No.147353

真・恋姫†無双 董卓軍√ 第二十一話

アボリアさん

董卓IF√第二十一話です
今回は対孫呉戦への導入部分です
誤字脱字、おかしな表現等ありましたら報告頂けると嬉しいです

2010-06-03 00:06:12 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:16375   閲覧ユーザー数:12272

 

華琳率いる曹魏の軍勢が北伐に赴いて数日がたった

先日の軍議という名の大騒ぎでは結局恋が同行することに決まり(代わりに帰ってきたら俺と月の手料理を満足するまで振舞うという約束をする羽目になったのだが)翠共々出立して行ったのだった

そんなある日、江東の豪族だという許貢が月に面会を求めてきたのだった

 

 

 

 

 

 

「董卓様。まずはお目通り頂き誠に光栄でございます」

 

許貢が平伏しつつ言う

 

「そのように平伏されずとも結構ですよ、許貢さん。…それで話というのは?」

 

「はっ!実は…」

 

 

許貢の話とは孫呉についての話だった

その話によれば、元々江東の地は大小さまざまな豪族達が集まり治めていた地だったという

その豪族達を束ねていたのが孫家の先代である孫文台だったらしいのだが、その死後、娘である孫策が継いでからは江東の地は袁術に支配権をとられていた

そのことからも孫家には盟主たる器無と豪族達は判断していたのだが、その孫家が袁術の隙を突きその領地を奪取

そのまま江東を支配するため自分達豪族を武力で制圧し始めた、というのが彼の言い分であった

 

 

 

「奴は自身の私利私欲のために江東を武力で奪い取ったのであります。また、孫策という人物は自身が傑出した武勇の持ち主でもあり、その武勇を頼みに近隣の国々を脅かそうとしております。それらから見ましても正に覇王項羽が如き所業、これを放って置けば必ず禍を招きましょうぞ」

 

ですから、と許貢は佇まいを直しつつ言う

 

「どうか董卓様には江東の安寧のため、孫策討伐の軍をあげていただきとうございます!そして願わくばわが手勢をその軍に従軍させていただきたいのです!なにとぞ、なにとぞ江東の民のため、孫策を討って下され!!」

 

そういって大仰に頭を下げる許貢

 

だが、正直彼の話は全く信用できないと俺は思っていた

 

態度こそ思いっきり低く丁寧に話しているが彼の眼は相手を利用しようとしている目…今まで幾度と無く見て来た、丁原や張譲と同じ目をしていたのだ

 

月や詠、他の皆も同じ思いなのか心なしか厳しい目つきで許貢を見ていた

 

「…貴方のお話は良く分かりました。でも、貴方の言い分ばかりを信用するわけには…」

そう月が言いかけたところに伝令が飛び込んでくる

 

「董卓様、大変でございます!!孫呉が大群を率いて長江を渡河する準備をしているとの国境警備の兵からの急報が入りました!!敵の規模から見るに総力戦を仕掛けてきたものと思われます!!」

 

「何ですって!!敵の目標は!?」

 

あまりの事態に驚きつつも詠が伝令に聞く

 

「はっ!!行軍経路、敵の規模から察するに合肥を狙っての侵略と思われます!!」

 

「…散々こっちの降伏宣告を蹴って来ておいて、やってくれるじゃない…!!」

 

詠が憤慨しつつ言う…そしてその報を聞き、勢いづいた許貢がまくし立てる

 

「董卓様!!これが孫策めのやり方ですぞ!!奴を討つは天下の民のためでございます!!」

 

わが意を得たりとばかりに喚く許貢

その思惑に乗るのは正直嫌悪以外の何者でもなかったが俺達の領土が攻められている以上出兵せざるを得なかった

 

 

「…仕方ありません。これより私たちの国に攻め入った孫策さんの軍を討つため出陣します!!皆、急ぎ準備してください!!」

 

 

「「「「「応!!」」」」」

 

 

こうして俺達は合肥に向け、出陣するのだった…

 

 

急ぎ救援に向かわないといけないため、俺達は合肥に向かう行軍の最中軍議を開いていた

 

「さて、どうしたものかしら…」

 

そういって嘆息する詠…その訳はごり押してついて来た許貢の一団だった

 

「奴等、間違いなくなんか企んどるやろしなぁ」

 

「ああ、従軍させてくれって異常なぐらいの勢いで頼み込んできたし、要注意だな」

 

皆うなずく…皆も俺と霞の意見に賛同のようだった

 

「かといって、奴等を手隙な場所に配置したらそれこそなにしでかすか分からないわ。…華雄、あんたの隊に奴等を組み込むから、奴等が好き勝手やらない様に監視をお願いできるかしら?」

 

「分かった、承ろう」

 

「お願いね、それで今回の作戦なんだけど…」

 

許貢の処遇も決まり戦についての軍議に入る

 

「そのことなんだけど、今回は…」

 

 

 

そうして俺達は作戦を練りつつ合肥へと急ぐのだった…

 

 

 

 

 

 

 

合肥 孫策軍

 

 

「噂には聞いていたけど、本当に守りの硬い城ね…」

 

孫策が呟く

 

三日前ほどに合肥に着いた孫策軍は十万の兵で合肥城攻めを開始したのだが、城は守りに特化したものである上に太守の劉馥の指揮の下、完璧に攻撃を防がれていたのだった

 

「雪蓮」

 

包囲の指揮を執っていた周喩が本陣に入ってくる

 

「今しがた董卓軍に向け放った斥候から伝令が入った。敵の規模は七万、董卓を始め賈詡、北郷、華雄、陳宮、張遼、馬岱、それに曹魏の楽進、李典、于禁が率いてきているらしい。もう数刻ほどでここからも目視できる距離まで来るそうだ」

 

「え?呂布は居ないの?」

 

当然の如くいると思われた猛将の名前がないことに驚く孫策

 

「ああ、呂の旗はなかったそうだ。おまけに曹操の主力部隊も居ない上に七万の兵…。どうやら北伐にかなりの兵をつぎ込んでいるようだな」

 

「なんにせよ呂布が居ないのは助かるわ。奴に対抗できるのは私と祭位のものだし、倒すとなったら二人掛りでやっとだもの」

 

そういって嘆息する孫策…ただ言葉とは裏腹につまらないと言った表情をしていた

 

「雪蓮。これは孫呉の存亡を賭けた戦いなんだぞ?呂布の不在をもう少し喜んだらどうだ」

 

「だから助かったっていってるでしょ…。じゃあ冥琳、予定どうり包囲の兵だけ残して私たちも向かいましょうか」

 

そういって立ち上がる孫策

 

「ああ。…伝令!合肥攻めの兵一万を残し、我々は董卓軍を迎え撃つ!!各隊に伝達せよ!!」

 

そうして孫策軍は一万の兵を残し近くの平原へと陣を移すのだった…

俺達董卓軍は斥候部隊の報告により孫策軍が陣を移し、大部隊を展開しているとの報告を受け、そ

ちらに向かう事になった

 

そして数刻後、合肥近くの平原で両軍が対峙していた

 

その陣容は俺達は先陣に華雄、中備えに俺とねねの合同部隊と霞、それに凪、沙和、真桜の魏軍の隊、本陣に月、その両脇を詠、蒲公英が固める陣営

 

対する孫策軍は先陣が孫策、黄蓋、中盤が周泰、陸遜、呂蒙、本陣を孫権、甘寧、周喩が固める陣容だった

 

暫くにらみ合いが続いていたのだが、そのうちに月と孫策が軍の先頭に立ち相対していた

 

 

 

「貴女が董卓?名前だけ有名で実物は見た事なかったけど、噂と大違いね」

 

「どんな噂が流れていたかは知りませんが、私が董卓で間違いありませんよ。私も孫策さんを直で

見るのは初めてになりますね」

 

孫策の挑発めいた言葉を普通に流しつつ月が答える

 

「こうして貴方達の軍とまみえるのは連合戦以来かしらね」

 

「ええ、そうなりますね。…できる事ならこんな所で敵として面会したくはなかったですけど」

 

「それは同感。だけど、私達も貴女の人となりを知らない以上、降伏を受けるなんてできないわよ」

 

「…そうですか。どちらにせよ、私の国を、民を巻き込む戦を起こしたのは許せません」

 

「貴女が許そうが許すまいが、私たちにも事情がある。…これ以上の話し合いは無意味みたいね」

 

「そうですね。戦は本意ではないですが降りかかる火の粉は払わないといけません」

 

「いい返事」

 

そういうと孫策は兵を鼓舞するように大声で叫ぶ

 

 

 

「聞け!!孫呉の勇者達よ!!この戦は孫呉百年の礎となる戦いである!!命を惜しむな、名を惜しめ!!」

 

 

 

「皆さん!!孫呉は私達の勧告を無視した上に、あろうことか長江を越え侵略してきました!!これを許す事はできません!!」

 

 

 

「この戦に勝ち、孫呉の名を天下に知らしめるぞ!!全軍、かかれぇー!!!」

 

 

 

「この地を、民を守るため!!そして乱世を終わらせるために、ここで孫呉を討ちます!!全軍突撃!!」

 

 

 

「「「「「「うををおおおぉぉーーー!!!」」」」」」

 

 

 

両軍が王の号令により進軍を開始する

 

 

ここに、合肥の戦いの幕があけたのだった…

 


 
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