「同じ年の頃なら月乃の方が母親より完成しておるのう…だと（翻訳）」
「確かに齢十五で符術に系統術式の免許皆伝は、戦国の世にも居らんかったぞ」
高校入学前に、月見と麻績の姫君のお墨付きを得た緋桜月乃。
しかし「完成している」という月見の評には些か不満を禁じ得なかった。

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それはつまり「伸びしろが少ない」という事の裏返しなのではないか。
この程度で立ち止まったり伸び悩んだりしたら、魔道の怪物たる母親に届く事は永久に無い。

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この頃から月乃の魔術には妄執の炎が込められるようになる。
それは奇しくも母親と同じ、系統術式の「外側」への第一歩であった。