No.260066

真・恋姫無双 ~新外史伝第26話~

戦いのシーンは何度書いても難しい・・

では第26話どうぞ。

2011-08-05 09:35:43 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:8931   閲覧ユーザー数:6972

~孫策軍~

 

「弓隊!三連正射!」

 

「大盾隊、敵の騎馬隊をまともに受けるな!流せ!」

 

と祭の指示で何とか霞の攻撃を受け止めている状態であった。

 

前線に雪蓮と冥琳がやって来て

 

「どう張遼は?」

 

雪蓮が祭に聞くと

 

「さすがに「神速の張遼」ですな、我らの軍も強いと思っていましたが、さすがに騎兵中心の相手で

 

はやや分が悪いわ、しかし負けるつもりもないですがな」

 

それを聞いた冥琳が

 

「雪蓮…、先に言っておくが、張遼との一騎打ちは認めんからな」

 

「何よ、それ!まだ私、何も言ってないじゃない」

 

「お前は言いかねないから、先に言っておくぞ」

 

「そうですぞ、策殿、あなたは大将で、我らの玉なのですから、今は我慢して下され」

 

「はぁ~仕方がないわね、今は我慢するわ、しかし必要な時は出るから止めないでよ」

 

「仕方ないな…」

 

冥琳はため息をつきながら呟いていた。

~劉備軍~

 

「ドガ!バギ!」

 

「ぐゎ!うゎ!」

 

「ば…化け物が来たー」

 

予想外であった呂布軍や北郷軍の参戦に動揺した劉備軍に対して、突撃した恋が早くも大暴れしてい

 

るのを見て、愛紗が

 

「鈴々!このままでは戦線が持たない!我らで呂布を止めるぞ!」

 

「分かったのだ、愛紗!」

 

2人は雛里の指示を待たずに、恋を食い止めるために前線に向かった。

 

そして凪も

 

「あの呂布の強さ…、愛紗たちでも厳しいだろ、真桜、沙和行くぞ!」

 

と言ったところ、雛里が

 

「…ちょっと待って下さい」

 

「なぜ止める、雛里!」

 

「どないしたんや」

 

「どうしてなのー」

 

3人が愚痴るも、雛里は

 

「時間がないので、手短に言います、このまま行けば愛紗さんだけではなく、3人とも、はっきり言

 

って命がありません」

 

「ですので、私の指示に従って貰えますか」

 

と3人にその指示を伝えると、3人とも複雑な顔になり

 

「…愛紗たちは文句を言うだろうな」

 

「ウチは賛成や、あんな化け物とまともに戦える自信はないわ、兵たちのことを考えたら、それが正

 

解や」

 

「沙和もあんな人と一騎打ちできないのー、だからそれが一番いいと思うのー」

 

と雛里の策を聞いて3人とも賛成したので、雛里は

 

「では向こうに道具を準備していますので、よろしくお願いします」

 

と真桜と沙和が走って行き、凪もそちらに行こうとすると

 

「すいません凪さん、一番厳しい役ですが…」

 

「いや、この場合私が適役だろう、雛里が気にすることない」

 

「決して無理だけはしないで下さい」

 

「ああ…行ってくるぞ雛里」

 

と3人も遅れて前線に向かった。

~一刀の軍~

 

「ご主人様、華雄さんにはまもなく突撃するよう伝えておきました」

 

「ありがとう、紫苑」

 

と言っている、一部の部隊から

 

「「「ウォー」」」

 

と士気を揚げていたので、一刀と紫苑と璃々が、それを見に行くと……

 

「てめえらー、今からカチコミを駆けるから、気合いを入れろよ!」

 

「敵の命(タマ)取りに、ブッ込むぞ!」

 

「「「ウォーーーー」」」

 

まるで女暴走族(レディース)の総長よろしくになっている碧がおり、それを見た3人は、普段の姿

 

から様子からあまりにも代わっている碧を見て

 

「「「………」」」

 

呆然としていた。

 

そこで後から来た翠が

 

「ご主人様、どうしたんだボーとして」

 

「翠か…、い…いや、碧さんが普段と全く違う姿を見てビックリしたんだ」

 

「あーそうか、ご主人様はお母様の戦をするところを初めて見るんだな。普段は普通だけど、戦にな

 

るとあのように口調が全く変わってしまうんだ、ああなるとお母様は強いぜ」

 

「でもあの豹変ぶりは凄いな」

 

「ああ…、私もあれをマネしたいとは思わないよ」

 

とさすがに翠も閉口していた。

 

そして皆に気付いた碧が

 

「皆、見てた?」

 

「ああ…、凄い変わりっぷりですね」

 

「何言っているんだい!お上品な言葉で戦なんてできないよ!戦では喰うか喰われるかだよ!ハハハ

 

ーー」

 

「でも礼を言うよ、一刀さん、アンタが華陀先生を連れて来てくれなかったら、またこうして戦に立

 

つことはなかったんだからよ」

 

そして翠に

 

「さあ翠、アンタもとっと準備しな!」

 

と言って碧は無理やり翠を連れて行った。

 

そして璃々が

 

「でもご主人様…いよいよ私たちも始まるね……」

 

「ああ、紫苑、璃々、無理するなよ」

 

一刀が言うも、紫苑が微笑を浮かべ

 

「フフ…ご主人様、私を誰だとお思いですか?」

 

と言われると

 

「ごめんごめん、紫苑と璃々が心配になったらからだよ」

 

と言って、一刀が

 

「なあ紫苑」

 

「何ですか、ご…」

 

紫苑が一刀の方を振り向いた瞬間、一刀の口が紫苑の口を塞いでいた。

 

そして一刀が紫苑に

 

「愛しているよ♪」

 

「……ズルいですわ、ご主人様、そんなことされたら怒るに怒れないじゃないですか」

 

「紫苑の機嫌を直すにはこれが一番だと思って」

 

「でしたら、この戦いが終わったら、この続きをお願いしたいのですが?」

 

と言うと、すると横にいた々が

 

「あ…あ、ズルいーー、何言っているのよお母さん、次は私だよーー」

 

と戦い前に痴話喧嘩する3人であった。

そんな一刀たちがやり取りしていた時に一刀の前に陣取っている華雄に一刀からの伝令が届き、そし

 

て前方を見ると、恋に押されている劉備軍と孫策軍の間が開き、そして第二陣に構えている袁術軍が

 

見えた。

 

それを見た華雄が

 

「よし!華雄隊は袁術軍に突撃するぞ!」

 

「突撃!」

 

「「「ウォーーー」」」

 

すると袁術軍は、華雄隊の突撃に対して早くも動揺して

 

「七乃、は…早く迎撃するのじゃ」

 

(「あ~動揺している美羽様って可愛いい~」)

 

と内心で変なこと考えていたが、そんな普段の緩んだ空気が袁術軍に蔓延しているため、士気は非常

 

に低かった、それに気付かない七乃は

 

「はいはい~、では兵士の皆さん、迎撃して下さい」

 

と命令を下し、一応迎撃態勢を取った。

 

しかし、士気が高い華雄隊に取っては

 

「フン!こんな動きで私たちを止められると思うなよ!いっけええーー」

 

と言って華雄が袁術軍に突撃すると早くも袁術軍は列を乱し崩れ始めた。

 

そしてしばらく袁術軍は何とか持ちこたえているもののジリジリ後退をしているため、後方にいる部

 

隊が動きが取りにくい状態になっていた。

 

その動きを見ていた紫苑が

 

「ご主人様、今が突撃の機会かと」

 

「分かった紫苑」

 

と言うと横で聞いた

 

「緊張するな~」

 

「よっしゃ、腕が鳴るぜ」

 

「久しぶりのカチコミだよ、気合い入るぜ」

 

「さあ派手にいきましょうか」

 

と璃々、翠、碧、渚がそれぞれ待ち構えていた、そして一刀が全軍に告げた

 

「今から俺たちは死地に突入する、しかしこれは死に向かうのではない、明日へ生きるために今日戦

 

うのだ、そしてこの戦いに勝って、一人でも多く帰って来て欲しい」

 

「俺は皆を信じている、そして皆、俺を信じてくれ!」

 

「「「ウォーーー」」」

 

兵士たちが気勢を上げ、一刀が

 

「全軍突撃ーー!」

 

「「「ウォーーー」」」

 

と突撃を開始した。

 

一刀が突撃すると、華雄隊がすでに袁術軍を完全に押し込み、後続の連合軍が混乱状態に陥っていた。

 

そんな中、辛うじて反撃態勢を取ろうとした公孫賛軍を発見した一刀は

 

「碧さん、碧さんの部隊は、公孫賛軍に当たって貰えますか」

 

と話を振ったところ、

 

「公孫賛か…、面白いじゃない、涼州の騎兵が上か幽州の騎兵が上か決めるにはいい機会だ、よっし

 

ゃ!私らは公孫賛にブッ込むぞ!突撃ーーー!」

 

そして馬騰隊が突撃するのを見て、白蓮が先程の碧の言葉が聞こえていたのか

 

「涼州の騎兵より、私たちの騎兵が上だと見せてやるぜ、白馬義従構え!突撃!」

 

と白蓮も碧に対して迎撃を開始、両軍激しく激突した。

 

そして一刀らは、更に次の陣へ進軍した。

その頃、態勢を建て直した曹操軍は現在は後方待機する形となっていた。

 

「桂花、今、前線はどうなっているかしら」

 

「はい華琳様、すでに孫策軍と張遼軍、劉備軍と呂布軍が激突、孫策軍は膠着状態で、劉備軍は早く

 

も呂布軍に押されています」

 

「さすが呂布ね…」

 

そんなやり取りをしていると、前線に偵察に行っていた兵が報告に来て

 

「失礼します、敵、華雄軍が第二陣の袁術軍に突撃を開始、早くも袁術軍は押されており、そのため

 

後方にいる公孫賛軍を始め、他の軍も混乱状態になっています」

 

「な…何しているのよ、袁術のバカは」

 

それを聞いた桂花がこの場にいない袁術を罵っていたが、華琳は慌てず

 

「桂花落ち着きなさい、こういう乱戦になれば、必ず私たちにもいい機会が巡ってくるわ」

 

「春蘭、秋蘭貴女たちは、いつでも部隊を動かせるよう準備しておきなさい」

 

「「御意」」

 

「さて…どうなるかしらこの戦」

 

今後の展開を楽しみにしている華琳であった。

 

そして戦いが始まって、半刻(約1時間)以上経過して、

 

痺れを切らした雪蓮が、

 

「ねえ冥琳、このままじゃ埒あかないから、前線に出ていいかしら?」

 

「ハァ、仕方がないな、護衛に明命を付けるから、それから出てくれ」

 

「さすが冥琳♪」

 

「褒めても何も出ないぞ」

 

と言って雪蓮が前線に出ると孫呉の兵の士気も上がり、徐々に反撃を開始した。

 

その動きに霞が気付き

 

「うん?こいつらの士気が上がってきょったな…、誰か出てきたか?」

 

と呟いていると、前方の兵を駆逐している敵部隊を見つけ、そちらに行くと雪蓮がいた。

 

そして霞が雪蓮に

 

「あんたが孫策か?」

 

「そうよ、その姿…あなたが張遼ね?」

 

「その通りや」

 

「ならば張遼、あなたの命、私が貰うわ」

 

「面白いこと言うやんあんた、やれるもんなら、やってみい!」

 

と言いながら、飛龍偃月刀を雪蓮に振り剥けたが、雪蓮は南海覇王で

 

「ガキン!」

 

と難なくこれを受け止めていた。

 

「へえ~あんたやるやん、これ見えたんか?」

 

「勘で、ここに来そうだったと思ったから止めたのよ」

 

「勘って…、まあええわ、アンタやったら十分楽しませて貰えそうや、行くで孫策!」

 

「そのセリフ、そのまま返すわ張遼!」

 

と言いながら一騎打ちが始まった。

そして一方、呂布隊対劉備軍は、すでに恋対愛紗・鈴々が戦っていたが、

 

「お前たち弱い…」

 

とすでに息が上がり、防戦一歩の愛紗と鈴々に対して、恋が言っていると

 

「愛紗、鈴々大丈夫か!」

 

と凪が応援に駆け付けた。

 

すると愛紗が

 

「凪、大丈夫だ、しかしこいつかなりの強敵だ、私たち2人で掛かっても全く通用しない」

 

「だろうな、2人のその様子を見たら、まともにやっても勝てそうにないな」

 

そして凪は、恋に聞こえないように小声で、愛紗と鈴々

 

(「すまぬが、今から私が気を溜めるから、しばらく呂布の相手を私から目を離すようにしてくれな

 

いか」)

 

と言われると

 

(「何か策がありそうだな、分かった」)

 

(「鈴々に任せるのだー」)

 

2人が納得し、恋は3人がこそこそ話をしていたのを気にも止めず

 

「何か話し合っても無駄……、お前たち、恋に勝てない」

 

と言うと愛紗は

 

「さあそれはどうかな、呂布、今しばらく私たちに付き合って貰おう、いくぞ鈴々!」

 

「おうなのだ!」

 

と再び2人は恋に掛かっていった。

 

愛紗と鈴々が攻撃するも、恋はこれを難なく跳ね返していたが、途中、闘気を感じ、気配がする方を

 

見ると、凪が気を溜め終わり、そして

 

「愛紗!鈴々!離れろ!」

 

「食らえ呂布!猛虎蹴撃!」

 

と気弾を放ったが、恋はこれを手にしていた方天画戟で跳ね返し

 

「お前…面白い、でももう見切った…」

 

と言うと、凪も内心

 

(「さすが呂布…、やはり無理か、雛里の策しかないな」)

 

そして今度は凪は

 

「まだまだ!食らえ」

 

を拳からの気弾を恋に向けて放ったが、この気弾が恋の体ではなく、恋の足元付近の地面に放ち、こ

 

れが大きく穴を開け、そして土埃が大きく舞い、恋の周りの視界を消してしまった。

 

そしてその瞬間を狙い凪が

 

「今だ!真桜、沙和!」

 

「よっしゃー」

 

「了解なのー」

 

と2人が言うと、まずは沙和が屈強の決死兵10名くらいを連れて、そして何重にも重ねた網を砂ぼ

 

こりで周りが見えていない恋の頭の上から被せた。

 

恋がそれに気付いたにすでに網が被せられて、網を切断しようしたが、そうすると真桜が

 

「油断大敵、足元が留守やで!」

 

と螺旋槍を恋の足元に横から左足を目がけ凪ぎ払うと恋はバランスを崩し、先程、凪が打ち込んだ気

 

弾の穴に右足が填まってしまい、転倒してしまい、そしてその瞬間に手にしていた方天画戟を離して

 

しまった。

 

そして恋が起き上がると真桜と沙和に刃が突き付けられていた…。


 
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