No.454427

ある所の蔵書―『イーレンの騎士物語』―より

Ryoya_meiyaさん

久しぶり、の投稿ですネ…

一人の騎士の、総ての始まりにして終わりの物語
彼は、後に【神殺者】の異名を付けられ、全世界の異端審問協会から追われる事になるという事を、この時はまだ、知る由もなかった

2012-07-17 00:05:46 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:273   閲覧ユーザー数:273

 

 

光が見えた

 

暗い暗い闇の底、周りの見えない闇の底、自分すら見えない闇の底

 

―此処には何もいない―

 

いるかもしれないけれど、見えないのだから、いないのだろう

 

そんな世界に一筋の光が見えた

 

あの光はなんだろう?

 

不思議と、忘れかけていた暖かい温もりを思い出す

 

ああ、そうだ…私は大切な人を助けたくて、此処まで来たのだ

 

何故、忘れてしまっていたのだろう?

 

とても…そう、とても大切な約束もしていたというのに

 

ああ、早く此処から抜け出してあの人を助けなければ

 

私は光に向かって手を伸ばす、伸ばす、伸ばす

 

あともう少し、もう少しで届く…のに

 

光は唐突に明るさを弱め、遂には蜘蛛の糸程の細さの光になってしまった

 

何故だ、私は一刻も早くあの人の元へ向かわなければならないのに

 

――探し物はコレかい?――

 

何処からかそんな声が聞こえる

 

聞こえた辺りに視線を向ける――何だあれは

 

アレは何だ?アレはなんだ?あれは何だ?あれはなんだ?アレハナンダ?

 

嫌だ厭だ否だいやだイヤダ嫌だ厭だ否だいやだイヤダ嫌だ厭だ否だいやだイヤダ嫌だ厭だ否だいやだイヤダ嫌だ厭だ否だいやだイヤダ嫌だ厭だ否だいやだイヤダ嫌だ厭だ否だいやだイヤダ嫌だ厭だ否だいやだイヤダ嫌だ厭だ否だいやだイヤダ嫌だ厭だ否だいやだイヤダ

 

認めたくない、認めてはいけない、認めてしまいたくない

 

あれが…アレが、私の大切な人の、なれの果てだなんて

 

既に肉体からは生命を感じず、綺麗だった長髪は見る影も無く、臓物は飛び出し、頬はこけ、右眼は抉れ、左腕は肘から先が無くなり、もう片方の腕は完全に無く、両脚は膝から下が無い

 

もう、あの笑顔を見る事は出来ないのだろうか?もう一度あの優しい声で笑いかけてくれる事はないのだろうか?側にいるだけで安らぎを得る事すら出来ないのだろうか?

 

この世に神はいないのだろうか?いたとするならば、何故あの人を助けてくれなかったのだろうか?

 

無慈悲だ、余りにも無慈悲だ

 

神は万人に対し平等であると説いているのなら、あの人は救われている筈だ

 

だが、今この時この瞬間、命を落としたのはあの人だけだ

 

―神などいない、信じる価値すらない―

 

もし本当に神がいるのならば、私はその神を――殺す

 

復讐だ…私は必ず神を探し出し、この手で神を殺してやる

 

 

 

我ガ身朽チ果テントモ我ガ怨念朽チズ宿願ヲ果タサントス

 

 
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