No.331698

真説・恋姫†演義 仲帝記 第五羽「操り人形は未来を夢見、人形師は現在を望む」

狭乃 狼さん

仲帝記、その第五話をお送り。

ども、似非駄文作家の狭乃狼ですw

今回は七乃さんメインのお話になっています。

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2011-11-08 21:05:34 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:12065   閲覧ユーザー数:8567

 

 天使との出会いだった。

 

 彼女は己が生涯の主君となるその少女との出会いを、後にその同僚となった女性に話して語った言う。

 

 父に連れられ、その父が主君とする人物に初めて面通しをされたその時、その人物の膝の上であどけない笑顔を見せていたその少女が、突然にぐずり始めて泣き出したその瞬間、体中に稲妻でも落ちたかのような衝撃を受けたと彼女は言う。

 

 なんと愛らしい泣き顔なのだろう、と。

 

 それはまさに、嗜虐心と言う奴であろう。彼女は生まれて始めて、自身の心中に生まれたその感情の虜となり、なんとしてももう一度、その少女の泣き顔をそのすぐ傍で堪能したいと思った。

 

 それからという物、彼女は死に物狂いになって必死に勉学に励んだ。そうして知識と言う知識を貪り倒し、十分以上の学を身につけさえすれば、いずれ少女の傍仕えとして城に上げてやると言った、父のその言葉を信じ、少女のあの泣き顔を毎日頭の中で描いてはその励みとして。

 

 ……ただ、である。

 

 そうして毎日毎晩、一時たりとも開けずに少女のその様子を脳裏に描き、その度に得も言えぬ快楽に近い感情を、その体に感じ続けていたせいなのか、彼女が父の推薦によって城に上がるころには、その性根と言うか思考は、少々妙な方向に曲がっていた。

 

 おりしも、父が仕えていたその人物は、彼女が城に上がって数ヶ月もしない内に、急な病によってあっさりとこの世を去ってしまい、その跡をいまだ幼いその娘である少女が継ぐこととなった。

 そして彼女は、その新たな主君となった少女の側近兼世話係と言う、彼女にとっては願っても無い地位に就いた。

 

 もっとも、彼女がそうしてまるで狙ったかのように少女の側近となれたのには、一重に、少女の一族である老人達に対する彼女の周到な根回しがあった。……つまり、自分が少女を何も分からない無知なままの存在にしておけば、ご老人たちは今後、少女の名前を使って好き放題に出来ますよ、と。そう、取引をしたのである。

 

 物欲の塊のようなその老人達と、少女を己だけの手が届く籠の鳥にしておきたかった彼女との、その利害が一致した瞬間であった。

 

 「まあ、あのお年寄り達がやり過ぎちゃったとしても、私がお嬢様の身さえ守っておけば、他がどうなろうと知ったことじゃあないですからね~」

 

 南陽袁家の腹黒大将軍、と。後に陰でそう呼ばれることになる彼女、張勲のその思惑通り、彼女は見事にその少女、袁術を己だけの愛玩人形として愛で、悦楽に浸る日々をそうして送り始めた。

 

 そして、その時の彼女は思っても見なかった。

 

 自分だけの意思で、自分の思うとおりに動くだけと思っていた袁術が、よもや自分自身でその操り糸を断ち切り、自らの意思で動こうとする日が来ようなど……。

 

 

 

 第五羽「操り人形(マリオネット)未来(あす)を夢見、人形師(パペッティア)現在(いま)を望む」

 

 

 

 夕暮れ時の西日が照らすその長い廊下を、一人の女性が半ば涙目となった顔で右往左往としている。自身の愛する少女の姿が、この日の早朝から何処にも見えないため、彼女…張勲は一人その顔を青ざめさせて、丸一日をかけてこの建物、宛の城の中をあてどなく探索し続けていた。

 

 「……お嬢様~。どこですか~?……七乃を一人にしないでくださいよ~……ひっく」

 

 張勲にとって、その姿を捜し求めている少女、すなわち自身の主君である袁術の顔を丸一日も見れないと言うことは、どんな拷問よりも耐え難い苦痛であった。その向日葵のような笑顔はもちろんの事、その一挙手一投足にいたるまでのすべてが、彼女にとっての日々を生きる為の何よりの糧であるから。

 

 「七乃ちゃ~ん?もしかして~、まだ~、美羽様をさがしていたんですか~?」

 「美紗さ~ん……!!お嬢様が、お嬢様が何処にも居ないんですよ~。……しくしくしく」

 

 廊下で一人、さながら幽鬼のように嘆きの声を上げていた張勲の背後から声をかけたのは、彼女の同僚である雷薄だった。そんな雷薄に涙目のまま振り向き、彼女のその慎ましやかな胸に顔をうずめて、袁術が何処にも居ないと泣いてすがりつく張勲。

 

 「あ~、よしよし~。……でもね~?七乃ちゃんの~、その気持ちも分かりますけど~、美羽様だって~、何時までも子供じゃあないんですから~、お一人になりたい時ぐらい~、あると思いますけどね~」 

 「ぐずっ……そんなこと、あるわけ無いですよ。だって、お嬢様は私が居ないと何にも出来ない方なんですから」

 「……そうですね~(まあ、七乃ちゃんがそういう風にしちゃったんですけどね……)」

 

 張勲は袁術へのその余りある、そして歪んだ情愛のそのままに、彼女を幼い童のままの、張勲の言うことだけを聞く人形として育ててきた。その事実は、この南陽の地にすむ人間であるならば、誰しもが承知の事である。とはいえ、そのことで彼女を責め立てる事は、けっして誰にも出来ない。いや、出来よう筈も無いのである。

 

 「(……七乃ちゃんがそういう風に育てたからこそ~、美羽様はご自分を保って来れたんですからね~。彼女以外~、誰も~、美羽様の心の拠り所になれませんでしたから~)」

 

 雷薄がその胸中にて思うとおり、幼かった袁術が早すぎる母の死という現実に耐え、南陽袁家の当主というその重圧に潰される事も無かったのも、張勲によってその心が無垢なままに留めおかれたからである。……雷薄を始め、袁術に仕えている者全てがその事実を理解しているだけに、張勲のその異常とも言える情愛と性癖を正し、言及する事が誰にもできないで居るのである。 

 

 「とにかく~。美羽様もずっと居ないっていう~、そんなわけは無いんだから~、ちゃんと帰ってきますよ~」

 「……でも、でも……私、もう、限界なんですよ~……っ!!ああ、お嬢様のお顔が見たい!お嬢様のお声が聞きたい!お嬢様がなにか失敗をやらかして、泣いて謝るあの可愛らしいお姿を見たいですよ~!!」

 「……あ、あはは~……。って、あら~?向こうから走ってくるのは~」

 「七乃~!!七乃は何処じゃ~!!」

 「お、お嬢様!?お嬢様~!!七乃はここですよ~!!」

 「はきゃあっ!?」

 

 どんっ!と。それまで泣いてすがり付いて雷薄を、その声が聞こえた瞬間に思い切り突き飛ばし、そして先ほどまでの今にも死にそうだった表情は影も形も無くし、張勲はその声の主である袁術が、自身の名を叫びながら駆け寄ってくるその方向へと、一目散に駆け出していた。

 

 「……うう~。七乃ちゃん~、酷いですよ~……くすん」

 

 よよよ、と。なぜか誰も見て居ないのに、わざとらしくしなをつくって泣き崩れる雷薄だったりしたが、そんな彼女に気を使うような者は、残念ながら誰一人近くには居ないのであった。

 

 

 「お嬢様~!!んもう、一体何処行っておられたんですか~!?七乃を置いてけぼりにしないでください~!!」

 「く、くるし……っ!!な、七乃……っ!!ち、ちと離してたも!!し、締ま……っ!!」

 「いいえ、離しません!離しませんとも!!お嬢様がその愛らしいお顔を涙でぐしゃぐしゃにして謝ってくださって七乃めに懇願してくれても絶対離しません~!!」

 

 袁術のその顔を張勲がその胸にがっしりと捕らえ、何処にそんな力があるかと言うぐらいに、思い切り抱き締める。そう、まさに締めるという表現が一番ぴったりと合うほど、張勲は思い切り袁術の事をその胸に抱え、その顔を先ほどまでとは違う意味で、涙によってぐしゃぐしゃにしていた。

 

 まあ、その抱き締められている袁術の方は、完全に鼻と口が塞がれてしまっているので、青息吐息といった感じで必死にもがいているが。

 

 「……って、あら?お嬢様?もしもーし」

 「……(ぴくぴく)」

 「もう、お嬢様ってば!そんなに体を痙攣させるほど、七乃に会えたことが嬉しいんですね!?七乃、もう大感激ですよ~!!」

 「……そんなわけ無いでしょ!!」

 

 すぱーん、と。それはもう小気味良いぐらいの軽快な音と共に、恍惚とした表情で袁術を抱きかかえたままの張勲の後頭部に、何時の間にやら彼女の背後に立っていた紀霊からの、見事なまでの平手打ちが入った。

 

 「あいたっ!……むー、巴さんてば~、人の頭をそうぽんぽん叩かないでくださいよ~。お嬢様みたいになったら如何してくれるんですか~?」

 「……あのね」

 「……叩かれるような事を普段からしているんですから、仕方ないと僕は思いますけどねえ」

 「あら?秋水さんもいらしたんですか?……どうかしたんですか?お嬢様のお勉強の時間以外に、お城の方に見えるなんて」

 

 袁術の教育係とはいうものの、普段、彼女の勉強時以外はめったに城に寄り付かない諸葛玄が、どういうわけか紀霊と共にその場に姿を見せたことをいぶかしみ、張勲は顎に指を当てつつ首をかしげる。

 

 「まあ、ちょっと貴女にお話がありましてねえ。……それよりもまず、美羽嬢を解放してあげましょうね」

 「あ」

 「……七乃……なにやら妾、大きな河の向こうで、手を振っておる母上に会ったぞ……」

 「ちょ!?お嬢様ってば!!しっかりなさってくださいませ!お嬢様に何かあったら七乃は、七乃は……!!」

 『……ほんとにこの娘は……』

 

 いつもながらのやり取りとは言え、相も変わらずな張勲のその態度に、今更ながら思い切り呆れ、大きな溜息を吐く諸葛玄と紀霊の二人であった。

 

 

 そんなやり取りが城中にてされていた頃、街の諸葛玄邸に残った一刀は、同じくそこに残った陳蘭に対し、先ほど袁術たちとしたやり取りの事を説明していた。

 

 「……じゃあ何かい?公路のお嬢の悪い噂を消すために、そのお嬢本人に、あの年寄りどもの筆頭格を殺すように言ったって言うのかい?」

 「……ああ」

 

 南陽郡に蔓延している、袁術の名で出された無体な法の数々によるその悪評を吹き飛ばすため、一刀は彼女らに対してとある策を提案した。無法を実際に行っている袁術の一族達を一つ所に集め、証人として集めた郡内各地の人々が見ているその前で、泥酔状態となったその彼ら自身の口から明かさせ、それを袁術自身の手で処罰させる、という策略を。

 

 「……お前、それ本気で言っているのか?……自分があれほど、人を殺した事への罪悪感から毎晩悪夢にうなされていたって言うのに、それと同じ思いをお嬢にさせようっていうのか?」

 「……」

 「おい!何黙りこくってるんだよ!?まさかとは思うが、その事を考えなかったとか言わないだろうな!?自分さえ苦しまなけりゃ、赤の他人がどう苦悶しようが、そんな事は知ったことじゃあないとでも……!!」

 「そんなわけ無いだろうが!!」

 「っ……!!」

 

 自身の襟首を掴み、思い切り憤怒の形相で迫って来ている陳蘭のその台詞に、一刀は思わず声を荒げ、その台詞を真っ向から否定した。一刀のその予想外の反論と迫力に、陳蘭は思わず気圧されて、その後に続けようと思っていた言葉を飲み込んでしまう。

 

 「あんな悪夢、見ないで済むならそれに越した事は無いに決まっているだろう!!けどな!今俺達がこうしている間にも、この南陽の人たちはあの悪夢以上の悪夢を、現実のものとして見ているんだぞ!!その事は、新参の俺よりあんた達の方がもっとよく分かっている事だろう!?」

 「そ、それは……っ!」

 「彼女が、公路さんが今の現実を、人々の苦しい思いを何とかしたいって言うんなら、それ相応の覚悟を彼女だって持たなければいけないんだ。……たとえこれまで、現実という物を知らなかったとしても、いや、知らされることが無かったとしても、彼女はこれまでの己の無知と言う名の“罪”を、一度何らかの形で清算しなきゃいけないんだ」

 「……それが、あんたの言う、一族を殺すっていう事……だと?」

 

 例え今の時代、人が人を殺すことへの道義的価値観が薄れていたとしても、犯さずにすむものなら犯さないほうが良い。それが、殺人と言う、この世でもっとも忌むべき行いの一つだと。……“あれ”から後、わずかな土地だけとは言え見てきたこの世界の、人を人で無くしかけている状況を知った今でも、一刀は心底からそう思っている。

 

 しかしそれと同時に、それでも尚、人は、背負うべき時に背負わなければいけない(もの)が、この世に生きる人間にはある、と言うことも。

 

 「……あの小さな背に、罪と言う名の重荷を背負うその重圧は、俺が背負ったもの以上に彼女に重くのしかかるであろう事は、俺にだってその想像に難くはないよ。……けどさ、その荷が彼女一人で背負いきれない物なのなら、何も彼女だけに背負わせる事は無いんだ。……一真さんや紀霊さん、それに白洞さん、貴方もいる」

 「お、俺?いや、俺は……」

 「貴方が公路さんの事を嫌っているって事は、一真さんからも聞いてます。けどそれは、今迄の彼女が“無能”だったから、でしょう?……けど、彼女はこれから変わろうとしている。その美しくも小さな羽を、懸命に羽ばたかせようとしてね」

 「……」

 「彼女の事を量るのであれば、一緒に荷を背負って少し歩いてみてからでも良いと、俺はそう思う。……俺も、出来うるなら彼女の荷を支え、背負い、その隣を一緒に歩いてみたいけど……」

 「……北郷」

 

 一瞬。一刀のその瞳が、どこか寂しげな感情を宿した事を、陳蘭は見過ごさなかった。もしかして彼は、北郷一刀は、自らが立てたその策の中で、何か他に、まだ話していない事があるのではと。陳蘭は直感的にそう思った。

 

 「……話を始めのに戻すけど。とにかく、彼女には絶対、これ以上の“罪”を負わせる気は俺には無いよ。彼女にはただ単に、人の上に立つ者としての覚悟を持ってもらう、それだけの腹積もりしか俺には無いから。……本当に罪を背負うのにふさわしい人間は、“ここ”に、居るからね」

 「……っ!!」

 

 それは、清清しいまでの笑顔であった、と。後に、その時の一刀のその表情を、同僚である雷薄にそう語って聞かせたと言う。

 

 

 場面は再び宛の城内に戻る。

 

 「お嬢様~?お加減は如何ですか~?」

 「うむ。……何とか母上の所に逝かずに済んだぞよ……」

 

 先のやり取りにおいて、半ば気を失っていた袁術は、すぐさま自室へと運び込まれ、今は寝台の上で横になっていた。そんな彼女を甲斐甲斐しく看護する張勲は、自分がした事など既に忘れ、何処吹く風的な顔でおり。そんな彼女を飽きれながら見つめて居るのは、諸葛玄と紀霊、そして雷薄の三人。

 

 「それはそうとお嬢様~?今日は朝早くから何処に行かれていたんですかあ?お城の何処にも姿が見えないので、七乃はとっても心配してましたよお?」

 「そ、それは済まんかったのじゃ。……実はその、街に、行っていたのじゃ」

 「へ?……街……って、お城の外の、街、ですか?」

 「……」

 

 こく、と。小さく張勲に頷いてみせる袁術。この三年の間ずっと傍に居て、自分にとっては年の近い姉のような存在だった彼女に対し、中々口に出来ない秘密を抱えていたそのことが、彼女に大きな罪悪感のようなものを感じさせていた。

 

 「でもお嬢様?お城の門には兵士さんが立っているでしょう?どうやって外に出られたんですか?」

 「城の壁の一部に、補修されずに放っておかれている箇所があるんですよ。美羽様はそこから、街に出ていたのよ」

 「……巴さんは、何時からそれを知っていたんですか?」

 

 その時、その場の誰もが気付かなかった。……張勲の纏っているその雰囲気が、わずかにだけ変わったことに。

 

 「……大体、半年ぐらい前ね。最初は私も、お一人で街へ出るのは咎めたのだけど、城の中しか知らない美羽様にとっては、外の事を知ることが何よりの」

 「……です……か」

 「?……七乃……ちゃん?」

 「……仕方ないですねー。後でちゃーんと、その穴は塞いで置かないといけませんねえ~。ああそれと、この間の補修工事をした筈の人たちには、反省の意味も込めて、しっかりとした罰を受けておいてもらいませんとね」

 「な、七、乃……?」

 

 顔は満面の笑顔。しかし、その目は全く笑っていないことは、その場に居る誰の目にも明らかであった。

 

 「もう、お嬢様だめですよ?今日までのことは仕方ないですけど、これからはもう“二度と”、街になんか出ちゃダメですからね?もしまたお外へなんかお出になったら、蜂蜜は金輪際差し上げませんからね?」

 「う。そ、それはこま……っ!い、いや、妾はもう蜂蜜なぞ要らぬのじゃ!!」

 「……お嬢様、お熱でもあるんですか?美紗ちゃん!お嬢様が、お嬢様が蜂蜜をもう要らないだなんて、そんな事言うなんてどっかおかしいですよ!熱が出ているかも知れないですから、きちんと検査の方を」

 「七乃!妾は熱などありはせんのじゃ!!要らぬと言ったら本当に要らぬのじゃ!!妾に蜂蜜なんぞを用意する金があるのなら、それを街の、特に裏通りに住む者たちの為に使ってやって欲しいのじゃ!!」

 「お嬢、さま……?」

 「いや、それだけではない!妾はこの南陽の地を、これからこの手で変えたいのじゃ!頼む七乃!その為に、そなたの力も貸して欲しいのじゃ!!」

 

 袁術が見せた、その必死なまでの真剣な形相。それは、張勲にとって今まで見たことの無いもの、いや、決して見ることがあってはならないものだった。

 

 「……え、えーっと。あ、わ、わたしちょっと用事を思い出しましたので、席を外しますね?!秋水さん、巴さん、美紗ちゃん、お嬢様をお願いしますね?!そ、それじゃ!!」

 「あ!な、七乃!」

 

 まるで、目の前に突きつけられた現実から逃げるかのように。張勲は大慌てで部屋を飛び出していった。そして、彼女が無我夢中で走って辿りついていた、その城の中庭にある四阿(あずまや)のその椅子に、力なくその腰を降ろし、彼女はポツリと呟いていた。

 

 「……あは。……切れ、ちゃった……。お嬢様と、私とを繋ぐ糸が、今、ぷつっ……て、切れちゃっ……た……」

 

 涙するでもなく。叫ぶでもなく。彼女はただ呆然と、虚ろな瞳をしたそのままで、夜の帳が降りて行く中、一人その場に佇んでいた……。

 

 ~つづく~

 

 

 狼「仲帝記、その第五羽をお送りしました。作者こと狭乃狼です」

 輝「輝里です」

 命「命じゃ。今回も宜しくな」

 

 

 狼「さて、今回はほとんど七乃さんのターンってことで、お話をお送りしたわけですが」

 輝「・・・あのさ。なんか、七乃さんが、思いっきり諸悪の根源になってるんだけど」

 狼「いやね?あんな感じの裏でもなければさ?原作で美羽だお飾りを続けられていた説明がつかないかなあ、と」

 命「ふむ。確かに、袁家の老人達からしてみれば、ある程度財を集めたところで、あの二人を見限っていてもおかしくはないはずじゃな」

 狼「そうそう。だからどっちも持ちつ持たれつな関係だったとしたら、その辺も納得できるかなーと。そう思った次第です、はい。」

 輝「でもこの流れだと、七乃さんまで処罰の対象になっちゃったりとか・・・しない?」

 狼「そこは大丈夫。ちゃんと救済手段は考えてあるから」

 

 

 命「一刀の想いも重かったな」

 輝「そうね。自分で罪を経験しているからこそ、美羽ちゃんにそれを背負わせず、尚且つその立場への覚悟を促す策を、あの場で皆さんに提示したってわけね」

 狼「ま、その結果がどういう風になるかは、もうちょっと先のお話で明らかとなりますので、それまで、あんまりツッコミは無しの方向でお願いしたいです。・・・その時がきたらいくらでも受け付けますので」

 

 

 輝「それでは次回、真説・恋姫†演義 仲帝記、その第六羽」

 命「美羽こと袁術の、自我覚醒をしった、七乃こと張勲の、その今後の対応は果たして?」

 狼「そしてついに動き出す、一刀の提示したその策。その結末や如何に?」

 輝「それでは皆さん、また次回にてお会いいたしましょう!」

 命「コメントの方も、いつも通りに待っておるから、どしどししておくれな!」

 狼「ついでに支援の方ももらえたらもっと嬉しいですwww」

 

 三人『それでは皆さん、再見~!!』

 

 

 

 

 

  

 


 
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