No.188426

カリンの旅3

思いつき小説その3。
美羽がヒロインだと思ったかい?こいつだよ!
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2010-12-07 12:11:53 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:4151   閲覧ユーザー数:3591

■※※※注意事項※※※■

 

 

 

・素人故の文章力不足。

・原作設定の崩壊。

・キャラの性格崩壊。

・浮き沈み無しのグダグダ文。

・笑い無し、涙なし、ポロリもなし。

・和兎、行き当たりばったり感の変わらないただ一つの駄作者

 

 

 

上記の中に「ねーよw帰れw」と思われた方は、今すぐPCの電源をお切りください。

それ以外の方は、つまらない時間を過ごす覚悟をした上で、賢者の心境でお読みくだされば幸いです。

 

 

 

 

 

「――世話になったわね」

「いえいえ」

 

 帰りがけ、というのはおかしいか。とにかく店を出る際、店主にはそう声をかけると、当然とでも言わんばかりに彼は笑っていた。

 外に出ると、日の高さは真上近くまであがっていた。

 どうやら一刻近く倒れていたようだ。

 朝の冷たかった風はすっかり温くなって、これはこれで心地よいものではある。

 

「さて、それじゃここでお別れね」

「またお会いしたいですね~」

「……えぇ、そうね」

「またなのじゃ、そうs――」

「美羽」

「ぬ?」

 

 いちいち名前で呼ぼうとする美羽の言葉を遮って。

 

「私は一応これでも身を隠していてね」

「む?」

「曹操様なんて呼ばれるとまずいのよ」

「……”様”?」

「私の事は、”華琳”と呼びなさい。いいわね?」

「うむ、わかったのじゃ。華琳」

 

 美羽に一歩近づくと、ザクリと足音がなる。

 それと同時に、次第に美羽の目線は上を向いていき、歳相応の顔になる。

 

「また、会いましょう、美羽」

「うむ!」

 

 

◆ ◆ ◆

◆ ◆ ◆

 

 

 

 美羽達と別れた後、私は村の店をあちこち回っていた。

 次の場所までどのくらいかかるか分からないのだから、準備はちゃんとしておいたほうがいいものね。

 

「これと……ん、あぁ、お酒は……我慢したほうがよさそうね」

 

 すっかり旅の共となった酒も手持ちがなくなれば浪費妻でしかない。

 所持金とも相談した結果、やっぱり購入は見送りとなった。

 

「お願いできる?」

「かしこまりました」

 

 選んだ商品の会計を済ます。言われた値段は自分で計算したものとほぼ同じ。

 

「ありがとう」

「またお越しくださいませ」

 

 金を支払い、品の入った袋をうけとり、店の外へ。

 昼前ともなると、こんな村でも活気付くのは昨日までで理解した。

 とは言っても、こういう田舎での活気も、終戦したからこそといえるのだろうけれど。

 戦時中は若者なんて皆兵役にでてしまうから。

 

「さて、と……次は――」

『待てーー!!』

「……え?」

 

 ふと、突然。

 建物ごしに向こう側から聞こえた声は、随分とあらあらしかった。

 昨日の騒ぎとは別の意味で険悪な雰囲気をもっている。

 

「随分と騒がしい村なのね――」

 

 呟くと、その瞬間。

 

「アホか!待て言われて待つ奴がいてるかい!!」

「っ!?」

 

 店の隙間から、男が飛び出してきた。

 白い、変わった形の服を着ている。目の周りに何かつけてもいるようだ。あれは、呉の周瑜も持っていた、たしか「めがね」だったかしら。

 

「――っと、丁度ええとこに女子!」

「え、ちょ、ちょっと、きゃぁっ!」

 

 男はいきなりこちらに手を伸ばしたと思えば、私の首と腕を掴んで追っ手と思われる男二人に向き合った。

 

「ええか!?そっから近づいたら、この子がどうなっても知らんで!!」

「くっ、なんという卑劣な奴……なんでこんな奴が天の御遣いなのだ……!」

「馬鹿をいうな!こいつは偽物だ!そうに決まっているだろう。天から遣わされた使者様がこんな卑劣漢であるはずがない!」

「なんかえらい言われようやな……」

「くっ……いつまで手を握っているつもりよ……」

「あいつらから逃げる間や。我慢したってや」

「――冗談じゃないわ……」

 

 かといってこっちから騒ぎを大きくするわけにも行かないし、国側とは今は関わるわけにも……。

 このまま人質として騒ぎが過ぎるのを待つしかないかしら。

 しかしこの男臭いわね。あ、こら、そんなに顔を近づけるな。息、息かかってるから。

 

「おい貴様!今すぐその少女を放せ!今ならば百叩き程度で済ませてやる!」

「それ実質死刑やんけ!」

「ええい!こうなれば強行突破だ!」

「はぁっ!?この子どうでもええんかい!」

「街の女が一人怪我しようと治療すればそれでいい話だ!」

「なんじゃそりゃ!?」

 

 まったくね。これは帰ってから人事の見直しが必要かしら。

 だから顔が近いわよ。

 

「ゆくぞぉ!」

「ええい、しゃあない!こっちや!」

「は!?ちょっと、どうして私まで――」

「こうなったら死なばもろともやああ!!」

「な……」

 

 ああ、そうね。たぶん昨日のあたりで覚悟しておくべきだったのよ。

 こんなところで美羽と出遭う確率なんてどのくらいあるというの?

 そういう星の下にあったという事ね。

 …………断じて認めたくは無いけれど。

 

「なによそれ!!!!!」

 

 

◆ ◆ ◆

◆ ◆ ◆

 

 

「ぜぇ……ぜぇ……信じられないわ……四半刻近く全力疾走させるなんて……」

「なにいうとんねん、トライアスロンはもっとえぐいで!」

「は、はぁ……?」

「しかし、君もえらい変わった格好してんねんなぁ」

「……?格好の事をいうなら、あなたこそ珍しい服でしょう」

「めずらしいて、こんなんどこにでもある制服やんか。嫌やなぁ」

「せい、ふく?」

「はぁ~、しかし、えらい目におうたわ。目さめたらいきなり槍向けられるわ、何言うても嘘扱いされるわ」

 

 これだけ不審な男がいれば普通そうするとおもうのだけど。

 しかし、さっきの男が変な事を言っていたわね。

 

「あなた、天の遣いと呼ばれていなかった?」

「あぁ、なんかそんな事もいうとったなぁ。ほんまようわからんわ。しかもいきなり手のひら返したみたいに迫ってきくさって」

「で、逃げ出したと……?」

「当たり前やっちゅうねん。あんなとこ一秒でもおってられるかい。こちとらカズピーにガチメモかしたまま取り返しに行くトコやったんやからな」

「がち……?」

「ガチムチメモリアルや。知らん?結構有名やとおもったんやけどなー」

 

 ああ、駄目ね。まるで話がわからない。

 これでは捕らえられても不思議じゃないわ。

 いい加減にしておかないとこちらも巻き込まれそうね。

 

「とにかくよかったわね、逃げられて。それじゃ、縁があればまた逢いましょう」

「え、ちょ、自分、俺の事みすてる気!?二人の関係は遊びやったん!?」

「な、お、大きな声で変な事言わないで。私は無関係でしょう?」

「一緒ににげたやん!?」

「連れ回されたのよ!」

 

 なんなのこの男、そんなに私を巻き込みたいのかしら。

 いえ、それより何より、私の本能が言っているわ。この男とは絶対に関わるなと。

 なんだかノリもうざいし。

 

「なぁ、頼むわー。なんか全然見覚えないところやし、めっちゃ不安やねん……」

「……あのね。私はあなたとは初対面、しかもなんの関わりもなく、まったくの無関係」

「同じこと何回もいわんでも」

「大事な事よ。挙句の果てにわけも分からないまま貴重な時間を無為に過ごさせられ、無駄な体力を使わされ、非常に迷惑極まりないのよ」

「君結構毒吐くタイプやね。くやしい……!でも……!」

「…………今決定したわ。あなたは今ここで私が殺す」

「うわっ、ちょ、ちょとタンマ!」

 

 胸に忍ばせている短刀を握る。強く。これ以上ないくらい。

 

「待ってって!ええか!世界にはこんな名言があるんや!」

「…………言ってみなさい」

「仏の顔を三度までや!どうや!」

「私が一番嫌いなのは私の邪魔をする者。次に醜悪な姿を晒すもの。最後に学の無い者よ。あなたは全て当てはまるわね。どうかしら、三度ほど待ってみたけれど」

「ならしゃあない。――ってちゃうわ!」

「はぁ……もういいわ。それじゃあね」

 

◆ ◆ ◆

◆ ◆ ◆

 

 彼に背を向け、私は村の出口を目指す。

 走り回ったせいか足が思い。まったく迷惑の最上級を表す言葉は無いものかしら。

 村の裏手側に出ていたらしく、狭い道の向こう側には見覚えのある店が立ちならんでいる。

 そして、少し歩いて、改めて時間の浪費感が襲い掛かってきた。

 

「もう昼じゃないの……。今頃は出発しているはずだったのに。やってくれるわ」

 

 ともあれ、悔やんでいても時間は進む。

 仕方が無いので、おなかもすいてきたことだし、その辺りで昼食をとることにした。

 さっきの男を捜しているのか、役所の者がちらほらと姿を見せる。

 

「ご苦労な事ね。ま、あれの逃げ足は尋常じゃなかったし、しばらくは――」

「む、お前はさっきの男の連れだな」

「は?」

 

 と、店に入ろうとしたところでそのうちの一人が声をかけてくる。

 

「さっきの男?何のことかしら?」

「とぼけるんじゃない。人質のフリをして共に逃走していたではないか!」

「失礼な事を言わないで欲しいわね。仮にその男と一騒動あったとして、私がアレの連れ?冗談じゃないわ」

「いいから来るんだ!」

「――っ!」

 

 男は突然、私の手首を掴み上げた。

 と同時、私の思考は一瞬、真っ白になっていた。

 

「触るな!!!」

「がはぁっ!!」

 

 気づけば、男は店の壁に吹き飛び、私は足を突き出していた。

 

「ぁ…………しまった」

 

 蒼然とした空気の中、時間を動かしたのは客の中の女性の悲鳴だった。

 私としたことが、先ほどの男のやり取りのせいでイライラしていたからか。

 

「くっ……だれか!そいつを捕らえろ~!!」

「あぁっ!どうしてこうも!!」

 

 昼食なんてもはや諦めるしかない。

 全力で店を飛び出した後は、迫り来る追っ手を振り払いつつ、村の出口まで一直線。

 他人の注目も気にしていられない。どうせこの村には二度と来ることはできないだろう。

 向かい風と一緒に邪魔な通行人を突っ切る。

 

「く、はやい!」

「何て奴だ……!曹魏の一般女性は化け物か!?」

「だが遅い!遥かに遅いぞ!!(俺が)」

 

 だんだん追っ手がうるさくなってきたわね。

 

「俺たちに足りないものそれはああああ」

「情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さ!!」

「そしてなによりもおおおおおおおおお」

 

『速さが足りない!!』

 

 アレは自分達に言っているのよね……?自虐でも流行っているのかしら。

 ――と、丁度いいところに露天が。

 

「ごめんなさい、ちょっと椅子をかりるわね」

「へ、え、ちょっと!?」

「ふっ!」

『うぉぉぉっ!!!?』

 

 足元へ椅子をほうってやると、面白いように男達は足が縺れ、倒れた。

 彼らを目の端にやり、他の道から迫る追っ手を振り切る。

 

「まったく馬鹿みたいに多いわね」

 

 でももうすぐ出口。

 村さえ出てしまえば、彼らの領分ではないから、振り切るのは容易いはず。

 

「おお!なんか急に騒がしくなったと思ったら、君か!もうこれは運命やな!そう思うやろ!?」

「げ!」

 

 なんでこいつがここにいるのよ。

 ってそうね。よく考えたら同じ連中に追われているんだから遭遇する確率はかなり高いはずよね。

 

「ちょ、げってなんや。げって」

「もう嫌!帰る!私帰る!!」

「そうかそうか!ほいじゃ、俺もわかるとこまで送ってくれへん?」

「ひとりで帰れ!!!」

 

 本気で帰りたくなってきたわ。

 

「お、華琳~~。なにしておるのじゃ~?」

「美羽!」

「おお、逃走中か!」

「ええ、そうよ!あなたもまきこまれないように――」

「なら妾と同じじゃな!」

「……は?」

 

 一瞬自分の耳を疑ったが、あっさりとその疑問は解決する。

 

「そっちだー!そのガキをとらえろー!!」

 

 聞こえてきたのはおそらくさっきの連中の仲間だろう。

 

「……あなたは何したの」

「うむ。御遣いにあわせろといったら子供扱いしおったので、思い切り股を蹴り上げてやったのじゃ」

「美羽様ったら、はしたないですよ」

「そしたら急に怒り出して――」

「もういいわ。わかったから」

 

 あぁ、頭痛が……。

 

「え、君ら俺に会たかったん?これはいよいよ俺にもモテ期到来かっ!?」

「誰じゃこのしょぼくれた奴は」

「ちょっと。美羽様から離れてください」

「え、何この扱い」

「お前らどうでもいいから走れ!!!」

 

 結局この日は夜まで走り続けた。

 

 

 

◆ ◆ ◆ 

 

 

 

 

■あとがき

 

 さあ、メインヒロインの及川佑くんだよ!

 でも彼が一番キャラが安定してないという……。

 春恋†乙女もちゃんとやったんだけどなぁ……。

 しかも名前すら名乗れていない切なさ。

 ある意味華琳の天敵ともいえる彼ですけどね。

 頭の中はカズピーで一杯です。脳内メーカーやったら8割が「一」で埋め尽くされて後は「性」なんじゃないかと思ってる。

 アッキーにはちょっと目を瞑ってもらって……。

 まぁ、そんな感じでこの4人で話を進めたかったわけです、はい。

 口だけな作者ですんません、ほんと。

 つづきどうしよう。

 まぁ、気が向いたらという事で……。

 あ、それから前回、前々回と誤字脱字、矛盾点など、本当にもうしわけない。

 注意はしているんですが、もうね……。

 あまり強く言われると何かに目覚めてしまうので、よければまた優しく教えてくださると助かります。

 あ、女性の方の場合はそれにかぎらz(ウボァー

 

 ではでは~


 
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