No.446556

魔法少女リリカルなのはTime Leapなの? 〜過去に戻った高町なのは〜 【無印】 第三十五話

新暦85年、高町なのははある任務の途中で死亡する。

任務は全て嘘であり、全てはなのはを殺害するための一部の管理局員による計画だった。

なのははその計画通りに殺されるが、その任務に向かう途中に偶然何故か落ちていた拾ったジュエルシードによって、なのははタイムリープをするのだった!!

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2012-07-05 18:42:52 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2061   閲覧ユーザー数:1971

Side:Chrono

 

 

 

「まだ通信は直らないのか?」

「一応やっているけど、どうしても通信を妨害されていて……」

 

 

 『時の庭園』の通信が途絶えてからエイミィは何とか再度通信ができるようにしようとしているが、なぜか繋がらないでいた。

 

 何者かが『時の庭園』に潜んでいたという事は分かったが、それが誰かまでは分からなかった。分かれば管理局に任意同行を行わないといけないから、多分姿を見せないだろうと思った。

 

 そんなことを考えていると、アースラ内で異変を感じられた。

 

 

「っ!? 転移魔法!? しかも『時の庭園』から!?」

「ちょっと行ってくる」

 

 

 エイミィから離れて、突然転移魔法が現れた場所へと走って向かう。

 

 目的地に着くと、そこには『時の庭園』に突入させていた管理局員全員だった。

 

 

『クロノ執務官、一体何がありました?』

「どうやら、『時の庭園』に突入させていた管理局員をこちらに転移させられたようです」

 

 

 それからすぐに母さんから連絡が来て、状況を報告するのだった。

 

 

『分かったわ。少ししたらそちらに増援を送るから全員を運んできてくれるかしら?』

「了解です艦長」

『それからクロノ執務官には――』

『艦長!! 『時の庭園』を包むように転移魔法が発動されていますっ!!』

『なんですて!!』

 

 

 母さんが何かを言おうとしていたが、それを遮るかのようにエイミィが緊急事態を言うのだった。

 

 その内容は僕にも聞こえていて、事の重大さが分かった。このままでは逃げられてしまうという事を。

 

 さが、プレシア・テスタロッサでもそのような巨大な転移魔法を発動するのは不可能なはずであり、それこそSSSランクの魔導師でできる人が居るか居ないかの魔力という事であるくらいだった。

 

 だが、今『時の庭園』にはプレシア・テスタロッサ以外の誰かが『時の庭園』に潜んでいたという事はこちらも分かっているので、その人物が魔法を使っているのではないかと推測できた。

 

 

「艦長!! 今すぐ僕を『時の庭園』に向かってもよろしいでしょうか?」

『クロノ執務官!? そんなのダメよ!! どこへ行くか分かっていないようなところで行かせるわけにはいかないわ!!』

「しかしこのままではプレシア・テスタロッサを逃がすことに!!」

『……『時の庭園』ロスト』

 

 

 母さんと僕が言いあっている間にも、『時の庭園』は転移魔法でいなくなってしまったようだった。

 

 

『エイミィ、『時の庭園』の転移先を特定できたかしら?』

『それが特定できませんでした。特定されないように向こうが何かをしていたようで』

『そう……』

 

 

 それは、管理局として見れば取り逃がしたという事であり、報告をすれば反省文を書かされるだろうと思った。

 

 だがこうなってしまった以上は仕方ないことであった。取り逃がしたのは僕たちの責任であるし、プレシア・テスタロッサの他に何者かが関わっているという事に気づかなかったのは確かに失態であった。

 

 結局、この事件はこんな感じで終わってしまうのだった――

 

 

 

Side:End

 

 

 

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Side:Fate

 

 

 

 先ほど、リンディさんが私の部屋にやってきて、母さんが転移魔法で『時の庭園』まで何処かに居なくなったと言われた。

 

 私はその時母さんに言われた言葉のせいでアルフの言葉ですらほとんど聞き流していたのだけど、その言葉だけは耳に入ってきた。

 

 最初、それを手伝ったのはなのはではないかと思ったけど、どうやらなのはの声ではなかったらしい。

 

 でも、声を変えることぐらいなのはなら出来そうなので、正直言うとなのはではないかという疑問もあったりする。なのはなら『時の庭園』ごと転移魔法を簡単に使えそうであるから。

 

 そう思っていると、私はなのはの事を考えていた。

 

 なのはが抱えていることとは一体何なのか。そんなことを考えても答えなんて本人に聞かないと分からないのについ考えてしまった。

 

 私が思うには、なのはの抱えている事は私が抱えていたことよりも遥かに抱えているものが多いような気がして、それを悟られないようにしているのは分かった。私も何かを抱えていると思うまではそう思わなかったし、気づいたのだって一瞬悲しそうな顔をしただけだったから。

 

 そして、その抱えているもののために幼いのに魔法を極めていたのだと思った。何かを倒すために。

 

 そう思えてくると、私が落ち込んでいる事もなんだかくだらないように思えてきた。確かに母さんに言われたことはかなり傷ついたけど、なのははそれ以上の事で何かを抱えているとなるとそう思ってしまったのである。

 

 私はなのはを支えていきたい。多分この先もなのはは自分が抱えている事を言わないと思うけど、それでもなのはの為になるなら手伝いたいと思うのだった。

 

 また、今まで誤魔化していたけどもう認めよう。今までそんなことはないと思っていたし、同じ女性にそんな気持ちを持つのはおかしいと思っていたから否定していたけど、認めた方が良いと思った。

 

 

――私は、なのはの事が恋愛対象として好き。好きだから、なのはの事を支えたいんだ……

 

 

 それを認めてしまうと、今までしていた胸の苦しさが消えていき、気分がかなり楽になっていた。

 

 そして、先ほどまで落ち込んでいたのに、いつの間にか気分が良くなっていた。多分、なのはの事を考えるとなんかどうでもよくなってきたのだと思った。私でもよくわからないけど。

 

 なのはの事が好きだと認めると、いつの間にかアルフの右肩を貸してもらって居ることに気づき、私の事を心配していたのだとすぐに分かった。

 

 私はすぐにアルフに近かった左手でアルフの髪を撫でることにした。

 

 

「ごめんね、心配をさせちゃって。もう大丈夫だから」

「ふぇ、フェイト!?」

 

 

 私の元気が元に戻ったのに気付いたのか、アルフは私に抱き着いてきました。

 

 今回の事でこれからかなり大変な事になるとは思うけど頑張ろう。またなのはに会うためにも全てを終わらせよう。

 

 でもその前に一度、なのはに会いたいなと私は思うのだった――

 

 

 

Side:End


 
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