第二十二技 ともに在る事
キリトSide
「キリト、軍の奴らはこのまま帰らせるぜ?」
「ああ、そのほうがいいだろう」
クラインの提案に俺は賛成した。指揮官を失くした者達を統率するのは難しいからな。
精神的なダメージも大きいだろうし。クラインは一人の兵士に近づき話しかけた。
「そんじゃ、お前ら。今回の事はちゃんと上に報告して、以後こういうことがないようしっかり伝えろよ」
「は、はい。ありがとうございます」
「礼ならあいつらに言え」
クラインが俺とアスナを指差した。
それにならって軍の兵士達が座り込んだままの俺達に深く頭を下げてから、
それぞれ≪転移結晶≫を使って帰っていった。
「うし、キリト。俺達はこのまま次の階層の転移ゲート開けてくるけどよ、おめぇらはどうする?」
「まかせるよ。さすがに、な…」
俺はクライン達に任せることにした。アスナも頷いている。
「わかった、あとはまかせな。……それとよ、キリト。
俺はよ、理由はどうあれお前が誰かを助けるために戦ってるのが…その、なんつうか、嬉しかったぜ…そんだけだ」
そう言ってクラインは風林火山のメンバーを連れて、迷宮を突破しに行った。
俺とアスナが残されたわけだが、アスナは今も俺の腕に
「キリト君…。わたし、少しのあいだギルドをやすむ…」
彼女のその言葉になぜか疑問は出て来なかった。
どこかに彼女がそうするという確信めいたものがあった。それでも、理由が気になった。
「しばらく、キミといっしょにいたいから……」
嬉しかった。彼女が俺と一緒にいたいと言ってくれて…。
「わたしじゃ、足手まといかもしれないけど…。でも、キミといっしょにいたい…」
「俺も君と、アスナと一緒にいたい……」
俺は彼女の肩を引き寄せて、軽くだが抱きしめあった。
自分達がここに生きていることを確かめ合うように…。
しばらくしてから俺達は転移結晶を使って、街へと戻った。
アスナを一度、血盟騎士団へと送って、客間で待たせてもらった。
そのあと俺はアスナをセルムブルグにある家へと送り、明日また会うことにした。
俺もアルゲードの自分の部屋へと戻ってきたが、
取り敢えず
数分後、送った者達全員から了解の返事が届いたので、俺は25層の
そして、俺も準備を整えて25層へと転移しにいく。
25層についた俺は
しばらくフィールドを歩き、小さな森の中にへと入る。夜でも視覚への補助機能があるので特に苦にはならない。
少しするとログハウスが見えてきた。すぐそばには小川が流れており、水のせせらぎが聞こえてくる。
ログハウスには光は灯っておらず鍵もかかっているが、
俺はアイテム欄から鍵を取り出して扉の鍵を開けてから中へと入る。
やはり誰もいない。まだ誰も来ていないようだ。
集まるようにいった俺が最初に来れたのはよかったが…。
明かりをつけてみんなが来るのを待つことにした。
そして数分後、
―――ガチャリッ
扉が開いた。
キリトSide Out
To be continued……
後書きです。
次回、ついにオリジナルキャラの『黒衣衆』が登場します。
初めて拝見する方々も、もう一度拝見する方々もぜひお楽しみに。
それではまた・・・。
Tweet |
|
|
27
|
8
|
追加するフォルダを選択
第二十二話です。
今回はちょっと短いかもしれないです。
それでは・・・。