No.1045477

深海の天秤〈第一章 ファースト・インパクト⑨〉

神嘗 歪さん

 その女性は、入ってきた二人に背を向けている状態で座っていた。
 女性の前にはテーブルを挟んで、白衣姿の医者と年配の看護婦が一人づついる。
 女性は落谷たちが入って来たことに気づいているようだが、振り向く様子は無い。代わりに医者が阿妻の顔を見るなり軽く頷く。
たぶんその意図は、健康上問題無いという意味だろう。
 阿妻は隣の落谷に、子声で「引ったくりに襲われたさいに頭を打ったようなので、念のため細かく検査を受けてもらいました」と説明する。そしてすぐに、医者と看護婦に向かって「すみません。彼女と話がしたいので、少し席を外していただきますか?」と言った。

続きを表示

2020-11-07 12:29:15 投稿 / 768×1024ピクセル

2020-11-07 12:29:15 投稿
総閲覧数:228 閲覧ユーザー数:223
768×1024ピクセル

0
このエントリーをはてなブックマークに追加
0
0
1
1

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択