「もっと早く走れないのか!?」
「腰抜かしてるヤツが偉そうに言ってんじゃねえ!!」
一刀の背中で急かす愛紗とケンカしながら走る一刀。
ヒゲのハサミ男(シザーメンと命名する事にする)はシャキンシャキンとハサミを鳴らしながらこちらへ迫ってくる。
しかし、あくまでゆっくりとなので、かなり距離を稼いでいた一刀たち。
そして一刀は、西側の廊下を走り、階段を駆け下りて、角を曲がって二番目の部屋に飛び込んだ。
一刀は愛紗を下ろし、二人で息をひそめる。
・・・・・・
シャキン、シャキン
ハサミを鳴らす音が近づいてくる。
シザーメンは部屋の前を通り過ぎて、そのまま離れていった。
ハサミの音が聞こえなくなる。
「・・・・・・ふぅ」
「・・・・・・はぁ」
一息つく一刀たち。
「あんな奴までいるとは、恐るべし中国」
「そんな事を言っている場合か!」
「シーッ!・・・あの野郎に聞こえるかもしれないし、まだあの野郎以外にも化物はいるんだぞ?」
「ムグッ・・・」
愛紗は慌てて手で口を塞いだ。
「・・・しっかし、どうやって脱出するかなあ?正面玄関からは出られないみたいだし」
珍しく真剣に悩む一刀。
・・・まあ命がかかっているのだから、真剣にもなるだろう。
「どこかに隠し通路とか・・・普通の家にんなもんある訳ねえし・・・」
答えは出ない。
時間だけが過ぎていく・・・
「・・・愛紗ちゃん達、遅いな~~・・・」
外で待っていた桃香が呟く。
「確かに・・・入ってからかなり経ちますな」
星もおかしいと思っているようだ。
「もう待ちくたびれたのだ~~」
鈴々が退屈そうに伸びをする。
「何かあったのではないかしら?」
心配そうに言う紫苑。
「本当にお化けが出てたりして・・・」
蒲公英が冗談半分でそんな事を言う。
「へぅ・・・」
「ちょっと!月が怖がってるでしょ!?」
「あわわ・・・朱里ちゃん・・・」
「はわわ・・・大丈夫だよ、雛里ちゃん。お化けなんている訳・・・」
蒲公英の一言に動揺する気弱組。
結局、皆で探しにいく事になった・・・のだが、
ガチャガチャ!
「あれ~?開かないよ?」
桃香が玄関の扉を押したり引っ張ったりするが、ビクともしない。
「鈴々に任せるのだ!」
桃香に代わって次は鈴々が挑戦する。
ガタンガタン!
鈴々の馬鹿力で扉が揺れるが、やはり開く事は無かった。
「おかしいのだ、全然開かないのだ」
、
「確かに妙だな。鈴々の力なら、扉が外れていてもおかしくないのだが・・・」
怪訝な顔をする星。
そんな中、
「え~い、まだるっこしい!退け!こんな物は・・・」
焔耶が扉の前で鈍砕骨を振り上げる。
「でりゃあーー!!」
気合と共にそれを振り下ろした。
ガキン!
「うわ!?」
しかし、その一撃は弾かれ、バランスを崩した焔耶は尻餅をついた。
「な、何なんだ?一体・・・」
焔耶は訳が分からないと言った感じで言った。
その後、次から次へと武将達による扉破壊作戦が決行されたのだが、結局誰も扉を破壊する事は出来なかった。
「どうしたものか・・・」
最後に作戦を行った桔梗がため息を吐いた。
結局、扉を破壊する事は断念し、二人の救出の為の作戦会議が開かれる事となったのだった。
「愛紗ちゃんたち、大丈夫かなあ・・・?」
会議の最中、桃香はそう呟いたのだった・・・・・・
一方、一刀たちは・・・
シャキン、シャキン、
ズルズル・・・
先程いた部屋の中で、上半身のみの少年とシザーメン、更に
「ウフフフフ・・・」
体が透けた白いワンピース姿の若い女性にとり囲まれ、絶対絶命であった。
二人が部屋を出ようとした時自然に扉が開いて、そこにはシザーメンと上半身だけの少年がいた。
そして壁をすりぬけて、透けた女性まで現れたのである。
「ああ、もうダメだ。桃香様、鈴々、桃園の誓いは果たせない・・・」
恐怖のあまり愛紗はその場に座り込み、すでに諦めモードである。
「でーい、勝手に諦めてんじゃねえよ!」
一刀の叱咤が飛ぶ。
しかし、愛紗は立ち上がろうとしない。
そして、
グワッ!
シザーメンのハサミが愛紗の首に向けられ、
「避けろ!!」
ジョキン!
無情にも、ハサミは切り落としたのだった・・・
パサッ・・・
切り落とされたのは、束ねられた愛紗の美しい髪であった。
長い髪の半分近くが床に落ちる。
切られる直前、一刀が愛紗の腕を掴み引き寄せたので、首が落ちる事だけは避けられたのだった。
「大丈夫かよ!?」
一刀が膝を折り、愛紗の肩に手をやって声を掛ける。
しかし
「・・・・・・」
愛紗は、切られて落ちた髪をボーっと見ていた。
ゆっくりと手を上げて、自分の髪の断面に触れる。
愛紗のトレードマークとも言うべき長くて美しい髪は、無残に床に落ちている。
大切な髪を失ったその心境を、推し量る事は出来なかった。
愛紗の瞳が悲しみの色に染まる。
そして、
ブチブチブチッ!!
三度ほど何か切れた音がした。
「・・・この悪魔どもめ」
一刀は顔を伏せて、ゆらりと立ち上がる。
「許さねえぞ、てめえら・・・」
一刀はゆっくりと顔を上げる。
そこには
「てめえら・・・」
一人の修羅がいた
そして
「てめえらの血は・・・」
北郷一刀と言う名の修羅は
「何色だーっ!!」
怒りの叫びと共にシザーメンへと躍りかかったのであった・・・
どうも、アキナスです。
ネタが浮かばず、随分更新が遅れてしまいました。
本当にスミマセン。
・・・まあ、これだけ考えてこんな話になってしまったんですけどね(汗)
さて、本気でキレた一刀君。
彼は化け物たちを倒す事が出来るのでしょうか!?
それでは次回に・・・
「南斗究極奥義!断己相殺拳!!」
|
Tweet |
|
|
59
|
2
|
追加するフォルダを選択
打開策も無いまま追い詰められていく二人。
そして、その先に待っていたのは・・・