真・恋姫無双 ifストーリー
蜀√ 桜咲く時季に 第03話 拠点
【桃香の初恋】
「劉備さま!おはようございます」
「うん。おはよ~」
木材を切っていた男の人が挨拶をしてくる。
「劉備さま~。遊んで~」
「ごめんね。後で遊んであげるね~」
数人の女の子達が私を取り囲んで遊んでと話しかけてくる。
「約束だよ~」
「うん。約束」
邑を歩いているとあちらこちから声を掛けられる。みんな、盗賊に襲われた後なのに凄く生き生きしてるな。
「へへっ!え~いっ!」
「え?……っ!きゃぁああっ!」
一瞬、何が起こったのかわからず呆然としていけど、邑の子供に悪戯をされ下着が丸見えになっている事が判り思わず悲鳴を上げてしまいました。
「やった~!逃げろ!」
「あ、こら~!まちなさ~い!」
子供達は悪戯が成功した事が嬉しかったのか喜びながら私から逃げて行っちゃいました。
「うぅ~。だ、誰にも見られてないよね?」
あたりをキョロキョロと見回し誰も居ないことを確認する。
「よかった。誰もみてな、い……」
「……」
目と目が合った瞬間、時間が止まったように感じた。
そこには呆然と立ち尽くすご主人様が固まった状態で立っていました。
「……見ましたか?」
「え、えっと……」
「……うっ」
「わ~~っ!お、落ち着け桃香!見てない!見てないから!」
「ぐす……本当ですか?」
「ホント、ホント!桃香の可愛らしい下着なんて見てな……あっ」
「ふえ~~~んっ!ご主人様に見られちゃったよ~~~っ!」
私はその場にへたり込んで恥ずかしさの余り大声で泣き出してしまいました。
「ふえ~~ん。もう、お嫁にいけないよぉ~~~~っ!」
「そ、そんな事ないぞ!桃香は可愛いんだから絶対貰い手が居るって!」
「そんな慰めはいらないです~~~っ!!」
「本当だって!俺だったらほっとかないよ!」
(ぴくっ!)
え?今、ご主人様なんて言ったの?
「あ、あのご主人様?今なんて……」
「え?桃香は可愛いんだから……」
「も、もっと後ろです!」
「俺だったらほっとかないぃっ!?と、桃香!?」
ご主人様の言葉に嬉しくなってご主人様に飛びついちゃいました。
「うれしいですご主人様っ!絶対に貰って下さいね!」
「え、ええええっ!?い、いや、あれは言葉のあやで!」
「それじゃ、やっぱり嘘なんですね……」
「う、嘘じゃないよ!だ、だから、えっとな?つまり、俺なんかよりずっといい人が現れると思うんだよ」
「そんなことありません!ご主人様以上に優しくて良い人なんて現れません!それにあの時……」
「あ、あの時?」
「わ、私にく、くく口付けしたじゃありませんか!」
「え……あ……っ!あああっ!」
「お、思い出しましたか!」
「い、いやあれはそ、その咄嗟の事で……桃香を落ち着かせようと」
「落ち着かせてもらうだけなら口付けじゃなくてもいいと思います!」
ご主人様の言葉に全力で否定する。だって、初めてだったんだもん。
今まで、色んな男の人を見てきたけど一度もドキドキしたことはなかった。でも、ご主人様の顔を見た時、心臓が飛び出るくらいドキドキが止まらなかった。
始めは、天の御遣い様が見つかって嬉しさの余りドキドキしてるだけだと思ってた。だから、そのうちこのドキドキも直に収まるんだと思ってた。でも、そんな事はなかった。ご主人様の笑顔や頭を撫でられる度に私の心臓は鼓動を早くしていった。
これが、好きって事なんだって気が付いたのはご主人様が私を庇い一人で盗賊を相手にしていたときだった。
あの時、もうご主人様に会えないかも知れないと思った時、物凄く胸が切なくなった。そう思うだけで涙が出てきそうになった。
でも、無事にご主人様がの姿が見えた時、安堵の他に『もうご主人様ともう離れたくない』とも思った。
きっとこれは私の初恋なんだと思う。だからご主人様のお嫁さんになれると思った時とても嬉しかった。
「い、いや。人生はまだ長いんだし……」
「やっぱりご主人様は私みたいなおっちょこちょいな女の子よりも、愛紗ちゃんみたいにしっかりしてる女の子の方がいいんですか?」
上目使いでご主人様を見詰めると、ご主人様は顔を赤くして困った顔をしていた。
「そんな事ないぞ。桃香には桃香の。愛紗には愛紗のいいところがあるんだから」
「それじゃ、私の事、嫌いじゃないですか?」
「当たり前だろ?」
「えへへ♪嬉しいな」
笑顔で答えてくれるご主人様に私は嬉しくなり、また体に抱きついた。
「ちょ!と、桃香!誰かに見られる!」
「えへへ♪別に見られても問題ないよ!」
「い、いや。そういうわけには!」
慌てるように辺りを見回すご主人様に私はおかしくなって笑い出した。
「な、なんで笑うんだ?」
「だって、なんだか子供みたいでおかしかったんです」
「と、とにかく離れてくれないかな?まだ、邑の見回りをしないといけないんだ」
「あ、ごめんなさい」
ちょっと残念だけど。お仕事があるなら仕方ないよね……
「一緒に見回りするか?」
「え?いいんですか?お邪魔なんじゃ……」
「そんな事ないよ。それに女の子の視点からじゃないと判らない事もあるかもしれないからさ。いいかな?」
「はい!えへへ♪」
私はご主人様の腕に抱きついて微笑みながらご主人様の顔を見上げた。
「うっ……」
「ご主人様?」
ご主人様は頬を赤くして顔を背けてしまった。
「な、なんでもないよ。それじゃ行こうか」
「はい!」
私とご主人様は復興し始めた邑を二人で見て周った。
「あっ!御遣い様と劉備さまが腕組んでる~っ!」
「本当だ!夫婦だ!夫婦だ!」
暫く歩いていると、さっき私に悪戯をしてきた子供達が大声でとんでもない事を言い出してきた。
「なっ!」
「あぅ~~~っ」
恥ずかしさの余り私は俯いてしまった。
さっきは平気だって言ったけど……うぅ~、やっぱり恥ずかしいよぉ。きっと私の顔真っ赤だよ~。
「なんだなんだ?御遣い様と劉備さまがどうしたって?」
「なんでも腕を組んでるとか何とか言ってたわよ?」
「そいつは本当か!こりゃ見ないといけねえな!」
あわわ、ど、どうしよう!どんどんと人が集まってきそうだよ。
「桃香、こっちだ!」
「えっ、ご主人様!?」
ご主人様は慌てて私の手を取り走り出した。
「はぁ、はぁ。ここまで来ればもう大丈夫かな」
「……」
さっきまでご主人様の腕に抱きついていた私の手は、今はご主人様の手にしっかりと握られていました。
「桃香?」
「へ!な、何かなご主人様?」
じっと握られた手を見ていた私にご主人様は話しかけてきた。
「大丈夫か?」
「う、うん。大丈夫だよ」
「でも、顔が赤いけど……」
「ほ、ホント。大丈夫だから気にしないでご主人様!」
「そうか?ならいいけど」
私の胸はドキドキしていた。それは走ったからじゃなくて、ご主人様の握られた手から伝わってくる温もりに嬉しさと恥ずかしさからくるものだった。
「あ、あのご主人様、手……」
「え?……っ!ご、ごめん、嫌だったよね!咄嗟に手なんか繋いじゃって!」
ご主人様は慌てて手を離して謝ってきた。
「ううん!そんな事ないよ!そ、その……ちょっとビックリしたけど、嬉しかったし……」
「そ、そっか……」
「うん……」
「えっと……もう少し見回りする?」
「はい……」
「それじゃ行こうか」
「あ、あの!」
歩き出すご主人様を私は呼び止めた。
「なに?」
「あ、あの、その……嫌じゃなかったら手を繋いでも良いですか?」
もう恥ずかしくてご主人様の顔が見れないよぉ。
「……いいよ。はい」
ご主人様は笑顔で承諾して手を差し伸べてくれた。
私はその手を握る。そしてご主人様の手から伝わる温もりを感じた。
「ご主人様」
「ん?どうかした?」
「ううん。なんでもない呼んでみただけ」
「なんだよそれ」
呆れたように笑うご主人様。そんなご主人様を見て私は思った。
『この人がご主人様で良かった』っと
《END...》
【武人愛紗】
「ん~。ここはなんて読むんだ?」
俺は部屋で一人、竹簡と睨みあっていた。
「くっそ~。こんな事ならもっと漢文勉強しておけばよかったな」
俺は竹簡をベットに投げ出して俺も寝転んだ。
「はぁ、言葉は通じてるのにまさか、読み書きが出来ないとは思わなかったよ」
そうこの時代にはひらがなが存在しない。そもそもひらがなは日本独特の文字だ。三国時代にあるはずがない。
「困ったぞ。今日中にこの報告書を見て指示を出さないといけないのに……」
今俺が眺めていたのはこの邑の復興状況と足りないものをリスト化したものだ。
と言っても読んで判ったわけではなく。俺がそう指示したからだ。
「タダ食いしちゃった時は桃香や愛紗に任せちゃってたからな、採譜なんて見てなかったし」
「う~ん……」
悩むこと数分。
「そうだ。愛紗に聞いてみよう」
桃香は邑に出かけてるし、鈴々は……めんどくさがりそうだしな。そうなると愛紗しか居ない。愛紗ならまだ部屋に居たはずだ。
「よし!善は急げって言うしな。さっそく愛紗に聞いてみよう」
ベットから起き上がり竹簡を握り締めて愛紗の居る部屋へと向った。
……
…………
………………
(コンコン)
「愛紗?俺だけどいるかな?」
ノックをして声を掛けるすると中から声が聞こえてきた。
「ご主人様?どうぞお入りください」
「それじゃ、お邪魔するよ」
(ガチャッ)
俺は部屋の扉を開けて中に入った。
「実は、愛紗にお願い、が……」
部屋を開けて愛紗を探しながら喋りだし、そこで俺はとんでもないものを見てしまった。それは……
愛紗の着替えだった。
あの艶やかな黒髪にも見惚れたが、それに引けを取らない引き締まった腰に零れ落ちんばかりの胸。そして戦っているにも関わらず、傷の無い綺麗な肌。その全てに俺は見惚れてしまった。
「如何いたしましたかご主人様?」
「……はっ!ご、ごめん!」
(バタンッ!)
『ご、ご主人様?』
扉の向こうからは愛紗の途惑った声が話しかけてきた。
「ごめん愛紗!まさか、着替えてるなんて思わなかったから!」
『これは失礼しました。私のような無骨者の体を見てはさぞがっかりされた事でしょう』
な、何言ってるんだ?あんなに綺麗な体をしてるのにそんなわけ無いじゃないか。
「そんなことないよ。愛紗の体は綺麗だよ。だからそんなこと言わないでくれないかな」
『勿体無いお言葉。ですが、世辞は結構です。私は武人、そのようなお言葉は桃香さまに仰ってください……入ってきて構いませんよ』
(ガチャッ)
扉を開けてそろ~っと中を覗くといつもの愛紗がそこに居た。
「して、私に何の御用でしょうかご主人様」
「あ、ああ。実はさ、村の人に復興状況とか足りない材料とかをリストにしてもらったんだけど」
「”りすと”?とはなんですか?」
「え?ああ、一覧ってこと」
「なるほど。失礼、話をおってしまいましたね。して、その一覧が如何いたしましたか?」
「それがさ、書いてもらったのはいいんだけど読めなくて」
「……は?」
「だから、字が読めないんだよ」
「……」
「……」
「えええっ!?じ、字が読めないのですか!?」
「そ、そんなに驚かなくてもいいじゃないか」
「し、失礼しました。まさか、字が読めないとは思っても居なかったもので」
「ある程度は読めるんだけどさ」
「そうですか。では、それをお借りしてもよろしいでしょうか?」
「ああ。かまわないよ」
俺は愛紗に竹簡を渡し書いてある内容を読み上げてもらった。
「なるほど、やっぱり木材が足りてないみたいだな」
「はい。邑の復興状況は八割ほどと順調なようですが木材が無くなればそれも滞ってしまうでしょう」
「それでは――」
暫く、愛紗と今後について話し合った。
「うん、こんなところかな。助かったよ愛紗」
「家臣として当たり前の事をしたまでです」
「……あのさ愛紗。その家臣とかって言うのやめないか?」
「なぜですか?私はご主人様に忠誠をし付いていくと誓ったのですぞ?」
「そうなんだけどさ。その堅苦しいのって苦手なんだよね。だから家臣とかじゃなくて仲間として接してくれないかな?」
「し、しかしですね……」
「それに、愛紗みたいな可愛い女の子にご主人様って言われてるだけでも気が引けるのに話し方まで堅苦しいとさ」
「か、可愛らしいなどと!前にも言いましたが私は武人です。そのようなちゃら付いた言葉はお止めください」
「武人の前に愛紗は女の子じゃないか。だから俺は可愛ければ可愛いって言うよ?」
「~~~っ!ま、またそのような事を!」
愛紗は顔を赤くして怒り出してしまった。そんなに怒らせるようなことは言ったつもり無いんだけどな?
「とにかく、用は済みましたね。さあ、お早く部屋から出てください!私はまだやらなければならないことがあるのです!」
「あ、ちょ!愛紗!」
(バタンッ!)
「……追い出されちゃったよ。やっぱり何か怒る様な事言ったのかな?」
俺は取りあえず愛紗の部屋から離れ、村の人たちに指示を出しに宿を出た。
<愛紗視点>
「はぁ、はぁ……何を言い出すのだご主人様は……」
私はご主人様の背中を押して部屋から追い出した。
別にやる事なんてまったく無かったのだがご主人様の微笑みに体中が熱くなるのを感じそれを隠す為に取った行動だった。
『愛紗みたいな可愛い女の子に――』
私は可愛くなど……
『武人である前に愛紗は女の子じゃないか。だから俺は可愛ければ可愛いって言うよ?』
「武人である前に女の子、か……私は疾うに女を捨てたというのに、それでもご主人様はそう言うのですね」
そう、私は幼き日に故郷を盗賊に襲われ鈴々と共に旅に出た時、女である事を捨てたのだ。
女である事をあんなに後悔した事はなかった。
「やめだ、昔の事を思い出しても辛くなるだけだ……」
首を振り記憶を振り払う。
ふと、窓が目に入り其処から外を見る。
「ご主人様……」
窓の外ではご主人様が村人に指示を出していた。
そして、ご主人様の周りには笑顔が溢れていた。
「不思議なお方だ……あのようなお心の持ち主は桃香さまだけだと思っていた」
それとも天の国にはご主人様や桃香さまの様なお考えを持った方ばかりなのだろうか?
だとすればきっと平和な世界なのだろうな……
見たことも無い天の国を思い浮かべてみるがどうにもまったく思い浮かんでは来なかった。
『御遣い様~遊んで!』
『おっ!いいぞ!何して遊ぶ?』
『う~んとね。お飯事!』
『え~っ!鬼ごっこの方が御遣い様はいいと思うぞ!』
『や~よ!御遣い様はお飯事の方がいいに決まってるでしょ!ね~』
「ふふっ、あんなにも子供に好かれているとは」
子供は心根の優しい者にしか懐かない。外見で幾多取り繕ったとしても子供には直ぐわかってしまうものだ。
『よ~っし!なら今日はお飯事をしよう!それで明日は鬼ごっこだ!』
『『やった~~~~っ!!』』
「……」
ご主人様と子供達とのやり取りに自然に笑みがこぼれてきた。
「ご主人様……」
その名を呼ぶだけで心の中が温かくなる。
ご主人様……あなたは私の事をどう思っておいでなのですか?そして私は、ご主人様の事をどう思っているのだろうか。
「わからない。だが、今わかっていることならある。それは、あのお方が我らのご主人様でよかったという事だ」
始めは行き成り字を呼ばれて警戒してしまったが、あれは天の知識があればわかることだ。
知識も我らの知らないことをたくさん知っておいでだ。
そして、その武だ。まだ手合わせをしていただいていないが、盗賊襲撃時のあの火柱……桃香さまはお気づきになっては居なかったが。
あの後、戦闘があったであろう場所に行って見ると中心部分と外周以外が火で焼かれたように焦げていた。
山火事などではこんな綺麗に円が出来るわけがない。間違いなくあれはご主人様がやったことだろう。
その現場を見た時、私は背筋が凍りついた。恐怖すらも感じた。
だが、それ以上に『戦ってみたい』と思った。
もう一度、窓からご主人様を見る。
先程言っていたように子供達に囲まれてお飯事をされていた。
『……?(ニコッ)』
「っ!」
ご主人様と目が合った瞬間、胸の奥がドクンっと一際大きく脈を打ち出した。
「な、何を途惑っているのだ私は……ただ、笑いかけてくださっただけではないか」
だが、その笑顔は私の胸を掴んで離さなかった。
「ご主人様……」
窓の向こうにいるご主人様にそっと手を添える。
「ご主人様、私は……」
(バンッ!)
「愛紗~~~っ!」
「きゃぁぁぁあああっ!!」
(ドシンッ!)
「んにゃ?どうしたのだ愛紗?」
完全に無防備になっていた私は扉を勢いよく開けて入ってきた鈴々に驚き尻餅をついてしまった。
「な、なんでもない!それよりどうしたのだ」
「桃香お姉ちゃんが呼んでるのだ!」
「判った。直ぐに行く」
私は直ぐに立ち上がり鈴々と共に部屋を後にした。
ご主人様……私はあなたをどう思っているのかまだ判りません。でも……
でも、その気持ちがわかった時、ご主人様は受け止めてくださいますか?
《END...》
【鈴々との約束】
邑も復興し始めて五日がたった。邑は殆ど前のような町並みに戻ってきていた。
「御遣い様。おはようございます」
「うん、おはよう。今日も天気がいいね」
「はい。これも御遣い様のおかげです」
いや、天気は俺のおかげでもなんでもないんだけど?
「おお、これはこれは御遣い様。おはようございます」
「おはようお婆ちゃん。腰とかは大丈夫かい?」
「はい。最近は調子も良く。これも御遣い様のおかげです」
「俺は何もしていませんよ」
「いえいえ。こうして御遣い様が傍に居るだけで元気が湧いて来るようですじゃ」
「は、ははは……」
お、俺、生気吸われてるのか?
まあ、こんな感じで邑の人たちとは親しくしている。
「それにしても大分落ち着いてきたな。そろそろ邑を出るにはいいかもしれないな……ん?」
(ドドドドドドッ!)
「なんだこの音?」
(ドドドドドドッ!)
その音は徐々に大きくなり近づいてきているようだった。それと同時に、
「お兄ちゃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~んっ!!!」
(ドシンッ!)
「ぐはっ!」
背中から誰かがタックル……いや、抱き付いて来た。
「り、鈴、々……」
抱き付いて来たのはは赤髪でショートカットの鈴々だった。
「おはようなのだ。お兄ちゃん!」
腰に抱き付き元気いっぱいに挨拶をする鈴々。
「り、鈴々は元気だなー」
「にゃはは!鈴々はいつでも元気なのだ!」
「そっか~、でもな?後ろから勢いよく抱きつくのはやめてくれるかな?」
「なんでなのだ?」
俺の背骨はあんな衝撃に耐えられないからだ!なんて言える訳も無く。
「後ろから来られたらビックリするだろ?だから今度からは前から来てくれるかな?」
「わかったのだ!次からは前から行くのだ!」
「うんうん。鈴々は聞き分けのいい子だな~」
「にゃはは♪くすぐったいのだお兄ちゃん」
頭を撫でてやると鈴々はくすぐったそうに首をすぼめた。
この子が燕人張飛だもんな。鈴々には悪いけどそうは見えないよ。何処にでも居る子供にしか見えない。
でも自分の身長の倍以上もある得物を振り回すんだからな。正直、規格違いだと思う。
「そんな事より。お兄ちゃんは何をやっているのだ?」
「ん、俺か?俺は散歩、かな。鈴々は何してたんだ?」
「鈴々はさっきまで薪割りしてたのだ!」
鈴々が指を指した方を見てみると確かに薪が山の様に積み上げられていた。
あれって一本でも引き抜いたらそこから崩れるんじゃないか?
そんなことを考えているとは知らず、鈴々は『鈴々は偉い?偉い?』っと目で訴えかけてきていた。
「ああ、偉いぞ。これからもちゃんとみんなの言う事を聞いていい子にしような」
「にゃはは。お兄ちゃんに褒められたのだ!」
褒められた事がよほど嬉しかったのか、それとも頭を撫でられて嬉しかったのか。いや、きっと両方だろうな。あの顔を見れば誰でもそう思うだろう。
「それじゃ、鈴々も一緒に邑を散歩するか?」
「するのだっ!」
両手を挙げて嬉しそうに答える鈴々と一緒に散歩をすることになった。
……
…………
………………
「お兄ちゃんの世界ってどんなところなのだ?」
鈴々は歩きながら俺の世界の事を聞いてきた。
「え?そうだな~。ここと違って平和な所かな」
まあ、日本はそれなりに治安はいいけど。でも世界のどこかでは内紛とか起きてて地球全体が平和って訳じゃないんだけどね。
「ふ~ん。それじゃ、おいしい物がいっぱいあるのか~」
「え?なんでそんな話になるんだ?」
「桃香お姉ちゃんが言ってたのだ。平和なところには美味しいものがいっぱいあるって!違うのか?」
「う、う~ん。確かに美味しいものはあるけど……」
それって、平和と関係するのか?いやまあ、心にゆとりがあるから食も発達したとも言い切れないか……
「お兄ちゃん。どんな料理があるのだ!?」
鈴々は目を輝かせてどんな料理があるのかを聞いてきた。
「そうだなぁ。ハンバーグにカレー、オムライスに唐揚げ。他にも色々あるぞ」
「“はんばあぐ”?“かれぇ”?」
「ハンバーグっていうのはな?お肉をミンチ……細かくしてそれをこれくらいの大きさにして焼いたものだ。それからカレーは……」
俺は鈴々に簡単にだがどんな料理なのかを説明した。鈴々はわかっているのかわかっていないのかずっと頷くだけだったが。
「じゅる。良くわからなかったけど、美味しそうなのだ」
ああ、やっぱり理解していなかったようだ。でも、美味しいって事だけは伝わったらしい。本当に涎を垂らしてるし……
「お兄ちゃん!今度、お兄ちゃんの世界の料理を食べてみたいのだ!」
「そうだな~。料理なら簡単なのなら作れるから今度やってみるか」
「本当!?やったのだ~っ!!」
「おいおい。ちゃんと成功するかもわからないんだぞ?」
「お兄ちゃんなら大丈夫なのだ!」
その根拠は何処にあるのでしょうか?まあ、鈴々の事だから何も考えずに言ったんだろうけど。
「むっ!なんだかお兄ちゃんが失礼な事考えてる気がするのだ!」
す、鋭い……
「そんな事ないぞ~」
「怪しいのだ」
「そ、そうだ!アイスクリームって知ってるか?」
「あいすくりぃむ?」
「そうだ。甘くて冷たくて美味しい食べ物だぞ~」
「鈴々、食べてみたいのだ!」
よし。どうやら話を逸らせる事が出来たぞ。
「お兄ちゃん。早くそのあいすくりぃむを作るのだ!」
「それが、材料が無くて作れないんだよ」
「材料?」
「ああ。まず牛乳に塩。あとは冷やす為の氷がね」
「塩と氷なんてこんな所にないのだ」
「だよな~。確かこの時代って塩と氷って貴重だもんな」
「それじゃ作れないのか?」
「ああ。そうなるね」
「がーん!なのだ」
鈴々は言葉で擬音を発してうな垂れてしまった。う~ん、どうしたものか……そうだ。
「それじゃ、塩と氷が手に入ったら作ってあげるよ」
「ホント?」
「ああ、約束だ。その代わり、鈴々も塩と氷探してくれな?」
「探すのだ!今すぐ探しに行くのだ!」
――ドドドドドドドドッ!!
「ちょ!り、鈴々!一体何処を探し、に……行っちゃったよ。確かに愛紗が言っていたように落ち着きがないな」
鈴々が走り去った方向を見ながら苦笑いを浮かべる。
――ドドドドドドドドッ!!
「ん?」
「お兄ちゃ~~~~ん!塩と氷は何処にあるの~~~~だ!?」
こちらに走りながら大声で叫ぶ鈴々になんだか微笑ましく思ってしまった。
「って!ちょ!り、鈴々、ストップスト~~~~ップ!」
「すとぷ?」
「ぶへっ!」
鈴々は首を傾げながら止まらずにそのまま俺の腹にタックルしてきた。
「と、止まるって意味だ、よ……ガクッ」
鈴々、いいタックルを持ってるぜ……
俺はそのまま仰向けになり意識を手放してしまった。
「いつつ……ここは?」
目を覚ますと目の前には木目の天井が目に入ってきた。
「あ!ご主人様が起きたよ鈴々ちゃん!」
「桃香?」
「お兄ちゃん大丈夫か?」
鈴々は桃香の後ろからおずおずと出てきて俺の様子を見てきた。
「あ、ああ大丈夫だぞ。だからそんな顔するな鈴々」
「でも……」
「鈴々が気にする事じゃないぞ。それに鈴々が笑ってないとなんだか俺も元気が無くなっちゃうな」
「ホント?」
「ああ、本当だぞ。だから笑ってくれるかな?」
「……うん!えへへなのだ」
頭を撫でながら微笑みかけると鈴々も向日葵が咲いたような笑顔に戻った。
「ぶー。鈴々ちゃんだけずる~い!」
――バンッ!
「ご主人様が何者かに押し倒されて婿にいけない姿にされた、と……」
勢い良く扉を開けて愛紗が駆け込んできた。んだけど……
「……」
「……」
「んにゃ?」
愛紗の言った言葉に皆呆然としていた。いや、鈴々だけは意味がわかっていないのか頭に?マークが浮かんでいた。
む、婿にいけない姿ってどんな姿だよ。
「あ、あの愛紗ちゃん?それ、誰から聞いたの?」
「え?あ、邑の者から伝え聞いたのですが違うのですか?」
「全然違うぞ」
「な、なんですと!?」
「ただ、鈴々に体当たりされただけだよ」
「そ、そうでしたか。大事が無くてよかったです……それより鈴々!」
(ビクッ!)
愛紗に呼ばれ鈴々は肩を強張らせた。
「まったく、お前は。少しは落ち着きをだな」
「まあまあ。怪我はしてなんだから、それに鈴々もすごく反省してるから許してやってくれよ」
「で、ですがご主人様……」
「愛紗ちゃん私からもお願い」
「う……はぁ、お二人に言われては退かざるをえませんね。鈴々、次からは気をつけるのだぞ」
「わかったのだ!」
「本当にわかっているのか……はぁ」
「あはは」
「ふふっ」
頭を押えて頭を振るう愛紗に俺も桃香も笑っていた。
「そう言えば、なんで鈴々ちゃんは走っていたんですか?」
「ああ、それはね」
俺は桃香と愛紗に事の成り行きを話した。
「甘くて……」
「冷たいお菓子……」
「なのだ……」
三人の見事な連携におかしくなりつい微笑んでしまった。
「なんで笑うんですか?」
「いや、なんでもないよ」
「それで、その“あいすくりぃむ”なるものは本当に作れるのですか?」
「ああ。ただこの時代、塩も氷も貴重だからね。今の俺たちじゃ到底手の出せるものじゃないよな」
「そうですねぇ~」
「ふむ。一度味わってみたかったが残念ですね」
「鈴々は食べたいのだ!」
「まあ、塩なら海があれば作れなくは無いけど。氷はね」
「ええ!?し、塩って海から出来るんですか!?」
「え?そうだけど。知らなかったのか?」
「し、知らなかったよぉ。愛紗ちゃん知ってた?」
「噂には聞いていましたが、本当だったとは」
あれ?この時代の人たちって海から塩が作れるって知らないのか?それとも大陸の中ほどだから知らないだけか?
「ま、まあそういう事だから暫くは食べさせてあげる事ができないかな」
「はぁ、残念。折角、天の世界の食べ物が食べられると思ったのに」
「仕方ありません。いつか食べられる人心待ちにしましょう」
「お兄ちゃん約束なのだ!絶対、鈴々に“あいすくりむ”を食べさせて欲しいのだ!」
「わかったよ。約束だ」
「あ!なら私も約束しちゃいます!」
「桃香さままで、子供みたいに……」
「それじゃ、愛紗ちゃんはいらないんだね」
「だ、誰もいらないとは言っていないではありませんか」
「素直じゃないのだ」
「う゛……」
「「はははっ!」」
ばつが悪そうに唸る愛紗に俺たちは笑いあった。
《END...》
[おまけ]
※本編とは一切関係有りません。
【一姫奮闘記演義 其のニ】
「はぁ、この前は酷い目にあったよ」
鏡に向かい疲れた溜め息をつく一姫。その顔はとても哀愁を帯びて普段の子供らしい顔つきから大人びた顔つきに変わっていた。
「もう、一人で琳には近づかないようにしよう。うん」
鏡に向かい強く頷く一姫は肩まであるウェーブのかかった髪をブラシで丁寧に整えていた。
腰まである黒髪を左右に分けてリボンで結び髪を丁寧に整えていた。
「うん、完璧♪お兄様に会う時はいつでも綺麗な一姫を見てもらいたいもんね♪」
鏡の前でクルリと一回転して満足そうに微笑む一姫。
「あとは……」
一姫は扉に向かい、用心深く扉を開けて廊下の様子を伺った。
「よし。琳は居ない、よね。待っててねお兄様!今、あなたの一姫が会いに行きますから!」
一姫は部屋の扉から出て、一刀が借りている大学の男子寮へと向った。
……
…………
………………
「~~♪」
スキップをしながら一刀の元へと向う一姫。
(プニッ)
「わぷっ!」
「きゃっ!」
一姫は何か柔らかいものにぶつかってしまった。
「な、何かしらこれ?柔らかいけど?」
(ふにふに)
「~~~っ」
一姫は顔にぶつかった柔らかいものを手で揉むとくぐもった声が聞こえてきた。
「あ、あのね?そんなに胸も揉まれると恥ずかしいよ」
「……え?あっ……」
声が聞こえ、顔を上げてみると目の前には苦笑いを浮かべている桃香がいた。
桜崎桃香。彼女も琳と同じく、一刀に恋をした一人。誰にでも優しく。その包容力と胸の大きさで一部の男子に恋人にしたい女性No1に選ばれている。とか、いないとか。
ただ、基本、ボケボケしていておっちょこちょいである。
「そんな言い方酷いですよ!そりゃ、勉強苦手だし、運動も苦手だし、良いのは胸だけと言われますけど……それでも一刀さんの事を一番好きなのは私なんですよ!」
す、すみませんでした……
「ご、ごめんなさ。桜崎先輩」
「全然気にしてないからいいよ。それより!」
「は、はい!」
「私の事は桃香でいいって言ったよね?」
「え、でも……」
「ほらほら呼んで♪」
「えっと……」
「……♪」
「う~ん……」
「ぐすん」
「っ?!と、桃香先輩!」
「うん♪でも、先輩もいらないからね♪」
「ぜ、善処します……」
一姫は桃香の事が余り得意ではなかった。
桃香の性格のせいもあるのだろうがいつも桃香のペースになってしまうのだった。
「それで一姫ちゃんはこれから何処に行くの?」
「え、えっと……」
「(こ、ここでお兄様の事に行くなんて行ったら絶対着いて来ちゃうよ!なんとか誤魔化さないと!)」
「そ、その~、さ、散歩です!まだ入学してきて間もないから何があるのかな~って!」
「そっか~。そうだよね。私も昔は全然わからなくて道に迷ってばっかりだったな」
「……昔は?」
「ふえ?何か言ったかな?」
「い、いいえ!何も言ってません!」
「そう?……そうだ!私が案内してあげるよ!」
「ぇぇぇえええっ!?い、いいですよ!桜崎先「桃香」……桃香、さんもお忙しいでしょうし!」
「いいのいいの♪私に任せて!後輩の面倒を見るのも先輩の役目だよ」
「(一姫のばか~~っ!この人はこういう人だからそんなこといったらこうなるって判りきってたでしょ!)」
「されじゃ、さっそくレッツゴ~~~ッ!」
「えっ!ちょ!ま、待って~~~っ!お兄様~~~~~~~っ!!」
一姫はそのまま桃香に腕を引っ張られて学園を案内された。
のだが……
「ここ何処だろうね?」
「ええっ!?ま、まさか、道に迷ったんですか!?」
「えっと……えへ♪」
「えへ♪じゃないですよ!どうするんですか!」
「ふえ~~ん!ごめんなさ~い!」
「あ、ああ!な、泣かないでくださいよぉ!べ、別に怒ってるわけじゃないんですから!」
「うん……ぐすぐす」
「(はぁ~、疲れる……)」
桃香には見えないように溜め息をつく一姫。
「と、とにかく知ってる道まで……あれ?桃香さん?」
さっきまでそこでべそをかいていた桃香は忽然と姿を消していた。
「えっ!?ど、何処行ったんですか桃香さんっ!」
「ここだよ~~♪」
「……え?」
「こっちこっち~!」
あたりを見回すと遥か向こうで手を振っている桃香が居た。
「なっ!何勝手に歩いて行ってるんですか!また迷子になりますよ!」
「だ、だってね?こっちのような気がしたから」
「そうやって。迷子になったんですから少しは自重してください!」
「うぅ。一姫ちゃんが冷たいよぉ~」
「ああ~。わ、わかりましたから」
「一姫ちゃんはいい子だねぁ~」
(ぎゅっ)
「わぷっ!い、行き成り抱きつかないでください。桃香さん!」
「ぬふふ~♪一姫ちゃんって抱き心地が気持ちいい~♪」
「や、止めて下さい桃香さん!」
「え~!もう少しフニフニさせてよぉ~」
「(うぅ~。桃香さんの胸が私の顔に……なんでこんなに胸が大きいのよ~!やっぱり、お兄様も胸が大きい方がいいの?)」
「(私の胸も大きかったらきっとお兄様も……いやん♪)」
一姫はその光景を思い浮かべてニヤニヤと笑い出した。
『お兄様、そんなところ触ってはダメです!』
『どうしてダメなんだい?』
『だって一姫とお兄様は兄妹なのに……それに恥ずかしいです』
『一姫がいけないんだぞ』
『え?なぜですか。お兄様?』
『それは、一姫の胸がこんなに大きくて俺を誘惑するからいけないんだ』
『そんな……な、なら一姫のいけない胸にもっとお仕置きをしてください』
『ああ、言われずともたっぷりとお仕置きをしてあげるぞ一姫』
『お兄様……』
『一姫……』
「(……はっ!一姫たらなんて破廉恥な想像を!)」
我に返る一姫であったがその間も桃香に抱きつかれたままになっていた。
「もういい加減に離してください!桃香さん!」
一姫は無理やり桃香から離れ距離をとった。
「あ~、私の抱き枕が~」
「抱き枕じゃありません!」
「残念だな。一姫ちゃんの抱き心地は三本の指に入るのに」
「さ、三本の指って……ちなみにだれですか?」
「えっとね。琳さんでしょ。それに一姫ちゃん。それで一番はやっぱり一刀さん!」
「(……お兄様は置いておいて一姫と琳の共通点って……)」
そして一姫は自分の胸に目をやる。
「(や、やっぱり胸なの!?胸が大きければ抱き付かれないの!?)」
「う、う~~」
「一姫ちゃん?」
「い……」
「い?」
「一姫だってお兄様に胸を揉んでもらって絶対に大きくなるんだから~~~~~っ!!!」
「あっ!一姫ちゃん!」
一姫は前回と同様、大きな声を上げて走り出してしまった。
「はぁ、一姫は何やってるんだろう」
トボトボと学園内を歩く一姫。
「取りあえず。桃香さんの所に戻らないと」
暫く走っていた一姫だったが桃香が道に迷っていた事に気が付いて走ってきた道を引き返していた。
「うぅ~。一姫どんな顔をして戻ればいいんだろう」
大声であんな事を叫んでいたのだから戻りづらいのは当たり前であった。
「はぁ。とにかく、一姫がいけないんだから早く戻らないと」
桃香の元へ急ぐ一姫だったが其処には既に桃香は居なかった。
「あれ?何処に行っちゃったんだろう?」
「とにかく、あんまり遠くに行ってないと思うからこのあたりを探してみよう」
走り出してからあまり時間は経っていなかったので一姫はあたりを探してみる事にした。
……
…………
………………
「ん~。居ないな~。もう帰っちゃったのかな?」
周辺を探してみたが桃香の姿は何処にもなかった。
「はぁ、それにもう夕方になっちゃったし。これじゃお兄様のところにもいけないよね」
一刀の住む大学寮では門限までまだ時間はあるのだが、一姫の女子寮の門限は午後6時までとなっていた。
「今時午後6時までなんてありえないよね。はぁ、まあ規則は規則だし戻らないとね……ん?」
仕方が無いと今日は諦めて寮へ戻ろうとした時だった。聞き覚えのある笑い声が聞こえて立ち止まった。
「今の声って……っ!まさか!」
一姫は声のした方へ走って行くと其処で見た光景に大声を上げた。
「あ~~~~~っ!!お兄様!それに桃香さんも!」
そこに居たのは桃香と楽しくおしゃべりをしていた一刀だった。
「ん?一姫じゃないか。こんな所でどうしたんだ」
「あっ!一姫ちゃん!やっと見つけたよ」
(ガバッ!)
「わぷっ!い、いちいち抱きつかないでください桃香さん!」
「えへへ~。気持ちが良いから止められないんだよぉ~♪」
桃香はとてとてと一姫のところへ駆けて行きガバッと抱きついたのだった。
「いつの間にそんなに仲良くなったんだ?」
「い、一姫は仲良くなんてなってない!」
「うん!今日ね偶然に会ってね。お友達になったの♪」
「なっ!」
「そっか~。よかったな一姫」
「お、お兄様!?」
一刀は本当に良かったと思っているようにしきりに頷いていた。
「も、もう!は~な~し~て~く~だ~さ~い~~っ!!」
「うぅ。もっとフニフニしたかったのに……」
「一姫は結構です!」
桃香は本当に残念そうに人差し指を咥えて一姫を眺めていた。
「ん?それより一姫。そろそろ門限の時間じゃないのか?」
「え?あ、うん」
「(そうだ!ここでお兄様に送ってもらえば!)」
「それじゃ、早く戻らないとな」
「う、うん!それじゃ、おに――」
「一刀さ~ん、早く行かないと愛紗ちゃんに怒られますよ~」
「ああっ!直ぐにいくよ。それじゃ一姫、気をつけて帰るんだぞ」
「それじゃあね一姫ちゃん!またフニフニさせてね~~~♪」
「え?あ……えええっ!?」
一刀は一姫の頭を撫でて一姫を置いてそのまま桃香と居なくなってしまった。
「……なんでこうなるのぉ!?」
《To be continued...?》
葉月「どもー。こんにちは」
一姫「一姫~~~キーーーーックッ!」
葉月「ぐはっ!い、行き成りなんですか!」
一姫「あれはどういうことでなんですか!」
葉月「あれはとは?」
一姫「一姫とお兄様とのラブラブシーンが無いじゃないですか!」
葉月「ああ」
一姫「ああ。じゃないですよ!ああ、じゃ!」
葉月「だって、ね~?」
一姫「きーっ!許せない!許せない!一姫のお兄様なんだから誰も渡さないんだから!」
葉月「私に言われても困ります。てか、結構、一姫人気あるんですよ」
一姫「え?ホント?ホントにホント?」
葉月「ええ。何人かメールもらったりコメントもらったりありますし」
一姫「そうなんだ~。えへへ♪……って!騙されないですよ!それも嬉しいけどお兄様との『ピー』シーン書きなさいよ!」
葉月「……さて、今回のお話は如何だったでしょうか?「ちょっと無視っ」ちょっと愛紗の展開が速かった気もしますが私的には早くデレさせたかたのでこれいいかなっと!」
一姫「むむむ~っ!」
葉月「そして、『オマケ』でしたが、一姫のお話も書いてみました。書いていて思ったんですが、なんだか桃香と一姫とのやり取りが『けいおん!!』の唯と梓見たいになっちゃいました。だって、同じようなことしてません?」
一姫「桃香さんは抱きつき魔だよ!」
葉月「一姫はある意味ストーカーですよね」
一姫「違うもん!一姫はお兄様に悪い虫が付かない様に24時間、365日一緒に居ないといけないの!」
葉月「……それげストーカーだとなぜわからない!」
一姫「違うの~~~っ!とにかく!次はちゃんと書いてよね!」
葉月「……気が向けば。と、いいますか。わかってますか?」
一姫「?何がですか?」
葉月「琳、桃香と来たんだからもちろん残りの三人も出ると思いませんか?」
一姫「っ!?ま、まだ私に恥を書かせるつもりなんですかっ!」
葉月「いや~。てか、実は一姫より優未の方が人気があるんで」
一姫「そ、そんなことないもん!一姫が一番だもん!」
葉月「じゃ、聞いてみますか?」
一姫「う゛……い、いいわよ?聞いてみましょうよ!絶対一姫が一番なんだから!」
優未「呼ばれて来たけど……なになに?どう言うことなの?」
一姫「負けないんだから!」
優未「へ?」
葉月「ってわけで、緊急企画!」
『音無優未 VS 北郷一姫 どちらが人気があるか対決!』
優未「……え、えええええっ!?!?!?ど、どういうことなの葉月!説明してよぉ!」
葉月「それが、優未の方が一姫より人気があるって言ったら……」
一姫「一姫の方が一番だもん!」
優未「な、なるほど。はぁ~、でも、楽しそうだからいいか♪それで?」
葉月「それで、とは?」
優未「もちろん一番になった時のご褒美に決まってるじゃん!」
葉月「ああ、そ「もちろん一番の人とお兄様との甘いお話を書いてくれるんだよね!」誰もそんなことはい「乗った~~~っ!」ちょ!優未さん!?!?」
一姫「ふっふっふ覚悟してくださいよ!一番は譲りませんから!」
優未「私だって一刀君とラブラブな話書いて欲しいもんね!」
葉月「だ、だから「その話待った~~~~~っ!!」こ、今度はなんですか!」
雪蓮「そんな面白そうな話。なんで私を呼んでくれないのかしら?は・づ・き♪」
琳「そうね。もちろん『私達』にも権利はあるわよね葉月?」
桃香「わ、私も一刀さんと一緒にそ、その……デートしたいです!」
愛紗「わ、私は別に興味など無いのだが……と、桃香さまが出るのであれば私も出ないわけにはいくまい……な、なぜ皆して笑うのだ!」
葉月「素直に『一刀さまとご一緒に一夜を過ごしたいです』って言えばいいのに」
愛紗「あ、あわ、あわわわわっ!な、なんて恥ずかしいことを言っているのだ貴様はぁぁぁああああっ!」
葉月「うわ!あ、危ないなぁ」
雪蓮「今のはデリカシーのない葉月が悪いわね」
優未「だよね~。もう少し乙女心を判ってあげないと」
葉月「はぁ……と、とにかく増えちゃいましたがルールを説明しますよ」
ルール
投票は一人一票(複数票は無効にします)
投票と一緒にこんなシーンを見てみたい!などがありましたら、数字の後ろに書いてください。
投票番号が判りづらいので下記のように書いていただけると嬉しいです。
例:[1]:一刀とデートで水族館に行く
葉月「こんな感じでお願いします。さて!ではみなさんから一言いただきましょう!」
1.北郷一姫 : 絶対お兄様とラブラブになるんだからみんな投票してください!
2.音無優未 : とにかく、誰にも負けないんだから!それで一刀君とデートするんだ♪
3.天音雪蓮 : こんな楽しそうなことに出ないなんて女が廃るわ。ついでに一位になって一刀とエッチしちゃおうかしら♪
4.華澄 琳 : 前回も一位になれなかったのよねみんな見る目が無いのではなくて?な、何よ。別に一刀とデートがしたいわけじゃないんだからね!
5.桜崎桃香 : えっと……とにかく一刀さんとデートが出来るようにみなさん投票をお願いしますね!
6.関 愛紗 : そ、その……なんだ。か、一刀さまとで、ででデートが出来ると私は嬉しい、ぞ。み、みなの投票を待っている……こ、これでいいか?
葉月「あ、ちなみに今回は一位の人しか書きませんのであしからず。あくまで『おまけ』なので」
優未「それにしてもここに来るのも久々だよね雪蓮!」
雪蓮「そうね。今は桃香と愛紗がここによく顔を出しているのよね?」
桃香「あ、はい!まだ私は一回しか出てませんけど」
愛紗「殆ど私が出ているが。まったく葉月には毎度手を焼かせられる」
葉月「別にいいじゃないですか。今回の拠点で少しデレさせたんですから」
愛紗「~~っ!う、うむ、それには感謝している、ぞ?ってなぜ笑うのだ!」
雪蓮「まあまあ、落ち着きなさい愛紗。それで投票期間は?」
葉月「ああ、投票期間は次の話が投稿された時に締め切らせてもらいます」
桃香「ねえねえ!次のお話はどうなってるの?」
葉月「次は普通の人のところに向かう道中のお話です」
桃香「普通の人?」
愛紗「と、桃香さま。白蓮殿のことですよ」
桃香「ああっ!白蓮ちゃんのことなんだね!」
雪蓮「桃香ってたまに凄い酷い時あるわよね」
優未「だよね~」
一姫「そんなことより一姫を助けてよ~~~~っ!!」
一同「え?」
琳「ふふふ♪待ちなさい一姫。今度こそ閨に連れて行くわよ」
一姫「い~~や~~~~だ~~~~~~っ!一姫の体はお兄様のものなんだから~~~~~っ!!」
一同「……」
葉月「さ、さてそれでは〆ましょうか」
優未「そうだね~」
葉月「それではみなさん!次回までご機嫌よ~~~~っ!」
一姫「誰か助けてよ~~~~~~っ!」
琳「待ちなさい一姫!」
??「桃香に忘れられた……どうせ私なんか」
??「そう悲観するものでもありませぬぞ普通の人」
??「うわ~~~~んっ!」
??「おやおや。からかい過ぎてしまったか」
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拠点になります。
今回は三人しか居ないので投票は行いませんでした。
あとオマケもあるのでよろしければ読んでください。
ついでにおくづけで緊急企画がありますので合わせてごらんいただけると嬉しいです。
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