アクセルを書斎に通した。ガスパールが振り返って、さっき俺が言ったのと同じようなことを言った。
「珍しいね、キミから訪ねてくるなんて?」
ガスパールは驚いていたが、嬉しそうでもあった。アクセルの方はいつも通り、何を考えてるのか分からない無表情で無感動そうな顔のまま、単刀直入に話を始めた。
「ひょっとすると、君を探してる人がいるかもしれない」
「ボクを?」
俺も驚いた。ガスパールを探してるだって? いったい誰が。だってこの人は館に籠ってばかりだし、俺の知る限りこの人の知り合いといえば、このアクセルか、フリードリヒというもう一人の同窓生くらいのものだ。
「この森のすぐ外に町があるだろう。ある文献学者が、この前森で迷っていて」
文献学者とアクセルが言ったところで、ガスパールはかなり興味が出てきたらしい。アクセルの方へ身を乗り出した。
というかこのアクセルという人、こんなに話す人だったか。俺が今までこの人を見た限りでは、一度に話す言葉はせいぜい二言三言だったように思う。今日は饒舌にならずにはいられないような用件なのだろうか。
「その人が、古い魔導書が町の教会で見つかったと言っていて」
「古い魔導書?」
ガスパールは、今や目を輝かせてアクセルの話に聞き入っている。この人、魔術の話には目がないからな。
「ねえ、それってどんな?」
「よくは分からない」
「実物は見た?」
「写本を」
「じゃあ、エンチャンターの学派のものではなかったんだ」
「分からない。知らない文字だった」
|
Tweet |
|
|
0
|
0
|
追加するフォルダを選択
魔法使いの井戸端会議。
以下、前回同様のがんばるぞ抱負(コピペ)です:
作品完成しない病を克服したいので、創作15分ルーティンをがんばってます。その日に思いついたテーマでランダムに書いて投稿します。
続きを表示