No.227055

真・恋姫†無双~赤龍伝~第71話「長坂の戦い」

さん

修行を終えた赤斗は、再び劉備との同盟を組むため、夏口へと向かう事に。

この作品は、基本的に呉√にそっては行きますが、他√に
脱線することもあります。また、主人公も含めてオリジナルキャラクターが出てきます。
未熟なため文章におかしな部分が多々あるとは思いますが、長~~い目で見てくださると助かります。

2011-07-09 03:16:23 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:3564   閲覧ユーザー数:3128

真・恋姫†無双~赤龍伝~第71話「長坂の戦い」

 

 

 

―――建業・火蓮の屋敷―――

 

赤斗は三ヵ月ぶりに建業に戻ってきた。

 

小蓮「おっかぁさまーーーーーーーーーーーっ!!」

 

火蓮「おお、シャオ! 会いたかったぞ♪」

 

小蓮「うん。私も♪」

 

赤斗「ただいま火蓮さん。無事修行を終えてきました」

 

火蓮「うむ。よく戻った」

 

赤斗「先生が火蓮さんによろしくと言っていました」

 

火蓮「また虎徹殿はどこかに行ったのか?」

 

赤斗「先生は天の世界に戻りました」

 

火蓮「!! 帰る手段が見つかったのか!?」

 

赤斗「さあ。ただ僕の修行を終えたら、俺の役目は終わったようだとか言って消えちゃいました」

 

火蓮「……消えた?」

 

赤斗「はい。僕たちの目の前でスゥーと消えました。あれはきっと帰っていったんだと思います」

 

火蓮「そうか……」

 

藍里「赤斗様そろそろ」

 

赤斗「あっ、そうだね。雪蓮のとこに行かないといけないんだっけ」

 

火蓮「待て赤斗! これを持っていけ!」

 

そう言うと火蓮は、赤斗に赤い布らしき物を手渡した。

 

赤斗「これ何ですか?」

 

火蓮「右目用の眼帯だ。いつまでも、そんな汚い包帯をしているわけにいかないだろ」

 

赤斗「ありがとうございます」

 

すぐに赤斗は右目に巻かれていた包帯を外し、火蓮から貰った眼帯を付けた。

 

火蓮「うんうん。よく似合っている」

 

赤斗の姿を火蓮は満足した顔で見る。

 

赤斗「じゃあ火蓮さん。僕は雪蓮のとこに行くね」

 

火蓮「ああ。…………頼んだぞ」

 

赤斗「はい」

 

小蓮、恋、嶺上、亞莎の四人は、そのまま火蓮の屋敷に残り、赤斗と藍里は雪蓮のもとへと急いだ。

 

 

―――玉座の間―――

 

赤斗「雪蓮、冥琳。ただいま!」

 

雪蓮「赤斗♪ お帰り。修行はどうだった?」

 

赤斗「まあまあかな。雪蓮をがっかりさせない程度には強くなったと思うよ」

 

雪蓮「へぇー。 それは楽しみね♪ 藍里もお疲れ様」

 

藍里「いえ。これしきの事」

 

赤斗「僕を呼び戻した訳は、帰ってくる時に藍里から聞いたよ。劉備さんのところに行けばいいんだね?」

 

冥琳「ああ。疲れているところ悪いが行って貰いたい」

 

雪蓮「残念だけど、再び劉備と同盟を組まないと曹操には勝てないの。だから、赤斗お願いね♪」

 

赤斗「了解」

 

冥琳「護衛に恋を連れていくがいい」

 

赤斗「ありがとう冥琳」

 

雪蓮「あっ、それと赤斗!」

 

赤斗「うん?」

 

雪蓮「行く前に、ちゃんと蓮華に会っていきなさいよ」

 

赤斗「わ、分かったよ」

 

そう言うと赤斗は玉座の間を出ていった。

 

 

赤斗「さて、どうするか?」

 

赤斗は蓮華の部屋へと向かっていた。

 

赤斗「うぅーん。普通にただいまって言えばいいかな?」

 

思春「どこへ行く」

 

赤斗「あっ、ただいま思春」

 

思春「ふん。戻ったのか。それで、ぶつぶつと独り言を言いながら、どこへ行くつもりだ? この先には蓮華様の私室くらいしかないが?」

 

赤斗「その蓮華に挨拶をしに行くんだよ」

 

思春「…………」

 

無言で思春が赤斗を睨む。

 

そして、赤斗に向かって覇気をぶつけた。

 

赤斗「……どうしたの?」

 

しかし、赤斗は思春の覇気にぶつけられても、何事もなかったかのような顔で思春に話しかける。

 

思春「……いや、何でもない」

 

蓮華「思春? そんなところでどうしたの?」

 

思春「蓮華様!」

 

赤斗「れ、蓮華!」

 

蓮華「あっ! 赤…斗…………い、いつ戻ったんだ?」

 

驚きで蓮華は少し混乱した様子だった。

 

赤斗「ついさっきね♪ 今から蓮華のとこに行こうと思ってたんだ」

 

蓮華「そ、そうなの?」

 

思春「では、私は失礼致します」

 

思春は踵を揃えてびしっと一礼すると、その背中は滑るように彼方へきえた。

 

赤斗「思春?」

 

蓮華「怒らせるような事をしたの?」

 

赤斗「……怒ってるの?」

 

蓮華「えぇ、背中が怒っているわ」

 

赤斗「そうなの? でも、身に覚えがないんだけど……」

 

蓮華「あなたも思春も替えのきかない大切な存在だわ、仲違いだけはよしてね」

 

赤斗「うん。わかった」

 

蓮華「ねえ赤斗。少しはゆっくりできるのでしょう」

 

赤斗「ごめん。これから準備が出来次第、劉備さんのもとに行かなくちゃいけないんだ」

 

蓮華「劉備のところに?」

 

赤斗「雪蓮のお使いさ」

 

蓮華「……また淋しくなるわね」

 

赤斗「すぐに戻るよ。だから、また少し待っていてくれる?」

 

蓮華「うん。待っているわ」

 

二時間後、赤斗は恋と一緒に劉備のもとへと向かった。

 

 

―――長江・船上―――

 

赤斗「うぅぅぅ……」

 

劉備のもとへと向かった赤斗だったが、泳ぐ事と同様に苦手な船の上ですっかりグロッキー状態になっていた。

 

赤斗にとって船に乗る方が、修行よりきつかった。

 

恋「……赤斗、大丈夫?」

 

心配そうに恋が赤斗に話しかける。

 

赤斗「あ、あまり、大丈夫じゃないかも……」

 

真っ青な顔で赤斗は答える。

 

赤斗「それにしても、長江って海じゃないよね。何でこんなに広いんだ」

 

怨めしそうに赤斗は、目の前に広がる長江を眺めた。

 

赤斗「うぅ、恋……、まだ、着かないの?」

 

恋「……あと、数日かかると思う」

 

赤斗「す、数…日! ううぅぅ……」

 

がくっ!

 

絶望的な気持ちになった赤斗は、そのまま気を失った。

 

 

―――夏口―――

 

数日後、赤斗たちは夏口に無事到着した。

 

赤斗「や、やっと…着いた……」

 

疲労困憊でよろよろになっている赤斗は、恋の肩を借りて何とか船から降りた。

 

赤斗「ありがとう恋。うーーーん! やっぱり地面はいいなぁ!」

 

足が地面について、ようやく赤斗は元気を取り戻した。

 

恋「……これから、どうするの?」

 

赤斗「劉備さんの陣営に行くよ」

 

恋「……劉備?」

 

赤斗「そうだよ。きっと長坂の戦いが終わっているはずだから、劉備さんも新野からこちらに向かっているはず。さあ、行こうか!」

 

恋「うん」

 

船に同行してきた兵たちを残し、赤斗と恋の二人は馬に乗り、劉備の本拠地である新野へと急いだ。

 

 

その頃、曹操に攻められた劉備は、彼女を慕う民たちと一緒に新野から撤退して、山を越えようとしていた。

 

劉備「はぁはぁ、みんな頑張って! もう少しで山を越えられるから、頑張って!」

 

劉備の民たちを励ます声が響く。

 

諸葛亮「桃香様!」

 

諸葛亮と鳳統が劉備のもとに駆けよる。

 

劉備「どうしたの朱里ちゃん?」

 

諸葛亮「民の皆さんの大半が無事山を越える事ができました。これなら無事に脱出できるかと思います」

 

劉備「本当? よかったぁ」

 

諸葛亮「はい。これも鈴々ちゃんが殿として、曹操さんたちをひき止めてくれているお蔭です」

 

兵士「も、申し上げます!」

 

報告を聞いて、少し安堵した劉備のもとに、一人の兵士がやってきた。

 

劉備「いったい、どうしたんですか?」

 

兵士「前方より身元不明の馬が二騎! こちらに迫ってきます!」

 

劉備「ええ!」

 

諸葛亮「はわわ! 至急、馬超さんと趙雲さんに行って貰って下さい」

 

兵士「はっ!」

 

 

赤斗「まだ、こんな所に民がいる。思っていた以上に遅いな」

 

新野を脱出して夏口へと向かう民を見て、赤斗は自分が思っていた以上に事態の経過が遅い事を知る。

 

恋「……赤斗、あそこ」

 

赤斗「あれは牙門旗! あそこか!」

 

前方に劉備の牙門旗を見つけた。

 

赤斗「恋、急ごう。ん?」

 

そう言うと赤斗は、前方から見覚えのある武将二人が馬に乗ってこちらに駆けてくる事に気がついた。

 

馬超「ちょっと待ちやがれぇー! お前たちどこに行くつもりだぁ!」

 

馬を止めた赤斗たちの前に、馬超が目の前に姿を現した。

 

赤斗「たしか君は……馬超」

 

馬超「ん? 私の事知っているのか?」

 

赤斗(錦馬超が仲間になるの早すぎだろ!)

 

趙雲「翠っ!」

 

遅れて趙雲が赤斗たちの前に姿を現した。

 

赤斗「趙雲さんっ!」

 

趙雲「……風見殿!」

 

赤斗「おひさしぶりです。お元気そうで何よりです」

 

馬超「なんだ星の知り合いか?」

 

赤斗「一応……反董卓連合の軍議の時に、君にも会っているんだけどな」

 

馬超「うん? そうだったか?」

 

趙雲「ん、そっちの御仁は……呂布か!」

 

趙雲が赤斗の後ろにいる恋に気がついた。

 

馬超「なにぃーーっ! 呂布だって! 呂布って、あの飛将軍呂布か!」

 

馬超も驚きを隠せない。

 

赤斗「えっと大丈夫ですよ! 彼女は僕の仲間ですから!」

 

無用な誤解が起きないように赤斗はすぐにフォローに入った。

 

趙雲「いつも風見殿には驚かされる。して此度は何故このような所に?」

 

赤斗「はい。孫策の使者として来ました。劉備さんにお取り次ぎをお願いします」

 

 

趙雲「桃香様。ただいま戻りました」

 

劉備「星さん! お帰りなさい。早かったですね」

 

趙雲「はい。御客人をお連れしました」

 

劉備「お客さん?」

 

赤斗「劉備さん。おひさしぶりです」

 

劉備「か、風見さん!?」

 

赤斗「お元気そうですね」

 

劉備「風見さん…右目が……あっ! す、すみません!」

 

赤斗「いえ、気にしていないので大丈夫ですよ」

 

劉備「でも、風見さんは何でこんな所に?」

 

赤斗「実は…」

 

鳳統「あわわ、桃香様!」

 

鳳統が血相を変えてやってきた。

 

劉備「雛里ちゃん! どうしたの?」

 

鳳統「それが月さんと詠さんが、まだ着いていないんです」

 

赤斗「!!」

 

劉備「えぇ! 月ちゃんたちが! ど、どうしよう!?」

 

赤斗「二人は今どこに?」

 

鳳統「あわわっ! きっと、まだ村にいるんだと思います。でも、あそこは今は戦場に……」

 

赤斗「…………」

 

赤斗は無言で歩きだす。

 

劉備「風見さん、どこに?」

 

赤斗「二人を助けにいきます」

 

劉備「えぇ!」

 

趙雲「ならば私も行きましょうぞ」

 

恋「恋も行く」

 

赤斗「話は二人を連れてきてからという事で」

 

そう言って赤斗たちは、月と詠を助ける為に戦場へと向かっていった。

 

 

 

つづく

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
27
2

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択