No.101887

真・恋姫†無双 公孫賛√ ~白花繚乱~第5話

公孫賛√第5話。
だんだんページ数が減ってきた(´・ω・`)
その分投稿ペースを何とかするから許してね(´・ω・`)

一刀が最初に立ち向かう政策といえばやっぱり警備だとおもうんだ。

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2009-10-19 17:46:27 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:7995   閲覧ユーザー数:6436

 

 

 

 

 一週間が経った。

 

 その間も一刀は暇をみては、街へとでていた。

 

 街を歩いては、商人や様々な店主、買物に出ている者など、交流を深めていった。

 

 しかし、一刀自身は複雑なところもあった。交流を深めるというそれ自体はまったく問題ないし、寧ろ願っても無いことなのだが………

 

 ”おーい、一刀ちゃ~ん”

 

 ”一刀ちゃん、こっちにいいのあるよー”

 

 など。皆の一刀に対する呼び方は、”ちゃん”付けがデフォルトになっている。

 

 女性の容姿になってしまっているのだから、それは自分でもどうしようもなく、半ば諦めている。

 

【一刀】「はぁ………」

 

 一通りのやり取りを終え、街を歩いていた一刀は深い息を吐いた。

 

 その意味はここまでの自分に対する扱いも含まれているが、どちらかといえばその比率は寧ろこれからの事を懸念してのものだった。

 

 白蓮に案内してもらったときに街の事はある程度理解していたつもりだったが、どうやら浅はかだったようだ。

 

 これから歩くゾーンが歪んで見える。

 

 体感的に足が鉛のように重くなる。

 

 しかし、踏み込まねばならない。一刀は約束した。乱世を白蓮と共に乗り切ると。だからこれはそのための一歩だ。

 

 そう決意し、一刀は前へと踏み出す。

 

 

 

 ―――ギィィィン………

 

 

【一刀】「ひっ……」

 

 暗くなっている路地、建物の中。それらから感じる異様な視線。

 

 まだ慣れるほどここに住んでいるわけでもなく、元男としてはそんな視線に晒される経験もあるはずも無い。

 

 そして次第に聞こえ始める声。

 

 ”一刀たん………”

 

 ”ハァ……ハァ……”

 

 

【一刀】「………ぁはは……」

 

 まったく笑えない。

 

 周囲から聞こえる囁きと息遣い。ソレがどういったものかは分かっている。しかし、立場が異性になるとこうも印象が変わるものかと実感した。

 

 いつ襲ってくるか分からない。そんな飢えたオーラを漂わせる空間。それがここだった。

 

 街のはずれといってもいい場所。一言で言うなら”危ない”。

 

 白蓮がここを避けていたのか、無意識かは分からないが、案内されたときには来なかった場所。

 

 一刀はそんな視線に身を晒しながらも、様子を見て城へと戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【一刀】「つ……つかれた……」

 

【白蓮】「なんだか、日に日にボロボロになっていくな…お前」

 

 戻った後、壁に寄りかかるように歩いてた一刀にかけられた最初の声はそんなものだった。

 

【一刀】「白蓮………ただいまぁ…」

 

 一刀は彼女を姿を見ると、寄りかかる対象を壁から白蓮へと変更した。

 

【白蓮】「うわっ!…と。いきなりもたれかかってくるなよ。おとしちゃうだろ?」

 

【一刀】「愛があればなんとかなるさぁ…」

 

【白蓮】「あ、愛って、なにいってんだよ!?」

 

【一刀】「へへへ……」

 

【白蓮】「こ、壊れてる……」

 

 赤くなった顔を引きつらせながら、白蓮は一刀に肩を貸して歩き出す。

 

 二人してくっついて歩いているのだから、当然歩行速度は段違いに遅い。ゆっくりと一刀の部屋へと運んでいくが、なかなかたどり着かない。

 

 こうなると広い城が恨めしくなるが、そんな気持ちは、前から歩いてきた人物をみて吹き飛んだ。

 

 

【星】「おや………これはこれは……仲の良いことで」

 

【白蓮】「星、顔がにやけてるぞ」

 

【星】「そんな事はありませぬ……くくっ」

 

【白蓮】「何想像してるんだよ!い、言っとくけど、勘違いだけはするなよ!これは一刀がろくに歩けもしないから――」

 

【星】「わかっておりまする。この趙子龍、わが槍に誓って白蓮殿に百合っ気があるなどということは断じてないとこの身命に刻んでおりますので」

 

【白蓮】「……声が笑っているぞ」

 

【星】「キノセイデショウ」

 

【白蓮】「なんでカタコt――わわっ!ちょ、一刀!しっかり立て!」

 

【一刀】「……………zzz」

 

【星】「…――あははは。この寝顔ではからかい甲斐もありませんな。」

 

【白蓮】「はぁ……仕方ない。星、さすがに一人だときついから手伝ってくれないか?」

 

【星】「わかりました。」

 

 

 二人して眠ってしまった一刀を部屋へと運ぶ。

 

 その途中――。

 

 

【星】「ふむ。これは役得。」

 

 ――ムニュ

 

【白蓮】「こ、こら!何揉んでるんだよ!」

 

【星】「胸ですが」

 

【一刀】「んん……」

 

【白蓮】「変な声をだすなっ!」

 

【星】「寝ている者に何を言っても無駄というものです。そして何をしても――」

 

【白蓮】「こらーーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――翌日、朝。

 

 

 がばっ。

 

【一刀】「ねてた!!」

 

 思い切り勢いをつけて体を起こし、だした一言。

 

【一刀】「………………なんで、裸…?」

 

 上半身だけだったが、何故か服が脱がされていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 目覚めた一刀が最初に向かったのは書庫。そして広間だった。

 

 まず書庫で地図をもらい、広間にて白蓮を呼び出していた。

 

【一刀】「とにかくまずは、ここを潰す!」

 

【白蓮】「つ、潰すって……」

 

 そういって一刀が指さしたのは昨日訪れた街の一角。

 

【一刀】「この一角の雰囲気はただごとじゃないんだ。他の治安がいい分、悪いのがここに偏ってる。」

 

【白蓮】「あ、あぁ」

 

 それは白蓮も分かっていることだった。だからこそ初日に案内しなかったのかもしれない。

 

【一刀】「まず、この偏った状態をなんとかしないとだな……」

 

 地図を睨みながら、一刀は呟く。

 

 以前の経験から、一部ではなく、点在しているような治安の悪さならば前と同じやり方で対処できる。まとまっていられると手も出しにくい上に周囲の市場にも悪影響を及ぼすことだってある。

 

【一刀】「ここを中心に警備網を再編成したい。白蓮どうかな」

 

【白蓮】「あぁ、頼む。」

 

【一刀】「よし。じゃあ、さっそく行って来る」

 

【白蓮】「え、今からいくのか!?」

 

【一刀】「早いほうがいいだろ?んじゃ、またな~」

 

 一刀はそういうと扉を出て走って行った。

 

【白蓮】「ふぅ……」

 

 大きく息を吐いた白蓮は苦笑いになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 広間をでた一刀は兵舎へと向かっていた。白蓮から許可をもらったとはいえ、元々の責任者だっているわけで、その人と色々話もしないといけない。

 

 

 早歩きになりながら、一刀は兵舎の中へと入る。

 

 そして、とあるひとつの扉を開け、その部屋へと入った。

 

【一刀】「失礼します!」

 

 その瞬間、奇跡が起きた。

 

 

 

 ――”か、一刀たん!!?”

 

 

 

 

 

 ……………………。

 

 

【一刀】「………………。」

 

 中にいたのは数人の兵。しかし、彼らは兵卒ではなく、伍長や曹長といった兵をまとめる者達。

 

 ”………………。”

 

 奇跡のハモリを見せた彼らはしばらく何も言葉をださなかった。

 

 ”ご、ごほんっ!………これは北郷殿。いかがなされましたかな”

 

 

 そんな彼らの言葉に、一刀は「いえ」とだけ告げて、一度その部屋をでた。

 

 

 

 

 

【一刀】「かなり………大変な問題かもしれない…。」

 

 ため息交じりの声はずいぶん弱弱しかった。

 

 


 
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