No.465278 IS学園にもう一人男を追加した ~ 68話rzthooさん 2012-08-05 08:20:06 投稿 / 全9ページ 総閲覧数:1450 閲覧ユーザー数:1405 |
投稿者SIDE
獅苑?
「・・・あの」
W
「な、に・・・?」
ただいま、獅苑?は『W』に抱きかかえら(拘束さ)れ、ソファに座っている。その室内には『B』や[省略]がいた。
獅苑?
「"なに"じゃなくて、この状態を解いてくれません?」
W
「いや」
獅苑?
「えっと、"いや"じゃなくて」
W
「いや」
獅苑?
「・・・」
マドカSIDE
マドカ
「おい、あれはどういう事だ?」
いつの間に、あの二人は仲良くなったのだろうか。
初登場の時なんか、"敵"って言ってたはずだが・・・
R
「ん? あ~、あれね。ちょっと訳があんのよ」
マドカ
「訳?」
R
「朝さ、アイツ(獅苑)が中々、顔を出さなかったから『W』と一緒にを見に行ったのよ。そしたら・・・」
獅苑?
「zzz・・・んにゃ?」
W
「っ!!」
R
「どうも、気に入っちゃったみたいで、ね」
マドカ
「朝に弱いのか?」
R
「じゃないの? でもまぁ、最初のギスギスした空気よりマシn」
フラン
「かんせーい、しまーしたっ!!」
R
[ブチッ!]
喋ってる最中に声を被されたのが気に喰わなかった『R』は、回し蹴りで博士の腹部を蹴り上げた。
R
「そんなどデカイ声で耳元で叫ぶんじゃないわよ!! 次、口開けたら、顎(あご)砕くからね!!」
フラン
「さ、さすがで、すね~・・・一瞬、三途の川、が見えましたよ~・・・」
博士が蹲(うずくま)って、『R』は腕を組んで不機嫌そうに鼻を鳴らす。
マドカ
「・・・これは?」
博士の近くに落ちていたコンタクトレンズ。拾って覗き込んでいると・・・
獅苑?
「それ、俺の」
マドカ
「ん、そうか・・・」
投げ渡すと『W』に拘束されていた右腕だけ抜いてキャッチし、両目にコンタクトをはめる。
いつもの視界の方がしっくり来るらしく、博士により裸眼に近い、コンタクトを頼んでいたようだ。
獅苑?
「あ、そうだ・・・ほいっ」
おっと・・・飴玉?
マドカ
「私にか?」
獅苑?
「[コクッ]・・・あと」
懐から、様々な種類の飴玉が。一体どこから仕入れてきたのか・・・
獅苑?
「ほい」
投げ渡されたのは、白色の飴袋。
R
「これは?」
獅苑?
「寒天飴」
R
「いや、名称を聞いてるわけじゃ」」
マドカ
「本当にどこから仕入れてくるんだ・・・?」
投稿者SIDE
飴の収入元は結局分からないまま、マドカは『B』がいる寝室に顔を出した。
『B』は殺風景な部屋に置かれているベットに横たわって、寝息をたてている。
その寝顔に、マドカは飴玉の袋を投げつけた。
B
「っ・・・あんだよ。せっかく、人が寝てるところを」
ダルそうに体を起こした『B』は、投げつけられた袋を破り、飴玉を口に放り込む。
B
「何か用か?」
マドカ
「別に用はない。ただ向こうが騒がしいからな」
ユウキ
『真面目にやれよ、新入り(獅苑)!』
獅苑?
『いや、片手だけで操作はちょっと・・・』
R
『そろそろ離してあげれば?』
W
『いや』
マドカ
「それより、さっきまでスコールの所に居たのだろう? 何か聞き出したか?」
B
「聞き出す? んな、面倒な事するか・・・ただ」
マドカ
「ただ?」
B
「アイツ(獅苑)の催眠。一時的だが適用したそうだ。アイツの"欠陥"を持ってしてもな」
マドカ
「"欠陥"か・・・」
クローンである獅苑や『B』には、人とかけ離れた部分を持っている。それは利益なのもあれば、不利益なもの様々と。
例を挙げれば、『W』の言語と感情表現の乏しさ。これは不利益だろう。
獅苑の場合は、常人離れした精神力。全身骨折しようが、海に落ちようが、剣に刺されようが、復活を遂げている。
B
「お前の"欠陥"は確か・・・」
マドカ
「"無痛覚"だ・・・私には痛みというものを感じない」
そう言うと、懐からナイフを取り出し頬を切る。そこから血が噴出すが、マドカは何食わぬ顔で頬を撫でた。
B
「ほぅ・・・医療ナノマシンを過剰摂取すると、そうなるのか」
マドカが撫でた傷は、傷跡残らず消えていた。
マドカ
「今更、驚くな・・・だけど、これがあるから私は・・・」
ナイフをしまったマドカは、次はポケットから"ロケット(アクセサリー)"を手に乗せる。
B
「まだ持ってんのか? どうせ、"何も入ってない"くせに」
マドカ
「・・・」
B
「黙るなよ、ったく・・・・・・んじゃ、行くか?」
マドカ
「? どこに?」
B
「持ち場・・・"あの人"が近づいてきてる」
マドカ
「っ!」
スコール
「山田君。あとどれくらいで接触するのかしら?」
山田
「30分後です」
ウッド
「まさか、これほど早くこの場所を掴まれるとはね。さすがは"篠ノ之束"ですね」
スコール
「それより、"殴られたお顔"はもういいので?」
ウッド
「顔だけではないのだがね・・・」
獅苑が基地に帰投した時、ウッドに絡まれた。何故、催眠が効かなかったのか。もう一度、実験をしてやると・・・
一応、獅苑の"所有権"はウッドが握っているため、スコール達は手は出せない。
だけど、唯一反論できるのは獅苑自身。キッパリと要求を断った。
ウッド
「何!? お前は"私の人形"だぞ!!」
獅苑?
「・・・くだらない」
ウッド
「このっ、"ブレスレット"なんか付けて! オシャレのつもりか!? 外せ!」
ウッドが"黒のブレスレット"を外そうと手を伸ばす。
だが、その手は払いのけられ、右頬を思いっきり殴られた。
獅苑?
「これに触るな・・・」
機材に埋もれたウッドを睨み付け、ブレスレットを撫でながら去っていった。
ウッド
「だが、まぁいい。催眠が効いてない訳ではない。それに丁度良いタイミングで"彼女"は来てくれたからね」
スコール
「一応、『W』を出しましたが・・・」
ウッド
「これはあくまで序章にすぎないのだよ・・・『W』は伴奏という訳だ」
スコール
「では」
ウッド
「全員を持ち場に配置させ、私が連れてきたSP達にも連絡を入れろ。彼女がワザワザ来てくれたんだ・・・"白騎士"が」
千冬SIDE
千冬
「・・・あの島か」
地図に書かれていない無人島。肉眼では米粒ぐらいの距離だが、ハイパーセンサーで映し出された島は、半径100kmほどのデカイ島だった。
束
『ちーちゃん、誰か待ち伏せしてるみたいだけど?』
千冬
「ほかの奴に用はない。一気に突入する」
束
『隔壁は閉まってるけど、今の『暮桜』なら破壊できるよ』
千冬
「了解した!」
『W』SIDE
W
「・・・きた」
『海神(わだつみ)』の待機状態であるピンを、片目を覆っている前髪を上げて止める。
『越界の瞳(ヴォーダン・オージェ)』。だが、試作段階の状態だったこの目は、技術的補助で能力を発揮できる。そのため機械的な見た目になってしまったけど・・・
だけど、今すべき事は・・・
W
「はや、く・・・おわらす」
またナデナデしたいから・・・
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次回は戦闘・・・だと、思います。