No.207346

真・恋姫 つなぐ想い 9

kabadiさん

おはようございます。
今日も朝から投稿させていただきます。

いつも通りの駄文です。
見てやってもいいぜ、という方はどうぞお付き合いください。

2011-03-21 07:30:43 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:5226   閲覧ユーザー数:3890

<蜀>

 

使者が旅立った日の夕方。

一刀は城内の与えられた部屋で目を覚ました。

 

<一刀>

 

「………うーん。」

オレは自分の右半身に違和感を感じ目を覚ました。

なんか、あったかいなあ。やわらかいし。

 

…どこだ?ここ?

まだ上手く頭が回らない。

 

…そうだ。確かオレ三国志のパラレルワールド的な所にいたんだ。

やっぱ夢じゃなかったか。

 

だんだん頭がはっきりとしてくる。

「………ムニャ。」

…で、さっきから右の方向より寝息が聞こえているわけでして。

しかも、何か温かくて柔らかい感触がやはり右半身に伝わってくるわけですよ。

 

とてつもなく嫌な予感がしつつも視線を右に移す。

 

 

 

 

 

 

……………えっ!?

 

れ、れれれれれ恋さん?何故ここに?

え?どうしてオレの腕にしがみついて幸せそうに寝ているのでありますか?

 

どどど、どういうことだ。

まさか「認めたくないものだな。自分自身の若さ故のあやまちというものを。」的な状況があったんじゃ……。

 

さらにいつもの悪寒がオレを襲う…。

 

いや、落ち着け、落ち着くんだ北郷一刀。

餅は餅屋だ(意味不明)。

確かに一人で寝たよな。

うん。間違いない。

 

…これはドッキリですか?…なわけないか。

「あ、あのー…恋さん?」

とりあえず、話すコマンドを実行してみる。

 

「……………うるさい。」

ひぃっ!!

ものすごく不機嫌ですよ。しかも殺気が放たれてますよ。

このプレッシャーは何だ。元赤い少佐もびっくりだ。

 

次にオレは逃げるコマンドを実行。

…しかし、まわりこまれてしまった。

じゃなくて、にげられない!

恋はがっちりとオレの腕をホールドしている。

「知らなかったのか?大魔王からは逃げられない!!」と幻聴まで聞こえる。

メラとメラゾーマの威力が同じってなんだよ!

いかん、冷静になれ。深呼吸だ…。

 

…よし。

でも、改めてみるとやっぱり可愛いよな。恋って。

この状況って実はかなりおいしい?

もう、どうしようもないし、このままこの感触に身を委ねて横になってようか?

 

なんて邪まな考えがふと頭をよぎった時だった。

「すみません、一刀殿。今よろしいでしょうか?」

何と扉の向こうから愛紗の声が聞こえてきた。

…うそぉーん。

 

「ち、ちょっと待って。」

「はぁ。何かあるのですか?」

「い、いや。別にそういう訳じゃないけど…。」

「?? ならば、よろしいですね。失礼します。」

 

ぎゃーーーーーーーす!!

 

ゆっくりと扉が空いていく。

ああ、短い人生だったな。

 

扉を開けた愛紗がこちらに視線をよこす。

 

その瞬間…

 

時が止まった。

 

ザ・ワー○ド

そして時は動き出す。

 

ああ…オラオラな展開になるのだろうか…。

天を見よ。あなたにも見えるはずだ。あの死兆星が…。

 

「…ナにヲなサってイルのデスか?」

愛紗さん!?発音おかしいよっ!!

オーラが…オレにもオーラが見える。

なんか…黒いよ?

 

再び逃げるコマンドだっ!

…にげられるわけがない。

 

あべしっ!ひでぶっ!たわばっ!あわびゅっ!ほげっ!

 

・・・・・・・・・・・・・・・

しばらくお待ちください

・・・・・・・・・・・・・・・

何とか、全く身に覚えがないってことを聞いてもらえた。

…ジト目なままだけど。

 

しかしよく生きてたなー。オレ。

爺ちゃんに感謝しよう。

断じてこんなのは説教なんて生易しいものではない。

…できるだけ愛紗は怒らせないようにしよう。

 

「………ん。」

さすがにあれだけ騒いだからか、赤髪の眠り姫がお目覚めになられた。

 

「恋。これはどういうことだ!」

「………………??」

「何故、ご…一刀殿の隣で寝ているのだ!」

「………一刀、気持ち良さそうだった。」

「な、な、な。」

愛紗が顔を真っ赤にする。

 

うぉーい!恋さん!

その表現は危険だから!

とても凄くまずいから!

やばい。またオーラが…(ガクガクブルブル)

 

「い、いや。違うよ?愛紗。恋、どうしてオレの部屋に来たの?」

「………ごはん。一緒に食べる。」

「じゃなんで隣で寝てたんだ?」

「………一刀。寝てた。気持良さそうだった。」

 

・・・・・・・・・・・・・

 

…なるほど。

話を聞いていくうちに、色々わかってきたぞ。

恋は夕飯を一緒に食べようとオレの部屋に来た。

んで、返事が無くて鍵が空いてたから覗いてみたら、オレが気持良さそうに寝てたと。

それを見てたら自分も眠くなってきて、オレの隣で寝てた…と。

 

うん…無防備すぎだろ!オレだって一応男なのに。

あ、でも恋はあの呂布なんだし間違いが起こりっこないか。

「す、すみません。一刀殿。」

愛紗が恐縮して謝ってくる。

「いや、いいよ。愛紗は何も悪くないから。当然の反応だよね。いきなり現れた男が自分の所の将と一緒に寝てたらそうなるよ。」

実際愛紗は悪くないしな。恋は純粋なだけだろうし。

「……それだけじゃないのですが。」

「えっ?何か言った?」

「いいえ。何でもありません。それよりお食事はいかが致しますか?」

「………一刀。ごはん。(ぐー)」

「ははっ。お腹なってるぞ?恋。」

恋は可愛くお腹をならした。

 

結局愛紗も夕飯のお誘いだったらしい。

飯か…。そういや今日何も食べてないな。

いかん。思い出したら腹が減ってきた。

 

ぐぅぅー。

 

うおぉ。盛大に腹の虫が騒ぎ出したな。

どんだけ現金なんだよ。

さっき恋に言ったばかりなのに。

 

「………一刀も一緒。」

くぅ、笑顔が可愛いぜ。

「…こほんっ。どうしますか?」

くぅ、視線が痛いぜ。

「あ、ああ。じゃ行こうか。案内よろしくな。(ニコッ)」

「は、はい。(ぽっ)」

「………コクコクッ。(ぽっ)」

なぜ赤くなるの?

オレは二人と部屋を後にした。

 

―――三人称―――

 

余談となるが、このあと七人の女の子が部屋を訪れるのだが、皆部屋の主がいないとわかるとひどく落胆した表情で帰って行った。

中には何か決意を込めたような顔をしていた者もいたが…・

<一刀>

 

城 廊下

 

…で、オレは今食堂に向かっているわけですが。

どうして二人はオレの腕にくっついているのでしょうか?

右腕には恋、左腕には愛紗。

まさに両手に花状態。

そしてあふるる悪寒。ぶるっ。

 

「あのー…。」

「何か?」

「………??」

「歩きづらくない?」

「いいえ。全然。」

「………フルフルッ。」

「そっか…。」

部屋案内の時にも思ったけど、この世界じゃ当たり前なのか?

…ま、いっか。気持ちいいしね。

 

どことなく二人の間にピリッとした空気がある気もしなくもないが、オレたちは和やか(?)な雰囲気で話しながら歩く。

 

 

「―――ゅうキーック!!」

 

DOGOOOOOOOOOON!!!

 

「アウチッ!」

…な…なん…だ?…いった…い?ごぼぁっ!

おぼろげに聞こえたありえない単語と共に訪れたその衝撃は、いきなり背中からオレの身体を貫いた。

勇将二人に左右をホールドされてたため、逃げ場のない衝撃が…。

 

「……。れ、恋殿に何をしてるですかー!」

痛みを堪えて振り向くと(さすがに二人とも離してくれた。)そこには……。

 

…また子ども??

パンダのマークの黒帽子を被り、薄い緑色の髪を肩のあたりで二つに束ねた女の子がいた。

と言うか台詞の前に一瞬間があったぞ。

あーあー、顔を真っ赤にして怒ってるなぁ。

 

「………ねね。めっ。」

ぽこっ

「あうっ。」

恋が拳骨を落とす。悲鳴に痛みは無さそうだ。

「一刀に乱暴しちゃ、ダメ。」

「ですが、恋殿……。」

「ちゃんと謝る。」

「う…ご…ごめん…なのです。」

「いや別に気にしてないよ。で、どちらさまですか?」

「お、おまえこそ誰なのです。」

「あ、ごめん。オレは北郷一刀。北郷が姓で一刀が名だ。北郷でも一刀でも好きに呼んでよ。字と真名はないんだ。まあ、強いて言えば一刀が真名にあたるかな。」

「なんですとー。おまえが皆が言ってた天の御遣いですか。」

「うん。そうらしいね。でも俺自身天の御遣いとかって呼ばれるの好きじゃないんだよね。だから名前で呼んでもらえると嬉しい。」

「………ねね。ちゃんと自己紹介する。」

「わ、わかったのです。ねねは陳宮、字は公台。真名は音々音というのです。仕方ないので真名を呼ぶことを許してやるのです。」

「わかった。よろしくな。音々音。(ニコッ)」

「い、言いづらければねねでいいのです。よろしくしてやるのです。(ぽっ)」

うん、照れてるのか顔赤いな。こういう所も子どもっぽいなぁ。

 

しかし、陳宮か…。まあ、呂布がいた時点で予想はできてたしな。

ロリっ子軍師も初めてじゃないしな。

どんどん適応していってるな、オレ。

こうして、ねねを加えた四人で食堂に向かう。

途中、恋がくっついてきてねねが怒ることが何度もあったけど…。

なんか微笑ましいな。

ほんとにねねは恋が好きなんだな。

 

そうしているうちに食堂に着いた。

誰かはいるかと思ったけど、将らしき人は誰もいなかった。

 

オラ腹減ったぞ。

さーて食べますか。

おー、点心や麻婆豆腐なんかの中華料理が並んでる。

うまそうだな。

「いただきます。」

オレは手を合わせて食べ始める。

「?それはなんなのですか?」

あ、こっちにはその風習はないのか。

「これは”私のために動植物の命をいただきます。”って意味があるんだ。人は自然の恵みをもらって生きている。つまり多くの動植物の命を犠牲に生きているんだ。そのことに感謝を示しているんだよ。あとは、この料理に関わった人たちへの感謝もこめているかな。」

「へぇ。いい言葉ですね。私もこれからそうするとしましょう。」

「そうですな。」

「………コクッ。」

「じゃ、もう一回。みんなでやろっか。」

「「「いただきます。」」」

「………いただきます。」

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

もきゅ、もきゅ

 

あらやだ、何、この可愛い生物?

恋の食べる姿を見て癒されてしまった。

なんか小動物みたいだなー…。

 

お、さすがの愛紗もうっとりとしてるな。

「恋殿これもおいしいですぞ。」

「恋。これも食べるか?これはどうだ?」

二人が餌付け(?)をしてる。

 

よーし!オレも。

「恋、これ食べるか?」

おそるおそる差し出してみる。

 

ぱくっ

 

ふ、ふおおおおおぉぉぉぉぉ

なんて破壊力だ!!

 

そして楽しい食事の時間はどんどん過ぎていった。

しかし、恋ってよく食べるなー。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

いやー、うまかった。

 

また四人でわいわいがやがやと廊下を歩き、部屋の前で分かれた。

 

愛紗が明日あらためて城の案内を申し出てくれた。

せっかく非番らしいのに悪いな。

好意を無碍にするわけにもいかず、正直ありがたいのでお願いすることにした。

 

さーて、ちょっと早いけど今日はもう休むか。

鍵を忘れずにかけてっと。

明日は何が待っているのかな…。

 

 

 

 

……

………

…………眠れん。

 

そりゃそっか。

さっきまで寝てたし。

 

うーん。

腹ごなしに散歩でも行くか。

迷子になったらやばいかな。

ま、いいか!なるようになるさ!

 

オレは鍵を開け部屋を出て歩き始めた。

さーて、オラちょっとわくわくしてきたぞ。

―――三人称―――

 

この後も部屋を訪れた女の子がいたとか、いなかったとか。

そしてまた…空振りに終わっていたとか、いなかったとか。

 

 

散歩に出た一刀君。

夜の散歩にはなにが待っているのか。

それはまだわからない………。

あとがき

 

なかなか進まないですね。

まだ初日。

ぐっだぐだですよ。

 

全く成長しない作者ですがとりあえず、次回もこの調子で蜀の続き頑張りたいと思います。

 

では、このいたらないところだらけの駄文にここまで付き合ってくれた皆様に感謝を。

暖かいコメント、メッセージをくださる皆様。支援してくださる皆様。

おかげでなんとか頑張れます。

 


 
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