(`・ω・)桃香ってけっこう嫌われてるっぽいけどオイラは好きなキャラです。(蜀√限定)
後、名前と真名を使い分けるのは面倒なので地の文では真名を使っていきます。
「もしもーし。起きて下さーい」
桃色の髪に白い羽飾りを着けている女性は森の中で寝ている青年をつつきながら話し掛ける。
「こんな所で寝てると風邪を引きますよー」
「ルシ…オラ…」
其処に寝ていた青年、横島忠夫は愛しい彼女の名を呼びながら頬に一筋の涙を流し、傍に居た女性は横島の頬に流れた涙をその指でそっと拭う。
「泣いてるの?何だか…、とても悲しそうな涙」
「桃香様ーー、何処ですか桃香様ーー!」
「あっ、此処だよ、凪ちゃーん!」
第三節「邂逅、横島と劉備」
桃香と呼ばれた女性は自分を探しに来た女性を呼び寄せ、凪と呼ばれた女性はその声を頼りに駆け付けて来る。
「こんな所に居たのですか、あまり心配させないで下さい。何処に賊が隠れているのか解らないのですから」
「そっか、心配かけちゃったんだね。ごめんなさい」
「いえ、解っていただけたのなら。…な、何者ですかその男は!?」
駆け付けて来た白髪で全身に傷跡を付けている女性、凪は桃香の傍に倒れている青年、横島を見据えると彼女を庇う様に背中に隠し、倒れたままの横島に手甲を着けた拳を構える。
「ちょ、ちょっと凪ちゃん!行き成り何するの?」
「何をも何も、この様な怪しげな格好をした者に迂闊に近づいては危険です!」
「大丈夫、大丈夫だよ」
「何を根拠にその様な事を?」
「だって…」
桃香は横島の頭を抱き抱えると、その頬を濡らしている涙をハンカチで拭き取りながらそっと膝に乗せた。
「と、桃香様?」
「悪い人だったらこんなに悲しそうな涙、流せないよ。きっとこの人も何か大切な誰かを失ったのかもしれないよ」
「そうなのでしょうか?」
「きっとそうだよ、私達と…おんなじに」
桃香はそう言って、涙を零し続ける横島の頭を優しく撫でる。
「凪ーー!」
「凪ちゃ~ん!」
「真桜、沙和」
其処に二人の女性が駆けて来る。
真桜と呼ばれた紫色の髪を両脇で束ね、腰に色々な工具を引っ掛けた巨乳でビキニの女性。
沙和と呼ばれた三つ編みをポニーテールにしたメガネの女性。
「桃香様は見つかったの~?」
「ありゃ?誰やその兄ちゃん?」
「あっ、ちょうど良かった。真桜ちゃん、沙和ちゃん、この人を邑まで運ぶの手伝って」
「運ぶって言われてもやな、知らん奴やけど…ええんか凪?」
「桃香様がこう仰られるんだ、仕方ないだろう。もしもの時は私が全力でお守りする」
「もー、凪ちゃんったら。大丈夫だって言ってるのにー」
「なら、さっさと運ぼか。沙和も手伝ってーな」
「この人の服の生地、見た事も触った事も無いの。後で調べさせてもらうのー」
運ばれて行く横島を見ながら桃香…、劉備玄徳はそっと呟いた。
「本当に来てくれた……私達の元にも天の御使い様が……」
―◇◆◇―
荊州のとある地にある名も無い小さな邑。
其処にいまだ気を失ったまま運ばれて来た横島の姿を見て、嫌悪感を隠そうともしない少女がいた。
姓を荀、名を彧、字は文若。
旅の途中に賊に襲われている所を義勇軍を結成したばかりの劉備達に救われ、その恩を返す為に仮軍師として彼女達にその知恵を貸している少女である。
過去にいかなる事情があったのか超弩級が付く程の男嫌いで、その勢いたるや男と言うだけで憎んでいるといってもいい程なのだ。
「ちょっと、李典に于禁!何なのよソレはっ!?」
「何や、荀彧はんやないか。何なの言われてもやな…まあ、桃香様の拾いモンや」
「森の中に落っこちてたの~」
「落っこちてたって…、あんのお馬鹿は~~!そんな汚らわしい物、さっさと捨てて来なさい!見るからに好色そうな男じゃない、一緒の空気吸っているだけで妊娠させられそうだわ」
「いや、それはさすがに…って、否定しきれなさそうなんは何でやろな?」
「沙和もなんだかそんな気がするの~」
「ほら、解ったのなら早く捨てていらっしゃい」
荀彧はシッシッと言いながら指を振る。
すると其処に後を追ってきた桃香と凪がやって来た。
「え~~、そんなのダメだよ荀彧ちゃん」
「ダメじゃない!ほら、早く!」
「ダメだってばあ~。お願い、荀彧ちゃん」
「う、うう~~」
「荀彧殿、男を嫌うのは貴女の自由だがそれを桃香様に押し付けるのは止めてもらえないだろうか」
桃香は手を合わせ、ウルウルとした目で懇願する様に荀彧を見る。
荀彧は荀彧で、一応の恩人である桃香にはあまり強く出られず、凪にも反論は出来ずにしぶしぶと諦める事にした。
「し、仕方ないわね。その代わり私はそんな男の世話は手伝わないからね!ふん、どうせ私は此処にはそんなに長くは居ないんだから少し我慢すればいいだけの話よ!」
そう言い放つと荀彧は
「……荀彧ちゃん、やっぱり出て行くつもりなんだね」
「仕方ないでしょう。無理に押し留めた所でお互いの為にもなりませんし」
「ずっと居てくれないかなぁ~~」
「そうですね、性格はともかくとして彼女ほどの才の持ち主はそうざらには居ません。何か彼女を此処に留める良い方法があれば良いのですが」
義勇軍を立ち上げたはいいが、今現在軍師と呼べるのは彼女しか居なかった。
その彼女も、助けてもらった恩義だけで義勇軍に参加してるのであって、何れは出て行くというのを止める事は出来ないでいた。
もっとも、凪達も少し手伝えば直ぐに出て行くと思っていたのだが、
『貴女達はこの私を助けたのよ。その恩義をほんの少しだけ手助けしただけで返し切れる訳はないでしょう!もう少しだけ手伝ってやるわよ』
と、なんだかんだと数ヶ月の間、義勇軍に留まっていてくれたのだ。
それはそれとして、何度か正式に軍に加わってくれと頼んでは見たが彼女曰く。
『私には私の理想とする主の理想像があるのよ。はっきり言って劉備は私の理想とはかけ離れているわ』
そう言われ、断られていたのであった。
「はう~~、私ってそんなにダメダメさんかな?」
「そんな事はありません。彼女も言っていた様に理想像が違うだけなんです。それに桃香様が本当に駄目な人物であれば我らもとっくの昔に袂を分かって出て行っています。もう少し御自分に自信をお持ち下さい」
「う…うんっ!有難うね、凪ちゃん!」
―◇◆◇―
横島が運ばれて来てから数刻後…
あまり、立派とはいえない部屋の中で寝台に寝かされていた横島は夢を見ていた。
愛しい彼女との束の間の会話をする夢を。
ルシオラ!良かった、また逢えたんだな。
――ヨコシマ…、駄目よヨコシマ。
今はまだ早いわ、還るのよ。
何故だ?何故早いんだ?何故還らなくちゃいけないんだ?
――お前はまだ生きなきゃいけないわ。
そんな事言わないでくれよ。せっかくこうしてまた逢えたんじゃないか。
――ヨコシマ、お前を死なせない。絶対に!
待ってくれ、ルシオラ。俺もお前と一緒に。
――駄目よ!たとえ今は辛くても生きてヨコシマ。
きっと…、何時かきっと笑える時が来るから。
だから今は還って。
ルシオラーッ!、俺は、俺は。
――ヨコシマ、私はお前が好きよ。
だから、何時までも私の好きなお前のままで居て。
何時までも。
――ヨコシマはヨコシマなんだから……
ルシ・・・・・・・・
「ルシオ……ラ……」
寝台に寝かされていた横島がそう呟きながら手を伸ばすと、付き添っていた桃香はそっとその手を掴んだ。
「ル…、ルシオラッ!?」
「わっ!わわわ」
その感触に横島の意識は一気に覚醒し、飛び起きるとルシオラの名を叫びながらその手を握り締めた。
「…君は?」
「え、えっと…私はその、るし…おら?さんって人じゃ無いんです。ごめんなさい」
「い、いや…俺の方こそ行き成り手を掴んじゃったりしてごめんな」
「いいの、私は気にしませんから」
桃香の手を離した横島は辺りを見回して見た。
修繕は施されている様だがかなり粗末な、それでいて古臭い感じの部屋だった。
「あの、此処は一体何処なのかな?」
「此処は荊州にある小さな邑です。貴方は此処から少し離れた所の森の中で寝ていたんですよ、覚えてないんですか?」
「…森の中に?(どういう事だ?俺は東京湾でアシュタロスの魔体と相打ちになった筈じゃ…。それが何でこんな所に?それに荊州といえばたしか……)」
「失礼します桃香様、あの者は目を…。ああ、丁度目を覚ましている様ですね」
横島は魔体の爆発に巻き込まれ、その後ルシオラと束の間の会話をしたと思ったら其処で目を覚まし、目の前には見知らぬ女性がいた。
しかも此処は荊州という土地だと言う。
其処に三人の少女達が部屋へと入って来た。
「では早速ですが貴方が何者なのか教えて頂けますか?」
「え?あ…俺か。俺は横…」
凪は相変わらず横島をきつめの目線で睨むと、そう言い放つ。
だが、桃香はそんな凪を頬を膨らませながら窘める。
「もー、凪ちゃんったら駄目だよ、自己紹介するときはまず自分から名乗らなくちゃ」
「う…、そ、そうですね。申し訳ありませんでした」
「あはは♪凪ちゃん、怒られてるの~」
「あかんで凪、自己紹介はちゃんとせなな」
「くっ、お前達に言われる覚えは無い!」
「まあまあ。じゃあ、私から自己紹介するね。
私は姓を劉、名を備、字は玄徳といいます。よろしくお願いします」
「……は?…えっ!? りゅ、劉備…玄徳?」
《続く》
(`・ω・)真のキャラが出て来るとはいえ、あくまでもこの外史の元となっているのは無印。
なのでこういう取り合わせも在りだと思います。
|
Tweet |
|
|
0
|
0
|
追加するフォルダを選択
此方では二節以降は投稿してない事に今更ながら気が付いた。