No.117281

華ノ守人 プロローグ

読んでやってください

華ノ守リ人のプロローグです

2010-01-08 10:19:52 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:4732   閲覧ユーザー数:3935

 

プロローグ

 

『さよなら・・・。寂しがり屋の女の子。』

 

(言わないと・・・最後に、これだけは・・・。)

 

『さよなら・・・。愛していたよ、華琳・・・。』

 

(あぁ・・・。ちゃんと、言えた。)

 

そこで、俺の意識は途切れた。

 

 

 

 

 

「んっ・・・。あれ・・・ここは・・・?」

 

そこは、窓から差し込む夕日に照らさせた教室。聖フランチェスカの、通いなれていた、教室。

 

「そっか。戻って来たんだ、俺。」

 

自らに残されたのは、土と汗で汚れ、所々糸がほつれてしまっている聖フランチェスカの制服。

 

そして、魏と、華琳とともに駆け抜けてきた日々の思い出。

 

「華琳・・・。ごめん。ずっと・・・、ずっと、そばにいるって言ったのにな・・・。」

 

もう、果たすことの叶わない約束が、重くのしかかる。

 

「はぁ・・・。これからどうしよ・・・。」

 

「かずぴー!帰るでぇ・・・って、自分なんでそない汚れてんねん?」

 

教室の入り口に、怪訝な顔をした及川が立っている。

 

「え?あ、あぁ。まあ色々とな。」

 

(なんだか、懐かしいな・・・。こいつとは、ずいぶんバカやってきたのに。)

 

「はっきりせぇへんなぁ。まぁええわ。ほれ!帰るで!」

 

「ああ。今行く。」

 

(とにかく、あいつらと過ごした日々に恥じないように生きないと。)

 

 

(だから。)

 

「こればっかりは、難しいかもしれないけど・・・。また会おう、華琳。みんな!」

 

「なにブツブツ言ってんねん。大丈夫か?かずぴー。」

 

「なんでもないよ。ほら、行くぞ。」

 

 

 

一刀が外史より戻って二週間。一刀はどこか物足りない日々を送っていた。

 

「楽しくない。訳、無いのにな・・・。」

 

毎日が充実している。なのに、どこか心にポッカリ穴が開いたような感覚が消えない。

 

「なんなんだよ・・・。」

 

そこに。

 

トゥルルル。トゥルルルル。

 

「んー?こんな時間に誰だろ?」

 

もう、夜の11時過ぎ。こんな時間に電話してくる知り合いに心当たりは無い。

 

「はーい。北郷ですが・・・。」

 

「ばかもん!《はい》は間を伸ばすでないわっ!!」

 

「はっ、はい!・・・って、じいちゃん?どうしたのさ?こんな時間に。」

 

「うむ。今、おまえの実家に来てるからの。今度の休み、帰って来い。」

 

「えぇ?そんないきなり・・・。」

 

(いや、まてよ?)

 

「わかった。ただ、お願いがあるんだけど。」

 

「なんじゃ?」

 

「俺に、剣の稽古をつけて欲しい。」

 

「剣道なら学校でやっとるじゃr「そうじゃない。」なに?」

 

祖父の言葉を遮って一刀が言う。

 

「剣術を。戦うための、守るための技を教えてほしいんだ。」

 

突然の一刀の頼み。

 

「それは、本気で言っておるのか?言っておくが、生半可な覚悟では教えてやれんな。」

 

「たのむよ!じいちゃん!」

 

すがるような一刀の声。つい最近まではこのような素振りなど微塵も見せていなっかたはず。

 

(なにがこやつを変えたのか・・・。ワシの代で《アレも》消えると思っておったが、こやつ、もしかすると化けるかも知れぬな・・・。)

 

「ならば、貴様の覚悟を試させてもらうぞ?」

 

「ああ。じゃあ、切るぞ?」

 

「うむ。ではな。」

 

ツー、ツー、ツー。

 

「見てろ・・・。絶対に認めさせてやる・・・。」

 

一刀の瞳に焔が灯る。だが、それは焦りにも似て。

 

「強くならなきゃ。あいつらを守るとは言わない。せめて・・・肩を並べて戦えるだけの力を・・・っ!」

 

もう、戦う敵もいない。戦う場所も無い。ただ、無駄じゃなかったと、彼女たちに誇れるように生きたいと。

 

だからこそ、無意識に焦っていたのかもしれない。自分に、形として何一つ残っていないのだから。

 

「強くなるんだ・・・・・・。」

 

 

 

それは、新たな自分への渇望か、外史への未練か。

 

 

 

 

    To be continue...

 

あとがき

 

どうも。

作者のCV.くまさんです。

この作品は、一刀を主人公にした、真 恋姫無双、魏ストーリー後の二次創作小説です。

イメージは

 

正史に戻ってきた一刀がチート的な強さを手に入れ、ある仕事をこなすまでの四年間。

 

ふたたび、外史に戻った一刀の変化と戦い。

 

今は、こんなかんじで考えています。

 

てなわけでプロローグ。短いですが書いてみました。

いかがでしょうか?

私は、自分の文才のなさに絶望している、今日この頃であります。

 

さあ次回から、一刀修行編。これの二倍くらいは書こうかと。

 

一刀はどうなることやら(苦笑)

では、またお会いしましょう。

 

 

 

 

 


 
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