No.302885

第1話「登場!ビートルセイバー!!」

古淵工機さん

「出動!セイバーフォース」第1話。ロボットモノにありがちなプロローグ的なイベントです。まずは1号メカから出さないとね。

2011-09-18 22:53:18 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:708   閲覧ユーザー数:700

ここは地球によく似た惑星「リカーランド星」。

巨大ロボットが普及し、それが日常に溶け込んでいる世界。

人々は巨大ロボットとともに、平和な時を過ごしていた…。

 

しかし、いつの世も、またどこの星でも、平和の中には必ず影があるもの。

リカーランド星のその栄光の影にもまた、人々の知らぬ間にうごめく脅威があったのだ。

そう…巨大ロボットを悪用した犯罪がこの星の各地で多発。

また、科学技術の進歩の影では、事故なども大型化していたのである。

 

これは、平和を愛し、正義を愛する少年たちの、熱き戦いの記録である!!

 

 

ここはリカーランド星にある小さな町「カンパリ・タウン」。

「バール!バールいつまで寝てるの!さっさと起きないと遅刻するよ!!」

そこに暮らす少年、バール・クロウの家の前で叫ぶ少女。

彼女はバールの幼馴染、トリマ・ルーティンであった。

 

「うるせぇなぁ、もう…」

「時計見てみなさいよ、もうこんな時間よ?」

面倒くさそうに起き上がるバールだったが、時計を見るや否や、勢いよく飛び起きた。

 

「やべえ!もうこんな時間だ!!急がなきゃ!!」

「もう、ロボットフェスタに一番乗りしたいって言い出したのバールじゃない。急がないと一番乗りできなくなるわよ?」

「わかってる!今着替えるからちょっと待ってくれよ!!」

 

そう、この日はバールが一番楽しみにしていたロボットフェスタの開催日。

星中から各種大型ロボットが集まり、人々が熱狂の渦に包まれる一大イベントなのだ。

バールは、以前からこのロボットフェスタに興味を持っていたのである。

 

しかし、このロボットフェスタに悪の魔の手が迫っていたことを、バールたちはまだ知る由もなかった。

 

 

 

同時刻。

「準備できましたぜ、アニキ」

「ご苦労だった。あとはこの爆弾でここに来てる奴らを脅かしたあと、一気に展示してあるロボットを奪い去る。そして売りさばけば俺たちゃ大金持ちってワケだ。グフフフ…」

ロボットフェスタ会場の裏では、なにやら怪しげな影がうごめいていた。

一体彼らは何をたくらんでいるのか!?

 

 

さてさて、ロボットフェスタ会場にたどりついたバールとトリマは、この春発売された新型ロボット「ワークアント」に見入っていた。

「ワークアントかあ。こいつがあれば店の仕事も少しは楽になるんだけどなあ」

「でもさぁ、バール」

「ん?」

「そもそもあんたの店ってロボット置くスペースあるの?」

「あ…」

と、いつもながらの会話を繰り返す二人。

しかし、技術の祭典は突如、爆風とともに混乱の渦に呑まれたのであった!

 

「うわぁ!?」

「な、なんだ!!」

人々が次々に騒ぎ出す。会場内に仕掛けられていた爆弾が爆発したのである。

大量の煙が会場を包んでいるところを見ると、破壊力もほとんどない煙幕弾だろう。

しかし煙幕弾とはいえ、大量に爆発すればそのぶん煙も濃くなり何も見えなくなる。

厄介なことこの上ない。

 

「バ、バール!?」

「手を離すな!はぐれちまうぞ!!」

二人はしっかりと手を繋ぎ、何とか煙幕から逃れようと歩いていた。

だがそのとき…

 

「うお!?」

「きゃ!?」

二人の目の前に白衣の男がぶつかったのである。

煙で何も見えない状況なので、気がつかないのも無理はないといえるのだが…。

「だ、大丈夫かねキミたち」

声をかける謎の男に、バールは尻をさすりながらもゆっくりと立ち上がった。

「え、えぇ、なんとか…」

「あの、どなた様ですか?」

トリマは男に尋ねた。

 

「ああ、私はダイス。ロボット工学博士だよ。実は今、この惑星ではロボット犯罪が多発していてね…それに対抗できる組織を結成しようとしているところなんだ」

「そうなんですか…。あ、オレはバール・クロウです!こっちは幼馴染のトリマ・ルーティン。それよかダイス博士、一体全体この騒ぎはなんなんです!?なんか煙だらけで何もわかんないッスけど」

「わからん…何か別の目的があって、それを隠すために撒いたのかもしれんが…嫌な予感がするぞ」

しかし、博士の予感は的中する…。

 

「ガハハ!そのまさかよ!」

「な!?」

バール、トリマ、そしてダイス博士が振り向いた先には、なにやら怪しげなロボットの影。

よく見るとその隣では、展示品のロボットが次々と運び去られているのが見て取れた。

 

目の前の怪ロボットにバールが食って掛かる。

「煙幕を撒いたのはてめぇか!」

「ご名答。混乱してる隙にこのロボットたちをかっぱらって売りさばく。そうすりゃオレ様たちゃ大金持ちってワケよ!」

目の前に現れたカマキリのようなロボットに乗っている男に、博士は叫んだ。

「やはりな…エンドミル一味のラフィングか!今すぐに盗んだロボットを返すんだ!!」

「へっ、うるせぇ中年だなァ…オレ様に逆らうヤツは…叩きのめしてやる!!」

ラフィングと呼ばれたその男が乗る「キラーマンティス」の両腕に備え付けられた超振動ブレードが振り下ろされる!

 


 
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