TINAMIX REVIEW
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藤本由香里「少女マンガのセクシュアリティ 〜レイプからメイドへ〜」(前半)

青少年のための少女マンガ入門
藤本由香里インタビュー「少女マンガのセクシュアリティ 〜レイプからメイドへ〜」(前半)
取材・構成: 鵜殿/サトー/相沢恵/編集部
藤本由香里(ふじもと ゆかり)
1959年熊本県生まれ。東京大学教養学科卒。筑摩書房で編集者として働くかたわら、コミック・女性・セクシュアリティなどを中心に評論活動を行う。『週刊文春』『ESSE』共同通信などにマンガコラムを連載しているほか、http://www.isize.com/bookで「愛情図書館」、他に熊本日日新聞、『ジャーゴ』などでも連載中。著書に『私の居場所はどこにあるの?』(学陽書房)、『快楽電流』(河出書房新社)、最新刊に、清水玲子・萩尾望都など7人の少女マンガ家と『ベルセルク』の三浦建太郎へのロングインタビュー、最新のまんがコラムをまとめた『少女まんが魂』(白泉社)がある。最近、竹宮惠子氏のマンガ論の集大成ともいえる『竹宮惠子のマンガ教室』(筑摩書房)を編集した。
今年暮れには、『愛情評論――家族をめぐる物語』を文藝春秋から、同時期か来年1月には、若い女性向けの生き方エッセイ『大人の選択』を講談社から、それぞれ発売予定。
藤本由香里 著作紹介
『私の居場所はどこにあるの?−少女マンガが映す心のかたち』
(学陽書房/1998年/1,600円)
少女マンガ評論に新たな可能性を切り拓いた好著。それまでも萩尾望都や倉多江美、大島由美子など評論家好みの作品に対する評論は数多くあったが、少女が日常的に接していたマンガを広く素材として取り上げて体系的に語ったものは、米沢嘉博のものを除けば見あたらない。そしてジェンダーとセクシュアリティという視点から、米沢とはまったく違った少女マンガ像が浮かび上がる。今後、本書は古典的な位置を占め、参照軸の柱となっていく可能性が高い。

『快楽電流−女の、欲望の、かたち』
(白藤花夜子との共著/河出書房新社/1999年/1,600円)
少女マンガを少し離れ、広い素材からセクシュアリティ一般について語られている。女性が欲望の主体となることについて、様々な視点から語られる。

『少女まんが魂−現在を映す少女まんが完全ガイド&インタビュー集』
(白泉社/2000年/1,500円)
テーマ別に最新の少女マンガを網羅したガイドが便利かつおもしろい。複数の編者による少女マンガガイド本は宝島のものをはじめとしていくつかあるが、一人の編者でここまで浩瀚なガイドが成立するのは驚きである。註が充実したインタビューも楽しい。少女マンガはこれからという人にも既にマニアの人にもそれぞれの読み方が可能である。
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