だった。

「……」

心の底から恥ずかしそうにしている澪だが………私も、恥ずかしい。

何より、小学校の時の私の言葉がそんなに心に残ってるとか‥‥‥嬉しいし、照れ臭い。

…………。

無言の二人。

そりゃそうだ。澪は恥ずかしいし、私は照れ臭いし嬉しいし……何も言えない、とはこの事か?

…が、私は何とかしなきゃ、と思うタチである。

「みーおちゅわんっ♪」

 

だきっ

 

「わぁっ!!」

私は、澪の背中に抱き着いた。抱き着いた勢いで、綺麗な髪が頬に当たる。鼻先で踊る。いい匂い。

「わたしゃ嬉しいよ…あの時の私の言葉を今まで憶えててくれたなんてさぁ…」

「………うん‥‥」

 

……あれ?

 

「……私も、嬉しいよ?律…」

……澪の乙女モードが、戻らない。

………仕方が無い……。

 

するっ

 

私は、澪の胸に手を回した。

「あーんなにちっちゃかった澪ちゃんもーこーんなにおっきくなってぇー」

 

もみっ

 

揉んでみた。

 

ゴチーンッ☆

 

「ーっていたぁ―――い!!!」

「‥律!テスト勉強の続きやるぞ!!早くジュース飲め!!」

顔は赤いままだが‥‥いつもの澪に戻った。

「はぃ…」

私はテーブルの前に正座し。ジュースをストローでじゅるじゅる‥と、飲み干した。

 

翌日‥‥と、いうか。テスト当日。

昨日はなんだかんだで、みっちりテスト勉強。澪のサプライズ発言からの嬉しさもあり、私の勉強ははかどった。

色々ありつつ……‥澪も、私の勤勉さに感心しきりだった。

朝、いつもの待ち合わせ場所に行くと澪が待っていた。

「みーおちゅわんっ♪おはよっ!」

「あ、おは」

 

だきっ

 

「わぁっ!」

 

ゴチンッ☆

 

朝からコレですか…。

「何も、殴らなくても…」

「いきなり抱き着かれたら殴るに決まってるだろ!」

「…昨日は抱き着いても殴らなかったクセに……」

「‥‥ぅ、うるさい!!さ、行くぞ!」

「ふぁい…」

私は、澪と並んで歩きながら

「澪ちゃん、綺麗な髪だねっ☆」

からかってみた。

「……ぅ、うるさいっ‥!」

澪は、拳骨どころか。顔を真っ赤にして。足を速めた。

やっぱり。昨日判明したこの言葉には‥‥弱いらしい。

「ま、待てってば!!」

「……」

 

私は、無言で先を歩く黒髪の美少女の背中に……心の中で。言ってやった。

 

 

 

……‥きれいなかみだね!

 

 

 

 

 

 

 

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