No.179767

TINAMI 学園祭 (出会い)

戦国さん

TINAMI学園祭に参加させていただく戦国と申します

この作品でも、戦国という人物が登場しますが、全くの別人です

さらに、別の作品でも同姓同名の人物が出ますが若干性格が異なります

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2010-10-22 21:09:08 投稿 / 全13ページ    総閲覧数:2176   閲覧ユーザー数:1864

学園祭の時期

 

 

 

それは多くの学生が楽しみにしているビックイベント

 

 

 

屋台や劇など、さらにはバンドの演奏や喫茶店などを出すクラスもある

 

 

 

当然、個人やグループなどでクラスから離れて参加する者もいる

 

 

 

そして、このクラスでも学園祭の為の出し物を決めているのだが・・・・・・・・・・

 

 

 

「・・・・さて、今年の学園祭、我がクラスの出し物は『ホストクラブ』でよろしいですね?」

女子「賛成です!!!!!!!!!」

 

・・・・・・出し物があまりにもマニアックすぎであった

 

「・・・・・・あの?委員長・・・・・・男子の拒否権は・・・・」

「ありません」(ニコ)

 

いや、そんな笑顔で断言されても・・・・・・・・・彼女の名前は平成宝姫(へいせい ほうひ)、このクラスの女子委員長を務める生徒でとんでもなくお金持ち。普段は大人しいが企画など立てるとそれが成立するまではとことん張り切る女性である。学校では『学園の五姫』の一人とか呼ばれている

 

「光さん?今日は何月何日ですか?」

「・・・・〇月▽日ですが・・・・」

「そう、そして学園祭が始まるまであと一週間です。他のクラスはもうとっくに準備を進めているのに私たちのクラスだけですよ。出し物すら決まっていないのは!」

「う(汗)」

 

確かに、他のクラスはすでに看板の製作や劇の練習などして終えて、俺達のクラスだけ何もしていない

最初は「他のクラスと重なんないようにしよう」って誰かが言ってそれから様子見の状態だが

 

「さすがに私も待ちきれませんから、女子だけで決めさせていただきました」

「っちょと待て!」

 

そこで一人の黒髪の長髪男子が声を上げた

 

宝姫「・・・・守王戦国(すおう せんごく)さん、何か」

 

彼の名は戦国、俺の友人だ。でっかい剣道道場の息子で中学の時点で全国大会で優勝を経験しているとか・・・・さらにはファンクラブが立ち上げられているらしい

 

「何で勝手に決めるんだ平成!」

「それはさっき言ったように学園祭に間に合うように私たち女子が決めさせていただきました」

「・・・・・・却下だ!・・・女を相手にするなど俺には出来ん!」

 

ああ、そうだった。戦国はかなりウブなんだった・・・・・強いのに女に弱い・・・・・どこの漫画のキャラだ

 

「宝姫さん、ちょっと良いですか?」

「なんですか、大気さん」

 

江戸大気、もう一人の親友であり、このクラスの男子委員長・・・・そしてこの学園の首席でもある。普段はこの二人がこのクラスを取り締まっているのだが今回の件は知らなかったらしい

 

頼む!この出し物は勘弁してくれ

 

「別に出し物がホストでも構わないのですが」

 

おい!

 

「・・・・・男子が少なすぎるのですが」

全員「あ」

 

 

そうだ、このクラスは男子が他のクラスと比べて少ない。しかも、何人かの男子は別の出し物をするとか言い出し、現在このクラスにいる男子は一桁である。そんな少ない男子が女子を相手にするなどとても出来ない

 

「ああ、大丈夫です。女子も何人か相手しますから」

「ああ、それなら安心です」

 

安心するな!

 

「・・・・もう決定なんですか?」

「はい♪男子が却下しようとしても多数決で決まりますし」

 

がっくし

 

 

 

そして、学園祭当日

 

男子「いらっしゃいませ」

女子「きゃあああああ♪」

 

廊下ではなぜか悶える女子生徒の声が響きわたった

 

クラスの部屋はかなり豪華な飾りが施してあり、テーブルや椅子などもどこかのレストランにあるよな設備に変えられた

 

「やはり、ホストクラブにして正解でしたね・・・・・・・計画通り」

「さすが、平成財閥の財力。たった数日でここまでするとは」

 

宝姫は電卓を叩きながら何かブツブツ言い出し、大気は真面目に感心していた

 

「・・・・・無念」

「まあ、しかたないよ戦国」

「・・・・頼む光。これが終わったら切腹の準備を手伝ってくれ」

「断固として阻止するぞ!」

 

この学校で自殺事件なんて絶対に起こさせるかっつうの!

 

「未来さーん、八番テーブルお願いします」

「あ、はーい」

 

今は、客の相手をしないと

 

「あ、あのは、は、始めまして」

「あ、あ、よ、よろしくおねがいっ!します」

「/////・・・・・よろしく」

 

三人の女の子は顔を赤く染め下を向いていた

 

「あ、ああ・・・よろしく」

 

正直、ホストなんて知らないし。女の子を相手にするなんてあんまり無いからむしろ俺が緊張するはずなのだが、相手が俺以上に緊張していた為か何故か普段どおりに対応できた

 

「それじゃ、何か飲みたいものとかありますか?・・・・こちらがメニューになります」

 

とりあえず、メニューのパンフレットを見せた

 

「そ、それじゃ・・・・アップルジュースとエクレアをお願いしますっ!」

「・・・ミ〇ヤサイダーとチョコレートケーキを」

「・・・・・・青汁と抹茶アイスで」

「了解です・・・少々お待ちください」

 

・・・・・・・・・・なんで、青汁がパンフレットに載っているんだよ!

 

 

厨房

 

そこには何人かの女子たちが料理を作っており、美味しそうな香りが充満していた

 

「オーダーです。エクレア、チョコレートケーキ、抹茶アイスを一点。飲み物がアップルジュース、ミ〇ヤサイダーと青汁」

「はーい」

 

厨房の奥でニット帽を被った少女が元気良く返事をするとすぐに注文された品が置かれた

 

「サンキューな愛里」

「にゃわわ、これくらい朝飯前です」

 

彼女の名前は奈良愛里。今回の出し物で出す料理は全て彼女が考えた物である・・・・・・・なんで青汁が載っているのかは今は聞かないでおこう。料理に関しては豊富な知識を持っており、一度に五つの料理が作れるほどの腕前だ。口癖が何故か『にゃわわ』なのかは謎である

 

「それじゃ、持って行くね」

「はい、冷たいうちにお願いしますね」

 

そして、テーブルに戻り

 

「お待たせしました、エクレア、チョコレートケーキ、抹茶アイスを。飲み物がアップルジュース、ミ〇ヤサイダーと青汁ですね」

 

「わー!美味しそう」

「いただきます」

「・・・・・苦そう」

 

まあ、青汁だから当然だな

 

 

 

・・・・・・そんなかんだで、時間が過ぎ次々と女性客がやって来た

 

 

 

気が付いた頃にはすでに昼を過ぎていた

 

「はい、それじゃ光さんは休憩に入って良いですよ」

女性客「えええええ!」

 

相手にしていた女性達は少し不満そうな顔をしていた

 

「ゴメンね、俺も色々回りたいから」

「なら、私たちが!」

「ゴメン!」

 

 

 

そう言って、この場から抜け出しとりあえず厨房に向かった

 

 

「愛里、いるか?」

「お、光。お前も休憩ですか?」

「まあね、一時間だけ」

 

厨房には戦国や他のクラスのメンバーもいた

 

「そっちは?学園祭楽しんだ?」

「まあな、バンドの演奏や、お笑いのショーなんかもやっていたぞ」

「へぇー」

「・・・あまり物ですが肉まんがありますよ」

「お!サンキュー」

 

 

愛里は積み上げられた肉まんの山を出した

 

 

「ふー生き返った」

「大変そうですね」

「まったくだ、絶対に将来こんな職に就きたくない」

「・・・・そうか?一番指名されていたの戦国じゃなかった?案外、いけているんじゃな・・・・・(チャキ)」

「ソレイジョウイッタラ、キル」

「・・・・悪かった」

 

戦国はどこから出したのか分からない、刀を俺の首元に付きつけた

 

一瞬、切るとKillの両方聞こえたような

 

 

そんな時

 

「ん?外が騒がしいな」

 

ピンポンパンポーン

 

『ええ、風紀委員の皆さん。校内に不審な犬を発見。ただちに捕獲をお願いします。なお、この犬はとても賢く。何故か女性にしか近づきません。繰り返します、風紀委員の皆さんはただちに犬の捕獲に向かってください』

 

「・・・なんか、あったのかな?」

「まあ、いいだろ俺達には関係ない。風紀委員に任せればいいだろ」

 

そして、一人の風紀委員が厨房に来た

 

「君達、この辺に女子制服を着た犬を見なかったか?」

「いや、ここにはいませんが・・・」

「そうか!」

「おい!関平!いたぞ、女子更衣室に逃げ込みやがった」

「わかった!」

 

そして、駆け足で出て行った

 

 

 

「・・・あ!光、もし時間があったらこれ受付の人に渡してくれる?何か、暇そうだったから」

「ああ、いいよ」

「それじゃ、俺は戻るな」

「ああ」

 

 

その後、受付に向かい。何かと暇そうにしている受付の女子生徒二人に残り物の肉まんとジュースを渡した

 

 

 

「さて・・・・・・・・・・・一緒に回る相手がいない。・・・・・・他のクラスメイトたちは『ホストクラブ』で忙しいし。他の学年にも知り合いはあんまりいない」

 

 

とりあえず、適当に回っていた・・・・・元々、学園祭もそこまで積極的に楽しもうとか思っていなかったし・・・・・・

 

 

適当に時間をつぶし、何も収穫は無く、ただ学園を回っていた

 

そして、休憩時間も無くなりそうにクラスに戻る事にした

 

 

「あ、光君、どうだった、学園祭は?」

 

 

大気は笑顔でこっちを見た

 

 

「まあ、適当に散歩していた程度かな?」

「ええ!もう少し楽しもうよ、せっかくの学園祭なんだから」

「っと言ってもな、一緒に回る相手がいなかったんだから」

「はあ、光君には青春っていう言葉を知らないのかな?」

「妙にムカつくなそれ」

「まあ、これが終わってもまだ時間があるし、学園祭は最後まで楽しもう♪」

「はあ」

 

客の勢いは全く減らず、むしろ増えているような気がした

 

 

 

そして

 

「お、終わった!!!」

「・・・・・マジ、死にたい」

「皆、お疲れ」

「かなりの収穫ですね」

「にゃわわ、腕がもう上がりません」

 

『ホストクラブ』は無事終わり、まだ残りのイベントとか残っているがさすがにそれに参加する体力はあまり残っていない

 

俺達はとりあえず厨房で休んでいた。他のクラスメイト達は別の所で休んでいたりしている

 

「おーい、戦国、生きているか?」

「生きているが・・・・何か失った気がする」

「ははは、まあ楽しかったね」

「「そう思っているのはお前だけだ!」」

 

大気だけは何故か涼しげな顔で笑っていた・・・・・普段、体力なさそうな体しているのにどこからそんな力が出るんだよ!

 

「っで?どうする?まだ最後にフォークダンスがあるけど?」

「・・・・でもあれって、ペアじゃないといけないじゃなかったけ?」

「にゃわわ////一緒に踊る男女。ロマンチックですね」

「そうね、私も一度はワルツ以外の踊りがしてみたいわ」

 

このお嬢が・・・・・

 

「・・・・・先に行く」

「あれ?戦国、もしかして相手がいるの?」

「・・・・・さっき、誘われた」

「にゃー/////」

「あらあら、いつの間に?」

「意外とやるねその子」

 

そして、戦国は顔を赤らめて校庭に向かった

 

「それじゃ、僕たちも行きます?」

「あ、先に行ってて」

「あれ?光、どうしたの?」

「クラスにちょっと手帳忘て」

「分かった、じゃ後でね」

 

大気たちもそのまま校庭に向かい、厨房には俺一人になった

 

 

クラスのところに戻ったが電気は消されて、部屋は真っ暗だった

 

「さて・・・・・」

 

パチ

 

「・・・・・・」

 

電気をつけた瞬間、椅子のところに一人の少女が座っていた

 

「・・・・やっぱりいたんだね」

「・・・・・・・」

「・・・・君、ずっとこのクラスを見ていたでしょ」

「・・・・・・・」

「最初は誰かの様子を見に来たんじゃないかなって思っていたけどそうじゃなかったみたいだね」

「・・・・気付いていたのですか?」

 

少女は口を開き、喋りだした

 

「・・・君、ずっとここを見ていたね」

「・・・・・・・・」

 

再び、口を閉じ下を向いた

 

「君、友達とかは?」

「・・・・・・いない、学校ではいつも一人だったから」

「・・・・・・・」

「でも、一人が寂しかった。友達が欲しい。でもどうすれば分からなかった・・・・・・・羨ましかったのです」

「羨ましい?」

「・・・知らない人たちが集まっているのにあんなに楽しそうなのが羨ましかった」

「・・・・・・・」

「・・・・私もここに来ようって思いました・・・・せっかくの学園祭、何か思い出を作りたいって・・でも、並ぼうとすると足が震えて・・・・・気が付いたら列から離れていました」

「・・・・・」

「・・・・ごめんなさい、勝手に入り込んで勝手にこんな話をさせて」

「・・・・・・・楽しもう」

「え?」

「・・・一緒にこの学園祭で思い出を作ろう」

「え、でも、もうこの時間じゃあ」

 

この子も俺と同じだ・・・ただ、俺よりも不器用で何をすればいいのか分からない

 

 

なら

 

 

 

 

 

 

「フォークダンス、まだビックイベントが残っているよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は彼女の手を引っ張って校庭まで行った

 

そこでは大勢の生徒や他校の生徒たちがキャンプファイアーを囲んでいた

 

『それでは、本日の学園祭、最後のイベント、フォークダンスを始めたいと思います』

 

「「「「「「「イエーー!!!!」」」」」」」」

 

キャンプファイアーの近くで大気たちと合流した

 

「あ、光君やっと来・・・・って誰、その子?」

「・・・俺のパートナー」

「ええ?!」

 

「・・・・そろそろ、始まるぞ。せっかくの学園祭だ、最後まで楽しむぞ!」

「・・・・・・・どうしたの?光君?」

「にゃー、分かりません」

「・・・青春でも見つけたのかもしれませんね」

 

そして、ダンスが始まった

 

「・・・・そう言えば、君の名前聞いていなかったね」

「・・・・空・・・・過去空(かこ そら)です」

「そうか、空・・・・良い名前だね」

 

 

 

それから、彼女は何も話さずただ他の人たちの動きにあわせて踊っていた

 

そして、ようやくダンスが終わり、祭が終わった

 

「・・・・・どうだった?」

「・・・・・・・」

 

相変わらず、彼女は何も言わない

 

「・・・君、もしよ『・・後悔しました』・・え?」

「・・・・こんなに楽しかったなんて知りませんでした」

「・・・空」

「光さん、私・・・・ずっとあなたを見ていました」

「・・・・・・・」

「・・・友達がいないのは本当です。でも、それが理由で入れなかったわけではありません」

「・・・・・・・・」

 

 

 

「・・・私は・・・・・・あなたが好きなんです!」

「・・・・・・・」

 

「・・・好きで・・・それで・・・・入れなかったの・・・です」

「・・・・・・」

 

「あ、あのすみません!急にこんなこと『・・返事』・・え」

「返事、明日でいいかな」

 

 

「あの・・・・・・・・分かりました」

 

そう言って、彼女を自宅の近くまで送った

 

 

 

「・・・わざわざ、ここまでしなくても・・・・・・・・本当にありがとうございます」

 

 

 

彼女が家に入る瞬間、俺の顔を見た

 

 

 

 

 

 

その顔は本当に幸せな顔をしていた

 

 

 

 

そして、家に帰ろうとしていた時

 

プルルルル

 

「あ、もしもし。戦国か?・・・ああ、あの子ね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・なあ、戦国」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・俺、一目惚れしたかも」

 


 
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