No.346733

真・小姫†無双 #40

一郎太さん

書いてて思ったんだが、こういう世界観での電波キャラは非常に使いやすいと思うんだ。
という訳でラストスパート。
どぞ。

2011-12-13 00:14:07 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:7771   閲覧ユーザー数:5319

 

 

【CAUTION!】

 

 

この作品を読むかどうかは自己責任です。

 

気分を害しようと、それは自己責任です。

 

お金がないのも自己責任です。

 

彼女がいないのも自己責任です。

 

それでもいいという方は、

 

『( ´⊿`)y-~~』

 

と一服してからコメントしてください。

 

ただし色々と否定的な※はなし。

 

作者の心が痛むから。

 

ではまた後書きにて。

 

 

 

 

 

 

 

#40

 

 

とある晴れた日、俺は街に出ていた。城から伸びる街1番の大通りを進み、中央広場で南に曲がる。5分程進んだところにある広場付きの建物へ辿り着いて、俺は門戸を開く。

 

「おにぃ、いらっしゃい……」

 

丁度柵沿いの花壇の手入れをしていた恋が出迎えてくれた。

 

「あぁ、お疲れ様。なかなかどうして、盛況じゃないか」

「ん…恋の、動物園と幼稚園……」

 

心なし胸を張る恋たんの向こうでは、幼稚園の制服を着た幼女たちが戯れていた。セキトたちを遊ぶ幼女たち、猫に囲まれて地面に寝転がる幼女たち、鳥にエサをやる幼女や大鷲の脚に捕まって宙空に浮く幼女、熊猫や白虎の背に乗って闊歩する幼女たち、大蛇に締め付けられて泡を噴いている幼女―――というかねね。

 

「あぁ…幸せだ………」

「おにぃ……鼻血、出てる………」

 

まさにこの世のパラダイスが此処にはあった。

 

 

 

 

 

 

「それで、今日はどんな用事……?」

 

園長室で恋が出してくれたお茶を飲み、まったりしたところで恋が口を開いた。

 

「あぁ。今日は恋にちょっと頼みがあってな」

「?」

 

首を傾げる恋たんは可愛いです。

 

「俺と結婚してくれ」

「する」

 

間違えた。

 

「やっぱ冗談―――」

「………っ」

 

俺が誤魔化そうとした瞬間、恋の瞳が悲しみに彩られた。あぁ…俺はまた恋にこんな顔をさせてしまったのか。悔しさと自己嫌悪に塗れながれも、俺は話を続ける。

 

「いや、冗談ではなくてだな。恋と結婚したいのはやまやまなのだが、それには障害があってな……」

「障害…?」

 

俺は演技っぽく溜息を吐く。しばらく黙っていると、恋は何を勘違いしたのか、こう言った。

 

「……わかった。おにぃが恋だけを見るように、みんな消してくる………」

「やめてぇぇええっ!?超やめてえええぇえええぇぇぇええっ!!?」

 

いつの間にヤンデレ√に入ってしまったんだ?

 

 

 

 

 

 

「―――冗談はさておきだな」

「ん…冗談……」

 

 

気を取り直し、恋の瞳をじっと見つめながら口を開く。

 

「俺は恋とずっと一緒にいたい」

「ん、恋も……」

「だが、その為には、やらなければいけない事があるんだ」

「………結納?」

 

違う。というかそんな文化こっちにはないだろ。

 

「北の曹操がな、どうやら俺達の領地に攻め入ろうとしているみたいなんだ」

「………」

「戦があるのに、俺達がゆっくりしている訳にはいかないだろう?」

「………ん」

「みんな(幼女)を守るのが俺達の仕事だ。それは軍も幼稚園も変わらない」

「……恋が、守る」

「そうだ。そこで頼みがあるんだが――――――」

 

俺はその言葉を口にした。

 

 

 

 

 

 

城内某所―――。

 

「あの、愛紗様……」

 

愛紗が廊下を歩いていると、呼び止められる声。振り返れば、キョンシーのような恰好をした、モノクルを掛けた少女が立っていた。

 

「あぁ、亞莎か。何かあったか?」

「その……一刀様の部屋にこのようなものがあったのですが………」

 

そう言って、亞莎は手に持った紙片を差し出す。それを受け取ろうとして、ようやく愛紗は彼女がわずかに震えている事に気がついた。

 

「一刀殿から?ふむ………『恋たんと一緒に、北の双頭(ついん)螺旋(どりる)と喧嘩してきます』………ついんどりるとは何の事だ?」

「………たぶん、曹操かと」

 

2人の間に沈黙が落ちる。窓から外を見上げれば、鳥が数羽、飛んでいた。

 

「今日も…よい天気だな………」

「現実逃避しないでくださいぃぃっ!?」

 

いつか経験した事のある状況に、愛紗はひたすら空に視線を送る。

 

 

 

 

 

 

正確な日数とか知らんので、適当な時間が経過した後――――――。

 

「久しぶりだな、此処に来るのも」

「おにぃ…来た事ある?」

 

醤油を作る時にちょっとな。

 

「醤油は、万能調味料………」

「だよな。俺はフライにも醤油派だ」

「………(じゅるり)」

 

という訳で、俺と恋は陳留の街の入口にいた。

 

「来たのはいいんだが、どうしようか?」

「………城に、乗り込む」

 

あまり事を急ぎ過ぎると、コメントで叩かれそうだから却下だ。

 

「?」

「とりあえず、飯でも食いに行くか。明命から曹操軍の将の似顔絵は貰ってきたし」

「イク…間違えた、行く………」

 

頬を染める恋ちゃんはとても可愛かったです。でも、それが計算のうちだとしたら、とても恐ろしい存在かもしれないと思いました。

 

「(パクパクむしゃむしゃもきゅもきゅ)………」

「恋の食べる姿は可愛いな」

 

適当に立ち寄った食事処で、恋の食事風景に和みながら、俺は食後の茶を啜った。

 

「さて、とりあえず誰から潰していこうかな………」

 

明命から受け取った似顔絵リストをパラパラと捲りながら、俺は考える。というか、明命の奴、絵ぇ下手くそだな。曹操なんてツインドリルしか共通点ねぇよ。黒髪に赤チャイナが確か、夏候惇。同じような格好の弓将が夏侯淵。後は知らないな。猫耳フード(?)に傷だらけの女、あぁ、この駄乳は李典だったな。で、眼鏡が2本に、頭に人形を乗せた少女、と。

 

「とりあえず、見かけた奴から手を出していくか」

「(もしゃもしゃもしゃ)………」

 

と、その時だった。

 

 

 

 

 

 

「落ち着いて食事に出られるのも久しぶりね」

「そうですね。旧袁紹領もなんとかまとまりそうですからね」

「稟ちゃんが真面目過ぎるから、こんなに時間がかかったのです。風は1週間前には終わらせてましたよー?」

「風がこっそり竹簡を私の山に忍び込ませていたのは知ってますが?」

「きっと気のせいですー」

 

姦しい声が聞こえてきた。内容的に城の文官だろうか。そんな事を考えながら、何気なく入口を見やり、そして固まった。

 

「恋……」

「(バキバキムシャムシャバリバリゴクン)………」

「なんか怖い音がしたんだけど………まぁ、いい。『待て!』」

「っ……」

 

俺の『待て』に、恋が点心に手を伸ばしたまま固まった。これも調教の賜物だ。

 

「これとあれって、似てると思わないか?」

「………ねこ」

「だろ?あと、頭に人形を乗っけた少女もいる。というか体型的には幼女だな。

つーかHPの立ち絵とゲームで見る立ち絵が違い過ぎるんだよ。風なんてもっと幼女かと思ったら、HPでは結構な身長があるじゃねーか。あと萌将伝でのねねも、呂旗を持ってる時なんか別人だったっつーの」

「おにぃ…自重……べいす〇んから、訴えられるかも………」

「勘違いしないでください。僕はそんな恋姫が大好きですし、新作も買わせて頂きます!………これで大丈夫か?」

「たぶん、大丈夫………この後すたっふが美味しく、的な保険になる………」

 

『御遣いと天子』を書いた時よりも実はビクビクしている俺がいた。

 

 

 

 

 

 

入口近くの席に座った3少女を盗み見ながら、俺はリストを確認する。

 

「あの猫耳は荀彧だ。軍師らしい。そして、人形を乗せた幼女が程昱、彼女も軍師だ。眼鏡は2本あるが、雰囲気から見て、あそこにいるのも軍師だろう。郭嘉だな」

「………食べていい?」

 

待ったの姿勢のまま、恋が泣きそうな顔で問いかけてきた。悪い、忘れてた。いいぞ。

 

「という訳で、俺はこれから1匹ずつ潰していく。恋は無関係の振りをして飯食ってろ」

「………おかわりしていい?」

「あぁ、たまには腹いっぱい食べてなさい」

「ん…頑張る………」

 

俺は店員に採譜に書いてある食事を大盛りで順番に持ってくるように伝え、行動を開始した。

 

「風は麻婆にします。凪ちゃんがいると真っ赤なものしか出てこないですからねー」

「私は炒飯で」

「じゃぁ私は―――」

 

採譜からメニューを選び、注文しようとした眼鏡が固まった。その横の人形少女も訝しむような視線を向けている。

 

「どうしたのよ、風、稟?」

 

その視線に問いかける猫耳フードの後ろには、俺。

 

「桂花殿…」

「桂花ちゃん、後ろのおにーさんはお知り合いですかー?」

「後ろ?後ろに人なんて………きゃぁっ!?」

 

振り向こうとした肩を抑えつけ、俺は猫耳フードを少女の顎の下まで引き下げた。

 

「え?ちょ、前が見えないわよっ!?」

 

そのままフードの首元から出ている、パーカーにもついているような紐を引っ張って極限まで締め付け、瞬く間に何重にも固結びをする。見た目はまるっきりテルテル坊主だ。

 

「ちょっと、どうなってるの!?風、稟……ひゃぅんっ!?」

 

最後の締めとして、猫耳女の両の〇首を人差し指で突く。一瞬、背筋をピンと張ったが、次の瞬間にはテーブルの上に脱力してしまう。

 

〇国無双風に言うと、『陳留攻略戦』が始まった。

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

という訳で続かせるよ!

性獣討伐話に取り掛かりたかったので、キリのいい#40まで書き上げた。

 

恋たんの電波っぷりは非常に使いやすいです。

 

ではまた次回………は討伐話の予定だから、その次かな?

 

バイバイ。

 

 

 


 
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