No.138444

輪・恋姫†無双 二十一話

柏木端さん

二十一話投稿です。
なんか最近投稿するたびに読者が減っている気がします……
週一じゃあダメなのだろうか…それともやっぱり内容の問題?どちらにせよ頑張らなくては……

2010-04-24 17:51:37 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:1961   閲覧ユーザー数:1801

霊帝の崩御から張譲が少帝弁と劉協を連れて都を出た、なんていう既に得ている情報からはじまり、

 

その逃亡の最中に実行部隊確保のために涼州に駐屯していた董卓の軍を引き入れ都に凱旋するも、すぐに董卓に裏切られ掌中の皇帝を奪われる。

 

その後、董卓は少帝弁を廃位して劉協を玉座につけ、自らは相国となり朝廷内を牛耳っている。

 

洛陽では税が跳ね上がり、都の民の嘆きの声は天にも届く勢いである。

 

先日は官の大粛清まであったらしい…………

 

 

 

「と、まぁあとは腹立つくらいに回りくどいんだが……要するに諸侯みんなでその董卓を袋叩きにしませんか?という袁紹というヤツからのお誘いだ。どうする?」

 

「祐一君……その言い方はなんか乗り気じゃないみたいだよ?」

 

「俺の意見はみんなの意見を聞いた後で言おうと思ってる。というわけで桃香から時計まわ…通じないな、桃香から右回りにどうぞ。はい、まず桃香。」

 

「勿論参戦だよ!民のみんなに暴政を強いるような人を放っておくなんてできないよ!」

 

「桃香様のおっしゃる通りだ!力なき民に代わり、暴悪な為政者に正義の鉄槌を与えねば!」

 

「悪いやつは鈴々がみんなぶっ飛ばしてやるのだ!」

 

話を振られた桃香から順番に勢いこんで主張される主戦論。だが、

 

「私は将軍でも軍師でもありませんが、しかし……」

 

「美汐ちゃん?」

 

ここからは首をかしげる者たちに変わる。

 

「……この手紙のことが気になるんですか?」

 

「朱里さんもそうですか?」

 

「はい…檄文であるのでわからなくもないんですが、読んでみたところあまりに一方的すぎる言い分だと…」

 

「諸侯の権力争いで抜け駆けした形になった董卓さんへの嫉妬が、こんな形で現れた。と見るべきですね。」

 

「でも、董卓さんの圧政に苦しんでいる人たちが居るって言うだけで充分だと思うんだけど……」

 

「…それが、本当なら。だろ?」

 

「あれ?祐一君最後に意見を言うんじゃあ…」

 

言われて祐一は間の三人を見るが、

 

「あっしらは政治のことはよくわかりやせんし…お頭や大将を信じてますから。」

 

「右に同じです。」

 

「おでも。」

 

「ほら、問題ない。」

 

「ボクには聞かないの!?」

 

「十常侍にあっさり嵌められたお前は、今の会話の流れについていけてるのか?」

 

「………うぐぅ。」

 

あゆ、陥落。

 

「それで、祐一さん。それってどういうこと?」

 

「……例えば最悪の状況を語ってみようか。まずは袁紹。抜け駆けして皇帝を手中に収めた董卓が憎くて仕方がなくて連合を作ろうと思い立った。次に董卓。これは本当に暴政していたとしても、

 

それが嘘でも最悪なことに変わりはないな。最後に俺たち。漢王朝崩壊の兆しも見える中、こういう対外的な選択を一つ間違えただけで勢力は崩壊。」

 

「……うわぁ…」

 

すぐに声を出せたのはあゆだけだった。

 

意味のない言葉ではあったが。

 

「さて、そんな最悪まで見据えたうえで判断しなきゃいけないわけだ。」

 

「…しかし、圧政の確たる証拠がないにしても苦しむ庶人が居る可能性があるならば、私はその人たちを助けにいきたい…!」

 

ため息と一緒に肩をすくめて祐一はそれに答える

 

「ま、此処に居るヤツらはお人よしだらけだし、どうせ本心ではみんなそうなんだろうけど。」

 

そして、

 

「決めるのは、桃香だ。どうする?」

 

 

「……うん。祐一さんがいうことも、朱里ちゃんや雛里ちゃん、美汐ちゃんの言うことも一理あるってよーくわかるけど、ちゃんと手当てすれば最悪の事態は回避できると思うから。……私たちは

 

、連合に参加しようと思う。」

 

「はい。我が青龍刀は弱きものを守るためのもの。圧政が行われている可能性があるなら、この目で確かめて義をなしたい。」

 

「鈴々も賛成なのだー!」

 

「私も桃香様がそうお決めになられたのでしたら、否はありません。」

 

「そうですね。そこまで考えた上でのことなら、いざというときにすぐ対応できますし。」

 

「(コクコク)」

 

大方が賛成の意を見せ、祐一は何もいわず桃香にサムズアップする。

 

そして、何も言わない少女に小声で一つ問いかける。

 

「んで、あゆはどうすんだ?」

 

「……え?」

 

「参加、できるのか?」

 

「あ、う、うん!大丈夫だよ!」

 

「?どうかしたんですか?」

 

内緒話をするように言葉を交わす二人を見て怪訝に思ったのか、雛里がよってきて尋ねる。

 

「人生においても戦いにおいても、迷いというものは必要でも、戸惑いなんてものは邪魔だからな。その確認だ。」

 

「!……そうですか…あゆさん?」

 

確認するように尋ねる雛里に、あゆは軽く一つ頷き笑顔で答える。

 

「雛里さん、大丈夫だよ。みんなと同じ気持じゃないのかもしれないけど、ボクはボクなりにみんなのために頑張るから。」

 

にっこり笑って、ぐっと握りこぶしを握って、返事をした。

 

「ほんと、こいつは素直なやつだな……」

 

あきれ返った言い方をしたつもりなのに、祐一の顔は優しい笑顔になっていた。

 

 

 

 

                 夢

 

 

               夢を見ている

 

 

          戦うことしかできなかった子供の夢

 

 

             普通とは違うことが嫌で

 

 

              それを忘れたくて

 

 

           ひたすらに剣を振った子供の夢

 

 

     自分の大切なものを自分が壊してしまったと思いこんで

 

 

               いつまでも

 

 

               いつまでも

 

 

           自分を責め続けていた子供の夢

 

 

          大丈夫だよって声をかけられなくて

 

 

              それが悔しくて

 

 

                苦しくて

 

 

         これが夢だと思うのはどうしてだろう

 

 

        夢だと思ったのはいつからだっただろう?

 

 

 


 
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