No.173660

真・恋姫無双呉ルート(無印関羽エンド後)第三十一話

海皇さん

いつも見ていただいている皆さん、お待たせいたしました。ようやく31話を投稿できました。今回は、ようやく小蓮が登場します。そして一刀争奪戦もヒートアップします!

2010-09-20 13:30:58 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:7270   閲覧ユーザー数:6093

 あの軍議の後、俺達は袁術に対する情報工作を行った。

 情報工作といっても手口は単純、袁術が帝を僭称して、漢王朝に謀反を企てているという噂を流すだけだ。

 一見単純そうだが、これがかなりの効果を出した。

 なにしろ現在漢王朝は力を失っているとはいえまだ存続はしている。そして朝廷の権威もいまだに存在するのだ。それなのに皇帝を名乗った袁術は間違いなく漢王朝への反逆者、賊軍となるわけだ。

 

 ただでさえ民への暴政で評判が悪いのに、賊軍の汚名まで着せられた袁術に従おうとする諸侯など居るはずも無く、今まで袁術よりだった諸侯も、孫呉の傘下に下ることになった。さらに袁術領内の領民達にも孫呉に味方をしてくれる人達が大勢出てきた。

 どうやら袁術領の領民は皆、袁術の過酷な重税や、圧政にうんざりしており、そんな袁術から孫呉が自分たちを解放してくれると考えたらしい。

 もちろん雪蓮達もそのつもりらしいけど、それにしても、自分の領地の民にすら見捨てられるなんて、袁術は一体どういう政治をしていたんだか・・・。

 

 まあとにかく、こうして袁術討伐の大義名分を得て、勢力も強化した俺達は、袁術討伐のための準備を着々と進めていった。

 そして現在、俺達は袁術の居城に向けて進軍していた。

 

 俺達の工作で、袁術領のあちこちで領民達の反乱が起こっており、袁術軍はあちこちに兵を向けなくてはならなくなったため、現在、袁術の本拠地にはそこまで多く兵が残っていないのだ。さらに、例の噂と袁術自身の圧政(情報によると、袁術は皇帝に即位してからというものの、贅沢三昧の暮らしをしているとか)によって軍の指揮も低下しているため、敵軍を制圧することも難しくないだろうという結論に達したため、今回出陣することになったわけだ。

 

 今回の戦いでは、途中で蓮華と同じく袁術によって遠くに送られていた末妹の孫尚香の軍勢も合流するとのことだ。

 

 孫尚香、小蓮か・・・。まず間違いなく前の世界と同じ性格なんだろうな・・・。

 

 できることなら仲良くなりたいけど・・・。前の世界でも相当なお転婆だったからな・・・。

 同じくらいお転婆な姉もいるし、体もつかな・・・、俺・・・。

 

「か~ずと、ねえ、一刀ってば!」

 

 「のわ!?な、なんだ雪蓮!?」

 

 いきなりの声に驚いて俺が後ろを振り向くと、そこには小蓮並のお転婆もとい、雪蓮が少し不満そうな顔で立っていた。

 

 「なによ~、一刀ったら、いきなり驚いちゃって。私何度も話しかけたのよ~」

 

 「あ、いや、ごめんごめん。ちょっと考え事していてさ」

 

 俺の謝罪を聞いた雪蓮は不満そうな顔から一変、なんとも妖しげな笑みを浮かべた。

 

 「うふふ~♪なんだ一刀ったら、もうこんな朝からしたくなっちゃったの?

 んも~だったら早くいってくれればいいのに~♪」

 

 「ちょっ、何言ってるんだ雪蓮!!お、俺は別にそんなこと・・・」

 

 「なっ!?ご、ご主人様、こ、こんな朝から雪蓮としようというのですか!?

 わ、私にはもう飽きてしまわれたのですか!!??」

 

 「MA☆TTE!!愛紗!!違うんだ!!雪蓮が勝手に!!」

 

 「ひ、ひどいわ一刀!!昨日はあんなに激しくしてくれたのに!!

 私なんて、所詮関平の二号だったのね~!!」

 

 「雪蓮!!いや、そんなことないから・・・「うるさいZE!!少し黙ってろ!!」・・・あんたが黙ってろ!!」

 

 「ゴジュジンザアバ!!アンナクニンナディカャール!!!」

 

 ちょっ!?あ、愛紗がオンドゥルに!!まずい!!これじゃあ袁術と戦う前に死にかねねえ!!

 

 「うふふ~♪か・ず・と♪」

 

 「ニゴリエーズバワダシノモノダアアアアア!!!」

 

 気が付いたら、妖艶な微笑を浮かべた雪蓮と、背後に某クワガタ銃ライダーを背負った愛紗が目の前に迫ってきていた。

 

 その後、冥琳が仲介に入ってくれて、何とか命の危機は脱したんだけど、城に帰るまではという条件付だったから・・・、城に帰ったらどうなるんだろうな、俺・・・。

 さて、そんな風に色々ありながら俺達は行軍を進めていたら、はるか向こうから軍勢がこっちに向かってくるのが見えた。旗を見てみると赤色で孫の文字が入っていたから恐らく孫尚香の軍勢だろう。

 

 「前方から軍勢がこちらに向かってきております!旗印から小蓮様だと思われます!」

 

 明命が嬉しそうに報告をする。なるほど、やっぱり小蓮だったか。

 

 「うん、予定通りね。これで孫家の姉妹が全員そろえたわね」

 

 「ああ、まったくここまで来るまで長かったな」

 

 明命の報告を聞いた雪蓮と冥琳もまた、嬉しそうな表情で言葉を交わしていた。

 まあ長い間姉妹離れ離れになってたからな。久しぶりに会えるとなれば嬉しくもなるよね。そういえば一菜は元気にしているかな・・・。

 

 「あ!そうそう一刀」

 

 「?何、雪蓮」

 

 俺が元の世界の妹の事を考えていたら、突然雪蓮が俺に話を振ってきた。

 

 「さっき話し忘れたんだけどね、もう知ってるだろうけど、今回合流するのは私の末の妹の孫尚香って子よ。まだ小さいけど、元気があっていい子なのよ~」

 

 と、雪蓮が今回合流する孫尚香について話し出す。

 

・・・なんかこれ、蓮華と合流する時と似ているような・・・。

 

 「・・・でね、蓮華の時と同じように、小蓮、あの子の真名なんだけど、彼女と仲良くして欲しいのよ。できれば真名預けられるくらいまで♪」

 

 「・・・そして孫尚香も孕ませろ、と・・・?」

 

 「あ、ばれた?」

 

 雪蓮はそういって舌を出した。けど、俺にとっては笑い事ではない。

 と、後ろから冥琳がこっそり話しかけてきた。

 

 「・・・小蓮様は雪蓮並にお転婆なお方なので、まあ、頑張ってくれ」

 

 「・・・・」

 

 それ、励ましになってませんよ、冥琳さん・・・。

 

 

 「お姉さま~!!」

 

 「シャオ!元気にしてた?」

 

 「もっちろーん!!元気いっぱいだよー!!」

 

 俺達が孫尚香の軍と合流すると、軍の中から雪蓮と蓮華と同じ色の髪と目をした少女が飛び出してきた。この世界の孫尚香、小蓮だ。やっぱりというべきか前の世界と全く同じだ。喜ぶべきなのかな、この場合・・・。

 

 「?お兄さん誰?」

 

 と、突然小蓮がこっちを注目してくる。・・・やっぱり俺の知っている顔で知らないって言われるのは慣れないな、いつになっても。

 

 「小蓮、紹介するわね。彼が今噂の天の御使い、北郷一刀よ」

 

 「?天の御使い?」

 

 雪蓮の説明を聞いた小蓮は俺のほうに近づいてくると、俺をじっと見つめてきた。

 

 「あ~、その、よろしく」

 

 「・・・・・」

 

 とりあえず挨拶をすると、小蓮はいきなり艶かしい目つきでこっちを見てくる。

 何だろう・・・。この展開、前の世界でもあったような・・・。

 

 「・・・いい男ね、あんた」

 

 「は?」

 

 いきなりの小蓮の言葉に俺はただ一言、そう返すしかなかった。

 と、後ろにいた雪蓮がニヤニヤしながら近づいてきた。

 

 「うふふ、シャオ、気に入った?」

 

 雪蓮の言葉を聞いた小蓮は雪蓮の方を向いて満面の笑みを浮かべた。

 それに対して雪蓮も、にっこりと笑みを浮かべた。

 

 「よかったわね~、一刀、シャオあなたのこと気に入ったみたいよ♪」

 

 「あ、いや、まあそれは嬉しいけど・・・」

 

 「シャオ、一刀ってね、夜凄いのよ~、私なんて何度もイカされちゃって」

 

 「え~、姉さまもう一刀とやっちゃったの~~!む~、うらやましい~」

 

 「大丈夫、一刀は孫家の人間を全員孕ませるのが義務だから、シャオのこともちゃんと可愛がってくれるわよ♪」

 

 「ホント~!?やった~!!」

 

 ・・・・。

 

 な~んか俺に関係なく話がどんどん進んでるんだけど・・・。

 

 「あ、あの~、孫尚香さん・・・」

 

 「んっふっふ~♪シャオのことは小蓮って呼んで♪か・ず・と♪」

 

 「よかったわね~一刀♪これで孫家の人間全員おとしちゃったわね♪」

 

 ちょっ、雪蓮、俺にとっては笑い事じゃないんですけど!

 まあ嬉しくないわけじゃないよ?嬉しくないわけじゃ。

 でも、こんな話をしていたら・・・。

 「ご主人様!!」

 

 きたあああああ!!!!愛紗があああああ!!!

 しかも若干キレてるし!!!

 

 「ご、ごご、ご主人様!!なにをしているんです!!」

 

 「い、いや、何って・・・」

 

小蓮が俺に抱きついているんだけど・・・。

いや、俺が抱いてるんじゃないよ!?小蓮から抱きついてるんだよ!?信じて愛紗!!

 

「誰?あんた。一刀の何なのよ」

 

「私の名は関平!!北郷一刀様の一の家臣にして、こ、ここ、恋人だ!!!

お前こそ何者だ!小娘!!」

 

「むっきー!!だれが小娘ですってー!!シャオは孫尚香!!雪蓮姉さまと蓮華姉さまの妹よ!!あんたに一刀の事口出しされる言われはないもん!!黙っててよ!!」

 

「黙るのは貴様のほうだ!!貴様のような貧相な体型でご主人様を満足させられるものか!!10年経ってから出直して来い!!」

 

「なんですってええええ!!!シャオだっていつかはあんたなんかよりもバインバインになるんだもん!!そして一刀をおとしてやるんだからね~!!」

 

「ふっ、いつの事になるやら・・・」

 

「むっか~~!!!」

 

 なんかいつの間にか愛紗と小蓮が口論始めてるし・・・。

 

「なあ雪蓮、放っておいていいのか?」

 

「ん~?大丈夫♪すぐにおさまるわよ。それに、喧嘩するほど仲がいいって言うでしょ?」

 

「・・・そんなもんか?」

 

「そんなもんそんなもん♪」

 

 雪蓮はそう言って笑っていた。

 すぐおさまるね・・・。そんな気配なさそうだけど・・・。

 

「・・・どうでもいいが今行軍中だぞ・・・」

 

隣から冥琳の溜息が聞こえた。

 劉表side

 

「まったく紅刃様も面倒なことするね~」

 

蒯良は菓子を摘みながら韓嵩に言った。

 

「わざわざ偽物の玉璽作らせて袁術に皇帝を名乗らせるなんてよ。んなことしなくても袁術勝手に自滅するだろうに」

 

「あの方はいつも確実な方法を取られるのよ。常に先を読まれて、自分の損失が少ない方法をお取りになられるわ。今回の方法も、まさにそれよ」

 

「ふ~ん・・・、そんなもんかね」

 

「そんなものよ、紅華」

 

 韓嵩は笑いながらお茶を飲んだ。一方の蒯良はまだ釈然としない表情をしていた。

 

「そんで、確か偽の玉璽回収するんだろ?一体誰に行かせることになったんだよ?」

 

「たしか・・・躑躅だったと思ったけど・・・」

 

「げっ!!よりによってあいつかよ・・・」

 

 韓嵩の口から出た名前に蒯良は顔をしかめた。それを見て韓嵩は苦笑いをした。

 

「・・・まあ確かにそう言いたくなるのは分かるわよ。あの子、強いんだけれど、少々頭があれというか・・・」

 

「つうか少々じゃなくて完全にいかれてるだろ、あいつ・・・。

なんで紅刃様はあんな七旗将、というか劉表軍一の問題児を玉璽回収に行かせるかな・・・」

 

「そうね・・・、私もそれは思ったわ・・・。へたをしたら袁術の城から人間が一人も居なくなるかもしれないわね・・・」

 

「ああ、袁術も可哀想に・・・。これで確実に死ぬな・・・」

 

「今回ばかりは同情するしかないわね・・・。本当に・・・」

 

 蒯良と韓嵩は大きく溜息をついた。

 

あとがき

 

皆さん、今回二週間ぶりの投稿となりました。

 

今回は小蓮登場の回で、袁術との戦いはまた次になりそうです。

 

・ ・・よくよく考えてみるとこれで31話、他の方々の小説に比べてかなりペースが遅

 

いんですよね・・・。もう少し早くしたいんですが・・・。ついつい色々と詰め込んでし

 

まうので、こんなに長くなってしまうんです。まあ長い目で見てください。

 

あと、この話に出てきた台詞の元ネタを書いておきます。

 

 MA☆TTE!!(遊戯王5d,s ジャック・アトラス{元キング} )

 

 違うんだ!!~が勝手に!!(遊戯王デュエルモンスターズ アテム{ 闇遊戯})

 

「うるさいZE!!少し黙ってろ!!」(遊戯王デュエルモンスターズ アテム{ 闇遊戯})

 

アンナクニンナディカャール!!!(仮面ライダー剣 橘朔也)

 

ニゴリエーズバワダシノモノダアアアアア!!!(仮面ライダー剣 橘朔也)

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
66
5

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択