No.1172396

ペポとベポを間違えたー

新人さん

今から500年近く前の1541年8月18日(天文10年7月27日)、豊後(ぶんごは今の大分県あたり)にポルトガル商船が漂着したという。当時 豊後の領主であったキリシタン大名 大友宗麟がその乗組員を保護してあげたが、ポルトガル人は助けてもらったお礼に カボチャの種を渡したそうだ。スーパーフードで有名な「かぼちゃの種」はメジャーリーガーがよく食べているが、おそらくこれは畑に撒く種だったはずだ。このカボチャは、16世紀にポルトガル人がカンボジアから持ち込んだ植物を「カンボジアの瓜」と呼んだのが訛って「カボチャ」となったようだ。カボチャは育てやすく、丈夫で 保存も効くから日本全国に広がっていった。もし宗麟が 酒のつまみにして、柿の種のようにポリポリ食べてしまったら、カボチャが伝来するのは明治まで待つことになったかも知れない。この赤っぽいオレンジ色のカボチャはポルトガルから伝来したのに ”西洋カボチャ”とは呼ばれず「日本かぼちゃ」と呼ばれるようになった。カボチャの起源の”カンボジアかぼちゃ”とも呼ばれなかったが、大分県では「宗麟かぼちゃ」と呼ばれた。宗麟かぼちゃは、じきに栽培されなくなったが2007年に復活したらしい。それは大友宗麟の家臣、緒方鎮盛が福岡県豊前市三毛門地区に宗麟かぼちゃを広めて「三毛門カボチャ」として伝わっていたおかげで、そこから復活できたという。 「西洋かぼちゃ」の方は、中米・南米の高地が起源とされている濃い深緑のカボチャで、日本には1863年(文久3年、明治に変わる5年前)にアメリカから北海道を中心とする寒地に伝わったようだ。だから個人的には”アメリカかぼちゃ”と呼んでも良さそうに思う。第二次世界大戦後は、西洋かぼちゃの品種改良により 関東以南の暖地でも栽培が可能になり、洋食ブームに押されて日本かぼちゃよりも需要が急増していったそうだ。 南方由来の日本かぼちゃは、しっとりしているので 煮物などの和食に適しているというし、北方由来の西洋かぼちゃは、ホクホクしているから 幅広い料理やデザートに使えるという。 カボチャは栄養の宝庫と呼ばれるが、葉酸は日本かぼちゃの方が多く含んでいるから 妊娠中や授乳中の女性は日本かぼちゃの方が良いそうだ。しかし他の栄養素の カリウム、β-カロテン、ビタミンC、食物繊維などは、西洋かぼちゃの方が多く含んでいる。特にβ-カロテン(カロテンというプロビタミンAはミカンに多く含まれていて 食べ過ぎると手が黄色くなるが、ミカン100gあたりの含有量は1100mcgに対し カボチャは100gで4000Mcgもある)は日本かぼちゃの5倍以上、ビタミンCは2倍以上含まれているそうだ。 たぶん歯が無くなり、なにも噛めなくなっても、離乳食のようにカボチャと卵だけ食べていれば生きていける気がする。なお、ハロウィンの観賞用カボチャはメキシコ原産のペポかぼちゃ(ペポはラテン語で「うりの実」)という種で、明治初年に8品種が日本に導入されたという記録が残されているそうだ。ペポ種は中国を経由して入って来たらしいが、栄養があっても不味いので、メジャーリーガーのように種を食べるのが主のようだ。

2025-08-18 14:50:56 投稿 / 734×550ピクセル

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