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真恋姫無双~ありえたかもしれない外史~ 第17話 覇道×約束 

ちいたさん

投稿です。生暖かく見守ってください。

2010-04-10 01:19:24 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:20406   閲覧ユーザー数:14758

この作品は原作のキャラの性格が変化したり時代背景が変わったりします。またオリジナルな展開などもいれようと思っています。

なので原作好きの方また特定のキャラが好きな方はスルーしてください

 

前回のあらすじ

過労により倒れてしまった一刀。倒れた一刀の代わりに奮闘する文官達。あらためて一刀に依存していたことを反省した。

真恋姫無双~ありえたかもしれない外史~始まります。

 

反董卓連合の後から各諸侯達の戦いが頻繁に起きた。一刀が雪蓮と戦っている間に袁紹が公孫賛と戦い勝った。公孫賛は徐州の劉備の所に落ち延びた。袁紹はそのままの勢いで河北四州を勢力下においた。袁紹が北方の領土争いで有利に立つかと思いきやそこで思わぬ知らせを受ける。それは曹操が袁紹を滅ぼしたという報告であった。ついに覇王がその力を見せ始めて自らの覇道を歩み始めた。一刀達はすぐさま対応を練るのであった…

 

玉座では美羽を中心に一刀ら主要な面々が揃っていた。そこでの議題はもちろん曹操のことであった。

  「北は曹操が押さえたか……」

冥琳「もう少しばかり袁紹に苦戦すると思ったがな…」

穏 「さすがとしか言いようがありませんね~」

のん気に答える穏。そこで、祭が言う。

祭 「すぐに曹操は攻めてくるじゃろうか?」

亞莎「それは難しいのではないでしょうか?」

明命「どうしてですか?」

明命の質問に亞莎は答える。

亞莎「曹操軍は袁紹軍の戦いでそれなりの被害があるはずです。それを間髪いれずに私達と戦うとは思えません。」

袁術軍の戦力は先ほどの雪蓮との戦いでかなりの戦力になった。現在は荊州と揚州を勢力下に置いており曹操に対抗すべき国力も持っていた。

詠 「そうね…ボクもその意見には賛成だわ」

詠が同意する。さらに音々音が言った。

音々音「何より曹操はまだ河北を支配下において間もないです。しばらくはそちらの平定に時間がかかるはずです。」

音々音の言葉に頷く一同。

雪蓮「それじゃあ私達は曹操がいつでも来ていいように準備ってところかしら?」

  「ああ。しばらくの方針はそうだな…」

蓮華「劉備はいいのか?」

  「劉備に関してはこっちがちょっかいを出さない限り大丈夫だ。」

そう言う一刀。そこで、美羽が一刀に質問をする。

美羽「一刀…」

  「どうした?美羽」

美羽「麗羽達はどうなったのじゃ?死んでしまったのか?」

心配そうに質問する美羽。その質問に一刀は答える。

  「袁紹は部下の文醜と顔良とともに劉備のところに落ち延びたってさ」

美羽「そうか……よかったのじゃ。」

そう言って笑う美羽。そこで冥琳が聞く。

冥琳「それは本当か?」

  「ああ間違いない…間者からそう報告を聞いた。」

七乃「では~会議はここで終わりましょうか~」

七乃がそう言うと会議は終了した。

 

会議が終わった後、一刀は美羽と七乃と一緒に中庭にいた。中庭でお茶を飲む三人。

七乃「おいしいですね~。一刀さんは料理だけじゃなくお茶も入れるのが上手なのですね~」

  「月から教えてもらったからな……」

中庭で一刀が作ったクッキーとお茶を飲んでいた。クッキーは以前作ったら美羽に好評だったのでたまに作っている一刀。そこでふと一刀は美羽に気づく。

  「どうした美羽?おいしくなかったか?」

美羽「ち、違うのじゃ!!一刀のお茶もお菓子も美味しいのじゃ!!」

慌てて答える美羽。しかし、その顔はどこか暗い。

七乃「どうしたのですか~お嬢様?」

心配そうに声をかける七乃。そこで美羽は一刀達を見る。その顔は真剣であった。美羽の様子に気づいた一刀と七乃はお茶を置いて美羽に向き合う。そして、美羽が口を開いた。

美羽「……色々と難しいのじゃ…」

  「どうした?」

美羽「妾はその……一刀や七乃達と一緒にいられたらいいと思っているのじゃ…」

美羽の言葉に頷く一刀と七乃。

美羽「だから今この瞬間が一番楽しいのじゃ…でもまた戦いが始まるのじゃ…」

美羽の言葉を聞く一刀と七乃。

  「……ああ」

美羽「もちろん戦いが避けられないのはわかっているしこれからもきっと多くの戦いがおきることも理解しておるのじゃ。でも戦いは嫌じゃ……みんなが傷つくから……」

悲しそうに言う美羽。

  「それが理解できるだけで今は十分だ。美羽、これからもきっとたくさん美羽は迷うさ。自分の願いを叶えるためにな。俺から言えることは俺と七乃さんは常に美羽の味方だ。」

そう言って美羽の頭を撫でる一刀。さらに七乃が言う。

七乃「そうですよ~。私達は答えを出すことはできませんけど一緒に考えることはできますから~。何かあったら私達に相談してください」

そう言って美羽に抱きつく七乃。

美羽「うむ。わかったのじゃ」

  (美羽がそういうことを考えるようになったか……)

美羽の思わぬ悩みに多少の驚きを持った一刀であった。それから三人はお茶会を再開した。

 

それからしばらくして曹操軍が徐州の劉備を攻め込んだ。劉備は曹操の圧倒的な兵力差の前になすすべもなく徐州を捨て益州に逃れたのであった。

 

曹操軍の報告を聞いた一刀は執務室で軍師達を招集していた。

詠 「徐州を攻めたということは次は間違いなくボク達ね。」

冥琳「ああ。劉備に勝って兵の士気も考えると最高の状況だ。」

穏 「兵力差も結構ありますよね~」

音々音「それにしても予想よりも早かったのです。河北の内政に時間がかかると思っていたのですが」

  「それだけ曹操軍の文官の質がいいのさ。あとは曹操自身の手腕とそれを支える軍師もかなりのものだな」

現在の状況と敵の情報を把握する一刀達。

亞莎「正面からぶつかれば厳しいものがあります。」

  「だけど、策を練れば俺達にも勝ち目がある。こちらにはこれだけの軍師がいる。決してあちらの軍師に劣っていることはない。また、将の質もこちらが上だと考えている。」

一刀の言葉に頷く面々。兵力差はあるがこちらには一刀を筆頭に恋・雪蓮・祭・思春・明命達精鋭がいるのだ。それに軍師も冥琳・穏・亞莎・詠・音々音らがいるのである。

  「楽観はできないけど悲観もしなくていいと思うさ…」

そう言って一刀は笑うのであった。

 

洛陽にある曹操の本城では曹操軍の主だった将と軍師が玉座に集まっていた。

荀彧「劉備は益州に逃れたようです」

曹操「そう…わかったわ…」

荀彧の報告に頷く曹操。そこで夏侯惇が言う。

夏侯惇「どうして劉備は益州に行ったのだ?」

郭嘉「現在、益州の太守である劉璋は民たちの評価は良くありません。そこを攻めて益州を手に入れるつもりなのでしょう」

冷静に答える郭嘉。曹操は笑う。

曹操「益州を手に入れた後に劉備が私の覇道の前に再び立ちはだかるのが楽しみだわ」

実に面白そうに言う曹操。そこで夏侯淵が言った。

夏侯淵「では次は荊州ということでしょうか」

曹操「ええ。そうよ」

つまり次の相手は袁術軍と戦うということである。先の戦いで孫策に勝利して孫策をその配下にしたのである。また先の戦いで呂布もその配下になったのである。袁紹と戦ったときよりも苦戦するであろう。そこで曹操が言う。

曹操「袁術ね……孫策があんなのに負けるとはね…私は孫策と戦うのを楽しみにしてたのにね」

荀彧「はい……これに関しては完全に予想外でした。」

曹操「やはり『天の御使い』のせいかしら?」

曹操は面白そうに言う。

夏侯淵「北郷一刀ですか……」

北郷一刀…その名前を知らないものはこの大陸にはいないであろう。袁術軍の将でありその武と智は各軍に知られている。そして、彼が『天の御使い』であったということも知られているのである。

霞 「一刀か~。強いのは知ってたけどまさか『天の御使い』とは思わんかったわ~」

嬉しそうに言う霞。そこで曹操軍の軍師達が発言する。

程昱「袁術軍は北郷さんだけでなくあちらには呂布さんや孫策さんもいますからね~」

郭嘉「はい。それにむこうには周瑜や陸遜などの軍師もいますからね。苦戦は免れないでしょう。」

その発言に噛み付く夏侯惇。

夏侯惇「何だと!!私たちが袁術軍に劣るとでも言うのか!!」

荀彧「ちょっとうるさいわよ!!静かにしなさい!!」

荀彧が耳を塞ぐ。郭嘉が眼鏡の位置を直しながら言う。

郭嘉「誰もそうは言ってはいません。ただ客観的に見てあちらにはそれだけの戦力が揃っているのです。軍師は常に冷静に判断しないといけませんから」

程昱「そうですよ~。将と軍師はほぼ互角。でも兵力はこちらが勝っていますからそこをついていくのが得策ですね~。」

荀彧「むこうは兵力差を埋めるタメに何かしらの策を練るわ…ならそれを私達が潰すだけだわ」

程昱と荀彧が郭嘉の発言に続く。そこで、曹操が言う。

曹操「次の相手は袁術よ。各人それぞれ準備をしっかり行うように」

一同「御意!!」

曹操(ふふっ。北郷一刀……あなたが私の覇道の障害になるならあなたを倒すわ……そして、あなたを手に入れる…私は欲しいと思ったものは全部手に入れるのだから)

曹操は妖艶な表情を浮かべ笑うのであった。

 

袁術軍の面々は曹操軍との戦いに備えていた。そんなある日、一刀は時間ができたので美羽と過ごそうと美羽の部屋を訪ねた。

  「美羽。入るぞ?」

部屋に入室する一刀。美羽は部屋で読書をしていた。それは前に街で購入した小説であった。

美羽「どうしたのじゃ?一刀?」

一刀の入室に気づいた美羽は本から視線を外し一刀を見る。

  「いや……時間ができたからちょっと来てみた」

美羽「そうなのか~」

美羽は一刀が自分に会いに来てくれたことを喜んだ。

美羽「一刀。よかったら妾と遊びに行くのじゃ。」

  「……いいぞ」

美羽のお願いに頷く一刀であった。

 

 

その後、美羽は川に行きたいと言ったので城から少し離れている川に向かった。その際、何人か護衛を付けようと考えたが美羽が二人が良いと言ったので一刀と美羽だけで向かった。

美羽「一刀!!とても気持ちいいのじゃ!!」

近くに馬を止めた一刀は目の前の光景を見ていた。美羽が靴を脱いで川に足をつけてはしゃいでいた。

美羽「一刀も来るのじゃ!!」

  「ああ。」

美羽の誘いに一刀は笑顔を浮かべて応じる。そして、二人は川で戯れたり、魚釣りをしながら過ごしていた

美羽「もぐもぐ……おいしいのじゃ~」

  「美羽が苦労して釣ったからな」

美羽が一刀の手ほどきを受けて自ら釣り上げた魚を嬉しそうに食べていた。釣った魚を一刀が火をおこして焼いたのである。魚を食べた二人はその後岩に座って色々な話をしていた。ほとんど美羽が話していたが一刀は嫌な顔をせずにそれをずっと聞いていた。しばらくして美羽が岩から降りて一刀から少し離れる。そして、振り返って一刀を見た。

美羽「一刀。今日は凄く楽しかったのじゃ。」

本当に嬉しそうに言う美羽。その言葉を聞いた一刀も答えた。

  「俺もだよ。美羽。今度は七乃さんも一緒に連れて来るか…」

美羽「うむ。それもいいのじゃ。………でも」

そこで美羽は恥ずかしそうに言う。

美羽「また一刀と二人きりで来たいのじゃ……」

  「………そうだな」

一刀の言葉を聞いて美羽の表情は明るくなった。

美羽「約束なのじゃ。一刀。」

  「ああ」

そして、美羽は嬉しそうにはしゃぐ。その様子を見て一刀は苦笑する。

美羽「楽しみなのじゃ~」

  「美羽……あんまりはしゃぐとこけるぞ。」

そう言って一刀が美羽に注意をして腰を浮かした。その時、一刀はむこうの茂みが動いたことに気づいた。

  「美羽!!」

一刀が叫んだことに気づいた美羽が振り向いたその時、

美羽「どうしたのじゃ……かず…と…………えっ?」

茂みから数本の矢が飛んできてその内の一本が美羽に刺さり美羽はその場に倒れた。

  「美羽ーーーーーー!!!!」

一刀の絶叫が周囲に響いた………

 

後書き

やってしまいまいました……どうしてもやりたくてやってしまいました。どうしても魏√以外の場合は華琳がああなってしまいます。作者は決して華琳が嫌いなわけではありません。むしろ大好きです。ちなみに風も大好きです。あとは中々他のキャラを出すことができない。自分の文才が恨めしい。一応袁術軍なので美羽と七乃を多めにしているつもりです。でも本当はもっとそ呉や董卓軍の面子も出したいのです。難しいです……ではみなさんまた


 
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