No.180777

黙々・恋姫無双 拠点フェイス4 春蘭黙

TAPEtさん

今日の夕飯がとてもおいしかったので書いてみました。

はい?何食べた?

……おいしかったです!

2010-10-27 21:33:09 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:3592   閲覧ユーザー数:3030

「…何?」

 

『一緒に御飯食べに行こう?』

 

「……」

 

「……」『ヤなの?』

 

「いや、嫌とかそういうのではなくてな……秋蘭やと桂花と食べに行ったらいいだろ?どうしてわざわざここまで来て……」

 

『今日は春蘭お姉ちゃんと食べたくて来ただけ……ヤだったら別に付き合ってくれなくてもいい』

 

「いや、うん……まあ、たまにはそういうのも悪くないかもしれんな」

 

「……♪(にぱぁ)」

 

 

 

 

珍しいではないですか、春蘭さんとお昼だなんて。

 

というか初めてですね。二人きりで行くのは。

 

まぁ、確かに春蘭さんと二人で食事に行くことはあまりいい考えではない気もします。

 

何せ先ずどこで食べるかを決めるのがめんどくさいですし、食事中で話でもしていたら何わけわからないことになって怒りだすかもしれませんし、その上にその人は一緒に何

 

を食べたのかも覚えていないでしょうから。

 

正直、あまり一緒にお食事をしたい人ではありません。

 

「……(むっ)」【人が聞かないからってそんなこと言うの失礼だよ】

 

9才の子に礼儀正しくないって叱られました。サーセン。

 

「……(じー)」

 

そんな顔しないでくださいよ……それより、どこへ行くんですか?

 

『春蘭お姉ちゃん、何食べる?』

 

一刀ちゃんは春蘭さんにお昼のメニューを聞きました。

 

「何でもいい」

 

そして恒例の返事が返ってきました。

 

『じゃあ、春蘭お姉ちゃんが行きたいところに行こう』

 

おお、投げた!まさか春蘭さんに献立を投げっぱなしにするとは。

 

「うーん……」

 

今日お昼を食べる気がないのですね、わかります。

 

この人にそんな「難しい」ことを聞くと何も思い出せないくせにその場に足止まって思考止まって誰か100J以上の攻撃を与えないと再起動しなくなりますよ!(適当に言って

 

います)

 

「うーむ……」

 

「……^^」

 

 

 

半時間後

 

 

 

「うーむ」

 

「……^^」

 

春蘭さん、いつまで考えてるのですか。何も思い出せないならもうやめてください。

 

一刀ちゃんはそろそろ微笑んでいるのはやめて場面をなんとかしてください。笑っていれば何もかも円やかに解決できる人ではないのですよ、この人は。

 

そして二人とも、それを街の真ん中でやっているという点で凄く周りに迷惑かけちゃっています。主に後ろの牛馬車が通れないようです。

 

もう突っ込む所多すぎて一々突っ込んでいられません。

 

 

ぐぅー

 

 

・・・

 

今お腹が鳴ったのはどちらさまで?

 

「うーむ……<ぐー>」

 

「……^^<ぐぅー>」

 

両方かよ。

 

もういい加減決めましょうよ。献立。

 

「…」

 

「うーん、そ、そう。貴様は何が食べたいんだ?」

 

30分考えて出てくる答えがそれですか。

 

人に話を振ってきただけマシなのですけどね。

 

『春蘭お姉ちゃんが食べたいもの食べたい』

 

一刀ちゃん、今はキャッチボールをしている場合ではないのですよ。

 

本当にそろそろ決めないと昼時すぎてしまいますから。

 

「い、いや、ほら、私は……何を食べるとかはあまり気にしないからな」

 

正直な話、自分が食ったものが何なのかも解らない人には相当難しいです。こんなことって。

 

「……」『春蘭お姉ちゃんが食べたいもの』

 

「うぅ……」

 

難しい判断を子供に任せようとした春蘭さんはこういう反応にまた唸りながら長考に入りました。

 

一刀ちゃんもこんな時には容赦ないんですね。自分もダメージ入りますけど。

 

 

 

 

それからまた一時間経って、結局蟹炒飯を食べることにしました。

 

あれだけ考えておいて頭がから出てくるのが蟹炒飯かい!って叫びたかったんですけどね。

 

まあ、あの人の頭から考えの結論というものができただけでも奇跡といえるでしょうよ。

 

今まで誰も彼女にここまで時間を与えたことはないだろうと思います。

 

ぐーぐーぐーーー

 

「……^^♪」

 

一刀ちゃんの腹はそろそろ鳴くときが過ぎちゃってもいい頃でしょうに、まだああして凄い勢いで鳴っています。

 

それでも一刀ちゃんの顔がパァッとしているところ、僕は今果てしなく恐ろしいです。

 

『行こっ?』

 

「あ、ああ」

 

一刀ちゃんが春蘭さんの片手を抱いて引っ張ったら、春蘭さんもつべこべ言わずに一刀ちゃんが行くまま連れて行かれちゃいます。

 

春蘭さん、今きっと心の中から「こ奴、どうしたのだ?何か悪いものでも食べたのではないだろうな」とか思ってるでしょうね。

 

実は僕がそう思ってます。

 

・・・

 

・・

 

 

定食屋に入って、春蘭さんは先ず蟹炒飯注文して、また他に色々注文しました。

 

でもメインは蟹炒飯です。

 

何せ一刀ちゃんは、三つ以上の料理を同時に食べることができない小腹なんですので…

 

「……☆(キラキラ)」

 

「うーん……」

 

でも何か、春蘭さん困った顔していますね。

 

「?」

 

『どうしたの、春蘭お姉ちゃん?』

 

「いや、ほら…あれだ。貴様、どうして今日は私と食べようと思ったのかって……先からずっと考えていたのだが」

 

先からまさかあれを考えていて献立を決めるに時間がかかったとかではないですよね?

 

でなければ私が一刀ちゃんの腹を空かせておいた罰としてこの故郷から持ってきた靑陽唐辛子を……

 

『ボクは前から春蘭お姉ちゃんと御飯食べたかったけど、機会なかったし、それに春蘭お姉ちゃんボクのことあまり好きじゃないし?』

 

「そう、そこだ!私は貴様のこと嫌いなのに、どうして私が貴様のお昼を奢ってやらなければならないのだ!」

 

「……」『お金の問題?それだったらボクの分はボクが払うよ?』

 

「いや…そういう問題ではなくてだな……あぁー、なんといえばいいんだ?」

 

この微妙に似合わない組み合わせに本当どういえばいいのか。

 

 

「……♪」

 

「しっかし、お前は本当に美味しそうに食うよな」

 

「?」『食べるって楽しいじゃない?』

 

「それはまあ、確かにうまいものを食うと嬉しくはなるが……貴様の場合は、ちょっと変だぞ?」

 

「…」『そうなの?』

 

はい、なんというか……見ていると自分も同じものを食べたくなるようなアレです。

 

そんなにおいしいものなのかって……

 

実際、今一刀ちゃんの周りのテーブルにかに玉も追加注文が入っています。

 

後は……

 

「…何か、他のも食うか?」

 

『うぅん……春蘭お姉ちゃんはこれじゃ物足りないよね』

 

「いや、私は…今日は何かもういい」

 

『え、どうして?』

 

「なんとなくだ…それより、何かもっと食べろ」

 

『え、いや、ボク小腹だからあまり』

 

「ああ、買ってあげる人が買ってあげるというのに断るな。さっさと食わんか!」

 

『うぅ…そんなに怒られても……』

 

見ているだけでもお腹一杯ですね。解ります。

 

『じ、じゃあ…なんでもいい?』

 

「ああ、何でも良いぞ」

 

『じゃあ、じゃあ…これ食べてみてもいい?』

 

何か高いものでもお願いするのかと思えば…

 

「うん?」

 

メニューで一刀ちゃんが指したのは、

 

え?子供定食?

 

こんなのもあるんですか。

 

ってか、頼むのがそれですか?

 

「……ぷははははーー!」

 

「!?」『そんなに笑わなくてもいいでしょ!』

 

「いやー、しかしお前も本当子供だな」

 

『……駄目なの?』

 

「いやー、そうは言ってないだろ。ちょっと、ここに子供定食一つ頼む!」

 

「……うぅ」

 

何頼んでおいて恥かしがってるのですか?

 

【だって……】

 

最近一刀ちゃんの感情表現については、あまり突っ込まないほうがいいかなぁと思ってきましたよ。

 

【…おいしいよ?】

 

そういう話ではありません。

 

 

 

 

「……!!(ガツガツ)」

 

ええ、僕がちゃんと表現したのかどうかわかりませんが、

 

今一刀ちゃん、がつがつって食べてます。はい。

 

あんなに食べる一刀ちゃんは初めて見ます。

 

本当においしいようですね、あの子供定食。

 

・・・

 

え、ちょっと、そのテーブルのおじさん?子供定食は十二歳以下の子専用ですよ。

 

「……♡」

 

「そ、そんなにおいしいのか?」

 

「?」

 

食べるに夢中だった一刀ちゃんは(こんなになる一刀ちゃんもまた新鮮ですね)ふと春蘭さんの顔を見て、

 

「…」『食べる?』

 

「…は?」

 

そして一刀ちゃんは、…あれって何ですか?チキンライス?とにかく掬って、春蘭さんに出しました。

 

「い、いや、私は……」

 

「……」

 

あぁー、春蘭、一度一刀ちゃんがこうなったら食べてあげないと駄目ですから。

 

「うぅ……、おい、北郷……」

 

「……(むーっ)」

 

まぁ、季衣さんと一緒に食べてると思ってがぶっと言ってください。聞こえないでしょうが。

 

「うー……」

 

がぶっ

 

「……」

 

『おいしい?』

 

「……ん。まあまあだな」

 

『ええ?おいしいよ』

 

「ふん、子供の口にはそうかも知らんがな。私にはまあまあなのだ」

 

この場合、食事後三秒過ぎたら献立忘れるあなたがそれを言っていいのかは少し考えてみる価値がありそうです。

 

 

 

 

『美味しかったね』

 

「うん、まぁな」

 

今日の春蘭さんは、完全に一刀ちゃんとペースに流されっぱなしでしたね。

 

『また二人で食べに来ようね?』

 

「は?また?」

 

「……」『ヤなの?』

 

「いや……うん、まあ……いいだろう。今度は季衣と秋蘭と皆で一緒に食べに行こう」

 

「♡」

 

 

 

「あ、一刀ちゃーん」

 

あれ?あそこで三羽烏の皆さんが……

 

「春蘭さま、こんにちは」

 

「ああ、お前らか。どうだ?警邏の仕事は」

 

「どんどん慣れてきています。……お二方はもうお昼は済ませたところですか?」

 

「(こくっ)」『凪お姉ちゃんたちはまだなの?』

 

「はい」

 

「ウチらはお昼時が一番忙しい時っちゅうかな……昼酒した連中や食い逃げや色々あるしなぁ」

 

『そうなんだ…』

 

「それで、それで、一刀ちゃんは何食べたの?」

 

「うん?ボク?」

 

「せやな。そういや一刀ちゃんはここで長くいたからおいしいところ知ってるやんか。何食べたん?ウチらも同じもん食べようかなって思って」

 

『うーんとね……』【いや、子供定食食べたんだけど】

 

 

『美味しかった』

 

「「「え?」」」

 

『美味しかった<<ドーン>>』

 

ドーンはエフェクトです。

 

「えー、何それー?」

 

「ウチには教えてあげへんてことか……くー、じゃあ、春蘭さま!」

 

「は?」

 

「そうなの!春蘭さま!何食べたの?」

 

「……」

 

 

「美味しかった<<ドーン>>」

 

ドーンはエフェクトです。

 

「ええー?」

 

「なんや、なんや、二人して。おいしゅうとかそんなんじゃなくて、何おいしゅう食べたんや?」

 

『美味しかった』「だから、美味しかったっていっているだろ」<<ドドーン>>

 

「「ええー??」」

 

「……」

 

ドドーンは(ry

 

 

・・・

 

・・

 

 

 


 
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