No.458654

ハイスクールD×D~HSSを持つ転生者~ 第41話

あっくんさん

神様の悪戯で、死んでしまった俺―――神矢クリスはハイスクールD×Dの世界に転生した。原作の主人公、兵藤一誠らに会っていろんな事に巻き込まれる。

2012-07-24 18:36:59 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:6486   閲覧ユーザー数:6321

第41話~クリスの修行その一~

 

 

アザゼルと堕天使専用の魔方陣でジャンプして、着いたのは

 『神の子を見張る者(グリゴリ)』

 その中に入っていき、奥に進む事数分。そこには―――

「おぉ、アザゼル。待っていたよ」

「よぉ、シェムハザ―――こいつが"多重の創造者"神矢クリスだ」

 爽やか雰囲気を持つ男性―――シェムハザがいた。

「君が…! 私はシェムハザ。これから君の修行を手伝う事になった。よろしく」

「俺は神矢クリスだ。よろしく、シェムハザさん」

 俺はシェムハザさんと握手した。

「ところで、シェムハザ。バラキエルはどうした?」

「今から、来るんじゃないかな~。真面目な彼にしては珍しいけど」

 と、アザゼルとシェムハザが話していると

「す、済まない! 遅れてしまった!」

 ガタイの良い男性が走ってきた。すごく強そうなんですけど…

「真面目なバラキエルにしては珍しいな。どうしたんだ?」

「ちょっとな」

「そうか―――クリス。バラキエルもお前の修行を手伝ってくれる。神器(セイグリット・ギア)に

 ついてはシェムハザ、身体能力についてはバラキエルがコーチだ」

「お前が神矢クリスか。私はバラキエルだ」

「よろしくお願いします。二十日間、お世話になります!」

 俺は二人に向かって頭を下げた。これから、お世話になるんだ。礼儀を欠いては

 いけない。

「あれ? 何か、俺との態度が全然違う気がするが…」

 アザゼルがぼそりと呟いていた。

 

 

 

 

 

 

 

「初日ですからまずは『聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)』について学びましょう」

 シェムハザさんは、持ってきた神器の資料の中から『聖剣創造』の資料を

 取り出した。

「『聖剣創造』は『魔剣創造』の聖剣バージョンと考えればいいよ。オリジナル――

 ゼノヴィアさんが持っているデュランダルや分裂する前のエクスカリバーなんか

 には劣るけどね。禁手は『聖輝の騎士団(ブレード・ナイトマス)』。聖剣を持った

 騎士団を創りだして使役するんだ。わかったかい?」

「ええ、まぁ。一応ですけど」

「よし、じゃあ今すぐやってみよう!」

 俺は席を立ち、右手を掲げた。

 すると、神々しい光を放つ聖剣が生み出された。

「うん、できたね。こんなに早くできるとは思わなかったよ」

 シェムハザさんは少し驚いている様子だった。

 『聖剣創造』を覚えたならあの聖剣も創れるかもしれない。

「…シェムハザさん。少し試したいことがあるんですけど、いいですか?」

「やってみるといいよ。何事も挑戦だよ」

 シェムハザさんから許可をもらった。よし、やってみるか。

 

 

 俺は、ゼノヴィアが普段使用しているあの聖剣を頭に思い浮かべる。

 すると、さっきの聖剣よりも神々しいオーラが現れ、デュランダルが現れた。

「これは…! デュランダル!? …そうか、『聖剣創造』で聖剣が創れるようになった

 から、一度見ているデュランダルを創る事ができたのか」

 シェムハザさんの言うとおりだ。デュランダルを生み出せないのは、聖剣創造が

 無いからとエリスに言われた。今は、聖剣創造があるから生み出せる。しかも、

 オリジナルと同等の切れ味を持った剣が。

「…ということは、クリスが見たエクスカリバーも生み出せるんじゃないのかな?」

 シェムハザさんの問いに俺は頷いた。

「はい。デュランダルを創れるということは、エクスカリバーも生み出せます」

「すごいね! アザゼルがクリスの神器に興味を持つ理由がわかったよ」

 アザゼルの気持ちがわかったらしく、うんうんと頷いていた。

「よし、次は『神滅具(ロンギヌス)』に行こうか。クリス」

「はい」

 シェムハザさんの声に返事をした。

 

 

「最初はこれからだね『黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)』。最強の神滅具だよ」

 『黄昏の聖槍』か。アザゼルが言っていたが、始まりの神滅具であのキリスト

 を殺したといわれている槍か。

「『黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)』は悪魔にとっては必殺になる。ゲームには

 使用できないと思うけど、一応覚えておいてね。で、この聖槍には聖書に記されし神の

 意思があり、それによって使えるのが『覇輝(トゥルース・イデア)』。禁手を上回るほどの

 力を持っている。因みに禁手は『真冥白夜の聖槍(トゥルー・ロンギヌス・ゲッターデメルング)』だよ」

 渡された資料を見ながら、シェムハザさんの説明を聞いていた。

 …恐ろしいな、この聖槍。レーティングゲームには絶対に使えないものだ。相手を

 消滅させてしまう。

 それに、『覇輝(トゥルース・イデア)』というものは多分、使えないはずだ。意思までは

 創れないようだしな。

『甘く見ては困るわ。一応、残留思念も完璧に創造できるわ。現に『赤龍帝の籠手』

 には歴代の方々もいるしね』

 初めて聞いたよ。それを早く言ってくれ

『クリスが聞かないから悪いのでしょう?』

 そうですね、はいすみません。

 

 

「よし、今度は『黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)』を創造してみよう。一気に難易度が上がった

 けど、大丈夫かい?」

「やってみましょう――――禁手化(バランス・ブレイク)」

 一応、禁手の状態でやってみる。通常状態だったらきっと、創れないと思ったからだ。

 俺は資料で見た『黄昏の聖槍』を思い浮かべる。

 すると、右手にゾッとするほどの聖なるオーラを纏った聖槍が現れた。

「…これが『黄昏の聖槍』、か―――シェムハザさん、今この聖槍の禁手になれるんですが

 なってもいいですか?」

 俺の言葉にシェムハザさんは頷いた。

「やっていいよ。ここは強力な結界が張られているからね、そう簡単には壊れないよ」

「ありがとうございます―――禁手化(バランス・ブレイク)」

 聖槍は神々しい光を放ち始め、俺はその光に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 光が収まると、聖槍が変わっていた。白く、それでいて夜のような黒も混ざっていた。

 決定的に違うのは、この聖なるオーラ。さっきも膨大なオーラが出ていたのに、これは

 その数十倍ぐらいの量だった。恐ろしいな、この聖槍は。

 俺は後ろに向かって、聖槍を横薙ぎに払った。すると、

 ズアァァァァァァアアアアッッ!!! ドオォォォォォォオオオオンッッ!!

 聖槍のオーラが飛んでいき、結界を容易く破壊した。

「いやはや、『真冥白夜の聖槍』がこんな威力があるとは思わなかった!」

 シェムハザさんは瞠目していた。俺もびっくりして、目を大きく見開いていた。

「あの…すみません。結界を破壊してしまって」

「気にしないでよ。またつくればいいだけの話さ」

 シェムハザさんは引きつった笑みを浮かべていた。びっくりしすぎだろ。

「よし、今からは『黄昏の聖槍』を使いこなす為に修行をしますか」

「よろしくお願いします!」

 俺は『黄昏の聖槍』とその禁手を使いこなす為にシェムハザさんと修行した。


 
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