No.455242

世界を越えし男と数の子たち 第4訓 学校で教師が「いじめはよくない」とか言ってるけど実際はいじめの現場を見ても見てみぬふりする教師が多い

俺はこの日、掛け替えの無い奴らに出会った。
俺は車に跳ねられて死んだと思ったら、なんかよく分からんが別世界に行ってしまったみたいだ。
気が付けば、マッドな科学者や12人の姉妹と暮らしていたり、組織にケンカ売って犯罪者になっちまったり。平凡な日々を送っていたり
そして--俺は戦う。ナンバーズ達を、世界を守るために。

2012-07-18 19:48:46 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1441   閲覧ユーザー数:1416

この話を書いてたら、原作のナンバーズ達も一つの家族みたいな感じだよな、と思った。

つーか、話が凄い事になってるかもしれない。

アジトに帰った俺達は、さっそく昼食の準備を始めた。

帰った時には十一時くらいになっていた。とりあえず俺は、米を炊いた後、野菜炒めや卵焼き作る事にした。作っている最中に、セインとウェンディがやって来て

 

セイン「へぇ〜、優斗って料理出来たんだ?」

 

ウェンディ「美味しそうッスね、何を作ってるんスか?」

 

と、言ってきたので、暇なら食器を出してくれ、と言っておいた。

 

一時間後、米も炊けたので、昼食を食べる事にした。ウーノとスカリエッティも栄養食品以外の食事は初めてとの事で、食堂に集まっていた。普段は研究室で食事しているとウーノが言っていた。

 

 

 

ユウト「うーし、出来たぜ」

 

ディエチ「これ…優斗が作ったの?」

 

ノーヴェ「何だ、美味そうじゃねぇか」

みんな席に着き、手前に置かれてる箸を見る。

 

トーレ「これは何だ?」

ユウト「箸だ」

クアットロ「どうやって使うのかしらぁ?」

 

ユウト「それはだな……」

 優斗が、箸の使い方をナンバーズに教える。

 数分の箸講座を終えて、ナンバーズの皆は箸が使えるようになった。

ノーヴェ「よーし。じゃあ早速──」

 

ユウト「ハイ、ストープ!ちょっと待った!」

ノーヴェ「何だよ!?」

 

優斗がノーヴェを制す。

ユウト「食事を始める前に、『いただきます』は?」

ノーヴェ「何だよ、ソレ?」

ユウト「まぁ、食材になってくれた命に対する感謝の気持ちみたいなもんだ」

ディエチ「そうなの?」

ユウト「そうなの。ちなみに食べ終わった時は『ごちそうさま』だ」

 

そう言うと、トーレはなるほどと言い

 

 

トーレ「それなら、我々も優斗の言う通りにするか」

 

ユウト「それじゃあ…」

 

全員『いただきます』

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

俺の作った料理はとても好評だった。

つーかノーヴェ、オメーどんだけ食うんだよ。ご飯何杯おかわりした?軽く五杯以上食ってたよな?

 

そして、後片付けの最中

 

ユウト「それじゃあチンク、後で俺の部屋に来てくれ、そこで話すから」

チンク「?…、ああ、分かった。…しかし、いいのか?家族の事、話すのが辛かったら、話さなくても良いんだぞ」

 

その時、横から声が掛かった

 

セイン「?、ねぇねぇ、何の話?」

 

ディエチ「優斗の家族がどうこうって聞こえたけど…」

 

ウェンディ「あ、あたしも聞きたいっス」

スカリエッティ「そういえば…君は昨日、家族がいないと言っていたね」

 

まだ食堂に残っていた四人が二人の話を聞いていた。

 

チンク「優斗……」

 

優斗は四人の方を向いた。

 

ユウト「…そうだな。いいぜ、俺の家族の事、お前たちにも聞かせてやるよ」

 

そう言うと六人は机の椅子に座った。

 

 

ユウト「それじゃあ話すとするか、俺の事、俺の家族の事を………」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

俺の家は元々三人家族だった。

母さんは専業主婦で、父さんは普通の会社勤めのサラリーマンだった。

俺の家は別段金持ちでも貧乏でも無かった。

 

 

そして、俺が3歳の時、妹のサヤが生まれた。

サヤは生まれつき体が弱かった。髪は白くて目は赤い…色素欠乏症…アルビノだったせいかは分からねえけど。

 

まあ、それでもあの頃は家族四人、とても幸せだった。

 

 

俺が九歳になった時、サヤは六歳で小学校に入学した。

俺はその頃は友人もいたし、結構楽しかった。

でも、それも余り長くは続かなかった。

 

 

サヤはアルビノで、周りと髪や目の色が違った。

 

そのせいか、サヤはクラスで孤立していた。一人だけ、周りと違うから気味悪く思われて居たんだろう。

 

サヤはよく苛められていた、 気持ち悪い 近寄るな 等と言われたり、石を投げつけられたりされていた。

助ける度に、本人は大丈夫と言っていたが、とてもそうは思えなかった。

 

それからある日、事件が起こった。

 

サヤを苛めていた集団の一人が投げた石が

 

 

 

サヤの右目に強く当たった

 

 

俺はその瞬間を見た

 

サヤの右目から

 

赤い血が出たのを

 

俺は怒りがこみ上げ、サヤを苛めていた集団を半殺しにした。

俺はサヤを背負って近くの病院に行った。

病院で検査の結果、医者に言われた事は

 

 

サヤの右目は治らない

 

 

俺はその言葉を聞いて、とても悔しかった。医者に八つ当たりもした。

 

 

数日後、サヤは病院から退院した。

 

右目に眼帯を付けて

 

 

俺は学校で孤立した。人を半殺しにしたことで、俺は恐れられた。仲の良かった友人も離れていった。

 

サヤはあの事があった後も学校に通っていた。

 

 

サヤはより苛められるようになった。

 

白い髪に赤い目、それに眼帯。

 

その姿を見た周りの人は、サヤにこんな事を言った

 

 

ーーーー『化け物』ーーーー

 

 

 

 

そう言われた日の夜、サヤは俺に泣きついてきた

 

 

その日、俺は決めた。サヤを苛める奴を、サヤを泣かせる奴は絶対に許さないと。

 

 

その日から、学校で俺も苛められるようになった。

 

 

『化け物の兄』

 

として……

 

 

俺はそう言った奴らを、男も女も関係なく、半殺しにした。

「サヤを悪く言う奴らは許さねえ」と

 

そう言う俺の姿を見て、誰かがこう言った。

 

ーーーー『死神』ーーーーと。

 

 

 

サヤは学校に行かなくなった。俺は中学へ進学した。

 

 

中学でも孤立し、恐れられていた。俺の事を何処からか聞きつけた奴らが、サヤの事で悪く言ってきたりした。それでよくケンカになった。

 

 

俺は中学を卒業して高校に入った。

成績は良かったから、入るのは余り問題じゃ無かった。

中学の他の奴らは誰もいなかった。

中学校や小学校のときみたいに友人は居ない…と言うか作っていない。

 

 

高校生活は平和だった。

俺やサヤの事を悪く言ってくる奴らが居なかったからな。

 

俺の誕生日には、サヤか近くにある河原で拾ったと言って、赤い…宝石のような石をくれた。

 

 

だが……数日後、

 

 

両親とサヤが死んだ。

 

 

原因は居眠り運転をしていた車に跳ねられたとのこと。

 

 

俺は家に居たから無事だったが、サヤは、両親は、この世から居なくなった。

 

 

それから半年後、俺は街中で車に跳ねられて死んだ。そう思ったらこのアジトにいた。そして

 

 

 

 

お前たちに出会った

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

ユウト「ーーとまあ、これが俺の家族とか、過去のことだ」

 

そう言い、優斗は話終えた。周りを見ると、何人か泣いていた。

 

ウェンディ「サヤが…サヤがかわいそうっス…」

 

ディエチ「うん…」

 

セイン「優斗…大変だったんだな…」

 

ユウト「……そーだな……、俺は最初、チンクを見たとき、チンクとサヤが被って見えた。似ていたからな…」

そう言い、優斗は時計を見た。

優斗「…と、そろそろ夕食の準備をしないとな」     今まで黙っていたスカリエッティは口の開いて、優斗に聞いた

 

スカリエッティ「君は…寂しく無いのかい?」

 

ユウト「寂しく無い…って言えば嘘になるな…」

優斗は続けて言う。

ユウト「さっき、みんなで昼飯食ってた時も、家族が生きてた時の事を思い出してた。」

五人は無言で聞いている。

ユウト「家族と一緒に食ってた飯は美味かった。ああ、さっき食った飯も美味かったぞ。…って、自分で作ったんだけどな。でも、何かが違うんだよ…。

 

多分、一緒に住んでいるとは言え、家族じゃ無いからかな」

優斗の言葉を聞いて、スカリエッティは椅子から立ち上がった。

 

スカリエッティ「優斗君。私は君のことを家族同然だと思ってるよ」

 

ユウト「え…!?」

 

スカリエッティに続けてセイン達が言う。

 

セイン「あたしも優斗の事、家族だと思ってるよ」

 

ウェンディ「そうっスよ。一緒にご飯食べたりしたんスから」

 

ディエチ「優斗は違うの?」

 

四人の言った事に優斗は

 

ユウト「いや…、そうか、そうだったな。此処に住むになった時から、俺は、俺達はもう

 

 

ーー『家族』なんだよなーー」

 

 

スカリエッティ「じゃあ、改めて言おう。ーーようこそ、歓迎するよ、優斗君」

 

ユウト「ーーああ」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

こうして、俺は改めてスカリエッティやナンバーズの一員になった。

 

そして夕食を食べた後、チンクが俺に話しかけてきた。

 

チンク「優斗、家族と食べた料理はどうだ?」

 

ユウト「どうって…、俺が作ったんだけどな……

 

ーー美味かったぜ、さっきよりも」

 

チンク「…そうか、なあ、また今度、プリン、作ってくれないか?。お前の作ったプリン、美味かったからな…」

 

ユウト「了解」

 

 

 

ユウト「チンク」

 

チンク「何だ?」

 

ユウト「家族って…いいよな…」

 

チンク「そうだな…」


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
4
1

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択