No.307376

真・恋姫†無双~江東の白虎~ 第参章 2節~熟女狂演"危"劇後、お転婆お姫襲来!?~

タンデムさん

大戦が終わりの時を向かえ、集まった諸侯は其々の領地に帰る。
一刀たちも馬に揺られながら、自分の領地に帰る。
しかし、その道程は彼にとって険しい道のりだった。
自重しな美熟女達と、怒れる美女達、ため息をつく新たな仲間に、彼は安息を得ることができるのか?
そして、領地に帰り着いた途端、一刀は――。

続きを表示

2011-09-25 16:58:26 投稿 / 全13ページ    総閲覧数:13425   閲覧ユーザー数:10356

この小説は、北郷一刀、呉の主要キャラほぼ全てと華陀に

 

いろいろな設定を作っていますので、キャラ崩壊必死です。

 

更に、オリキャラが出ます。

 

その点を踏まえて、お読みください。

 

嫌悪される方は、ブラウザ左上の←または、右上の×をクリックすることをお勧めいたしますっす。

 

それでもOKという方は、ゆっくり楽しんでいってくださいっす。

2日後、洛陽でやる事を済ませた孫呉一行は、拠点に戻る道を進んでいた。

 

「……」

「一刀、大丈夫……か?」

「だい……じょうぶ、そうに……みえる……なら、めを……なおす、ことを……お、すすめ……しゅる」

 

その最中、酷く聞き取りにくい掠れた声で、一刀は凱にそう悪態をついていた。

悪態付く彼の姿は、木乃伊化(ミイラ)に近い姿だった。

肌はカサカサ、髪はボサボサで、目の光は辛うじてまだ灯っている状態。

正しく『生ける屍』と言う表現が、最も近いかもしれない。

何故このようになっているかと言うと、洛陽を出る前日まで遡る。

その時は、呉軍と美羽親衛隊と一部の一般兵は、まだ洛陽に滞在して復旧活動に勤しんでいた。

料理を作れない武官系の者達は、焼けた家や宮廷等を改装工事し、料理のできるものは炊き出しを行っていた。

無論、一刀の部隊は医療班や料理班が多数おり、さらに彼自身も料理のスキルを持っているので、

部下達とともに炊き出し班として活動していた。

 

「おっはよ~」

「あ、おはようございます、ご主人様。 へぅ!? じゅ、順番通りにお願いします……!」

「おはようございます、一刀様。 こらそこ! 数が限られておるのだ、欲張るな!」

「おはよう、孫江……様」

「……おはよう、ご主人様」

 

一刀は空が白む位に仮眠から目覚め、炊き出し班のところまで来ていた。

そこには、彼らを手伝っている月と詠、江と何故か恋の姿もあった。

しかし、一刀に挨拶を返すと、すぐさま月と江は料理ができる者は忙しいのか、忙しなく動き回っていた。

 

「詠、食糧たりてるか?」

「……実は、そろそろ炊き出しが切れそうな感じなのよ。

予測としては、だいたい日が昇って直ぐ、お昼位かしら」

「むぅ……そうなのか」

 

詠は手持無沙汰だったのか、食糧の量と減る速度から、

大体いつ位にそこをつくのか計算し、自身の予測を一刀に伝えた。

 

「う~ん。 それじゃ、仕方ない。 詠、この近くの一番近くの山ってどこにある?」

「え? ん~と……あ、4里先に小さい山があるわ。 でも、それがどうしたの?」

 

一刀が行き成りそう言ったことに少し疑問に思ったが、詠は自身の頭の中にある地図を引っ張り出し、彼に地理を教えた。

 

「ふむ。4里か……悪い、恋と一緒に荷車もってちょっと出てくる。 れ~ん! 出かけるぞぉ!」

「……ん」

「……は? あ、ちょっと!」

 

言うが早いか、一刀は詠の言葉を聞くと彼は暇を持て余していた恋と共に、荷台を引いて出て行ってしまった。

 

「……なんなのよ……ったく」

「え、詠ちゃ~ん……へぅ~!」

「こらぁー!」

「あ~もう! まってて、月、江!」

 

しかし、彼女は月の悲鳴を聞き、一刀の事は脳の片隅に追いやられてしまった。

……。

…………。

………………。

「へぅ~……ありがとう詠ちゃん」

「ふむ、流石詠だな。 頭の弱い私では、こうはいかん」

「当然でしょ」

 

詠の策にて、並んでいる人を整理させ、ずるをしようとした人を無くさせ、効率よく炊き出しを配っていく。

大体の人数を捌き、炊き出しを受けている人数が減り、ほぼ終わりを迎えた。

そして、それは同時に炊き出しの終わりも意味していた。

 

「へぅ……無くなっちゃいましたね……」

「むぅ……ですな」

「流石のこれは、あたしの策じゃ無理ね」

 

復旧作業は今夜まで続く予定であり、尽きた炊き出しの事について思案しなくてはいけなくなった。

 

「今残っているものを与えてはいかんのか?」

「ばか……。 帰るときに飢え死にしたいの?」

 

江が馬鹿丸出しでそう言ったのを、詠は問答無用で切り捨てる。

つまり、今辛うじて残っている兵糧まで洛陽の民や、復興活動を行う者達に与えてしまっては、

帰りの兵糧が無くなり、恐らくほぼ飲まず食わずで行軍しなくてはならない。

そうなると、確実に何十何百と脱落するものや死者が出る事になり、

『孫家は兵を大事にしない』という風評が国内に広まり、今後の兵役を行う者達を減らしてしまうことは否めない。

 

「でも、かといって出さないと……」

「そうね。 孫家にとってあまりよくない風評が立つでしょうね。 はぁ、これじゃ復興活動もままならないわ」

 

しかし、このまま兵糧が尽きたからと言って何もしないでいると、中途半端に民に施しをしてしまうことになり、

『あいつ等には施したのに、何で自分達にはくれないのか』という気持ちが民達に蔓延し、

民たち同士の食糧の奪い合いが起きるうえ、やはり悪い風評が広まり、悪影響しか出ないだろう。

まさに八方ふさがりと言ったところだった。

最終手段として、他の軍勢に任せてしまうという手段があるが、一番多くの兵糧を持っていた袁紹軍だが、

その半数を焼かれてしまって期待できないし、他もこことほとんど変わらないだろう。

結局のところはあまり良く無い風評しかたたないだろう。

 

「あ~もう! こんなときにあのチ○コ将軍はどこ歩っつい歩いてんのよっ!」

「もう、詠ちゃん……」

「はぁ、おまえ少しは月様を見習ったらどうなのだ?」

 

イライラがたまってつい下品な言葉を大声で叫んでしまい、

それを聞いた月は困った風な声を出し、江は呆れたようなセリフを言った。

 

「うっさいわよ江! それもこれも、あのチ○コ将軍が悪いのよ!」

「それは、冤罪じゃねぇか?」

「え?」

 

詠が叫んだその時、彼女達のいる所より僅か後に、

一刀と恋そして、帽子をかぶった緑色の髪の小さな女の子がいた。

 

「……なにsore?」

「へぅ!?」

「……」

 

しかし、振り向いた彼女達は目の前にある光景に、脳がついていけないでいた。

 

「おお! 凱以外でそんなにいい発音を初めて聞いた。

って、彼女か? なぁねね、お前本当にみんなと面識あるのか? 恋だけじゃないだろうな?」

「そんなわけ無いのです! と言うか、詠が言ったのは絶対ねねの事じゃないのです」

「……ん~ねむい」

 

のんきにそんなことを言う一刀と、ねねと呼ばれた少女――陳宮――は一刀にそう返し、眠そうに眼をごしごしする恋。

一見普通そうに見える光景だが、逆に彼らの後ろにある荷台がとてつもない光景だったため、酷くシュールだった。

 

「……ねねのこと言ってんじゃないわよ! その荷台に積まれてるのはなんなのと言っているのよっ!」

「え? 何って……肉?」

「……にく」

「れ、恋殿ぉ……」

「……捌いても無い熊、大鹿、猪のどこが肉なのよ!!」

 

そう、荷台に乗っていたのは、大きな熊、大鹿、猪だった。

しかも、まだ捌いていないうえ、その一匹一匹の大きさが半端ではない。

熊の大きさは小さく見ても1丈、猪の大きさは某もののけのお姫様に出てくる様な、化け物サイズを思い浮かべていただければいいだろう。

 

「ん~……それもそうだな。 よし、ちょっくら捌いてくるから待ってろ!」

「は!? ちょ、私はそういうことが言いたいんじゃなくって……」

「……行ってしまわれたな」

「へぅ……」

 

彼女らの主人は王(雪蓮)程ではないが、どこまでもGoing My Wayだった。

しかし、意気込んだ一刀だったが、料理は出来るが流石に獣のさばき方など知らない。

というわけで――。

~曹操陣営~

 

 

「……で? なんで貴方は()天幕()にいるのかしら?」

「いや、華琳なら獣のさばき方ぐらい知ってるかなって、ほら料理本出してるくらいだし? 獣ぐらいちょちょいってかんじで」

「知るわけあるか!」

 

曹操陣営に、彼女自身の怒号が響いた。

それもそうだ。

実物を見ていないとはいえ、復興活動でくそ忙しい時に、

行き成り天幕に来られて、獣をさばけなどと言われては普通怒るだろう。

一刀はそんな彼女などなんのその、ほぼスルー状態で話を進め始めた。

 

「ちぇ……。 じゃぁ、仕方ない他を当たるか」

「なにが、ちぇよ。 ……ま、でも貴方の勘も、あながち間違いではないところが悔しいのだけれどね」

「……どゆこと?」

 

自身の怒りなど目に求めていない一刀の態度に、華琳はもう呆れでため息しか出ないが、彼の申し出にあてがないわけでは無かった。

 

「ウチの部下に、恐らく出来るであろう子がいるのよ」

「ほぅ! そいつは嬉しい!! さっそく教えてくれない?」

 

まさかの言葉に一刀は目を光らせた。

 

「でも、流石に唯と言うわけにはいかないわ。 交換条件よ、解体の終わった肉の4割はここに残しなさい。 うちもそろそろ炊き出しが切れてきたところなのよ」

 

流石覇王と言ったところか、ぬかりなく交換条件を出す。

 

「ああ、なんだその位か、お安い御用だぜ。 じゃぁ、解体が終わったらその娘にわたすな」

 

もっと渋るかと思われたのだが、一刀の反応は二つ返事だった

その事に若干疑問を持ったが、華琳は一刀が良い漢義を出したのだと深くは言わなかった。

 

「そう、いい返事ね。 彼女は典韋と言うわ。 そこらへんにいるウチの者に聞きなさい」

「応、ありがとな!(……よりによって悪来か。 許緒は少女だったが、こっちはどうなんだろうか? 特攻服着てたりして……)」

 

華琳から典韋の名を聞いた一刀は、内心彼女に会うのが楽しみになった。

適当に典韋の居場所を聞いて、彼女を探すこと数分。

 

「はじめまして、孫江様! 典韋と申します、よろしくお願いします!」

「ああ、こっちこそよろしくな。(ですよねー! 許緒が少女なら、典韋もだよねー!)」

 

会ってみれば、何でもない美少女だった。

とても、こんな少女が悪来の二つ名を持っているとは思えなかった。

 

「あ、あの……そ、そんなに見られると恥ずかしいです……」

「ああ、すまん。 いや、君を見ていると末の義妹を思い出してな。 もう1年以上も会っていないせいかついうっかりじっと見てしまった。 元気でやってくれてるといいがな(あながち嘘でないからな)」

 

そう言って、一刀は内心思っていることが悟られぬように、視線を空へと移した。

しかし、そんな何気ない行動が、典韋には本当に家族を大事にする兄に見え、彼女の中で一種の憧れを抱かせた。

 

「ま、きっと、元気だろうがな! なんたって、江東の白虎であるこの俺の妹だからな!」

「!」

 

そしてさらに、そう言って一刀は典韋に爽やかなそれでいて、家族を思う温かい笑みを見せる。

それだけで、まだまだ幼い典韋の心臓はもう堪らないほど鼓動を繰り返し、彼女の心に完全に憧れを根付かせた。

 

「そ、そうですね! あ、それでは解体に移りましょう!」

「ん? おお、そうだったな」

 

典韋も自身の顔が赤くなっていくのを自覚したのか、彼に悟れぬように話をそらした。

一刀もこんな時に限って鈍いおかげで、彼女の変化に気づかないでいた。

 

「そ、それで、どんな動物を解体するんですか?」

「ああ、大きくてな街中を移動させるのもって思って外に置いてあるんだ。 ついてきてくれ」

「あ、はい!」

 

そして、上手く誤魔化せたことにホッとして、典韋は彼に導かれるまま町の外へと連れて行かれる。

 

「んふふ~♪ ……一刀くんはっけぇ~ん」

「さぁて、狩りの始まりかなぁ……ふふん♪」

 

その後ろを、2匹の悪魔が付いてきているとは知らずに――。

 

「さて着いた。 依頼したいのはこいつらの解体だ」

 

そう言って、一刀は虫除け用にかけた布をはぎ取る。

 

「……ゑ?」

 

意気込んだ典韋は、指差されたモノを見て若干頬を引き攣らせた。

それは無理もない、熊位かなと思っていた彼女だが、まさか大鹿と巨大猪までいるとは思わなんだろう。

 

「こ、これはすごいですね……私の村でも見たことない大きさです……」

 

しかしその引き攣った顔も一瞬で、やりがいのある仕事を見つけた職人のような顔つきとなった。

さっそく解体の準備に取り掛かろうと、解体用の包丁を出す。

 

「ああ、一人じゃしんどいだろうからな。 俺も手伝うぜ、まぁ片手吊るしてるから居無いよりマシ程度でしかないがな」

「いえ、孫江様のお力を借りられるのなら、だいぶやりやすいと思います! よろしくお願いします!」

 

そう言葉を交わして、二人はともに獣の解体に取り組んでいった。

しかしその僅か数刻後――。

「……おかしい、なんで俺は縛られているんだ? 前にもこんなことあったぞ」

 

彼は何故か縛られて、拉致られていた。

 

「それはだね、あたし達が連れてきたからだよ。 一刀くん」

「違う、あれは拉致っていうんですよ!」

「私分かんないも~ん。 どっちもいっしょだも~ん」

 

そう言って馬を繰り、一刀に背中をもたらせる女性と、彼の後ろから抱きついている女性が一人。

言わずもがな茜と華南である。

先ほどの話に戻るが、この二人彼と典韋が獣の解体を終了させ、肉を届ける手配をするまでずっと息をひそめていたのだ。

それはもう、一刀の翳虎なみの隠密能力だった。

そして、いざ解体が終わり肉を運ぶ手配が終了すると、彼の気の緩んだ一瞬の隙をつき、自由な左腕を縛って、馬で逃走したのだ。

 

「……なんでお二人はこんなことを」

「あら? 女にそんな事を聞くのかしら?」

「にゅふふ~ん」

 

彼のその言葉には二人ともが、まともな回答を返してくれない。

華南に至っては、彼に抱きついて子猫のようにゴロゴロと甘えまくっていた。

 

「って、曹嵩殿。 次はあたしの番だからな? 協定忘れんなよ?」

「む~分かってるわよ~」

「なんすか、協定って……」

 

この光景、はたから見たら男女3人が睦あっている様に見えなくもない。

ぶっちゃけるとこれだけなら一刀に害は無かった。

しかし、この様子を影ながら見てしまっていた呉の武将が――太史慈こと紗那が居た。

 

「一刀様の馬鹿……。 (雪蓮に報告です。)」

 

そんな事とは知らない一刀はこのくそ忙しい時に、この二人は本当に何をやっているのかと、小一時間問い詰めたいと思っていた。

しばらくすると、小川についたので馬も足をとめた。

 

「ありがとうな、麒麟」

「ぶるる……」

 

茜の声に今迄のっていた馬――麒麟は、何でもないという様に喉を鳴らした。

 

「ほら、曹嵩殿、交代だぞ」

「ぶー」

「ぶーじゃねぇよ。 そら!」

「ぬお!?」

 

馬から降りると、茜は一刀を華南から奪い、人生はつのお姫様だっこというものを一刀に味わせた。

流石にその時ばかりは、一刀の羞恥は計り知れないものだった。

 

「あ、茜さん!? お、下ろしてくれぇ!!」

「大丈夫だよ、お姉さんに任せなさい。 貴方は気持ちいだけなんだからうふふ……♡」

 

下ろしてくれと喚いても、気が使えない一刀がなんの抵抗ができると言えるのか。

悲しいかな、はたから見たらの食されるためだけの、贄にしか見えなかった。

茜の肉食獣の様な眼が、よりその光景に拍車をかけていた。

 

「あ、ずっるーい、私も混ざるぅ!」

「でも、最初はあたしだからな?」

「ぶー!」

「あ、ちょ、脱がさないで! アーーーーーーっ!?」

 

哀れ一刀君、飢えた熟女(サキュバス)の前では唯の獲物でしかなかった。

それより1刻後、各々の陣営の子供たちの感想はというと――。

 

~SIDE曹~

 

 

「? お母様、なんだか肌が艶々してない?」

「うふふ~。 そう見える?」

「?」

 

嬉しそうにほほを擦る母に首を傾げるしかなかった。

しかし、華南の次の一言で――。

 

「それにしても、一刀君ってば、怪我してたのに激しかったわぁ。 怪我してなかったらどのくらいすごかったのかしら♡」

「……!? お、お母様!? ま、まさか!?」

 

違ってほしいと華琳は心の中で切に願った。

 

「華琳も、一刀君の子とまんざらでもないみたいだしぃ~うふふ~。 今度は華琳も交えて親娘丼かしらぁ♡」

「この色欲魔人がぁぁぁぁ!!!!」

 

しかし、彼女の期待は簡単に裏切られ、本日2度目の怒号が彼女の陣内に響くのだった。

 

 

~SIDE馬~

 

 

「ねえ、お姉様? おばさまのお肌なんだか艶々してない?」

「確かに、そうだな」

 

散歩に出かけてくるといって出て行ったわが母が、帰ってきてみれば、物凄く肌を艶々させて、

なんというか色っぽい感じになって戻ってきた事に、流石に何かあったと思わざるを得なかった。

 

「ふふ、教えてやろうか。 ゴニョゴニョ……」

「☆♡♪■▽○ωΣ!?」

「うわ、うわぁ!? え、そんなことまで!?」

 

不思議に思っている二人に、茜は事細かに秘め事を耳打ちした。

しかも、ねっとりとわざと大げさに厭らしく取れるように。

 

「ぷしゅ~~~(真っ赤)」

「あらら、お姉様顔真っ赤」

「ふふ、お前にはまだ早かったかな。 お前も蒲公英位に性に積極的なら良いのだがなぁ」

「こ、このエロエロ魔人がぁぁ!!!」

 

そう言って笑う茜の傍らに、翠の怒号が響くのだった。

~SIDE呉~

 

「言い訳はあるかしら? 一刀?」

「……ありません。 でも一言いいですか?」

「あら、なに?」

 

茜と、華南二人の拘束が終了すると、今度は自分の陣で美しい笑みとさっきを駄々漏れにさせている首脳陣に囲まれて正座させられた。

これは流石にまずいと感じた一刀は、一言言うことにした。

 

「許して下さ……」

「却下」

「ちっくしょーーーー!!!」

 

そして、その一晩、休む暇なく絞られて、現在に至ると言う事だった。

しかも、その時に限って凱の持ってきていた蒼麒麟が、小瓶1本しか残って無かった為に、

一刀は、水分不足と栄養失調(特にタンパク質)を起こしかけていた。

 

「……ボク達、選択間違えたのかな、月」

「え、詠ちゃん、そんなこと無いと思う……よ?」

 

そんな一刀の姿を見てしまって、詠は降ってしまった先を間違えてしまったのかもしれないと、思わざるを得なかった。

そして、月はそんな親友の言葉を、あまり強く否定できなかった。

 

 

 

閑話休題

 

 

そうこうしている内に、建業へとたどり着き一刀はさっさと自室に閉じこもろうとした。

 

「――まぁ……」

「んぅ?」

 

周々から降りた一刀の耳に、聞き覚えのあるとても懐かしい声が聞こえた。

 

「――にぃさまぁ……!」

「この声……」

「あらま、あの娘こっちに来てたのね」

 

その声の主にだんだんと周りの者達も気付き始める。

唯一気付いてないのは、新参者達だけだ。

 

「おにぃさまぁ!!」

 

どん!

 

「おおっと!」

 

そして、前よりも強い突進で一刀にぶつかり、一刀はそれを左手だけで優しく抱きとめる。

 

「お兄様お兄様お兄様ぁ~~!!! わぁぁぁぁあぁぁあぁっ!!!」

「遅くなってゴメンよ、小蓮」

 

それが、成長した呉の末姫、孫小香こと小蓮との再会であった。

小蓮はやっと再会できた義兄に強く抱きついて、暫く泣いた。

 

「ばがぁ!! お義兄様のばがぁぁ!! ふぇぇぇんっ!!」

 

めきめきめきっ!!

 

「しゃ、小蓮!? お、落ち着け!」

 

だが、其れが災いしたのか、一刀の上半身で自由に動くのは、怪我をしていない左手と首のみ。

骨折していた右腕は、昨夜の閨での戦闘のせいで更に悪化して首から吊っており、同じく骨折した右脇腹の前にあるのだ。

さらに、小蓮が突進して来たのは前からであり、一刀の腕と脇腹を抱くような感じで抱きついているのだ。

 

みしみしみしみしっ!!!

 

「あがががががっ!?!?」

「ふぇぇぇぇん!!!」

 

更に彼女のベースは江東の虎であり、武を育てたのは小覇王。

どうなるかは火を見るよりも明らかで……。

 

「ねぇ、一刀君、泡噴いてない?」

「それに、お顔も何だか赤くなったり蒼くなったり……」

「ま、まずい!! シャオ姫! 一刀を強く抱きしめては……」

 

一刀の異変に、結羽と瑞穂と凱が気付いて止めようとしたが、時既に遅し。

 

めきめき――ペキン♪

 

「あ゙あ゙あ゙あ゙――あ♡☆♪」

 

こてん。

 

不穏な音と供に、一刀の視界は暗転した。

 

「あれ? お兄様!? お兄様、確りして!!」

 

最後に聞こえたのは、皆の切羽詰った声だった。

「うぅ?」

 

月が天に輝く頃、一刀は目を覚ました。

右腕と脇腹が少し感覚がおかしい以外は、腹が減っているだけだった。

とりあえず、何か胃に物を詰めようと寝台から起き上がろうとした。

 

「んみゅぅ……」

「ん? シャオ」

 

だが其処には、自分の左腕に抱きついて眠っている小蓮が居た為、中断せざる終えなくなった。

久しぶりに見た小蓮は、やはり成長していた。

自分の知らない所で成長した義妹を見て、一刀は少し寂しい気持ちになった。

同時に、自分が心配をかけて、泣かしてしまったことを悔やんでいた。

 

「ゴメンな小蓮、お前の傍に居てやれなくて。 ホント、悪い兄ちゃんだな」

 

そう呟き、そっと手をおき優しく撫でた。

その時、小蓮の顔がにへらと緩んだ。

しばらく撫でていると、小蓮が身じろぎした。

 

「ぅん……」

「む? 起こしてしまったか……」

 

そして、若干の間を置き彼女が目を覚ました。

とはいっても、彼女はまだ寝ぼけ眼で一刀を見ること数秒――。

 

「お兄様?」

「おはよう……シャオ」

「あ……。 夢じゃなかった! ゆ”め”じゃながっだぁ! わあぁぁぁぁっ!」

「おっと!? ああ、夢じゃないさ。 ただ今小蓮」

「おがえり、おがえりあざい、にいしゃまぁ!」

 

そう言って小蓮は、一刀に抱きつき、昼間の如く泣きじゃくった。

今度は、思いっきりでも無くかといって弱くもない、優しい抱擁だった。

しばらく抱擁を交わした後、自分が眠っている間に何があったのか気になったので、小蓮に聞くと、小蓮は美羽や月、詠達と仲良くなったと話してくれた。

新しく給仕として入ってきた月や詠は、夕陽と廿楽達とも打ち解けるだろうと、一刀は思った。

暫くそうしていると、ポツリと小蓮が呟いた。

 

「ごめんなさい、お兄様……」

「何だよ」

「だって、シャオが強く抱き締めなかったら、こんなに酷くむぅ!?」

 

自傷気味にそう言う小蓮を、一刀は何も言わずに抱き締める。

そのせいで、小蓮は顔を一刀の胸に押し付けられて、言葉を告げられなかった。

 

「……んなもん構うもんか。 小蓮にかけた心配よりは、何倍もましだっての」

「おにぃ……さまぁ。 ひっぐぅ、うぇぇ……」

 

一刀の優しい言葉と、温かい心に触れた小蓮はまたも嗚咽をもらす。

 

「おいおい、もう泣くなよ。 笑ってようぜ、シャオは可愛い女の子なんだから、笑顔の方がずっと良い」

「ぐすっ……うん、うん!」

 

鳴いた烏が何とやら、一刀の言葉に小蓮は素直に頷き、目じりに涙を浮かべながらも、一刀の為に笑顔を作るのだった。

はい、と言うわけで今回のお話はここまでです。

いやぁ、皆様すみません。

疾走してと思われた皆様、すみません、まだまだしぶとく首の皮一枚で生き残っております。

現在、私の所属している詩吟部が居合道部とコラボレーションしてお祭りで演武をするらしいんです。

そんでもって、その演武で吟じるのが私と言う正直、鍛練ばっかりで執筆する時間がとことん無くて……。

と、これ以上は、見苦しい言い訳となりそうですので、コメント返しとさせていただきます。

 

紫電さん おおう。やっと凱に春が来るかと思ったら一刀に持ってかれた(笑)これは、今後全く違う展開になりそうですね。色々と楽しみだ。では、次回も楽しみにしています。

A.はいっす、こっちでは、また違う女の子にて凱に春を持たせてあげようかなとおもってます。

しかし、あの子のイメージを今更考えるのが面倒くさかったので、描写はそのままにしました。

 

 

さとッチさん なんかこのままだと、仲(袁術主体)が、漢(劉協主体)に変わりそうな感じがしますなwww

A.そ、そそそそそんなわけけけけけないじゃじゃありませんか!?

とわざとらしく言ってみる。

 

 

RevolutionT1115さん はいよ~蒼麒麟の追加だww

A.やったね一刀君! 青麒麟が増えるよ!

え、これは死亡フラグ?

 

クォーツさん 執筆お疲れ様。なんか、少しずつ一刀が・・・書庫も、書庫部屋も、TINAMIも、なろうもそれぞれ頑張って。 次作期待

A.ありがとうございます。

できるだけ早く、完結させます!

 

jonmanjirouhyouryukiさん 話題のサイトの方も拝見させていただきました。こちらと所々違いがあってそれを見つけるのも面白かったです。

A.わがサイトを見ていただいてありがとうございます^^

大分こっちとあっちでは違いが出ると思われますので、それを見比べるというのも面白いのかもしれません。

 

 

namenekoさん まさか一刀以外に規格外がいるとは

A.ぶっちゃけ、この娘の名前を出すと『ああ、納得』と皆様思われると思いますよ?

と、はぐらかさせていただきますww

 

 

2828さん 凱~蒼麒麟の追加注文はいりま~すww

A.やったね、一刀君! 青麒麟がふえ(ry

 

 

はりまえさん このまま大陸制覇へ(種馬的に)本編サイトとは違った話を期待してます。

A.大陸制覇ww

まぁ、できない事は無いですな!

種馬ですからww

こちらと自分のサイトでは、確実に違う運命をたどる事になるので、お楽しみくださいです!

 

 

readmanさん 次回も楽しみです!

A.ご期待にそぐえるように頑張りました!

 

 

 

氷屋さん 3p「一刀は雪蓮の心を完ぺきに見破った」なんか言い回しが変に思えますね、「思惑」「考え」とかそんな感じの方が合いそうですが、最近はこちらの方がなにkと更新されていて続き楽しみになります、さて次回は枯れ果てた(色んな意味でw)一刀がしょっぱなにでてきそうですwww

A.確かにそちらの方がいいと思いましたので、変更させていただきました。

Exactly!

この小説では、一刀君はかれる運命なのですよww

 

 

12さん 修羅場がくるのか?

A.修羅場……う~ん、修羅場と呼べたのかどうか分かりませぬが、どうでしたでしょう?

 

 

 

おまけ

 

 

 

一刀と面会が終わった小蓮は、誰にも見つからないようにある場所の、壁の中に消えた。

その壁は、回転式ギミックの取り付けてある壁で、中には部屋があり、

喬姉妹、思春、瑞穂、紗那、明命、亞莎、月、詠、美羽がいた。

 

「小蓮様、本日より、適度体型同盟、新同盟員をご紹介致します。」

「皆さん、この方が適度体型同盟同盟長であります小蓮様です。」

 

シャオが、部屋に入ると紗那がかしこまってそう挨拶をし、瑞穂が新メンバーである五人に挨拶を促した。

 

「妾は袁術、真名は美羽である。 よろしく頼むぞ」

「月と申します、どうぞよろしくお願いします」

「詠よ、よろしく」

「名は周泰、真名は明命です! よろしくです!」

「私は呂蒙、真名を亞莎と言いますよろしくお願いします」

 

全員が、シャオに挨拶し終えると、シャオは頷く。

 

「皆よろしく! 女の魅力が胸だけじゃない事を証明していくわよ!!」

『おーっ!』

 

新しい同盟メンバーの参加に、決意を新たにしたのだった。

おまけのおまけ

 

「……あれ? あたしと孫江の絡みは?」

 

そう言って一人立ちつくす白馬長史の姿があったとか無いとか……。

大丈夫、君はこの小説内ではけこう救われる……はず?

 

「疑問形にするなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ちゃんちゃん♪


 
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