No.107743

SHUFFLE!&リリカルストーリー 17

グリムさん

今回は模擬戦後に楓と桜に起こったことについての話です。
それではどうぞ

2009-11-18 22:58:41 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:1977   閲覧ユーザー数:1844

第十七話 ‘繋ぎ’と‘結び’そして想い

 

 

 

青龍の模擬戦の終了を告げる声を聞いた後、ユーノは稟に突き付けていた刀を下ろした

 

「はぁ、負けちまったかぁー、けどユーノ、なんで最後ラウンドシールドで俺のカリバーンを受け流せたんだ?前はかすっただけでカリバーンのちからに耐えられずにラウンドシールドが消えてただろ?」

 

「……稟、何のためにボクが“弧閃”を撃ったと思ってるんだい?カリバーンの威力を下げるためじゃないか」

 

ユーノが稟の疑問に一部だけ答える

 

「あぁ、威力が下がったからラウンドシールドでも受けとめられたと」

 

ユーノは稟のその言葉に頷く、ふたりがそんな他愛もない話をしてる間にフェイト達が訓練場に降りてきていた、ちなみに青龍はそんな二人の様子をやさしい微笑みで眺めている

 

「ユーノお疲れさま」

 

 

「稟くんお疲れ様です。怪我とかはないですか?」

 

 

「稟くんの疲れさまでした。負けちゃったけどかっこよかったよ稟くん」

 

 

「とうさんかっこよかったです」

 

「おとーさんすごかったです」

 

「………あんたら二人があんなに強いとわねぇ、ユーノはそれなりに強いのは知ってたけど」

 

フェイトと楓、桜はそれぞれの想い人に真っ先に声をかけ、(三人はその後、想い人のちかくに行って寄り添うようにしていた)エリオとキャロはユーノに抱きついていった。

アルフはそんな主人とその想い人、息子と娘、友人たちの様子を苦笑しながらもやさしい表情で眺めている。そんなアルフに青龍が声をかける

 

「ふふっ、あんな楽しそうなユーノ久しぶりです。そう思いませんか?アルフさん」

 

「そうだねぇ、管理局のお偉いさんとかへの対応の後いつもしかめっ面してたしねぇ。わたしもあんな楽しそうなユーノ久ぶりにみるよ」

 

ふとアルフは不思議に思う

 

 

「あんたとはなんか昨日初めて会った気がしないねぇ、なんか昔からの友達みたいな気分になるよ」

 

それは青龍も感じているらしく

 

「そういえば話すのは初めてなのにアルフさんとは喋っていて違和感がないですね」

 

とかえす。ここにアルフと青龍、ふたりの友情が出来上がったのだった

 

ANOTHER VIEW

 

SIDE 楓

 

とりあえず稟くんたちも疲れているようなので上に上がることにします。

そう決めてみんなが動きだそうとしたときそれはきこえました。

???『……あぁ、やっと逢えた』

 

「「え?稟くん何か言いましたか(言った)?」」

 

「?いや、なにも言ってないが」

 

わたしの耳だけに響く声それが続けてにわたしに語り掛けます。けれどなぜか桜ちゃんも私と同じような反応をしています。桜ちゃんにも聞こえているんでしょうか?

 

???『私の声はあなたにしか聞こえていませんよ。我が主』

 

「「え?え?」」

 

「?楓、桜どうしたんだ」

 

 

わたしたちの戸惑うような声に気が付いたのか稟くんが心配そうに声をかけてくれます。

稟くんの声は届いているのですがわたしはこの時答えませんでした、この声はなにかわたしにとって、そして自分の想い人である稟くんにとって、自分の無二の幼なじみであり親友である桜ちゃんにとっても重要なことのように思えたましたから

 

???『さぁ我が主、呼んでください、我が名を!!さすればわたしはあなたの助けとなりましょう。我が名は…』

 

「「あなたの名は……」」

 

いきなり何かつぶやきだすわたしと桜ちゃんを稟くんやユーノくん、フェイトちゃんたちが心配そうに見ていますけど今の私には気になりませんでした

 

楓・???「『永遠神剣第六位“繋ぎ(ツナギ)”!!』」

 

桜「永遠神剣第六位“結び(ムスビ)”!!」

 

そして私の周りを風が包み込んだんです

 

 

ANOTHER VIEW OUT

 

 

 

 

ANOTHER VIEW

 

SIDE 桜

 

 

とりあえず稟くんたちも疲れているみたいだから上がることにしよう。

そう決めてみんなが動きだそうとしたときそれはきこえたの。

 

???『……あぁ、やっと逢えました』

 

「「え?稟くん何か言った(言いましたか)?」」

 

「?いや、なにも言ってないが」

 

わたしの耳だけに響く声それが続けてにわたしに語り掛けてくる。けれどなぜか楓ちゃんも私と同じような反応をしてるんだよね。楓ちゃんにも聞こえてるのかな?

 

???『私の声はあなたにしか聞こえていないんです。主人、いきなりこんなことになって混乱していることでしょうけどとりあえずは……』

 

「「え?え?」」

 

「?楓、桜どうしたんだ」

 

 

わたしたちの戸惑うような声に気が付いたのか稟くんが心配そうに声をかけてくれる。

稟くんの声は届いているのですけどわたしはこの時答えようとはしませんでした、この声はなにか自分にとって、そして自分の想い人である稟くんにとって、自分の無二の幼なじみであり親友である楓ちゃんにとっても重要なことのように思えたから

 

???『さぁ主人、呼んでください、わたしの名を!!そうすることでわたしはあなたのたすけとなります。わたしのなまえは…』

 

「「あなたの名は……」」

 

いきなり何かつぶやきだすわたしと楓ちゃんを稟くんやユーノくん、フェイトちゃんたちが心配そうに見ていたけど今の私には気になりませんでした

 

桜・???「『永遠神剣第六位“結び(ムスビ)”!!』」

 

楓「永遠神剣第六位“繋ぎ(ツナギ)”!!」

 

そして私の周りを風が包み込んだんです

 

 

 

 

ANOTHER VIEW OUT

 

 

 

 

 

 

 

楓と桜のまわりに風が巻き起こり楓と桜が光に包まれる。フェイト達が驚愕のあまり動けない中、一人動きだすものがいた。

 

「っつ!!桜、楓ぇー!!」

 

稟である。その顔は恐怖に歪んでいた、大切なものを失う恐怖に。

稟は自分の両親と楓の母が死んだ事故のあと自分にとって何よりも大切なふたりの少女を護ると誓ったのだ、今は亡き楓の母や自分の両親に、自分を育ててくれた幹夫おじさんにそして何より自分自身に、だから稟は動く、自分にとって何より大切なふたりの少女を守るために、しかしその肩を掴む者がいた

 

「離せ!!ユーノ、桜が、楓がぁ」

 

稟はユーノを振り払おうとする。だがユーノは稟に告げるのだ稟にとって希望となる一言を

 

「大丈夫だよ、稟。あれはボクが生と契約したときと同じものだから」

 

「え?」

 

稟は信頼するユーノの一言により落ち着きを取り戻す。そしてふたりのほうに視線を戻すと光が治まっていくところだった

 

その中から現われたのは白のドレスの上に左だけ肩当てのついたオレンジの胸甲鎧、同色の籠手、白銀の脛当てのついたアサルトブーツを履き、そして右手には武骨な作りの薄オレンジの光を放つ大剣をもった異装の楓の姿。

 

そしてゲームで神官が着ているようなのローブに身を包み(色は桜色)、手にそれとは正反対の色の漆黒の何の飾り毛もない杖を持った異装の桜の姿。

 

「「え?あれ?わたし」」

 

そんな楓と桜の様子を認めると稟は吸い寄せられるように楓と桜にむかい歩いて行き、そして思いっきり二人を抱き締めた

ユーノ達はその雰囲気を壊さないように「じゃ話は上に上がってからね」て声をかけてその場を後にした

 

 

「え?え?稟くん?」

 

 

「ちょ、ちょっと稟くん!?」

 

 

「………」

 

稟はさらに強くふたりを抱き締める

 

「稟くん、ちょっと苦しいです……稟くん?」

 

 

「稟くん、ちょっとだけ苦しい……稟くん?」

 

ふたりは赤くなりながらも抵抗しようとしない、そしてふたりは稟の様子がおかしいことに気が付いた

 

「「稟くん……泣いてるんですか(泣いてるの)?」」

 

稟は泣いていた……両親が死んだときでさえ気丈に涙を見せなかった稟が……ふたりが無事だったことへの安堵、ふたりが今ここにいることへの喜びから。

そして絶対にもう離さないと言うように強く、強くふたりをを抱き締める。

自分が今感じている思いを、気付いた感情を、その思いを向けるふたりの幼なじみの少女を

 

「よかった、楓と桜が無事でふたりになにかあったら俺、俺……」

 

「「稟くん……」」

 

二人は手に持った武器手放し稟に抱きつく。武器を手放すと同時にもとの姿に戻る

 

「いなくならないでくれよ……そばにいてくれよ……それだけでいいんだ、それだけで俺は俺でいられるから」

 

ふたりは稟の言葉がすすむにつれて稟を抱きつく腕に力を込める、自分は稟の傍(ここ)にいると、稟の傍(ここ)がわたしの居場所だと伝わるように強く強く抱き締めながら言葉を紡ぐ

 

「わたしは稟くんの傍にいます、稟くんの傍(ここ)から離れろって言われたって離れません、誰がなんと言おうと稟くんの傍(ここ)がわたしの居場所です」

 

「うん、そしてわたしの居場所は稟くんの傍で楓ちゃんの傍です……だって結局、離れられなかったから。夢を選ぼうって決めてたのに……。だから誰になんと言われようともここが私の居場所。どんなことがあっても帰ってくるべき場所なんだから」

 

楓が言葉を紡いだ後、続けるように桜が言葉を重ねる。それは誓いのようだった。稟と楓にとっては子供の時の二人でずっといようという誓い(お互いに相手は忘れていると思い込んでいる)のやり直し、桜も交えた新たな約束。

 

5分くらいだろうか?稟たちはその姿勢のまま無言で抱き合っていた。

その心地よい静寂のなか稟が姿勢はそのままに言葉を紡ぐ

 

「なぁ、ひとつだけわがまま言っていいか?」

 

ふたりは稟の声に聞き入りながらこくりと頷く、その気配を察して稟は続ける

 

「ふたりともずっと一緒にいてくれないか、そのさ……」

 

そこでいったん言葉を切り続ける

 

 

「…俺の恋人として」

 

「「え?!」」

 

楓と桜は驚いたような声を出し目に涙を浮かべる、もっとも稟からは見えていないが

しかし稟はすぐに気が付いて、しかし言葉を続ける

 

「……楓と桜の二人ともなんて失礼かなっては思うんだ」

 

自分の気持ち、さっき気付けた気持ちを言葉にする

 

「おれさ、たぶん今まで“ふたりのうちどちらかなんて選べない”って考えてたんだ………」

 

でも………

 

「違ったんだ。おれはきっとずっと前から選んでたんだよ、そのさ…楓と桜のふたりといることを……。無自覚だったけどきっと小さい頃から…さ」

 

 

 

稟が語りおわると少しの間静寂が満ちる

そのなか今度は楓がくちをひらく

 

「……ほんとにわたしは稟くんの隣にいていいんですか?」

 

「ああ」

 

「でも!!わたしは稟くんに昔ひどいことしました!!稟くんを苦しめて、迷惑かけて、そんなわたしに稟くんに好きになってもらって恋人として隣にいる資格なんてありません………。

だから……」

 

楓は悲しそうに笑って稟の胸のなかから離れようとしながら告げる

 

「わたしを好きにならないでください。わたしは稟くんをずっと好きで居続けます、稟くんがそばにいてほしいというなら居ます。だから……わたしを好きにならないでください」

 

その言葉とともに離れていこうとする楓を

 

「い・や・だ!!」

 

そのことばと共に思い切り抱き締める

 

「え?」

 

「おれは言ったぞ?わがままを言うってな、頷いただろ?楓は。だったらその責任とってもらう。それにおれは子供のころの約束も、今の約束も守りたい。 楓を受け入れたい。そして楓に受け入れてほしい」

 

楓は茫然として稟を見て……

 

 

「稟くん……覚えて……忘れてるって忘れられているって思ってました」

 

 

「忘れられるわけないだろう。あんな大事な約束」

 

 

「あの約束があったからわたしは稟くんの傍にいられたんです。アンナに稟くんにひどいことしたのに………約束を守らなきゃって自分自身をだまして、わたしにとってあれが稟くんの傍にいられるための最後の繋がりだったんです」

 

 

「…………」

 

そうして稟を見上げる楓の顔は泣きそうだった。稟も桜も楓に一番近しい者として楓の独白に聞き入る

 

 

「自分が許せなかったんですだから。わたしのことを考えて、わたしのために自分を犠牲にしてくれた稟くん。そして稟くんをただ拒絶し続けていた私。わたしは稟くんが好きです。だから稟くんのお世話をしたかったし、し続けてきました。けど稟くんの思いは本物なのにでもその裏で違う考えを持っている自分がいたんです」

 

 

楓の独白は続く。稟は自分が許せなくなりそうだった。こんなにも自分を責め続けていた楓、それに気付けなかった自分。そして胸の中で涙を流す楓

 

 

「稟くんを愛して、稟くんに愛してもらえれば、それが自分への許しになるんじゃないかってそう思ってる自分が。稟くんへの思いを、稟くんの思いを自分が許しを得るための道具みたいにしてる自分が!稟くんに愛してもらうことで自分を許してもらおうとしている私が!それがわたしは許せなかった………!」

 

 

稟と桜は思う。きっとこれは断罪。なにもわるくない幼かった楓が今の楓を罰している。自分を許せないでいる

誰も許してくれなかったから自分も自分を許せない。………許したくない。

楓の自分自身による断罪

 

 

「怖いんです………稟くんに嫌われることが………稟くんにだけは嫌われたくないんです!稟くんにとってわたしが少しでも必要でいたかった!不必要だと思われたくなかった!」

 

 

楓はずっと泣いていた。自分で自分の心を切り裂きながら、それでも笑顔で泣いていた

 

 

「稟くんは、稟くんはわたしを許してくれますか?」

 

 

不安と怯えに染まりきった目が稟を見つめる。桜が稟を抱く手に力を込める、まるで楓ちゃんをお願いとでも言うように

 

 

 

だから………稟は笑った。思うままに素直に笑った。やさしく楓を包み込むように

 

 

「ばかだなぁ、楓は。……楓がやってきたことなんてさ、もうとっくにゆるしてよ。……だからさ一緒にいてくれよ。

桜と一緒に、俺の恋人としてさ」

 

 

「………稟くん」

 

 

「なあ約束しないか。あの時と同じ約束」

 

 

「は、はい!!」

 

 

「ずっと一緒にいてくれないか?」

 

 

「ずっと一緒にいてください」

 

 

「それわたしも参加していい?」

 

 

桜が拗ねたように言ってくる

 

 

「「もちろん」」

 

 

「ずっと、ずっと一緒にいてください」

 

 

そうして楓は笑う。桜も笑う。涙をながしながらもきれいな笑顔で二人はそれぞれ稟と口づけを交わしたのだった。

 

稟は少し前までは幼なじみ、いまは恋人になったふたりの少女をみて笑う

 

「大好きだからな、ふたりとも」

 

顔を赤くしながらそういった後

 

(ふたりは何があってもおれが護る………)

 

そう胸に誓ったのだった

 

この後三人は今あったこと(楓と剣、桜と杖のことであり、決して稟のプロポーズじみた告白ではない)の説明を聞くために上にあがったのだった。もちろん両サイドには稟に腕をからめている大切なふたりの少女の姿があった

 

 

 

 

この日少年の胸に生まれた一つの誓い、それはきっと未来永劫かわらず少年の胸にともることだろう。

 

 

 

あとがき

 

こんばんはグリムです。今回やっと当初の予定にあった永遠神剣を出すことができました。ちなみにふたつともオリジナルの神剣です。

とりあえずオリジナル神剣の設定です

 

 

永遠神剣第六位 繋ぎ   所有者 芙蓉楓   神獣 ???

 

 

大剣型の永遠神剣、薄くオレンジに明るく光っている。青属性。

神剣を装備すると楓は白のドレスの上に左だけ肩当てのついたオレンジの胸甲鎧、同色の籠手、白銀の脛当てのついたアサルトブーツという姿になる。

 

 

永遠神剣第六位 結び   所有者 八重桜   神獣 ???

 

杖型の永遠神剣、色は黒く特に目立った装飾などは無い。赤属性。

神剣を装備するとゲームで神官が着ているようなローブ姿(色は桜色)となる。

 

 

ちなみに属性は青(水、氷)、赤(火)、緑(風、大地)、黒(闇)、白(光)となっています。

 

 

神剣に関してわからないならあとがきなどで説明しますので気軽に言ってきてください。

神剣の設定は話数が進むごとにあとがきのページで情報を更新していきます。

 

 

では今回はここで失礼します。読んでくださっている方々本当にありがとうございます

 


 
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