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真・恋姫†無双~赤龍伝~第55話「華雄、再び……(後篇)」

さん

華雄再登場の後編です。
華雄との勝負に勝った赤斗は、華雄を火蓮の屋敷につれていきます。

この作品は、基本的に呉√にそっては行きますが、他√に
脱線することもあります。また、主人公も含めてオリジナルキャラクターが出てきます。

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2011-04-29 01:55:21 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:3776   閲覧ユーザー数:3278

真・恋姫†無双~赤龍伝~第55話「華雄、再び……(後篇)」

 

 

 

―――火蓮の屋敷―――

 

赤斗「こんにちはーーー」

 

恋「あっ、赤斗」

 

赤斗「恋。火蓮さんは居る?」

 

恋「(コクン) 火蓮なら、祭とお酒飲んでる」

 

赤斗「そう、ありがとう」

 

恋「……赤斗。それ……なに?」

 

赤斗の肩に担がれている華雄を見て、恋が不思議そうに尋ねる。

 

赤斗「あ、これは華雄だ」

 

恋「……華雄」

 

赤斗「そうだよ。恋は董卓軍で一緒だっただろ?」

 

恋「うん」

 

赤斗「街で会ったから連れてきた」

 

恋「……?」

 

 

赤斗は華雄を肩に担いだまま、恋と一緒に火蓮のもとにきた。

 

客間では、すでに出来あがっている火蓮と祭。そして、その二人に絡まれている美羽がいた。

 

美羽「おお、赤斗。助けてたもーー!」

 

客間に入ってきた赤斗を見つけた美羽は、赤斗に助けを求めてきた。

 

赤斗「美羽も大変だね」

 

美羽と七乃の二人が、火蓮の屋敷で働くようになってから、赤斗は二人から真名で呼ぶ事を許されていた。

 

火蓮「ん? おおーー、赤斗! 来てたのか」

 

赤斗「けっこう飲んでますね」

 

祭「何じゃ、肩に担いでおるのは?」

 

赤斗「ああ、これですか。ちょっと街で会ったので、連れてきました」

 

そう言うと赤斗は、華雄を降ろした。

 

火蓮「こいつは、……華雄か!」

 

祭「なんじゃと!」

 

赤斗「はい」

 

 

火蓮「生きておったのか……」

 

赤斗「どうやら、孫家や僕に復讐する為に、建業までやってきたみたいです。警備の兵を相手に暴れて、それから色々あって、僕と戦って気を失っています」

 

火蓮「そうか。……はは、……はっははははは…………」

 

美羽「なんじゃ!?」

 

急に笑い出した火蓮を見て美羽が驚いている。

 

赤斗「嬉しそうですね。火蓮さん」

 

火蓮「まあな♪」

 

赤斗(そういえば、華雄が討ち取られたって聞いた時の火蓮さん、なんだか寂しそうだったもんな)

 

祭「して、堅殿。こ奴をどうするつもりじゃ?」

 

火蓮「ふふ……どうするか」

 

美羽「ひいぃーー!」

 

火蓮は捕まえた獲物を甚振ろうとしている獣の目になった。それを見た美羽は心底怯えている。

 

 

華雄「うう……ここは……」

 

何だかんだしているうちに、華雄は目を覚ました。

 

火蓮「お、起きたか。華雄」

 

華雄「なっ!」

 

起きてすぐに、いきなり火蓮が現れたので、華雄は驚愕する。

 

華雄「孫堅っ!」

 

華雄は飛び起きて身構える。

 

火蓮「元気そうで何よりだ」

 

華雄「孫堅っ! 貴様ーーっ!」

 

華雄は今にも掴みかかりそうだ。

 

赤斗「華雄! 約束を忘れたのか!」

 

華雄「うっ。……ううぅぅぅぅ」

 

火蓮「約束だと?」

 

赤斗「僕と華雄が戦って僕が勝ったなら、孫堅や孫家の人間に手を出さないって、約束したんですよ」

 

華雄「たしかに約束はしたが……」

 

赤斗「華雄。自分の武に誓って約束を守ると言ったのは、嘘だったのか?」

 

華雄「我が武に誓ったのだ。そのような事はあるものか!」

 

赤斗「ならば、そんな風に身構える必要はないよ」

 

華雄「うぅぅ……」

 

しぶしぶ華雄は構えをとく。そして―――

 

華雄「ええい! もう、焼くなり煮るなり焼くなり好きにしろ!」

 

華雄はその場に座り込んで叫んだ。

 

火蓮「どうしたのだ、華雄?」

 

華雄「私は武人だ。同じ相手に二回も敗れて、生き長らえようとは思わん! ましてや、孫家への復讐も出来ないのであれば、これ以上の生恥をさらせるか!」

 

赤斗「……華雄」

 

 

火蓮「よし、分かった」

 

赤斗「火蓮さん、どうするんですか?」

 

火蓮「華雄よ。お前も私の屋敷で働け」

 

華雄「なんだと、私を愚弄する気か!」

 

火蓮「何をそんなに怒っている? 煮るなり焼くなり好きにしろ……と言ったのはお前だぞ。だから、お前の事は私が好きにさせて貰う」

 

華雄「なっ……!」

 

火蓮「それとも、先ほどの言葉は偽りだったのか?」

 

華雄「……そ、それは」

 

赤斗「火蓮さん、良いんですか?」

 

火蓮「ああ、かまわないさ」

 

祭「かまうじゃろが!」

 

火蓮「何がだ?」

 

祭「堅殿の命を狙っていた者を、屋敷で働かせるなどと儂は賛成できん」

 

火蓮「何を今更、この屋敷には恋も、美羽も、七乃もいるんだぞ。華雄が一人増えたって変わらんさ」

 

祭「ぐっ、そうかもしれんが……」

 

赤斗「祭さん。火蓮さんがこう言ったら、もうムリだよ」

 

祭「……仕方がないのう」

 

結局、祭が折れる事になった。

 

火蓮「と、言うわけで……華雄よ。今日からよろしくな♪」

 

華雄「うぅ、…………分かった」

 

聞こえないぐらいの小さな声で華雄は言った。

 

火蓮「たまには剣の相手をしてやる。だから、そんなに拗ねるな」

 

華雄「本当か!?」

 

火蓮「ああ、本当さ。その時には、お前の武を私に見せてくれ」

 

華雄「ふふ、その言葉、忘れるなよ」

 

 

赤斗「なんだか、あっさりと決まってしまいましたけど、本当に良いんですか?」

 

火蓮「長い時間考えたり悩んだりしても、結局はこうなったさ。だったら、早く決めてしまった方が、時間を無駄にしなくて済むだろ?」

 

赤斗「それはそうですけど……」

 

火蓮「それに、華雄をここに連れてきたという事は、あいつの事を助けたかったのだろ?」

 

赤斗「え?」

 

火蓮「あいつは、王たちの命を狙いにきた賊だ。本来なら命などはない」

 

赤斗「まあ、普通はそうでしょうね」

 

火蓮「雪蓮や蓮華なら、華雄を絶対に見逃さないだろうし。華雄も引かなかっただろう。だから、雪蓮たちの所ではなく、私の所に連れてきた。違うか?」

 

赤斗「さあ、どうでしょう。……正直言って、汜水関で出会った頃の華雄の事、僕は好きじゃなかった。けど、街で久々に出会った華雄は、何だか憎めなかった。……だから、ここに連れてきたのかもしれませんね」

 

火蓮「そうか。……やっぱり、最初に華雄を見つけたのが、お前で良かったよ」

 

赤斗「……以前から気になっていたんですけど」

 

火蓮「なんだ?」

 

赤斗「火蓮さんって、華雄の事が好きでしょう?」

 

火蓮「そうだな。あんな風に、自分の武に対して、誇りや自信を持っている奴は嫌いじゃないさ。……むしろ好きだ」

 

赤斗「やっぱり……」

 

こうして、華雄が新たな屋敷の一員になった。

 

呂布、袁術、張勲、華雄。かつては戦った敵同士が、同じ屋敷に住むという、不思議な事になったのである。

 

 

 

つづく

 

 

~あとがき~

 

呂です。読んでくださって、ありがとうございます。

 

 

真・恋姫†無双~赤龍伝~に出てくるオリジナルキャラクターの紹介

 

オリジナルキャラクター①『風見赤斗』

 

姓 :風見(かざみ)

名 :赤斗(せきと)

字 :なし

真名:なし

武器:花天と月影……二振りの日本刀(小太刀)。赤色の柄で赤銅の鞘に納まっているのが“花天”で、黒色の柄で黒塗りの鞘に納まっているのが“月影”。

 

本編主人公の少年。

身長168㌢。体重58㌔。年齢17歳。黒髪黒眼。

放課後に道場で古武術の達人である先生に稽古をつけてもらうのが日課だったが、ある日道場で黒尽くめの男に襲撃される。

その際、赤い光に包まれて恋姫の世界に飛ばされる。

死にかけていた所を、火蓮によって保護され“江東の赤龍”という異名を付けられる。

古武術 無双無限流を学んでおり、その奥義を使えば恋姫の世界の武将とも闘えることができる。

無双無限流には、『全ての奥義を極めしとき、その身に龍の力が宿る。』という伝承がある。

奥義には“疾風”“浮葉”“流水”“月空”“烈火”“絶影”“龍鱗”“狂神”などがある。

奥義の同時発動は可能だが、奥義単体の発動以上に身体に負担がかかる。

 

好きなもの:肉まん

苦手なもの:海(泳げないから)

 

能力値:統率3・武力4・知力4・政治2・魅力4

 

 

 

オリジナルキャラクター②『孫堅』

 

姓 :孫

名 :堅

字 :文台

真名:火蓮(かれん)

武器:南海覇王……やや長めの刀身を持つ、両刃の直刀。派手な装飾はないものの、孫家伝統の宝刀。

 

孫策(雪蓮)たちの母親。

身長173㌢。腰まで伸びる燃えるような赤い髪の持ち主。

血を見ると雪蓮以上に興奮してしまう。

孫尚香(小蓮)には非常に甘い。周りの人間が呆れるほどに甘い。

この外史“赤龍伝”では孫堅は死んでいない。

 

好きなもの:娘たち(特に小蓮♪)と酒

 

能力値:統率5・武力5・知力3・政治4・魅力5

 

 

 

オリジナルキャラクター③『諸葛瑾』

 

姓 :諸葛

名 :瑾

字 :子瑜

真名:藍里(あいり)

武器:風切羽(かざきりばね)……火蓮から受け取った護身用の短刀。諸葛瑾(藍里)の実力が低いので、あまり役に立っていない。

 

諸葛亮(朱里)の姉。

諸葛亮(朱里)とは違い、長身で胸も大きい女性。髪は金髪でポニーテール。

温厚で気配りのできる性格で、面倒見も良い。赤斗の世話役として補佐につく。

一時は、自分たちとは違う考え方や知識を持つ赤斗に恐怖心を持っていた。

政治、軍事、外交と様々な仕事をこなすが、諸葛亮(朱里)には僅かに及ばない。

 

苦手なもの:酒(飲めるが、酔うと周りの人間にからむようになる)

 

能力値:統率3・武力1・知力4・政治4・魅力4

 

 

 

オリジナルキャラクター④『太史慈』

 

姓 :太史

名 :慈

字 :子義

真名:嶺上(りんしゃん)

武器:雷電(らいでん)……二本の小型の戟。

 

非常に勇猛かつ、約束に律儀な武将。銀髪レゲエの女性。

孫策(雪蓮)と一騎打ちして引き分けたことがある。

それ以来、孫策の喧嘩友達になっており、よく喧嘩をしている。

孫尚香(小蓮)や諸葛瑾(藍里)と仲が良く、孫尚香(小蓮)の護衛役をしている事が多い。

子供好きで、よく街の子供たちと遊んでいる。

弓の名手でもあり、その腕は百発百中。

 

好きなもの:子供

 

能力値:統率4・武力4・知力3・政治2・魅力3

 

 

 

オリジナルキャラクター⑤『司馬懿』

 

姓 :司馬

名 :懿

字 :仲達

真名:不明

武器:不明

 

黒尽くめの衣装を身に纏った、曹操軍の軍師。

曹操軍に属しているが、曹操からの信頼はないといっても良い。

色々と裏で暗躍しており、虎牢関では張遼を捕え、術により自分の傀儡にしている。

今は、魏から姿を消している。

 

能力値:統率5・武力?・知力5・政治5・魅力?

 

 

 

オリジナルキャラクター⑥『玄武(げんぶ)』

 

姓 :不明

名 :不明

字 :不明

真名:不明

武器:魏軍正式採用剣……魏軍に配備されている剣。

 

司馬懿の部下。

普段は何の変哲もない魏軍の鎧を身に纏い、普通の兵士にしか見えない。

しかし、眼の奥からは異質な気を醸し出している。

鎧の下には黒の衣を纏っており、素顔は司馬懿に似ている。

虎牢関では、鴉と一緒に張遼を捕えた。

 

能力値:統率2・武力4・知力3・政治1・魅力2

 

 

 

オリジナルキャラクター⑦『鴉(からす)』

 

姓 :不明

名 :不明

字 :不明

真名:不明

武器:爆閃(ばくせん)……司馬懿から受け取った回転式拳銃。

 

司馬懿の部下。

性格は軽く、いつも人を馬鹿にしているような態度をとる。

司馬懿と同じ黒い衣装だが、こちらの方がもっと動きやすい軽装な格好をしている。

寿春城では、孫堅(火蓮)を暗殺しようとした。

 

能力値:統率2・武力4・知力2・政治1・魅力3

 

 

 

オリジナルキャラクター⑧『氷雨(ひさめ)』

 

姓 :不明

名 :不明

字 :不明

真名:不明

武器:氷影(ひえい)……氷のように透き通った刃を持つ槍。

 

司馬懿の部下。

青い忍者服を着た長い白髪の女。

背中には“氷影”を携えている。戦闘時には全身からは氷のように冷たい殺気が滲み出す。

洛陽で董卓(月)と賈駆(詠)を暗殺しようとした所を、赤斗と甘寧(思春)に妨害される。

官渡の戦いでは、呂布の部下を連れ去り、それを止めようとした陳宮を殺害する。

 

能力値:統率2・武力4・知力3・政治1・魅力3

 

 

 

オリジナルキャラクター⑨『宮本虎徹』

 

姓 :宮本(みやもと)

名 :虎徹(こてつ)

字 :なし

真名:なし

武器:虎徹……江戸時代の刀工が作った刀。

 

赤斗の古武術の師匠。

年齢は50歳。実年齢よりも、肉体年齢は若い。

赤斗と一緒に、恋姫の世界に飛ばされたと思われる。

最初は河北に居て、それからは用心棒をしながら、色々と辺りを転々としている。

赤斗曰く、『無双無限流の妙技を見せてやるっ!』が口癖で、その実力は呂布(恋)以上。

 

能力値:統率?・武力6・知力5・政治?・魅力?

 

 

 

※能力値は「5」が最高だが、呂布の武力と劉備の魅力は「6」で規格外。

 


 
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