No.131289

継い姫†無双 6

こひさん

対姫†無双、追姫†無双の続編です。
六話目です。

2010-03-21 01:04:35 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:4288   閲覧ユーザー数:3692

scene-漢女塾教室

 

「……んっ……ぺちょ」

 静まり返った教室内に季衣の出した音が響く。

 

「ん、ぺろ、ぺちょ……ちゅ……」

「くぅぅ……っ!?」

 季衣がつくり出すその刺激に耐え切れず、うめくように声を出す一刀。

 

「んむぅ……ほれれ、ひひの?」

 咥えたまま、そう季衣は聞いた。

 

 

「一刀、顔が赤いわよ」

 楽しそうな顔で華琳が言う。

「そ、そんなこと言われても……」

 それ以上言い訳のしようがない一刀。黙りこくって季衣に咥えさせた部分に集中する。

 

「んむ、んく、ちゅ……ひひひゃんのふひ、れろひ……」

「歯をうまく使って……でも、噛まないでくれよ」

 教室内のギャラリーを気にしながらも、なんとか季衣にそう指示を出す。

 

 

「な、なんか……これってすごく……」

 流琉も赤面し呟く。しかし、視線は季衣の口元に注目したままだ。

 

 

 ごくっ。

 そう生唾を飲む音がする。

 もはや誰がその音を出したかはわからなかった。

 

 

「そこっ、買ったばかりの携帯でなに録ってる!?」

 一刀が自分の指を咥える季衣に携帯を向けている真桜に気づいた。

 

「ええやん。隊長のお願いでみんな携帯買うたんや。使い方覚えへんとな♪」

 マニュアル片手に真桜が答えた。

 

「やれやれ、みんな妄想力たくましすぎるぜ。ただ兄さんの指しゃぶってるだけじゃねえか」

 風が手にした携帯電話からぶら下がる宝譿がそう言った。

 

 

 

 

scene-その日の朝のフランチェスカ

 

 

「かずピーが好きなんはおっぱいやなくて巫女さんやったんやな」

 朝錬を終え、教室に戻ってすぐに友人からかけられた言葉がそれだった。

「いきなりなんだよ?」

「”お連れの巫女さま方”には笑わせてもろたで」

「ぐっ、い、いたのか?」

 ニヤリと笑う及川。

 下着売り場にいるとこ見られなかっただけでもよしとするか、と思う一刀。

 

「最近祭さんとこの神社、可愛え巫女さん増えたらしいな」

「もう噂になってるのか?」

「ホンマなんやな」

 及川はギランと眼鏡を光らせる。

 

「でもしばらくは、みんな忙しいからあんまり神社にいないと思うぞ」

「そうなんか?」

「ああ。まだこっちにきたばかりで色々と大変なんだよ」

 大変なのは主に自分だけど、と口には出さずに思う一刀。

 

 

scene-ちょっと前の携帯電話ショップ

 

 学校帰りにそのまま漢女塾にやってきた一刀の願いでみんな、携帯電話を購入することにした。

 皆、一刀と同じ会社で契約。

 機種はそれぞれが自分で選んだ。

 その際。

 

「兄様、これはなんですか?」

 流琉がストラップのコーナーに気づいた。

 

「ああ、それはストラップ、飾りだよ。携帯電話って同じ機種持ってる人もいるから自分の見分ける目印にもなるし」

「可愛いの~♪」

「沙和はどっちかって言うとデコ電の方にしそうだな」

「デコ電?」

 霞が前髪をかき上げ、おでこを出す。

 

「いや、デコレーション携帯電話……であってるかな? ええと、ほら、こんな風な携帯」

 装飾承りますと展示された携帯を指差した。

「あ、これいいかも♪」

「ええっ、ちょっとゴテゴテしすぎじゃない?」

「使いにくそう」

 天和たち姉妹がそれぞれ感想を言う。

 

「おおっ!」

 突如、ストラップを選んでいた風が珍しく大きな声を上げた。

 

「どうした?」

「おうおう久しぶりだな、兄さん」

 風の手には、まだ袋詰めされたままのストラップについていた宝譿が。

 

「ほ、宝譿~!?」

「そうなのです。宝譿がいたのですよ♪」

 驚く一刀に風が答える。

 

「……あれのストラップなんてあったのか……まあ、でっかいオリジナルの方に魂いってなくてよかった……」

 

 

 

 

scene-現在の漢女塾教室

 

「よし、やってみて」

 ちゅぽんっ、と季衣の口から指を出して一刀は促した。

「うん。……ふ~~~っ!」

 季衣の口から何かが勢いよく飛び出した。

 

「……強く吹きすぎ」

 壁に張り付いたガムを剥がす一刀。

 

「ごめ~ん、難しいんだね風船ガムって」

 季衣が謝る。

 

 

 携帯電話購入後の帰り道で、ガムを膨らます子供に遭遇。

 季衣や鈴々の願いで一刀がやり方を教えている最中である。

 

 

「難しく考えすぎだって。いいか」

 机の上に置かれていた板ガムを手にとり、包装紙を剥き口に入れる一刀。

「噛んで柔らかくなったら……」

 ぷう、といとも容易く膨らます。

「歯でさ、舌のまわりに伸ばして、その後ゆっくりと膨らますんだよ」

 

「う~ん。もう一回やって!」

「はいはい……」

「ストップ!」

 一刀がガムを舌のまわりに伸ばした時に、季衣が静止の声をかけた。結果、一刀は上下の歯で伸ばした舌を挟んだ微妙な顔で停止する。

 

「ちょっといい?」

「い?」

 季衣がその舌にまかれたガムをひょいと奪う。

「ふ~ん、こうなってるのか~。やってみるね!」

 そしてガムの形をたしかめたらそのままそれを自分の口へ。

 

「あ!?」

 一刀が真っ赤になって固まったのにも気づかずにもぐもぐと口を動かす。

 そして。

 ぷう。

「できた! できたよ~♪」

 膨らませることに成功して無邪気に喜ぶ季衣。

 

「兄ちゃん、やったよ~! ……あれ? どうしたの?」

「い、いや、よくできたな。よかった」

 季衣の頭をなでて誤魔化す。

「へへ~」

 

 

「ほ、北郷! 次はわたしに教えろ!」

「姉者。まずは華琳さまにおぼえてもらって、華琳さまに教えていただくのもいいのではないか?」

「そ、その手もあるか!」

 春蘭と秋蘭がそう華琳を促す。

 

「待て、華琳たちなら今の見てたらできるんじゃないか?」

 嫌な予感が止まらない一刀。

 

「そうね。でも私も教えてもらいたいわね」

 言いながらその細くしなやかな指を一刀の顔の前に出す華琳。

 

「え? ……もしかしてまずは指に教えろと?」

「ええ。一刀の舌で♪。ふふっ」

 一刀の問いに華琳が微笑む。

 

「はあ……って、みんな写すなってば!」

 皆の携帯を向けられる中、一刀は華琳の指を見つめて冷や汗を流すのだった。

 

 

 

<あとがき>

 宝譿復活編。

 頭の上よりは携帯ストラップの方が不自然じゃないだろうってことで。

 

 そしてホントは指チュパ編。

 この後どうなったかはご想像におまかせします。

 


 
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