No.415892

魔法少女リリカルなのはStrikerS00(仮)--05 修復--

ケイさん

再び魔法少女の世界へ降り立ったガンダムマイスター刹那・F・セイエイ。イノベイターへと変革した刹那に訪れる再会と新たなる出会い。魔法少女リリカルなのはA's00~とある日常~(仮)の設定を踏まえたクロスオーバー作品です。読みづらい、誤字脱字等の至らないところが多々あると思います。作者の原作知識は、それほど高くありません。また、オリジナル設定が含まれておりますので、原作を大切にされている方はご注意ください。

2012-04-29 19:31:12 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:12781   閲覧ユーザー数:11740

導入部五話目です。

この辺りからキャラが壊れ始めますので、ご注意ください。

--修復--

 

午前5時。

目が覚めて、ベッドから出てなるべく物音を立てずに着替えをすませ、机の上に置いてある翡翠の宝石エクシアを手に取る。

《おはようございます。マスター》

「ああ」

自分に与えられた部屋を出て、静かにリビングへ向かい、テレビを点けてニュースを見始める。

なのははまだ寝ている。

なるべく、彼女の睡眠を妨げないようにするためにボリュームを落とす。

朝早く起きて、二人分の朝食の準備と俺の昼食の作り置き。

仕事が忙しいのか、帰りは割と遅い。

そして、夕食の準備。

こちらに来て、行くあてのない俺に部屋を与えてくれたなのはには感謝するが、迷惑ではないかと少し思う。

 

八神はやて二等陸佐。

管理局内においても希少なレアスキル所持者。

特別捜査官としても名を馳せた。

はやてと共にあり続ける守護騎士達は、各々が自分の職を持ち仕事をしている。

 

フェイト・T・ハラオウン執務官。

かつてのクロノと同じく執務官の職につき様々な事件を担当、解決へ導いている。

オーバーSランク魔導師としても実力は知れ渡っている。

 

高町なのは一等空尉。

航空戦技教導隊。

オーバーSランク魔導師であり【エースオブエース】の二つ名を持つ。

彼女に憧れる魔導師は多い。

 

なのはのみならず、フェイトもはやても管理局内外で有名人で人気がある。

 

「……これでよかったのだろうか?」

《仕方ありません。これ以外となると、二ヶ月間野宿でしたよ?》

「それはそうなんだがな」

エクシアの答えは、一週間前に自分が言ったことだ。

……仕方がない。

《それよりも今日でしたね》

「ああ。フェイトが転送ポートへ迎えに来てくれる」

《フェイトさんといえば、毎日連絡が来てましたね》

「なのはにな」

《……》

「どうした?」

《いえ》

「それより、太陽炉の方はどうだ?」

《今現在で修復率は50%強といったところです》

「そうか。……今日でどこまでいけるかだな」

《はい。管理局の技術力にもよりますけど、上手く進むといいですね》

「そうだな」

エクシアと会話をしながら、なのはが起きてくるのを待つ。

 

「おはよう、刹那君」

声のする方を向くと、ピンクのパジャマに身を包んだなのはが立っていた。

「おはよう、なのは」

「すぐに朝食を作るね」

そう言うと、キッチンへ向かうなのは。

「待て」

「なに?」

「その前に、せめて着崩れを直すか着替えてからにしてくれ」

「……!」

なのはは自分の状態を確認して、顔を赤くしながら自室へ戻った。

「……やはり、間違ったかもな」

 

なのはが作った朝食を食べながら、今日の予定を話す。

「今日はエクシアの修理のために本局へ行く日だね」

「ああ」

「直るといいね」

「一日でどこまで出来るか分からないがな」

「直ったら見せてね」

「直ったらな。ただ、見せることが出来たとしても、それは機動六課の活動開始後になるかもしれないだろうけどな」

「それでもいいよ。でも、約束だよ?」

「ああ」

「うん」

 

朝食を済ませ、身支度を整えたなのはと共に転送ポートへ向かう。

「それじゃあ、刹那君。私は教導隊の仕事があるから」

「ああ。こっちの作業が終わったら連絡を入れる」

「うん」

《エクシア。作業が順調に進むことを祈っています》

《ありがとうございます。レイジングハート》

「じゃあね」

「ああ」

 

なのはと別れて歩き出す。

「転送ポートと言っても……フェイトはどこに居るんだ?」

《マスター……きちんと待ち合わせの場所を決めておいてください》

「……すまない」

《!……マスター。バルディッシュから連絡が入りました》

「バルディッシュ。フェイトか」

《5番ゲートで待っているそうです》

「わかった。直ぐに行くと入れておいてくれ」

《はい》

案内表示を見ながら5番ゲートを目指す。

「しかし、案内があるとはいえ……複雑だ」

「刹那!」

辺りを見回しながら歩いていると、声をかけられた。

「フェイト。すまない、少し時間がかかった」

「私の方こそ、待ち合わせ場所を指定してなかったから……バルディッシュに言われて、急いで連絡を入れたんだ」

《バルディッシュ、助かりました》

《お気になさらず》

どうやら、フェイトも自分のデバイスに注意されたようだ。

「それじゃあ、本局のマリエルさんのところに案内するね」

「ああ」

 

時空管理局本局。

ここへ来るのは、アースラで世話になっていた時以来。

次元の海……というよりは自分には宇宙空間といった方がしっくりくる。

その場所に佇む建物。

フェイトが一室のドアの前で立ち止まり、インターフォンで中に挨拶する。

「ここだよ。フェイト・T・ハラオウンです」

『お待ちしておりました。どうぞ、お入りください」

プシュと機械音と共にドアが開く。

室内は、少し薄暗い。

そこに、白衣を着た女性が居た。

「初めまして、マリエル・アテンザです」

「刹那・F・セイエイだ。今日はよろしく頼む」

「はい。では、こちらへどうぞ」

奥へ案内されると、意外にもすっきりした室内だった。

コンソールパネルがあるだけ。

「そこにデバイスを置いてください」

「ここでいいのか?」

「はい」

台座の様な場所にエクシアを置くと、少し浮いた。

「では、修理を始めますが……」

「マリエル・アテンザ。その前に……」

「デバイスの解析はいたしません。これは、クロノ提督から厳命されています。私達の信用問題にも関わることだとも。だからこそ、フェイトさんも立ち会います」

フェイトを見ると肯いた。

「話が早くて助かる」

「では」

コンソールパネルを叩くと、前方のスクリ-ンに文字や数字の羅列が流れていく。

何が書かれているのかさっぱりだ。

「な、何ていうか凄いデバイスですね。全然わかりません」

「ま、マリエルさんでも分からないんですか?」

「え、ええ。こんなの初めて見ます」

技術者であるマリエルでもわからないようだ。

「あ、自己修復が働いていますね。でも、どうやって修理しましょうか」

《マリエルさん》

「あら、デバイスの声?」

《エクシアです。私が今から言う部材を揃えて貰えますか?》

「……それは構わないけど」

《私が指示を出しますので、それに従って作業をしてください》

「わかったわ」

《それから、マスター》

「なんだ?」

《マスターは、マリエルさんにパネルの操作方法を教わってください》

「俺がやるのか?」

《マスターは、かつて私を修理した経験があります。機械類の操作は得意の筈です》

「……あの時のことか」

「刹那、エクシアを修理したことがあるの?……確か、前に修理はしないって」

フェイトが不思議そうにこちらを見る。

「修理を行ったのは元の世界でのことだ。それに、完全には直せなかった」

元の世界へ戻り、ソレスタルビーイングと接触するまでの間は、自分の手で修理しながら世界の動きを見つめていた。

《今ここで操作方法を習得しておけば、機動六課の時にも必ず役に立つ筈です》

「お前がそう言うのなら従おう」

《では……》

 

午前中は必要な部材収集。

そして、それを使用して少しだが修理作業を行い、昼食のため一旦休憩となった。

「それにしても、本当に凄い技術ですね。どうなっているのか、全くわかりません。正直、調べてみたいです」

《お褒めにあずかり光栄です。しかし……》

「わかっていますよ。今のは、技術者としての好奇心の発言だと思ってください」

《はぁ……》

「しかし、エクシアの指示で作業が出来るのだから、あんたも凄いな」

「そうでしょうか?」

「マリエルさんは、私達のデバイスにカートリッジを組んでくれたり、はやてのシュベルツクロイツにも携わったんだよ」

「そうか」

「でも、刹那も凄いね。マリエルさんが言ったことを直ぐに覚えちゃうんだもん」

「説明が分かり易かったからな」

「あ、あまり褒められると照れます」

マリエルが照れ笑いをする。

 

昼食後、再び修理作業を始める。

作業が終わったのは、午後5時を回ったところだった。

《マリエルさん、ありがとうございました。後は、自己修復で何とかなりそうです》

「本当?」

《はい。……マスター》

「なんだ?」

《修復率が80%を超えました。機動六課の活動開始までには間に合います》

「そうか」

《明日からはGNソードの修復と並行します》

「わかった」

「「GNソード?」」

聞き慣れない言葉にフェイトとマリエルが疑問の声をあげる。

「フェイトは見たことがあるだろう?剣と銃が一体となった武器だ」

「あれが、GNソードって言うんだ」

「フェイト。一つ頼みがある」

「なに?」

「訓練室を一部屋貸し切れないか?5分……いや。2分でいい」

「どうするの?」

「今のエクシアの状態を確認したいだけだ。別に戦闘訓練をするわけではない」

「……ちょっと待って。フェイト・T・ハラオウンです。訓練室を一部屋借りたいのですが。……ええ。……ありがとうございます。刹那、許可が取れたよ」

「ああ。ありがとう、フェイト」

「そ、そんな。お礼を言われることじゃないよ。さ、行こう」

礼を言ったら、何故かぎこちない動きで部屋を出て行ってしまった。

「?」

「私もご一緒してもよろしいですか?」

「ん……ああ。構わない」

 

訓練室の中央に立つ。

フェイトとマリエルは訓練環境を調整する制御室に入る。

『ここには私達しか居ないし、記録は録らないから安心して』

「わかった。エクシア」

《セットアップ》

光に包まれ、鎧を纏う。

以前の時やガジェットと戦った時と違い、新品同様に磨かれた鎧。

GNソードは無いが、右腕には装甲がちゃんとある。

GNドライヴから絶え間なく放出されるGN粒子が、自分の周りを暫く漂い、そして消えていく。

「……」

《どうかしましたか?》

「これが……俺とエクシア」

《そうです》

以前とは感覚が違う。

体の中を走る力強い何か。

「エクシア。解除してくれ」

《もう、よろしいのですか?》

「ああ。十分だ」

《では》

鎧が光とともに消える。

 

「あれが、エクシアの本当の姿?」

「厳密には違うが、装甲は全て修復されていた」

「そっか」

「凄かったですね。バリアジャケットとは少し違う感じでしたし、背中の突起物から出ている光も綺麗でした」

フェイトとマリエルがそれぞれ感想を述べる。

「マリエル・アテンザ」

「はい?」

「感謝する。あんたのおかげでエクシアもだいぶ修理できた」

《ありがとうございました》

「わ、私はエクシアの指示に従っただけですよ」

「だが、その指示通りにできる技量あるから修理できた」

「そう言ってもらえると嬉しいです」

 

「では、私はこれで」

「ああ」

「マリエルさん、お疲れさまでした。また後で」

マリエルと別れて、フェイトと共に転送ポートへと向かう。

「良かったね、刹那。修理が順調に進んで」

「ああ。ここまで上手くいくとは思っていなかったがな」

「ふふ。そうだ、これからどうするの?」

「なのはに連絡を入れたが、転送ポートに着くのは7時頃だそうだ」

「まだ時間があるね。どうするの?」

「適当に時間を潰す」

「それじゃあさ、少しお茶しない?」

先日のことが頭をよぎったが、

「……まぁ、いいか」

「うん。こっちに紅茶の美味しいお店があるんだ」

 

フェイトと紅茶を飲みながら時間を潰す。

7時を少し回ったところで、なのはから連絡が入ったため店を出た。

「そう言えば、なのはとの暮らしはどう?」

「問題ない。むしろ良くしてもらっている。というか、毎日なのはに連絡を入れているんだ、聞かなくても知っているだろう?」

「そ、そうだけど……そうじゃなくて……」

俯きながら、だんだん声が小さくなっていく。

最後の方はよく聞き取れなかった。

《やれやれ》

エクシアとバルディッシュの呆れたような声が聞こえた気がした。

 

「フェイトちゃん。刹那君」

「なのは」

「遅れてごめんね」

「気にするな。仕事なんだからな」

「うん。ありがとう」

「なのは、刹那。私は本局に帰るね」

「そうなの?」

「おに……クロノ提督に今日のことを報告しないといけないしね」

「そっか。おつかれさま、フェイトちゃん」

「フェイト、今日は助かった」

「うん。二人とも、またね」

フェイトを見送り、なのはと駐車場へ向かう。

 

「修理どうだった?」

「上手くいった」

《あとは私の自己修復機能でなんとかなります》

「そっか。よかったね」

「ああ」

 

マンションへ戻り、夕食を済ませると、いつも通りフェイトからなのはに連絡が入った。

その時、何故かなのはに詰め寄られた。

「フェイトちゃんにエクシアが修復された姿を見せたの!?」

「見せたというよりは……」

「見せたの!?見せてないの!?」

「落ち着け。現状を把握するために一度起動させただけだ。フェイトとマリエルはそれを見ただけだ」

「ずるい……」

「……は?」

その後、なのはを落ち着かせるのに20分を要した。

 

《やれやれ。マスターは……》

《苦労しますね。エクシア》

《本当です。レイジングハート》

刹那となのはのやり取りの裏ではデバイスの友情が結ばれていた。

 

シャワーを終えて、自室に戻る。

「修復が完全に終えるのはいつ頃になりそうだ?」

《太陽炉は早くて三週間。GNソードは三日で終わります》

「そうか……」

《どうかしましたか?》

「機動六課が始まるまでに、少し戦闘訓練をしておきたいと思ってな」

《ガジェットならマスターの敵ではないと思いますが?》

「おそらく、ガジェットだけが敵ではない。新人が居るとはいえ、過剰戦力と言えるほど隊長陣は実力者揃いだ」

《確かに》

「ガジェットは無人兵器だ。誰か(・・)が造らなければ出てこない。そして……」

《ガジェット以上の敵が居る……と》

「あくまでも俺の推測だがな」

 

エクシアとの会話を終えて就寝につく。

自分の行動は、この世界での【武力介入】となるのか。

それとも……。

そんなことを考えながら、睡魔に身を委ねる。

読了おつかれさまでした。

転送ポートの設定とかは適当です。


 
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