No.306842

華琳の誕生日

季節無視

思い付きで書きました。

無茶苦茶です。

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2011-09-24 20:24:21 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:4503   閲覧ユーザー数:3704

この作品は恋姫無双の2次創作です。

 

作者の勝手な解釈もある為、若干キャラの性格等のズレが生じる場合が御座いますが

そこらへんはご容赦のほどを。

 

此処はとある高級ホテル。今夜も財界有名人の誕生パーティーが開かれていた。

 

今日の主役はここ数年で実績を上げ、既に各方面に影響力を持つほどになった人物。

 

そんな誕生パーティの主役の名は曹孟徳こと華琳。かつて三国志の外史に降り立ち、乱世を鎮めた天の御使い・北郷一刀率いる北郷軍に破れ、一刀の元に降り(くだ)、彼と共に一刀の世界へとやって来た少女。いや、いまはあの頃よりも数年も経ち、幾分女性らしい雰囲気を纏わせていた。

 

そんな彼女に近寄りお零れを預かろうとする者、彼女を抱きこんで利を得ようとする者も当然少なくはない。

 

そんな者達のあしらう術は、嘗て覇王であった華琳にとってはお手の物。

 

華琳はこの世界に来てから勉学に勤しみ。高校卒業後大学へ進み、貪欲に知識を吸収し、やがて会社を起こし、そして僅かな間に大企業へと成長させたのだ。

 

それは決して平坦とは言えない道程ではあったが、何が在ろうとも挫ける事無く、一緒に支えてくれる仲間と、それを応援してくれる仲間がいたからこそ今日(こんにち)の成功した華琳が居た。

 

そして本日は華琳の誕生パーティーであった。そんなパーティーも夜も耽ればやがてお開きになり、華琳は自分の部屋へと戻っていく。

 

「それでは華琳様、また後ほどお邪魔いたします。」

 

部屋へと送る彼女に後でまた来ると、言い残したのは夏候淵こと秋蘭。彼女もまた外史である三国志の中で華琳が率いる魏の武将であった。彼女もまた一刀と共にこの世界にやってきたのだ。

 

彼女だけでは無い。秋蘭の姉、夏候惇こと春蘭。そして荀彧こと桂花。此処にはいないが許緒こと季衣などもいる。

 

華琳は部屋に戻り、着ていたパーティードレス、下着を脱ぐとそのままバスルームへと入って行った。

 

汗を流し終えた華琳はプライベート用の携帯を手に取り、送られてきたメールに目を通し始めた。

 

[華琳殿、誕生日おめでとう御座います。

 

本日は真に残念ながら日程が合わず、直接言えないのが残念です。

 

お忙しいでしょうがご自愛ください。

 

                   愛紗より]

[華琳誕生日おめでとー!

 

いっつも厩舎の連中や牧場のおっちゃんらに気ぃ使ってもおてありがとうな。

 

今週のレースの全部勝って(取って)華琳にプレゼントしたるわ。楽しみにしといてや!

 

                      霞]

 

[華琳、誕生日おめでとう。

 

時間が取れず直接言えなくてごめんなさい。

 

あなたも忙しいのは分かっているけど、余り無理をしないでね。

 

                    蓮華より]

 

「くすっ、みんな律儀ね。でもありがとう。あなた達のおかげで随分気が楽になったわ。」

 

そんな数々のお祝いのメールを次々と呼んで頬を緩ませていたが、結局最後まで一番欲しい人物からのメールが入っていない事に気が付き、不機嫌になり携帯を乱暴にテーブルへ放った。

 

本来ならこの前後にする予定であったが、皆の予定が取れず。別の都合の良い日にしようとしたが、何人かがそこへ予定が入っていた為、今年は結局断念したのだ。

 

やがて桂花、春蘭、秋蘭も汗を流し、着替えを済ました三人が入ってきた。

 

「「「失礼します。」」」

 

折角楽しい時間を過ごすのだから何時までも引きずる訳も行かず気持ちを切り替える事にする。

 

「三人共畏まらなくてもいいわよ。今日の業務はお終い、今からは私的な時間なんだから。」

 

「「「はい、華琳様。」」」

 

「とはいえ、時間も遅いし余り長々とはやれないけどね。」

 

こうして四人での華琳の誕生日パーティーが始まろうとしていた。

 

「その前に華琳様、一刀からメールが着ていませんでしたか?」

 

パーティーが始まる前、華琳の様子が微かにおかしい事に気が付いた秋蘭は尋ねた。

 

「…着てないわよ。あの馬鹿からなんて。」

 

「おかしいですね。メールを送ると連絡があったのですが…もしや!」

 

「?秋蘭何か気が付いたの?」

 

「はい、華琳様、あちらの方は確認しましたでしょうか?」

 

そう言って秋蘭が指差したのはノートPC。

 

「そう言えば見て無かったわね。」

 

携帯の方ばかりに気を取られ、ノートPCの方はまだ確認していなかったのを秋蘭に言われ始めて気が付いた。

 

華琳がノートPCを起動しメールを確認すると、その中に一刀からのメールが入っていた。

 

「…添付ファイル。何かしら?」

 

一刀からのメールにはメッセージが入ってなく添付ファイルのみが送られて来ていた。

 

何かと思いそれを開くと動画が始まったが、一刀の姿が見えず声のみが聞こえてきた。

 

『兄ちゃん、こっちは準備できたよ~。』

 

しかも季衣と一緒にいるらしい。

 

『あいよ、季衣。こっちもこれで設置完了。っと。』

 

『華琳、見えてるか?これが俺達の誕生日プレゼントだ。(季衣、いいぞ。)』

 

シュ、ジジジ…ポン!

 

『『華琳(様)!(お)誕生日おめでとう~!』』…パーン!パーン!!パパーン!パーン!

 

一刀と季衣が声を揃えてコールをするのが聞こえたが、何も映っていない所で音だけがする為全員『?』となっていた。

 

『どうだ、華琳。綺麗だろう?』

 

「何が綺麗なんだ!?一刀、何も映っておらんではないか!?」

 

苛立った春蘭が画面を掴んで揺する。

 

「ホンット、あの馬鹿。何にも映って無いじゃないの。」

 

桂花も呆れてため息をつく。

 

「一刀、季衣…」

 

秋蘭もがっくりと肩を落としていた。暫くすると別の声が聞こえてきた。

 

『こらぁ、貴様ら!此処は花火を使ってはいけない区域だぞ!しかもこんな時間に!』

 

どうやら二人は花火を見せたかったみたいで、カメラの角度が悪く花火が納まらなかったようだ。

 

そこへ登場した警官に追いかけられる二人。

 

『ヤベ!季衣、逃げるぞ!』

 

『あ!?待ってよ、兄ちゃん!』

 

『こらー!待ちなさーい、そこの二人!』

 

暫くすると映像は何も映さなくなり、声だけが聞こえていた。

 

三人は華琳の方を見ると、華琳は俯き肩を震わせていた。

 

「「「(怒ってる?!)」」」

 

折角の誕生日に一刀がやらかした失敗。これには華琳も怒りを爆発させるのではないかと思い、三人はぞっとした。

 

「か、華琳様?」

 

秋蘭は恐る恐る華琳に声を掛けた。

 

「くすくす…あははははは…あ~おかしい。一刀らしいわ。」

 

桂花達はポカーンとする。

 

「あの、華琳様怒ってらっしゃらないんですか?」

 

未だ愉快そうに笑う華琳に、桂花は質問した。

 

「もう怒ってないわよ。最初はメールが着てない事に腹を立ててたけど、これを見たらそんなもの飛んで行ってしまったわ。」

 

一刀らしいわ、と付け足して言う。

 

「さあ、飲むわよ。あなた達、ちゃんと付いてきなさい。」

 

華琳が『飲む』と言った意味を理解した桂花達はぎょっとした。これに付き合わされたら絶対に桂花達は酔い潰されてしまうからである。

 

「華琳様、明日(正確には今日)も仕事がありますのでほどほどに…」

 

「少々飲んだくらいで、仕事に差し支える程やわじゃないわよ?」

 

そう言って華琳は悪戯っぽく微笑む。

 

翌日、桂花達は二日酔いの中、華琳唯一人が何事も無かったかの様に仕事に勤しんでいた。

 

 

おまけ

 

[華琳~、ちゃんと映ってたか~?

 

 あの後、なんとか逃れたけど大変だったよ。直接言えなくて御免な。

 

 誕生日おめでとう、愛してるよ。華琳

 

            一刀]

 

あとがき

 

季節無視のお話。

 

なぜか浮かんだ相手は華琳でした。

 

一応設定的には無印ハーレム√後です。

 

 


 
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