No.113943

追姫†無双 3

こひさん

対姫†無双の続編3話目です。
タイトルの『追』は『つい』です。
今回は短いです

2009-12-23 23:00:47 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:4264   閲覧ユーザー数:3670

scene-成都の街

 

 

「あ、季衣なのだ」

 警邏中に街中で見知った顔、しかしこの国の人物ではない顔を見つけて声をかける鈴々。

「鈴々、久しぶり~」

「おう、久しぶりなのだ! どうしたのだ? こないだ食べさせたご飯が忘れられなくて食べに来たのか~?」

「それなら親衛隊の人じゃなくて流琉とくるって」

 季衣の背後には黒い鎧で身を固めた魏の親衛隊が数名いた。

「華琳さまからの手紙を預かってきたんだ」

「なんだ、仕事なのか~。せっかくすっごくおいしい店を見つけたから教えてやろうと思ったのに」

「う~、気になるな~。でもまず手紙を城に届けないと」

「そうなのか~」

「……ところでちびっこ」

「なんなのだ?」

「なんで武器をボクに向けている?」

 

 その言葉通り、鈴々は季衣に向けて蛇矛を構えていた。

 季衣は動じずに鈴々と話を続けていたが、後ろに控えていた親衛隊の兵は剣の柄に手をかけピリピリしていた。

 辺りの町民達も少し離れながらそれを注目している。

「あれ? ……なんでなのだ?」

「気づいてなかったの?」

「うん。ごめんなのだ」

 構えをとき、謝る鈴々。

 

 

 

scene-謁見の間

 

 

 鈴々とともに城へ行き、謁見の間へ通された季衣たち。

「季衣ちゃん久しぶり~♪ 元気だった~?」

 そう出迎えたのは蜀の王桃香。その人柄ゆえに既に季衣に真名を預けていた。

「は~い。桃香さまも元気そうだね~」

「うん。元気だよ。それで今日はどうしたの? 急に来たりして」

「華琳さまから手紙を預かってきました」

 書状を取り出すと、側に控えていた愛紗が受け取る。

 

「桃香さまに? ま、まさか恋文ではあるまいな!?」

「愛紗……もしそうなら貴殿にも同じく恋文が届くはずだぞ」

 そう言ってニヤリとしたのは星。

「なっ! 星っ!」

「愛紗ちゃ~ん」

 桃香は愛紗の抗議を遮り、早く手紙を渡せと催促した。

 

「ええ~ッ! これ本当なの?」

 手紙を読んでいた桃香は季衣に聞く。

「この、天の御遣いさんを取り返しに行くって」

「うん。兄ちゃんを迎えに行くんだよ~」

「そうなんだ。よかったね」

「ありがとう、桃香さま!」

 嬉しそうに礼を言う季衣に愛紗は無意識のうちにその頭をなでていた。

「にゃ? 愛紗ちゃん?」

「はっ! い、いやつい……よかったな、季衣」

「うん!」

 その笑顔にまた思わずなでようとするのを必死に堪える愛紗だった。

 

「それでね、留守にするからその間のことを話したいんだって」

「わざわざ王が不在になることを書いてあるんですか?」

「うん。読んでみて」

 桃香から書状を受け取り、読み進める朱里と雛里。

 そして朱里が指示を出した。

 

 

「みんなを呼んできて下さい。あ、鈴々ちゃんは季衣ちゃんと美味しいものを食べてきて下さい」

 

 

 

 

scene-定食屋

 

 

「ここか~。おいしいお店って」

「そうなのだ」

「璃々もはじめて~」

 季衣、鈴々、璃々の三人は定食屋にいた。

 書状への対応を決めるための会議の間、季衣を待たせるのもしのびない、と朱里の指示で鈴々が対応することとなり、さらにそれに璃々がついてきた格好だ。

 親衛隊員は鎧が街の人を怖がらせる、との理由で城で待機となっていた。

「おいしい!」

「このお店はとっておきなのだ!」

 季衣が皿を空にしていくのを見て自慢げに言う鈴々。

 

「ん? どうした? 食べないの?」

 季衣が七人前をすませたあたりで、あまり食の進んでない鈴々に問う。……といっても鈴々も三人前は平らげているのだが。

「鈴々最近おかしいのだ」

「おかひい?」

 季衣は食べながら相槌をうつ。

「うん。さっきみたいに身体が勝手に動いたり、時々変な声も聞こえるのだ」

「それって」

 食べる手を止めて聞いていると。

 

「お母さんもさいきんヘンなの」

 杏仁豆腐をつついていた璃々が話に参加する。

「ときどき泣いてるの~」

「泣いてるの?」

「うん。なにが悲しいのってきいても、お母さん泣いてるのわかってないときがあるの」

「それ、鈴々も見たのだ。璃々を見て泣いていたのだ」

 

「なんでだろ? う~~~~~……鈴々と紫苑ちゃん?」

 季衣が気づく。

「なにかわかったの?」

「鈴々、最近変な夢見てない?」

「夢はたいてい変なのだ!」

「そうじゃなくて、え~と……ちょっと待って」

 途中だったラーメンが伸びるといけないと思い、それにとりかかる。

「今日も変な夢見たのだ。さっきお前を攻撃しようとしたのは多分そのせいなのだ」

「おひえへほ」

「鈴々と季衣が戦っていたのだ」

「ほりゃらって、ズズ~~ッ。前に戦ったじゃん」

 ラーメンのドンブリを空にしながら、季衣が言った。

「違うのだ。お前がすごく強かったのだ」

「ボクが強いのは変じゃないよ!」

「鈴々の方が強いのだ!」

 ぐぐっとテーブルを挟んで顔を寄せ合うように睨み合いをする二人。

「ケンカしたらめーなの」

 璃々にそう言われ、バツの悪そうに食事を再開する。

 

 

 次の皿に移る間に鈴々がボソっと言った。

「鉄球が火を噴いたのだ」

「あ、やっぱり……後で鈴々と紫苑ちゃんに話があるからね」

「なんなのだ?」

「その変なことについて多分説明できるよ。……でも、気が重いなあ」

 

 

 

<あとがき>

 季衣の他国の人間の親しい呼び方に悩みました。

 結局、王は「さま」で、同年代は呼び捨て、他は「ちゃん」付きです。

 

 

 やっと使い方が少しわかってきて、「応援ありがとう」メッセージ登録してみました。

 試験的に、一発(一行)ネタを添付してます。

 恋姫キャノン出張版目覚まし時計編です。

 自分では確認できないのでどうなってるかわかりませんが、タイトルだけでバレバレな内容がだいじょうぶな方はお試し下さい。

 

 

 


 
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